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Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by - 2024.05.20,Mon
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Posted by norlys - 2008.12.12,Fri

本日の日経BPオンラインの内容で目に留まった記事。
資源、エネルギー、アフガン情勢、中国。。と、個人的な関心ツボのど真ん中に直撃ヒット。

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アフガンを攻める中国の資源戦略
2008/12/12 谷口 正次 氏

アフガニスタンでは、アルカーイダがいまだに跋扈しているばかりか、反政府勢力タリバンが復活してきたために米軍が増派されようとしている。

そのような危険な国において、中国は大規模銅鉱山を開発しようと計画している。

2007年11月、中国はアフガニスタン政府と35億ドルの投資を行う契約を結び、30年間の探鉱・開発権益を取得した。この銅鉱床は、2004年以降、中国、カナダ、ロシア、米国、インドから来た9社の探鉱会社が調査をしていたが、争奪戦の結果、中国が落札したものである。

確認されている埋蔵量が6.9億トンで品位が1.65%と高く、1130万トンの銅地金が取れる。これは地質技術者によると世界最大になるということである。

銅鉱床は首都カブールの南部、ロガール州アイナク(Aynak)にある。35億ドルという外資による直接投資はアフガニスタンの歴史始まって以来最大の金額である。銅鉱石の価値は880億ドルとも言われている。

しかし、その地域には鉱山開発に必要な電力を供給できる発電所はなく、そのうえ採掘した銅鉱石を運搬する鉄道もない。したがって、投資額35億ドルの中には、鉱山の近くに400メガワットの石炭火力発電所と鉄道の建設費用も含まれているわけだ。

発電された電力の一部は首都カブールへも送られる。なにしろカブールでは現在1日に数時間しか電気が来ないところが多い。この発電所では5000人の雇用が生まれるといわれ、そのほかに、銅鉱山と鉄道建設にも5000人の労働者が必要だそうだ。

中国企業は、発電所と鉄道が完成する時期に合わせて、6年以内に銅採掘のフル操業をしたいという意向だ。鉄道のルートは、西中国からタジキスタンとアフガニスタンを通ってパキスタンとつながることになる。貨物鉄道の建設はアフガニスタンでは初めてである。

民間企業にとっては、アフガニスタンのように危険なところでインフラを建設することは極めて高いコストとリスクを覚悟しなければならないため、手を出せないのが普通だ。

しかし、中国国営企業にとっては、中国西部を開発するとともに周辺国とリンクさせて貿易ネットワークを作るという北京政府の遠大な計画に貢献するプロジェクトであるから、いくら高くついても許容されるわけだ。

したがって、このプロジェクトは、いま大規模投資が行われている西部開発の一環として捉える必要があると同時に、中央アジア、南アジアそしてイランへもリンクされることになる。中国西部開発のためには、エネルギーも鉱物資源も必要になるからだ。

(どんと中略)

中国がこのプロジェクトの開発権益を落札したわけだが、入札には英国企業のカザフミス・コンソーシアム(Kazakhmys Consortium)、カナダのハンター・ディキンソン(Hunter Dickinson)そして米国の資源メジャー、フェルプス・ダッジ(Phelps Dodge)が参加した。

多くのアナリストを驚かせたのは、中国冶金科工集団の35億ドルという応札価格の高さだ。他はみな20億ドル以下と踏んでいたようである。
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全文を転載するには長いけど、要約するまでもなく簡潔にまとめられた内容なので、前半半分と最後をまるっと引き写し(申し訳ありません)。

全文を読むには読者登録(無料)が必要なのでちょっと面倒だけど、日経BP社のサイトは玉石混交でなかなか面白いので個人的にはオススメ。自分の場合は仕事上の必要があって登録したのですが、あれこれ拝読させていただいております。

この記事を読んで思うことは色々とあります。

世界規模での経済恐慌の衝撃を自らも真っ向から食らいつつも、一度火のついた中国の経済発展は走り続けるしかないのだと中国側が認識していること(それが良いことか悪いことかはひとまず脇において)。

中国の西部拡大主義はさらに進むであろうということ。そのために、チベットや東トルキスタンなどの中国西部に位置する自治区の自治権拡大や独立はますます困難になるであろうということ。

自分は中共の方針は好きではないので、どうしても批判的なフィルターを外せずにいます。たとえば、厭が応にもスーダンにおける石油利権をめぐる中国の暗躍などを思い出してしまいます。
たとえ、この契約が国際的な入札制度の下に決定したものであっても、中国の資源戦略と聞くだけで脊髄反射で湧き上がる嫌悪感を抑えることはできません(大人になろうぜ、はい)。

ただ、中共が順調な経済発展こそが幸福の証であると説き主導することを、ただ単に非難することは難しいというジレンマもあります。

石油価格の暴騰暴落に翻弄され、欲望にまみれた市場主義経済に疲弊し、いったいどこに軸足を置くべきか迷いがある自分に対し、躊躇いもなく拡大発展路線を掲げる野蛮さと野放図さと能天気さが少々羨ましいような気もするし。

