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Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by - 2024.04.25,Thu
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Posted by norlys - 2007.07.30,Mon
昨日は前夜泊日帰りで三ツ峠で岩登り。
天気は終日曇り。最後に雨が降り出しました。
私にとって初めての三ツ峠だったこともあり、左フェイスの鶴ルート、中央フェイスの中央カンテ、右フェイスの一般ルート右→十字クラック→権兵衛チムニー、という各岩場の代表的ルートを三本。

当初は谷川岳を登る予定だったのですが、天気予報が思わしくなかったので代替案の三ツ峠 in 山梨に転進。
谷川よりも三ツ峠の方が(距離が)近いので、あっという間に通称・裏三ツ峠に到着。駐車場にはキレイなログハウス風のトイレあり。空いている下の駐車場に車をとめ、車の隣にテント泊。お酒を片手に岩や沢の本を眺めながら、山の大先輩であるH氏の講釈に耳を傾けました。

翌朝目を覚ますと、空はうす曇。雨が降ったら岩登りはできないので、雨が降っていないだけマシと自らを慰めてみたり。
最近は雨に祟られることが多かったので、幸せの尺度が小さくなってしまったような気がします。とほほ。

6時に歩き出し。幅広い林道の登山道を登ること1時間弱、三ツ峠山荘に到着。ここから西の方角に富士山の姿が拝めるハズ。。。なのですが、今回すべては雲の中でした。

DSCF2949.JPG
←以前、三ツ峠を散歩したときの写真です。
快晴ではありませんでしたが、絵画のような富士山のシルエットがそれはそれで印象的でした。

このとき、屏風岩の岩場は大勢のクライマーで賑わっていて、うわー怖そうだな、でもカッコいいなぁ。。と思いながら通り過ぎましたっけ。

自分とは別の世界だとおもっていたクライミングの世界にひょっこり紛れこみ、岩場を登るために三ツ峠を再訪するとは。ちょいと感慨深いものあり。

三ツ峠山荘から四季楽園の山荘をとおり、目指すは屏風岩。高度差80m、幅200mにわたって岩肌が露出した場所で、古くから本チャンの練習場としてマルチピッチや人工登攀の練習のために関東周辺のクライマーが集うところ。
三ツ峠は御坂山塊の東端、フォッサマグナ地帯の北端に位置する新生代第三紀中新生~第4紀の礫岩の地層とのこと。山頂付近は亜高山帯に属し、植物の種類の豊富なことでも有名だそうです。岩場もちょうど花盛りで可憐な花が咲き誇っていましたが、名前がわかりません。。図鑑買おう。

070729_102749.jpg7時半頃に屏風岩左フェイスに到着。見事に貸切状態。少し離れたところからコールの声が聞こえるも姿は見えず。聳える岩場は、下の方はなだらかでも、上に行くにつれてややハング気味でほれぼれするほど圧倒的。

だだっ広い岩場を独占でき、ルートは選び放題。なんて贅沢な。
まぁメジャーなところで鶴亀ルートの亀(鶴、は間違い。 8/1訂正) に挑戦しますか、ということに。

(1)左フェイス 亀ルート IV+ 80m
1P: 第一バンドに至る階段状の岩場からロープを出したけれど、ここはフリーであがってしまってよかったらしい。
2P: 本来の1ピッチ目にあたるフレーク状の岩場に到着。水が染み出している上に苔がついていて、ぬめる。。。怖。。

Hさんがオールリードで登ってくれたので、自分はフォローでついていくだけとはいえ、怖い。
3P: トポを見ると傾斜の緩い階段状の岩場を登るのかと思っていたけれど、実際は乗り越しとトラバースで冷や汗モノ。八寸バンドの手前でピッチを切る。
4P: 7mのトラバース。出だしのところにお助け紐がかかっていました。足場はちゃんとあるものの、岩がかぶり気味のバランス課題。足元のホールドを探るのに目を落とすと、真下に地面が見えて高度感ありまくり。落ちたらロープが真横に振れるので、これはッ落ちれないッッ!! と思わずお助け紐を掴んでしまいました(残置は怖いので体重はかけていませんが。。)。
越えてみればめっちゃ短いルート。子供の頃のインフルエンザ注射みたいに少々拍子抜け。
とはいえ、自分にはかなり怖かったです。
5P: 八寸バンドの終了点でピッチを切った後、階段状の岩場を少し登り、懸垂下降。

