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Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by - 2024.05.07,Tue
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Posted by norlys - 2015.12.04,Fri
少し前のこと。
11月7日(土)はワンデイで瑞牆の十一面末端壁へ。
翌日曜日が生憎と雨予報だったので、おそらくは今年最後の…と思いながら。(そしてやはり最後でした)

末端壁に到着し、まずは調和の幻想の1P目でアップ。まだ陽が当たらない時間帯ということもあり、岩はそこそこ冷たく足先が冷えました。

本気トライをしたいという気持ちと、やっぱりダメなんじゃないかという気持ちがごちゃごちゃと絡み合い、なんというか「もう帰りたい」状態満載。
病院で診断が下される前は病気じゃない、みたいな。

いやでも、たとえダメだとしても登ろう…なにがダメなのかはっきりさせよう…もしかしたら奇跡が起きるかもしれないし…と、のんびりとルートが空くのを待ってからのトライ。

結果は、ダメでした。テラス手前の一手が出せずテンション。からの、ヨレヨレのどテン山。
とはいえ、そこまで粘れたこと自体が初めてだったし、そもそもどテン山であれトップアウトできたこともこれまた初めてのこと。

てんで話にならなかったというのに、降りてみて思ったことは、気持ちが入りすぎていたんだな…と。そんな不遜なこと。

秋の日は夕暮れが刻々と迫り、すでに2便目を出す余裕はなさそうだったので、残念だけどトップロープでおさらい便。

この日は、岩場でしばしばお会いする方々と再会し、色々とお話をしたり登る姿を拝見する機会を得ることができて、その時間が自分にとって糧であることを改めて思い至ったのでした。

しみじみと。

***この日登ったルート***
/*瑞牆、十一面末端壁
・調和の幻想1P目(5.9 NP)-再登。アップで。大きなカムがなくてもワイドムーブで登れることの復習。易しいルートはどんどん易しく感じられるようになる一方で、難しいルートに近づけない…。
・アストロドーム(5.11a NP)-×。まだこんなところで足踏みしているなんて…と、思えるようになっただけでも一歩前進なのかもしれません。
・アストロドーム(5.11a NP)-TR。TRなんでノーテンで。

翌日はパンプ2でジムトレ。ツナミの課題ルートにトライしてやっとこさルーフ下まで繋げることができるようになりました。
アストロを触ったことで、なにか少し、自分の中でふっきれたんじゃないかな、と。だから、今年の最後に末端壁に行くことができて本当に良かった。ありがとうございます。

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Posted by norlys - 2014.12.11,Thu
週末は八ヶ岳でアイスクライミング。
12月6日の土曜日は裏同心ルンゼへ。7日の日曜日は峰の松目沢へ。
今シーズン最初のアイス。良い足慣らしができました。

土曜日は朝から小雪。久しぶりの雪山テン泊装備がずっしり(重)。今回は3人パーティなのでギア類は最小限だというのに。。
美濃戸口からえっちらおっちら歩いている途中でピックアップしてもらい助かりました。

7時に出発。美濃戸から北沢を歩いて赤岳鉱泉へ。
ところどころ足元に岩が出ている箇所もあるけれど、木曜日から断続的に雪が降り続けていて一面銀世界。雪山に来たのだから当たり前なのだけど、その前の週まではしばし里山でのフリークライミングをしていたので、自分の中の季節感の調整が難しい。2週間前の名張は紅葉の真っ盛りだったのに…と。

10時に鉱泉小屋に到着。明るいけれど空は雲に覆われていて小雪がちらりと舞い、山並みは見えず。気温はマイナス5度くらい。

テントを設営し、裏同心ルンゼへ。
当初はジョーゴ沢に向かう予定でしたが、ジョーゴ沢は混みそうなので歩きながら目的地を変更。

裏同心ルンゼに到着すると、こちらも結構な賑わい。
週始めの温かさでいったん氷が落ちてしまったとのことでしたが、部分的に薄い箇所もあったけれどそこそこコンディションは良さそう。

どの滝も2、3パーティ待ちという感じでしたが、自分達はロープを出さないのでラインとタイミングの隙間を縫いながら大同心基部へ。大同心稜から歩いて鉱泉小屋まで下山。

夜は小屋で色々な方とご挨拶したり、お話したり。ビールに焼酎に日本酒に…さらには、裏同心ルンゼのツメでお話を交わしたパーティの方にワインとウィスキーをお裾分けしていただき感謝(ありがとうございます)。ラフロイグ、すごくおいしかったです。てか、呑みすぎ…w