かといって、もうそろそろ資源戦略をめぐって地域紛争を続けるような世界からは脱却してほしいような気もするけど、そんな絵空事が今すぐ叶うような現実とは思えんし。

まぁ、個人的に、先日のインドのセーン国連大使の発言はごもっともだと思いまする。

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私から見れば、開発・人権に貢献してきたとうたうこの年次報告書の評価は、『無意味』とまで言わなくても『不適切』だ」と語った。さらに「国連は(このような報告書ではなく)世界の政治経済をどのように再構築できるかという報告書を作成するべきだ」と現在の経済危機で国連が取るべき役割の重要性を論じた。
(「インドのセーン大使、国連を激しく非難」 Voice Of India, 2008/10/08 16:46:19 JST)
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国連が大好きでたまらない朝日新聞こそ、こういう主張をすべきだとも思うわ(はぁと。

第一、アメリカの時期大統領オバマ氏がイランとの対話路線を掲げながらもアフガニスタン増派を支持しているとのことだし。おまけに、すぐ近くのカシミール地方も一触即発の状態だし。そんなわけで、アフガン和平の実現はまだまだ予断を許さないものがあるし。

それでも、さまざまな国の思惑や自国内の勢力によって壊滅的に破壊されてきたアフガニスタンという国の経済発展という萌芽が潰えることなく、人や環境と調和を保って根付いてほしいという気持があります。

収益がお役人の懐に収まるのではなく、現地に学校ができ教育の場が広がったりすると。。いいんですけどね。。操業開始後は、中国は年間4億ドルをアフガン政府に支払うそうですが。。

そういえば、ちょこっと情報を検索していたら、こんな記事がありました。

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書籍販売業者が読書の習慣を奨励」(在日アフガニスタン大使館、2008/08/01 ※元ソースはロイター)

国内の30年にわたる戦争のために、かつては多くの重要なアジアの学者、科学者、そして詩人たちの生まれた場所であるアフガニスタンで、読書は虐げられてきた。

「書物を通して、子供たちは自分の文化や歴史を知り、世界を理解するのです。書物は海のようなものです。真珠を手に入れるためには、海に飛び込まなければなりません。」と(書籍販売業者である)Rais氏は語った。
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タリバン勢力は情報や教育を悪と捉え、書籍の販売や読書を禁じあまつさえ焚書にしたそうです。
長い紛争の中で疲弊した社会にあっても、それでも人は書物を愛し知に飢えているのだと、そう思うだけでなんだか希望の光が見えるような気がします。
(このRais氏って、「カブールの本屋 」の主人公の方ですね。ご健勝そうでなによりです)

まー。。。なんかもう、色々と考えさせられます。
ぶっちゃけ、たいそう複雑な気分です。

幸いにも、この記事がとても淡々と経緯や事実だけを列記して書かれたレポート的な文章だということだけが救いです。

この中国の貪欲な経済発展を手放しで賞賛してきた故筑紫哲也氏などや、「国益優先」主義で国体重視の割にはそこに住まう人を考慮せずに神の視点で語る佐藤優氏、最近主張がフラフラ偏向している伊東乾氏などのジャーナリスト諸氏がこの記事を扱ったら、いったいどんなプロパガンダが展開されたかと想像するだけでうんざりしますもん。

まぁ、日本はアフガニスタン支援に今まで累積20億ドル近くを支出してきたそうだけど、いったいどこに消えたんだ?? とかは突っ込んでみてほしいかな、とは思いますが。

上記の記事に参考記事のリンクが貼られていますので、別のリンクを。

■Related Links:
バンクーバーの鉱山会社Hunter Dickinsonが、アフガニスタンの銅鉱山に入札
(2007.09.21 在日アフガニスタン大使館 (ソースはThe Canadian Press))

中国冶金建設集団公司、アフガニスタン銅鉱床開発権取得
(2007.11.27 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構)

中冶集団と江西銅業の共同体、アフガニスタンで中国全体の銅鉱埋蔵量の3分の1に相当する銅鉱開発事業の鉱
(2007.12.03 中国環境能源資訊)

はー、どっとはらい。

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/*以下、自分用メモ

中冶集団と江西銅業の共同体、アフガニスタンで中国全体の銅鉱埋蔵量の3分の1に相当する銅鉱開発事業の鉱

(20071127)

 「中国冶金科工集団公司」(以下、中冶集団と称す)と「江西銅業集団〔香港H株〕」は21日、アフガニスタン政府から大型銅鉱開発プロジェクトの入札権を獲得したとの連絡を受けたことを明らかにした。これにより、2社は「Aynak copper」銅山の鉱山権100%を取得することになる。プロジェクトの投資総額は約37億ドル(約4,000億円)とのこと。

 「Aynak copper」銅山は首都カブールから東南約35キロメートルにあり、1974年に発見されたが、長い内戦によって開発されずに現在に至っている。銅鉱床の規模は大きく、鉱石品位も高く、資源としての将来性も高い。すでに調査された銅鉱石の埋蔵量は6.9億トン、銅金属量1,100万トン、鉱石量7.05億トン、平均銅含有率は1.56%とのこと。商務部の資料によると、同銅山の埋蔵量は中国全体の銅鉱埋蔵量の3分の1に相当するとのこと。   

 アフガニスタンは鉱産資源に恵まれており、6,000万トンの銅資源のほか、222.6億トンの鉄鉱石資源と宝石および大理石を含む其の他の鉱産資源を有する。30年にわたる内戦が終わり、アフガニスタン政府は外国から鉱業企業を誘致し、自国の鉱業を重要な経済の柱として蘇らせようとしている。

 中冶集団と江西銅業の入札プランによると、年間22万トンの電解銅を生産する計画。建設作業は半年から1年後に開始し、5年後の完成時には、アフガニスタン政府に毎年4億ドル(約432億円)の運営費用を支払うことになっている。 