岩もしっかりしているし、手も足もホールドはふんだんにあります。落ち着いてルートを探れば大丈夫なのでしょうけれど、ヘタレな自分は2Pと4PでA0してしまいました。
アルパイン・グレードはいまいち見当がつかなかったのですが、ようやく少しだけ分かってきたような気がします。

亀ルートを終えるとすでに2時間が経過。パラっと雨が落ちてくるも、すぐに止んでしまいました。ほ。休憩をとって中央フェイスに移動。これまた貸切状態。

(2)中央フェイス 中央カンテ(3P) III、IV+、V+(右ルート) 60m
ロープを出さずに第一バンドまで階段状の岩場をフリーで登ってからルートに取り付きました。今度はツルベで行くことになり、自分は2Pを担当(全3ピッチの岩場なので、2ピッチ目1箇所で済むという甘い考えからw)。
1P: Hさんがリード。階段状の岩場。なんなく終了。
2P: 自分が初リード。クラックのルート。クラックの中は妙な安心感があってなんとか登れました。後半クラックを出て登たところから終了点までが高度感ありのランアウト気味で少々怖し。1箇所支点をセットするのにクイックドローをうまく操れず、もたもたしているうちに怖くなってA0してしまいました。。。orz  悔しい。。
3P: 左ルートならIV級なのに、あえて右ルートV+級を選ぶH氏・ザ・チャレンジャー。手も足もホールドはあるけれど、ずっーとかぶり気味のルートで、微妙にバランスが。。
「フリーで登ってる~?」というH氏の声が聞こえる。ぎくり。いやぁ、いいところに立ち木があったもので。。。ホントすいません、もうしません、と反省。直後に、ちょコレどーすんですか? というハングの乗り越し。またしてもあえなく失意のA0。。。
安全第一、登れればいいんですよ~と虚勢を張るも、自分の実力不足をヒシっと感じました。とほほ。
2回にわけて懸垂下降。懸垂下降は安全に降りれば、ほんとに楽しい。

この時点で12時半過ぎ。ツルベだったしピッチ数も少ないので、鶴ルートよりも短時間で登れたかなと思いますが。さてはて。
さて、午後になっても相変わらずの曇り模様。麓から山頂に向かって谷間を吹き上げてくるガスがすごい。自然のスペクタクル。今にして思えば突然静岡に低気圧が発生した頃だったのかも。

腹ごしらえをして右フェイスに移動。今度は先客がいらっしゃいました。ちょうど狙っていた一般ルート右をトップロープで登っているところだったので、しばし待ち。
待っている間少しだけ太陽が顔を出したけれど、陽射しが暑い~。午後からは陽射しがモロにあたる南西に開けた岩場なので、生憎の曇り空はかえって幸いだったのかも。

(3)右フェイス 一般ルート右(III+ 20m)、十字クラック(V- 15m)、なんかよくわからないところ(II~III級)、権兵衛チムニー(IV 30m)

1P: 一般ルート右。
小心者なので、ギャラリーがたくさんいる中をリードで登るのはご、ご勘弁。。。と思いましたが、次のピッチはV級揃いと手ごわそうだったので、思い直して1Pを自分がリードで登りました。傾斜の緩い広々としたフェイスの岩場で、フリーなら5.7くらい? なんとかノーテンで抜けました。ほ。
2P: 十字クラック。
を登ったのだと思いますが、トポを忘れたので、違うかも。
H氏がリード。出だしのクラックが微妙。上から「あ、わかった。ハンドジャムで登れば大丈夫」との声。ハンドジャムがどういうものかは知っているけれど、挑戦するのは初めて。岩の隙間に手を突っ込んであれこれ試してみるも、なんかうまくいかない。。。でもなんとか乗り越しに成功。難しいけれど短いルートなので、楽しいなぁと思っているうちに無事終了。
3P: 第3バンドにあがるために、「登りやすいところを適当に」とのことで、適当になんかよくわからないルートをリードで登攀。よくわからないままになんか終了。
第3バンドを左に歩いて、権兵衛チムニーに取り付き。
4P: 権兵衛チムニー。
「自分はすでに何度も登ったから」というH氏の言葉に、んでは自分がリードで登りますとついつい口が滑りました。。。

権兵衛チムニーを登る前に、隣のルートを登っていた先行パーティの女性とH氏が「(権兵衛チムニーは)途中で体の向きを変えるのがポイントなんだけど、どっち向きだったっけ」と話をしているのを小耳に挟んでいたのですが、結局どっち向きなのか分からないまま登り出し。
チムニーの左側が登りやすそうだったので、チムニーの中でずっと右側を向いて背中を岩に押し付けてずりずりと垂直に高度を上げていきました。なんかこんなんでいいのかなー。。。と不安になりながらもずりり、ずりり。。