日曜日は暗いうちに起床したものの、外は依然として雪が降り続いていたので明るくなるのを待ってしばし沈。今日は天気が回復する予報だったのになぁ…と思いつつ。麓は晴れでも山頂はずっと雲の中というパターンかな。

すっかり外が明るくなった頃、「とりあえず三叉峰ルンゼの取付きまで見に行ってダメそうだったら転進しよう」ということで出発。

石尊稜への道はトレースがあり、ありがたく拝借(すみません)。降り続いた新雪の深さは40センチ程度。八ヶ岳の雪は嵩が軽いので沈降したらそれほどの量はないのだろうけれど、吹き溜まりは腰上までもふもふ。

ルンゼ地形には雪が吹き溜まり、石尊稜のあの特徴的なM字の下部岩壁も雪にパックされてイマイチ不明瞭。その上は雪により視界不良。そんなコンディションなので、取付き箇所がイマイチ不明。先行パーティさんたちも進み過ぎて引き返してきて、一様にあっちかどっちか状態。

結局、少し戻って沢地形をラッセルしたところで三叉峰のルンゼに架かる滝が見えました。ともあれ、諸々時間がかかりそうなので、自分たちはここで撤収。

テン場を片付けて、峰の松目沢へ。ようやく雲が切れて青空が広がり始めました。

自分にとって峰の松目沢は初めて。初めて訪れるところはやっぱりわくわく&緊張。もっともアイスはコンディションがその時々によって異なるので、同じ場所を何度か訪れてもその都度緊張はしますが。

F2は高さはないけれど、なんとなく悪相だったので「ロープ出すよね?」とお願いし、リードさせてもらいました。ところどころ雪氷で、ロープを出してもらって良かった(ほ)。

後はさくさくっとフリーで。こんな風に登れる滝が続く場面は楽しい。
最後の滝はまに氏がリード。なかなかテクニカル。フォローで良かった(鶏心)。
上には抜けず、懸垂とクライムダウンを交えて取付きまで。

沢登りやアルパインアイスクライミングのルートでは、ルンゼ状やゴルジュ地形は危険がいっぱいなので「こんな場所にいてはいけない」と本能的な危険信号が明滅する中で、そこから安全に脱出するためのルートを見出して先へと進むことが楽しい…といってもリスクはあるので語弊があるかも…だけど、無事に下山するとやっぱり楽しいなぁ、と。

今回は、道端で、小屋で、ルートで、温泉で、ご飯どころで、あちらこちらで知り合いの方にお会いしてお話ができて楽しかったです。ありがとうございました。


Posted by norlys - 2014.08.08,Fri
先週末の沢の記録など。

・山域:足尾- 庚申川、皇海山、庚申山
・日程:2014月8月2日(土)~3日(日)。
・天候:8/2-晴れ、8/3-晴れ一時雷雨
・コースタイム(ざっくり):
8/2-6時50分 銀山平発~7時5分 庚申川入渓~8時5分 光風(坑夫)の滝下~9時20分 笹ミキ沢出合~10時55分 水ノ面沢出合~13時30分 三才沢出合~14時30分 二俣~14時50分 奥の二俣~16時30分 幕営地

8/3-4時30分起床~6時35分 幕営地発~ 9時頃 鋸岳山頂(沢装備を解除&日干しし、空身で皇海山へ)~10時 皇海山山頂~11時10分 鋸岳再び(荷物をまとめて下山準備)~13時40分 庚申山~16時40分くらい 銀山平(カメラの電池切れ&記憶曖昧)

金曜日の夜に都内を出発。途中で仮眠をし、銀山平にある国民宿舎かじか荘の駐車場に車を停め、そそくさと沢の準備。

土曜日の関東山岳地帯は午後から一時雷雨の予報。特に尾瀬から中禅寺湖にかけてはかなり雷雨の確率高し…。あれこれと転進先も考えたけれど、今年はまだ沢中泊をしておらず焚火をしたいなぁ…という思いがあり、結局決行。

いかんせん、今年訪れた沢は、尾名手川遡行~大久保沢下降(日帰り)、大井川倉沢(1日目で雪渓敗退)、奥多摩倉沢(日帰り)と、一日で終わってしまった沢ばかりだったので…。