 中冶集団の関係者によると、将来的には自社の工事総請負経験を活かし、国際慣例に基づいて「Aynak copper」銅山開発プロジェクト総請負に参与したいと考えている。また、江西銅業は銅選鉱の需要が大きいため、銅選鉱は優先的に江西銅業に販売される見込みだ。

 中国は2003年から世界最大の電解銅消費大国となり、世界消費量の約5分の1を占め、その半分は輸入に頼っていた。2004年以降、国際銅価格が約2 倍に値上がりし、国内の銅鉱資源は埋蔵量の67%がすでに開発されている状況であった。そこで、国内の大型企業は海外の銅鉱資源に目を向け始めたのである。2006年、中国最大の金属鉱産品輸出入企業である「中国五鉱集団公司〔ミンメタル〕」が、世界最大の銅生産を誇るチリの「コデルコ」と合弁会社を設立し、チリの銅資源の開発提携を結んでいる。一期投資額は5.5億ドル(約600億円)。最終的な投資総額は20億ドル(約2,160億円)に上る見込みだ。

(2007年11月22日付「第一財経日報」を基にMURCS整理)
2007-12-03更新

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Posted by norlys - 2008.11.12,Wed

選択の問題。

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人間の倫理は非理性的か:「トロッコ問題」が示すパラドックス
(2008年11月11日 Wired Vision)

ある状況下では、1人を犠牲にしてたくさんの人の命を救うことは全く正しいことに思える。一方で、同様の命の救い方が、良心に欠けると感じられる状況もある。道徳観念において、われわれの考え方は思ったほど理性的ではないのかもしれない。

「興味深いのは、一貫性に欠けていることだ」とハーバード大学の社会心理学者Mahzarin Banaji氏は言う。「われわれは突如としてカント主義的になる場合がある」

このパラドックスを何より明確に示すのが、「トロッコ問題」(トロリー問題)という古典的な思考実験だ。

5人が線路上で動けない状態にあり、そこにトロッコが向かっていると想像してほしい。あなたはポイントを切り替えてトロッコを側線に引き込み、その5人の命を救う、という方法を選択できる。ただしその場合は、切り替えた側線上で1人がトロッコにひかれてしまう。

多くの人は遺憾ながらもこの選択肢をとるだろう。死ぬのは5人より1人の方がましだと考えて。

しかし、状況を少し変化させてみよう。あなたは橋の上で見知らぬ人の横に立ち、トロッコが5人の方に向かっていくのを見ている。トロッコを止める方法は、隣の見知らぬ人を橋の上から線路へ突き落とし、トロッコの進路を阻むことしかない。[この問題は「The fat man」と呼ばれるもので、Judith Jarvis Thomsonが提案したトロッコ問題のバリエーション]

この選択肢を示されると大抵の人はこれを拒否する、とBanaji氏は述べた。カリフォルニア州パロアルトで10月26日(米国時間)に行なわれた、全米サイエンス・ライティング振興協議会(CASW)の会議でのことだ。[Time誌の記事によると、「5人を救うためでも線路に落とさない」と回答するのは85%にのぼる]

われわれは、1人をトロッコの前に突き落とすことと、トロッコを1人の方へ向かわせることとは、何かが異なるようだと直観的に感じる。しかし、なぜそう感じるのかは、社会心理学でも神経科学でも哲学でも、いまだ解明できていない。

興味深いことに、この問題の登場人物をチンパンジーに置き換えた場合、人間は躊躇なくチンパンジーを線路に投げ落とす選択をするという。

「自分たちとは異なる要素があると、人間は功利主義[善悪は社会全体の効用によって決定されるという立場。最大多数の最大幸福が目標になる]になる。しかし、自分たち自身のためには、カント主義的な原則に従うのだ」とBanaji氏は述べた。

[カントの義務論は、功利主義と根本的に異なるとされる。つまり、最大多数の最大幸福による止むを得ない犠牲(他の義務を切捨てた事等)自体は善とされない。また、善悪判断に関して、功利主義は目的や結果を評価するのに対し、義務論は意志や動機を評価する。義務論では、どんな場合でも無条件で、「行為の目的」や結果を考慮せず道徳規則に従うという形になる。このような、「もし〜ならば〜せよ」という形ではない「定言命法」が、カント倫理学の根本的原理]

読者のみなさんはどうお考えだろう? 一見してパラドキシカルな人間の行動は、われわれのモラルの配線が偶発的にショートしたもので、脳が考える倫理にはそもそも恣意的な性質があることを暴露していると解釈すべきなのだろうか? あるいは、行動のなんらかのレベルにおいては、進化論的に理にかなったことなのだろうか?