支点はことごとく古いハーケン(ピトン)しかありませんでした。錆びて茶色になったハーケンを探して視線を右左。その間も背中をチムニーに押し付けて自分を支えます。いいのかなーこんなんでと思いながら。
チムニー深部の岩場から足を離すところで、もうこれ以上背中ずりずりは無理だなと思い、左側を見ると良い手がかりが。なるほど、ここで体の向きを変えるんだなぁ。。。と思いながら左の岩場に乗りあがりました。
と、上のどこにも支点が見当たりません。どっちにいったらいいんだろーと思いつつ、楽なほうへと左に流れたら、岩が腐っております。苔がついているし岩が脆いし。ひえぇぇ。
なんとかここを上に乗り越して右に行けば。。。と、内心かなり焦りながら目前の岩を乗り越すとだいぶ楽になり、どうにかそのまま終了点に(結局、途中から支点はとれませんでした。NPを持っていれば良かったな思うこと2回目)。

左フェイスと中央フェイスではA0続きでヘタレな結果となりましたが、右フェイスは初心者向けということもあってかなんとかノーテンで登りきりました。権兵衛チムニーをオンサイトできたのはうれしいです。とはいえ、支点へのロープのセットの仕方は反省点。。

上に遭難碑があるよということで、終了点から上の岩場に歩くと、天気が良ければ富士山を望む絶景の場所に遭難碑が点在。今日無事に自分がなんとか登ることができたことに感謝しながら、合掌。

第3バンドの上から50mロープで降りるので、安全のため3ピッチに切っての懸垂下降。1ピッチ目を降りたところでパラパラと雨が降り出しました。先行パーティが降りるのを待っている間に雨脚は強まったり弱まったり。無事に下まで降りると、おそらく先に岩場にいた人たちだろうと思われますが、荷物の下に敷いておいたシートをザックにかぶせたうえに、(シートが小さくて入りきらないため)靴を裏返しておいてくださっていました。どなたか知りませんが、ありがとうございます。

帰り支度を整えて4時ちょっと前に下山開始。マルチピッチルートを3本登った後なので、自分はヘロヘロ。登るのもさることながら、ロープの引き上げがしんどいー。。

4時半過ぎに車に戻り、一路帰宅。中央道に乗ったらすごい渋滞。さらに雷と大雨。この日一番の核心は渋滞と豪雨の中央道だったかも。。。

久しぶりの外岩で、しかもマルチピッチということで、とても楽しかったです。
今回、自分にとってはすべてのルートが初めてということもあってどのルートも新鮮でした。
フリーならオンサイト完登をあきらめてRP狙いで何度もトライすることも可能ですが、マルチピッチの場合はスピードも重要なので、とにかく上にとにかく登らねば。。。と妙な使命感にかられたり。
ロープワークや支点の取り方など、マルチピッチは登る以外にも重要な要素がたくさんあってとても勉強になります。マルチピッチ、面白いです。ほんと。
せっかくの初ルートで何度もA0をしてしまったのが残念。今度はちゃんと登ります。

三ツ峠・蛇足の補足
終了点はしっかりしたものが多いのですが、中間の支点は古い残置ハーケンが多いです。つぶれていてヌンチャクがセットできないものも多いので、残置を使うなら細いシュリンゲや細引きは必携。
支点が信用できるかどうか毎回必ず確認。不安な場所では自分でナチュプロをセットした方が良いのかも、と初心者ながらに思いました。
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Comments
お疲れ様でした!
ルート選び放題!だなんて、なんて贅沢なクライミングだったんでしょう!羨ましい~
それにしてもこの詳細な記録、スゴイですね。fjellさんの記憶力に脱帽。
私も外岩少しやらないとなぁ……
fjell0814
Posted by vini - 2007.07.31,Tue 14:56:04 / Edit
Re:お疲れ様でした!
ありがとうございますー。残念ながら三ツ峠から見る富士山はガスの中だったので、viniさんご一行の姿は見つけられませんでした(て、遠すぎ;)。

権兵衛チムニーを登ったヨロコビで、実はその日の記憶はかなり飛んでしまったのですが、家に帰ってから100岩を眺めながら一生懸命思い出しました。間違っているところがあるかも。。。です。

三ツ峠は高速バスor電車+ローカルバスでもアクセスできるので、涼しくなったらぜひ行きませんか。奥多摩とか幕岩でも。
Posted by - 2007.08.01 at 09:21
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自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。

色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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