幸いなことに予報は外れ、土曜日から日曜日の午後まで一滴の雨にも降られずに済みました。結果論にすぎませんが、本当によかった…。日曜日には、庚申山からの下山途中のお胎内くぐりから土砂降りの雨に降られてしまったけれど、その時にはすでに一般登山道&林道だったので、ひとまず問題なし(本当によかった…)。

かじか荘から少し先の、車止め地点から広い河原へ下降。

沢筋が左に折れると浅い函状に。おおむね膝程度。猛暑日となるこの日、朝早くからぐんぐんと気温はあがりそうな気配だけど、まだ水に浸かる気分ではないかな…とは言ってられない地形なので、じゃぶじゃぶと水に入って歩く。
すぐ先に巨大堰堤が出現。右岸から大きく高巻。あまり明瞭な踏み跡はないものの、ところどころの木に古い赤ペンキの跡があり、それを辿る。堰堤の上に割合すんなりと下降。

ゴーロと函と巨岩が交互に現れる渓相。陽射しが差し込むと、青緑の水面がキラキラと輝いてきれい。函は腰くらいまで水に浸かるところが多くじゃぶじゃぶと。そういう場所には釣り師さんの残置と思しきトラロープがありましたが、いずれも水の中を歩いた方が安全だし早そう。

やがて光風(坑夫)の滝が登場。
 
(光風(坑夫)の滝。観光用に「光風」と美名に変更されたけど従前は「坑夫」の滝で、それはここで坑夫の方々が身を洗ったからとか、坑夫と娘さんの悲話があるのだとか、なんだか諸説紛々でイマイチ分からない)

高さはないものの水量が多く、なにより釜が巨大でとりつけそうにないので定石どおり右岸を小さく高巻。
帰りの林道にこの滝を遠望する地点に立て看板がありました。でも、樹木が煩くて滝は見えず残念。

7mCS滝も水の勢いが激しく登れそうにないので、右壁から小さく巻き。
光風の滝からこの辺りはチャートの岩で、アクアステルスだとフリクションゼロ。フェルトでも滑りやすいかもですが。

しばらく巨岩とゴーロと大きな釜の続く沢をぽくぽくウォーターウォーキング。笹ミキ沢の出合に到着。
さすが足尾は鹿が多く、そこここに古い鹿の骨が…。

その後も巨岩とゴーロと大きな釜の連続。大きな滝はないのに、釜はいちいち大きい。脇をすんなり抜けられたり、泳いでとりついたり。


(なんというか、いちいち泳がされます)

早ければ11時くらいから空模様が怪しくなる予報だったけれど、深い谷間から覗く空は快晴で雨の気配はなし。

しばらく歩くと右手に顕著な人工物(木製の階段)が目に入る。一の鳥居から水ノ面沢沿いに降りてくる遊歩道らしい。

その辺りから先は巨岩とゴーロの連続。特にイベントはなく、ひたすら歩く。森は深く美しい。
途中の小さな流れでまに氏が岩魚を手づかみ。今回は釣りをする余裕はないだろな…と初っ端から釣りは計画外だったのに、まさかのたんぱく質ゲット。

「んー、結構遠いね」「この先も長いねぇ」と言いながらひたすら歩く。
予報では本降りの気配が濃厚となる時刻。でも幸いなことに未だ空は青く、天候が急変する兆しはない。

やがて目の前に10m滝が登場。ゴロタな沢筋からそのまま右岸を歩いて越える。長いことゴロタ歩きだったので、久しぶりのフォトジェニックな滝が嬉しい。



ほどなくして三才沢の出合に到着。ここから先は地形図で見て取れるように沢筋がぐねぐねと屈曲を繰り返し、ちょっとしたゴルジュ地形。

大きな滝はなく、腰または胸まで浸かって、またはヘツリながら泳いで段差を乗り越える場面が何度か。楽しい。

と、前方がいっそう鬱蒼と薄暗くなり、釜の向こうに4m+5mの2段の滝が登場。滝下までバンドを伝って歩き、ボルダームーブで這い上がり、水流を左へ(残置ピトンがあったけど、どうやって使うのか謎でした)。上の滝は、そのまま左壁上のバンドを伝ってクリア。

(結局一回もロープは出さずじまいでした。タープの張り綱として有効活用できたけど)

この滝を越えると沢は開け明るく変化。けれど相変わらず側壁はそこそこ高く、地盤が脆いせいか谷はU字型。おまけに滝はないのに釜はいちいち大きい、のでじゃぶじゃぶと水に入らせられる。いや、いいんですけどね。水遊び、好きだから。

(こんな感じでナイス)