[Time誌の記事などによると、fMRI(脳スキャン)を使ったトロッコ問題研究がある。「トロッコを側線に導く形で1人を犠牲にして5人を救う」という場合は、前頭前野背外側部(客観的な功利的判断をする場所)の活動が活発になるが、「5人を救うために1人を落とす」ことを考える場合は、前頭皮質中央(感情に関係がある)が活発になる。これらの脳の2つの部位のバランスのもとに最終判断が下されるという(Science 293(5537),2105−8, 2001)。

また、医学界新聞の記事によると、腹内側前前頭葉皮質(VMPC:ventromedial prefrontal cortex)に傷害のある患者は、トロッコ問題に対して常人とは異なった判断を下すことも示されている。VMPCは以前から、同情・羞恥心・罪悪感といった「社会的感情」に関与する領域として知られているが,この領域に傷害がある患者は、例えばトロッコ問題に対して、「多数の命を助けるためには、隣に立っている人を橋から突き落としても構わない」と答える傾向が際立って強いことが明らかにされ、倫理的判断は理性と感情のバランスの下に下されるとする説が一層信憑性を強めることになったという(Nature446(7138),908−11, 2007)]
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う~ん。。

難しい問題だな。。

Fat Manを突き落とすことでトロッコが停まるという仮定が成り立つなら、他人やチンパンジーを投げ飛ばすんじゃなくて、「自分が飛び込んでトロッコを停める」という可能性に賭けてみるという選択肢は。。?
そもそも、この思考実験の前提条件が厳しくて辛いな。。

自分は山登らーなので、山におけるリスクマネジメントについてはそこはかとなく(一応自分としてはちゃんと)考えているつもりだし、現在の日常業務においても舵取りを間違えたらあっちゅーまにあぼんしてしまう超弱小企業の一応取締役(取り締る相手は皆無だけどw)なので、日々是ベストプラクティスを築くための選択の毎日でございます(が、よく先走っては間違える。。orz)。

山とか仕事とかある程度自分が想定しうる小さく限定されたサークルの中における選択ならば、おそらくその時点で自分がベストと思える判断を下せるような気がしなくもないけど、このトロッコ問題が問いかけるものはまた質が違うしな。。

今このタイミングで、アメリカでこういった問題が改めて公の場で問われるということは、つまり社会保障とか公共福祉とか国家の機能について再考する時期が来たんじゃね? ということなのかしらん。

んでもって記事の最後に、オマケみたいに「腹内側前前頭葉皮質に障害があると、常人とは異なり、功利的な選択をする傾向がある」と記されているのは、なにかとても思慮深いメッセージなんだろか。

でもまぁ、こういう問題を見えないフリして蓋をしたり後回しにするのではなく、きちんと直視して常に考えるべきだと思うんだな。。
「これほど意見が割れるものなら直したほうがいい」と主張されるものとかさ。
(この問題については色々と考えてみるけれどまとまらない。。)

あ、あと。もっとドギツイ思考実験がありました。「臓器くじ」だそうです。

Posted by norlys - 2008.10.23,Thu

個人的に最近おもしろいもの。

1) 「ロシア闇と魂の国家
亀山郁夫+佐藤優という2大ロシア権威の対談。亀山郁夫氏は東京外語大学長で専門はロシア文学。佐藤優氏はロシア情報収集・分析のエキスパートとして活躍する起訴休職外務事務官(&文筆家)。

今日ようやく手元に入手したので、まだ読み始め。
Amazonのレビューで絶賛の嵐だったけど「ロシア文学の造詣がないと理解しにくいかも」という感じで、ちょっと敷居が高そうな。。と今まで購入を躊躇していたけれど、ロシア=ピロシキ程度の理解しかない自分でも十分おもしろい。

激動の政治的変遷を経ようとも揺るぎなくその根幹にある「ロシア」という大地(? 空気?)へのお二人の思い入れたっぷりの熱い愛情の迸りっぷりがすごい。

興味のある箇所に付箋を貼っていたら、まだ3分の1も読んでいないのにすでにして付箋だらけ。。

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2) 「伊東乾の「常識の源流探訪」」(日経ビジネスオンライン連載)

物理学博士であり東京大学大学院情報学環准教授であり現代音楽家である伊東乾氏のコラム。
従来から興味深い題材を独自の視点で論ずる内容は面白かったけれど、今年のノーベル賞を巡る「国際(とみなされている)的評価システムと国際情勢、国際的パワーバランス」に突っ込んだテーマが熱烈展開中。

無料だけど会員登録しないと読めないのが難点ですが。。

・10月10日付「日本にノーベル賞が来た理由 幻の物理学賞と坂田昌一・戸塚洋二の死
すべてはここから始まった。。。と思えるほどに、いつもは軽妙洒脱な言い回しで怜悧な分析を展開するのに、ところどころたどたどしいくらい昂ぶった感情が画面から溢れんばかりに、ノーベル物理学賞受賞にまつわる氏ならではの率直な意見(批判、受賞者決定の裏側や思惑)を綴った内容。

・10月15日付「日本にノーベル賞を出すもう1つの理由 カビボ博士への授賞見送りと金融恐慌・研究費国際分担バランス
前回の内容がよほど反響が大きかったようで、フォローアップを兼ねてさらに鋭くノーベル賞の裏読みを展開。

・10月22日付「ノーベル賞と戦時巨大科学の暗闘(上) アハティサーリの平和賞と冷戦核開発からグルジア戦争まで
やっぱり取り上げましたがコレ、という感じ。授与者決定前から各方面に波紋を投げかけた「ノーベル平和賞」の裏を読み解く内容。
高度情報化社会のこのご時勢で、「正義」と「悪」の二元論を基に国際平和を断ずることはとても難しいです。ましてや「平和」を実現するには、その前に「戦わねばらならぬ」という段階が必要なのだとしたら、「真の平和」とか「万人のための正義」なんざ、残念ながら耳障りの良い戯言です(「話し合い」で解決できればいいけれど、難しいやね)。
そもそも国連とかノーベル賞とか、ローカルな政治的思想の介入しない「国際機関」という存在や「国際的基準」とか「地球市民」とやらはすべて美しい幻想なんですのよ奥様。

優れた学術的業績への正しい評価は否定しませんが、こと「平和賞」ってノーベル賞に必要なの?