再びゴロタが目立つようになったところで二俣に到着。さすがにここまで来ると水量もぐっと減ってくるので、もういつ雷雨になっても大丈夫かな…と、ひと安心。

基本的にゴロタ歩きながらも、ときおり堆積岩(?)のナメが現れる。水量も踝を洗う程度で森の中のウォーターウォーキングが心地よい。

ともあれ、そろそろテン場を探さなくては…と、よさそうな場所を物色してみるものの、どこも今ひとつな感じ。トポによれば、「二俣を過ぎたらどこでもテン場」のようなことが書いてあったのだけれど…。

ずんずん歩き続けて、どうにか見出した場所をテン場に定め、16時半にて行動終了。睡眠不足なので結構堪えました。
テン場は快適に整地され(byまに氏)、薪も豊富。盛大な焚火にて豚バラ肉と岩魚を焼き、ご飯を4合炊く(晩&朝用)。まに氏特製スープカレー的なサムシングともどもお腹いっぱい。沢はいいなぁ。

翌朝は4時半に起床。焚火を熾し、朝ご飯。テン場を撤収して6時半過ぎに出発。

徐々に傾斜が増す内に水流は少しずつ細くなり、幕営地から30分ほど歩いたところで六林班峠に続く登山道が横切る地点へ。

なおも本流である境沢をツメていくと、ボロ壁のルンゼやスラブが連続し、一気に高度を稼ぐ。水流のある部分はそこそこしっかりしているけれど、全体的に脆い。
どーんと前方に岩壁が立ちはだかる最奥の二俣にて、右のルンゼ状スラブに取り付く。傾斜はないけれどそこそこ脆いし、いかんせんノープロなので落ちたらヤバい感満載。

スラブルンゼを5mほど登った途中にてホールドが途切れ、次の一手がどうしても出せず。身動きがとれなくなったところでいったんクライムダウンし、「左の草付はどう?」という声に左に移動。足場が安定したのでザックに括り付けたバイルを取り出したら、一気にがつがつ登ることができ、信頼と安定の笹薮に突入。ほ。泥壁でのバイル登攀は快適。とはいえ、ここがこの沢で一番悪かった…。

無事に泥壁のスラブ上ルンゼを脱出し、笹薮の痩せ尾根に取り付いて50mほど上がると登山道に合流。そこから数十メートル歩くと鋸岳の山頂でした。後で皇海山から鋸岳を見て、よくぞまぁあんな尖がったところにツメ上げたなぁ…と自画自賛(?)。

ここで沢装備を解除し、縦走モードに変更。

今回の最大の目的は「100名山である皇海山をピークハントしよう」だったので、これは外せません。沢の中で風邪気味になってしまい、体調崩し気味でしたが、勢いまかせでGo。

エアリアによれば、鋸岳~皇海岳のピストンで3時間弱、鋸岳から庚申山経由で銀山平まで約5時間。計およそ8時間。長い沢の終わりではなく、長い一日の始まりでした。

 
(皇海山方面から眺めた「鋸岳」別名「烏帽子岳」。このトンガリのテッペン(の裏側ですが)めがけて詰め上げたのかーと思ったら笑えて仕方なく。そら悪かろうw)

最低限の装備だけを持ち、ほぼ空身で快適。
鋸岳の山頂直下は鎖の連続。ほぼ垂直に降りていくイメージ。そこからは樹林と笹薮の続く快適な登山道。さすがは100名山で、栗原川林道からの登山道が合流するあたりからは徐々に登山者の数が増えました。

無事に皇海山のピークを踏み、再び鋸岳へ。乾かしておいた沢装備を仕舞い、いざ庚申山方面へ。

鋸岳~庚申山間は11のピークがあるそう。とりわけ鋸岳~薬師岳間は、ザ修験道の山という感じでした。ボロイ岩に枯れ木を支点とした細い鎖や擦り切れたトラロープ、梯子、ザレたトラバースの連続で、破線ルートでありながら、なかなかの悪路。景色は最高でしたが、お腹いっぱいになりました。


(鎖や梯子があるだけいいのかも…なんだけど、支点がワヤ過ぎ&岩がボロボロでなかなかスリリング)