--------
3) 「麻生首相ぶら下がり詳報」(産経新聞)

麻生首相と番記者さんたちのやりとりの詳細。おそらく新聞紙面だと一部を切り取って恣意的に取り上げられることが多いのかもしれませんが、全部を通して知るべきだと思います。

「どこの新聞社がどういう質問をしたのか」という点を明確にする意図があってか、会話の中に新聞社の社名を出したり、記者に質問の意図を質したり、逆質問をかます麻生首相。相変わらず太郎節炸裂。

弁が立つからというだけで麻生氏を評価するつもりはありません。が、単純におもしろいです。
***
10月22日昼

--夜の会合に連日行っていて、一晩で何万もするような高級店に行っているが、それは庶民の感覚とはかけ離れていると思う。首相はどのように考えるか
「庶民っていう定義を使うのが北海道新聞よく使われるのですか。僕は少なくともこれまでホテルというものが一番多いと思いますけども。あなたは今、高級料亭、毎晩みたいな話で作り替えてますけど、それは違うだろうが」
 --あの高級…
「そういう言い方を引っかけるような言い方やめろって。もうちょっと事実だけ言え。事実だけ。ずーっと、日程だけでも言えるから」
 --あの
「だろ」
 --ホテルが…
「馬尻がいつから高級料亭になったんだ。言ってみろ。そういう卑劣な言い方だめ。きちんと整理して、ね、言わなきゃ。いかにも作り替えれるような話はやめたらいい」
***
10月21日夜
--韓国国内で対馬が自国領土だという論調が盛り上がっていて、韓国の国会議員が返還決議を出したり、対馬島内の不動産を買い占めるなどの動きが出ている。こうした動きに対しての受け止めは
 「土地を買おうということに関しては、合法的に買っておられるわけでしょ? 日本がかつて米国の土地を買ったのと同じですから。ニューヨークの土地を買っていたのと同じですから。自分が買ったときは良くて、人が買ったら悪いというのが産経新聞とは。それほど偏向しているわけではないと思いますね。それが一点。それから韓国政府が、対馬があの韓国領土ということを言ったことは、過去1回もないと思いますよ」
***

極左お花畑平和主義の代表格北海道新聞から、右翼愛国主義かつ米国プロパガンダの産経新聞までバサバサ斬りまくり。そら敵が増えるってもんだわwww

Posted by norlys - 2008.09.29,Mon
共産主義は神の存在を否定しているはずなのに、宇宙ロケットの名称が「神舟」という謎。

いやさ、宇宙開発にはロマンがないといけませんね。ロマンだけでもダメだけど。
それに、野心に満ちた「長征(Long March)」という宇宙衛星シリーズのネーミングよりはよほどステキかな。

いずれにしても、中国の神舟7号有人飛行&船外活動成功オメ。

中国初の有人飛行は2003年に打ち上げられた神舟5号ですでに実現済みなので、今回の目玉はなんといっても船外活動。

神舟5号に乗員したのは楊利偉中佐(当時)というバリバリの空軍エリート飛行士さんでしたが、今回の神舟7号の乗務員は3人とも「貧しい農家出身」で「たゆまざる忍耐力と長年の努力が報われ宇宙飛行士に抜擢された」という点にスポットライトを当てた成功物語が中国国内紙で報じられていました。
(中国語はわからないので日本語版)

「神舟7号」乗組員エピソード(1) 全員農家出身
(人民日報日本語版 2008.09.25 18:03)

向学心や向上心の重要性や、忍耐や努力を賞賛する中国政府の姿勢は決して間違いではないと思います。

でもちょいとばかし。。。有人飛行というのが1960年代の米ソ宇宙開発競争を想起させ、かつ宇宙飛行士の苦労譚が前近代的な印象で、なんだか奥歯に挟まった異物のような微妙な違和感。。。

違和感といえば、繰り返し神舟7号の発射の動画を見るものの、なんだかCGくさい印象が拭えません。
(メインエンジン点火→Lift Offの瞬間が特に。。)
宇宙空間の様子もなにかがなんだか違うような。。無重量状態ってあんなんだっけ? 船内にいる乗組員の様子もなんだか。。うーむ。。
また、ときどき船内に気泡らしき物体が画面下から上に向かって飛んでいきますが、あれはなに?
(水中撮影? それとも漏水? どちらにしても??)

中国のロケット/ミサイル開発の歴史は長く、すでに実績もたくさんありますが、いかんせん黒歴史も少なくなく。 ex. 中国のロケット開発 (長征2号、3号の打ち上げ失敗の記録)

まぁ、たとえどんなに有人飛行の様子がCGくさくとも、犠牲者を出すことなく無事に成功したようで、この点はほんとうによかったです。

そういえば。
神舟7号の打ち上げ前にも関わらず、詳細な予定稿が新華社通信のWebサイトに「技術的ミスにより掲載」されてしまったそうで。

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ネット上に神舟実況記事 中国、予定稿の誤掲載か
 
中国の有人宇宙船「神舟7号」の打ち上げを前にした25日午前、地球を周回中の神舟7号の様子を伝える27日付の記事が新華社のウェブサイトに掲載された。事前に用意した予定原稿が誤って掲載されたとみられ、間もなく削除された。
記事は「太平洋上で眠らず神舟の30回目の周回を観測」と題し、海上で軌道を観測する船舶「遠望1号」が発信地となっている。
27日深夜に神舟7号が「遠望1号」上空を通過する際の内容で、船内のスクリーンに宇宙船内の様子が映し出され、宇宙飛行士が「軌道モジュール内の気圧回復」と報告する“生々しい”場面も書かれていた。
神舟7号の打ち上げでは、太平洋と大西洋に計5隻の観測船が配置されている。(共同)
(MSN産経 2008.9.25 19:41)
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ちなみにこの予定原稿のタイトルは「太平洋上夜未眠, 神七飞船第30圈控测记」(文字化ける...うー。。日本語の文字にするとたぶん「神七飛船第30圏控測記」)。
この原題の一部「太平洋上夜未眠」で検索すると、中国語圏でもなかなか話題になっているんだな。。という感じ。

「中国なら、やりかねない」と思わせる下地があるだけに、お約束のポロリなのか本当にうっかりなのか、お約束だとしたら誰が仕掛けたのか(中国内部? 海外勢力?)が、たいそう気になるところです。

軍事技術への転用や宇宙資源問題など、宇宙開発の分野はなにかと国際的な政治問題に発展しがち。
とりわけロケット開発には色々と複雑な政治的要素が付きまといすぎ。
(より多くの予算を確保するために、そういう使い方があるのだと示唆した研究者もいるのだろうけど)

「科学は我々に全生涯を求めているんだ。歴史に恥じない立派な仕事をしようじゃないか」 (from 「オネアミスの翼」)

と、純粋に科学技術の挑戦と進歩とを皆で分かち合って喜べるのであれば、どんなにかよいか。

宇宙開発事業といえば。

たまには、地球へのサンプルリターンを最終目標としてがんばっている小惑星探査機「はやぶさ」のことも思い出してやってください(忘れてませんよ。しつこいですからw)。
はやぶさは、2008年9月4日現在地球から321,158,200Kmの位置にいるそうです。
Posted by norlys - 2008.09.12,Fri

週末は岩手まで遠征(の予定)。
今後のお天気の変化が気になるけど。。あまり降られないことを祈ろう。。

岩手といえば、イーハトーヴォ。
宮沢賢治オタの自分にとっては心の聖地。

喜び勇んで勇み足かもしれないけど、大好きな「小岩井農場」の一節をペタ。

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すきとほつてゆれてゐるのは
さつきの剽悍(ひやうかん)な四本のさくら
わたくしはそれを知つてゐるけれども
眼にははつきり見てゐない
たしかにわたくしの感官の外(そと)で
つめたい雨がそそいでゐる
 (天の微光にさだめなく
  うかべる石をわがふめば
  おゝユリア しづくはいとど降りまさり
  カシオペーアはめぐり行く)
ユリアがわたくしの左を行く
大きな紺いろの瞳をりんと張つて
ユリアがわたくしの左を行く
ペムペルがわたくしの右にゐる
……………はさつき横へ外(そ)れた
あのから松の列のとこから横へ外れた
(幻想が向ふから迫つてくるときは
   もうにんげんの壊れるときだ)
わたくしははつきり眼をあいてあるいてゐるのだ
ユリア、ペムペル、わたくしの遠いともだちよ
わたくしはずゐぶんしばらくぶりで
きみたちの巨きなまつ白なすあしを見た
どんなにわたくしはきみたちの昔の足あとを
白堊系の頁岩の古い海岸にもとめただらう
  (あんまりひどい幻想だ)
わたくしはなにをびくびくしてゐるのだ
どうしてもどうしてもさびしくてたまらないときは
ひとはみんなきつと斯ういふことになる
きみたちとけふあふことができたので
わたくしはこの巨きな旅のなかの一つづりから
血みどろになつて遁げなくてもいいのです
 (ひばりが居るやうな居ないやうな
  腐植質から麦が生え
  雨はしきりに降つてゐる)
さうです、農場のこのへんは
まつたく不思議におもはれます
どうしてかわたくしはここらを
der heilige Punktと
呼びたいやうな気がします


宮沢賢治、心象スケッチ 「春と修羅」
小岩井農場 パート九 から抜粋

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「der heilige Punkt」はドイツ語で、日本語では「聖なる地」。The holy place。

山を逍遥しているときに、ふわっと素晴らしい風景が目前に広がると、なんとなくこの文章が浮かんできます。
もっとも、この詩の場合は、なんてことのない雨のしのつく農地だけど。

すとんと胸に沁みるような風景を目の前にして、ふっと厳然たる過酷な現実から解放される、そんな瞬間とか場所が確かにあるような気がします。

わたくしはこの巨きな旅のなかの一つづりから
血みどろになつて遁げなくてもいいのです


人生とは長い旅、生きることは修羅の道。
それでも「闘う」のではなく、「逃げる」というのが詩人らしくてツボ。

Posted by norlys - 2008.09.10,Wed

いよいよ本日、9月10日 9:00am CEST (GMT+2、日本時間16:00) にLHCのFirst Beam発射。
CernのサイトのLive Webcastで公開予定。

今回のFirst Beam発射は、LHCが正常に稼動するかどうかのステップで、本格的な試験はまだ先のお話とのことですが。あぁもう、

+   +
  ∧_∧  +
 (0゜・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゜∪ ∪ +        
 と__)__) +


ところで。LHC稼動直前になって、イギリスの著名な天体物理学者ホーキング博士が、
「ヒッグス粒子は見つからないだろう。100ドル(約1万円)賭けてもいい」
と発言したとのこと。

ええ~。。。あれれ。。
て、100万ドルじゃなくて100ドルぽっち?

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ホーキング博士、「LHC実験で神の粒子は見つからない」に100ドルの賭け

【9月10日 AFP】英国の天体物理学者スティーヴン・ ホーキング(Stephen Hawking)博士(66)は9日、まもなく行われる巨大粒子加速器「大型ハドロン衝突型加速器(LHC)」の実験について、「ヒッグス粒子が見つからないだろう。100ドル(約1万円)賭けてもいい」と語った。

■LHC実験で「神の素粒子」発見を目指す
スイスにある欧州合同素粒子原子核研究機構(European Organisation for Nuclear Research、CERN)は、ヒッグス粒子を発見することを目標に、10日にLHCを稼働させる。実験では、水素の原子核である陽子をほぼ光速まで加速させて衝突させる。 

素粒子が質量を獲得するメカニズムは長年謎とされてきたが、1964年に英物理学者のピーター・ヒッグス(Peter Higgs)がその謎を解く理論として「ヒッグス場」を提唱した。ヒッグス場とは理論上、素粒子に質量を与える場だ。仮説では、素粒子はヒッグス粒子に当たって抵抗が生じることにより質量が生じる。ヒッグス粒子はどこにでも存在するものの目には見えないため、「神の素粒子」と呼ばれることもある。

■予想外の粒子が発見される可能性も
今回の実験について、1988年の著書『ホーキング、宇宙を語る-ビッグバンからブラックホールまで』(原題 A Brief History Of Time)で知られるホーキング博士はBBCラジオに対し、「実験では量子反応を観測できるよう高いエネルギーが生成されるため、ヒッグス粒子を発見するには充分だと考えられている。しかしわたしは、ヒッグス粒子を発見できなかったときの方がはるかにエキサイティングだと思う。つまり、何かが間違っていたということであり、考え直す必要があるということだ。ヒッグス粒子が見つからない方に100ドル賭けてもいい」と語った。

だが、一部の科学者は博士よりも楽観的だ。フランスの天体物理学者、Hubert Reeves氏は、スイスのル・マタン(Le Matin)紙に対し、「LHCは素粒子物理学の世界を永遠に変えることになる『予想外の結果』をもたらすだろう」と期待を寄せている。

一方、ホーキング博士は、実験で既知の素粒子の「超対称パートナー」となる超対称粒子が発見される可能性も指摘している。超対称粒子は銀河同士を保持する謎の暗黒物質(ダークマター)を生成している可能性があり、この発見はひも理論を裏付けるものでもある。「LHCで何が発見されても、あるいは発見されなかった場合でも、宇宙の構造について多くの手掛かりを与えてくれるだろう」と博士は締めくくった。(c)AFP
(AFP 2008.09.10 10:49)
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つまり、もしも「ヒッグス粒子が見つからず標準理論が成立しなかったとしてもLHCの研究意義は大きい」ということには違いないわけですね。

つか、1万円ってしょぼwwwww

さすが世界的天才天文物理学者、ウィットに富んでます。ステキです。

宇宙を満たしているというダークマター(暗黒物質)の発見については、日本も独自に取り組んでいるそうで。

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カミオカに新空洞完成  暗黒物質の発見目指す

宇宙を満たす謎の「暗黒物質」の発見をめざした観測装置を設置するため、東京大宇宙線研究所が岐阜県飛騨市の神岡鉱山地下に掘削した新しい空洞が完成し、27日報道陣に公開された。
空洞はニュートリノ観測装置「スーパーカミオカンデ」などに隣接。世界的な成果を次々と挙げる「世界のカミオカ」に、強力な仲間が加わることになりそうだ。

暗黒物質は宇宙に存在する物質の8割以上を占めるとされるが、望遠鏡などでは直接姿が見えず正体は不明。ニュートリノのように、あらゆる物質を通過してしまう未知の素粒子との見方が有力だ。

空洞は地下1000メートルにあり縦約20メートル、横約15メートル、高さ約15メートル。今後、直径10メートル、高さ10メートルの円筒形の水タンクを設置し、その中に零下約100度の液体キセノン1トンを使う直径約1メートルの検出器を据え付ける。

計画では、暗黒物質がごくまれに液体キセノンとぶつかって放つ光を、検出器の約650本の光電子増倍管で観測。
(2008.08.27 18:54 共同通信)
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今年の夏に北アルプスを縦走し、新穂高温泉方面に下山する途中の林道で、道路端の標識に「神岡町」という地名を見つけ、「神岡ってもしかして『カミオカンデ』の!?」と、思わずときめいてしまったのは懐かしい思い出です。

■Related Entries:
フライング~ "CERN announces start-up date for LHC" (2008.08.08)
LHCと新宇宙創世記 (2008.08.07) 
5次元世界 (2007.08.27)
 

Posted by norlys - 2008.09.05,Fri
今年の8月は、平日に晴れて週末ごとに天気が崩れるという山屋泣かせ><
週半ばを過ぎると天気予報を眺めてはため息をつくばかり。

ところで。

気象庁の外郭団体である日本気象協会が運営している「天気.jp」が9月1日に全面リニューアル。
ただいま「tenki.jp β」としてリニューアル版を運用中。

ちなみに、
気象庁-「気象」「地象」「水象」に関わる観測や予報などを行う国土交通省所轄の外局。
日本気象協会-気象庁の観測に基づく気象予報サービスを提供する国土交通省所轄の公益法人。
だそうで。まぁいわゆるひとつの天下り。(専門業種で公共サービス性が高いので別に天下りは否定はしません。内容が健全であれば)

「tenki.jp β」は、以前のコンサバというか作りこみ過剰なサイト構成と比べると、トップページがすっきり。
動画もGIFアニメではなくFlashバリバリで、遅ればせながら今時っぽいポータルサイト。
カラーも描画もキレイ。

民間気象情報サービス企業であるWeatherNewsのサイトのように、ユーザーのコメントや写真、質問や投票が掲載されていて、親しみあふれるコミュニティサイトづくりを目指している模様。

んなわけで、面倒だけど自分もまたユーザー登録してみました。
やっぱり。。というか、すでに登録されたユーザーさんには山屋さんらしき方が多いような気が。

さて、ユーザー登録してみたところで、どんな特典があるのかイマイチ判然としないし、釈然としないんだけども。。(そもそもコミュ系の馴れ合いが苦手也。割り切って利用する分にはいいのだが)

しかしまぁ、なぜ日本気象協会が今更コミュ系ポータルサイトを目指すのか、イマイチわからん。
各地のユーザーからリアルタイムの情報が届くのは便利だけど。。

WNへのバリバリの対抗心の表れとして、ユーザー囲い込みを目指したいのでしょうか。
いずれ、気象サービスを入口として、他の情報サービスにも触手を伸ばす心積もりなんでしょか。
単に今時っぽいからいいんじゃない? みたいなノリで決定しちゃったのかしらん。

ま、いいんだけどもさ。(なら言うな。はい、スミマセン)

リニューアル版のtenki.jpの内容で、コレいいな~!! と思ったのは、「気象衛星画像」に「天気図」and/or「雨雲の動き」をレイヤーできるという点。Great!

これ、ステキ。この機能、欲しかったです。
今まで衛星画像とか天気図の画像を切り替えていた手間がすっきり省けました。



※ブログパーツ用の埋め込みだと実況気象衛星画像Onlyのもよう。残念。

まだβ版なので、見た目のサイト構成は今後ちょこちょこ変化していくものと思われますが、こうしてみると以前の「トップページに一生懸命ありったけの情報をもりもり詰め込んでみました!」という構成もちょっと懐かしかったり。それくらいバッサリのリニューアルっぷり。

今後の変化に乞うご期待。。。させていただきます。

■個人的毒と独断と偏見に満ちた天気予報サイトあれこれ

日本気象協会 tenki.jp
上記をご参照あれ

気象庁
いわずもがな。ありとあらゆる気象情報の宝庫。でもここの週間予想はとても見づらいし、正直アテにならんがな。前日にならないと時間帯ごとの降水確率予想がでてこないので、とてもヤキモキさせられる。
単独予算で気象衛星を打ち上げなければならないほどに懐事情が逼迫している状況では、これ以上なにも言うまい。がんがってほしい。。

つか、なぜ予算が下りないんだぜ国土交通省?? ぶっちゃけ利権がないから? それともアメリカ様のお縛り?
オイラの税金を男女共同参画事業とかムダな行政じゃなくて気象衛星開発とか宇宙開発事業に回しておくれよとか納付時に注文できるといいのにな(希望が100%通るかどうかは別として)。

Yahoo! 天気情報
「天気」でググるとまずここがトップ。でも結局ソースは気象庁だし、更新が遅いのがイヤ。あと、去年の中頃にリニューアルしてからユーザビリティが悪くなったような気がする。
iGoogleのガジェットもネタモトはYahoo!天気情報で、ガジェットからジャンプするとここに飛ぶ。そのときの検索窓に「weather 地名」とあり、どうもダイレクトリンクではなさそうな点がなんだか不思議(で姑息。てか禿がイヤなだけ)。

Livedoor天気情報
Yahoo!天気情報とほぼ似たような構成だし、ここも気象庁の予想をひっぱっているだけなので情報内容については、特筆事項なし。でもアイコンは断然こっちのほうがかわいい。あと、トップの「全国の天気」ページから、各地のライブカメラの一覧ページにすぐ移動できる点でYahoo!よりは良い。

ウェザーニュース
民間の気象情報サービス企業。気象庁の予報にとらわれず独自の姿勢を貫く。気象庁が守りの予報をするときに、楽観的または攻撃的な予報を出すことがある。そのチャレンジングな姿勢のため、大当たりするときと大外れするときの落差が割と大きく、以前、管轄の国土交通省から苦言を呈された。
気付くと予報がちょこちょこ修正されてしまうので、山行出発直前まで目が離せないw

オールFlashで登場当時はとても画期的だった。アイコンもグラフィックもカワイイ。使い勝手もいいけれど、今となっては描画の遅さがちょっと残念。
あと、WNだと山梨、長野、新潟の3県が「中部」に区分されている点が面白い。

HBC専門天気図
高層天気図など専門的な天気図を閲覧したいときに便利。気象庁の発表内容を北海道放送局(HBC)が提供。

地球気
HBC同様に高層天気図などの専門天気図を提供。日本気象(株)が運営。久しぶりに見たら、ここもリニューアルしていました。
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Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。

色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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