薬師岳を過ぎた後は、一部痩せ尾根はあるものの笹の平原や樹林帯になり安堵。
しかもいずれもピークもほぼ丹念に踏むので、下り基調とはいえアップダウンがしんどい…。

どうにか庚申山の山頂に到着した頃、ポツリと雨の気配。とはいえ、ここから先は赤線の一般登山道。ほ。

その後少しだけは持ってくれた天気も、お胎内くぐりを過ぎたところで一気に本降りに。遠くで雷鳴が轟き不穏な気配。雨の当たらない岩陰にいることを幸いに雨具を着込み、雨宿りをしていても時間が過ぎるだけなので一目散に下山。
登山道に泥水が流れ、こんなことなら沢靴のまま下山すればよかったな…と思いつつ。

登山道の脇を流れる沢筋は濁流。時折樹林の合間から眼下に垣間見える庚申川本流も当然ながら濁流。昨日の遡行時に雷雨に見舞われずに済んでほんとうによかった。

どうにかこうにか一の鳥居を過ぎ、林道を歩く内に、ようやく雨は上がりました。
それなりに長い行程と、風邪が悪化した感じでよぼよぼのヨレヨレになりながら銀山平に到着。
かじか荘でお風呂に入り、途中でご飯を食べて、一路帰京。

久しぶりに、豊かな原生林の中を滔々と流れる水と戯れながら源流の一滴を辿る、長く(長かった^^;)静かで―実際に、鋸-皇海山間は別として、沢中でも鋸岳から銀山平までの縦走路でも誰ともすれ違わず―、ずぶ濡れになりながらも明るく楽しい沢旅でした。
ありがとうございました。




Posted by norlys - 2014.07.30,Wed
海の日の3連休は、初日に大井川倉沢を雪渓敗退したので2日目は移動日。
3日目はどーすんべー…と、微妙に持て余し気味な感じでうだうだと(主に自分が…)行先を検討。

がっつりフリーを楽しむには気力体力が不足気味。なによりも、倉沢を敗退したことでゴルジュ成分が不足気味。

という訳で、7月21日(月・祝)は、日帰りで手近な奥多摩の倉沢谷へ。
以前、お天気がイマイチな時にウェットスーツをお借りして水線突破限定で遡行したら楽しかった記憶があったので再訪。

朝イチで出発。林道脇に車を停め入渓。

まずは、かつて奥多摩最難と言われた(らしい)マイモーズの悪場を見学。
水量が少なく足がついて歩いて辿り着けてしまうけれど、雰囲気は抜群。石灰岩の滑り台のような滝場を見学して満足。
 [マイモースの悪場への入口]水勢はあるけれど足が付くので実は普通に歩けてしまうという…。でも雰囲気はたっぷり。

抜け口に穿たれたペツルのボルトとでっかい安全環を見て、いったいどこの山岳会が…と思ったけれど、どうやらここをベースにキャニオニングツアーを主催されているガイドツアーさんのもののようでした。

改めて入渓点に戻り遡行開始。
上下ウェット装備なので今回も水線通し限定で。巻道明瞭だし、すぐ傍には林道が併走していていくらでも逃げられますが、この沢は水線通しが楽しいです。

すぐそばに巻道や林道があるという安心感は頼もしくなにも心配はいりません。でもね、なんとなく「遊び場感覚」というもやもや感が残ってしまう。この沢が悪い訳じゃないのに。

畢竟、登山もクライミングも沢登りも遊びの延長でしかないのに、遊び場で遊ばされている感じだともにょるというのは、ただの贅沢なのだと思います。ごめんなさい。

5m滝を越えたところでキャニオニングツアーの係員さんに遭遇。滝場を越えた後で良かった…(でないと、登る場面で上から人が降ってくるところだったw)。

その先を進むと前方に釣り師さんが。

先を急がなくてはいけない沢ならば、心底申し訳ないと思いながらも抜かせていただくところですが、今日はゆるふわ沢登りなのでのんびりと釣り師さんのペースに合わせて休みやすみ前進。

やがて5m滝で納竿をされたところで先を進ませてただく。

古い堰堤を越え、林道に上がる直前に大量の倒木。左岸の斜面が大きく抉れていて、山抜けした模様。2月の豪雪の影響だと思われ。

林道に上がり、まだ時間があるので魚止橋を渡ってその先の塩地谷を継続。
塩地谷の2段10m滝は豪快で、直登できそうにない。もしここに林道が併走していなければ…谷は深く人の侵入を拒んでいただろうな…と、少し残念に思う(傲慢ですね…すみません)。

魚止滝上から斜面を下りて再び沢へ。そこには敢えて水流の中で斜面をクライミングをしている謎のパーティが一組。なんというか…楽しいのかしら(謎)。

2段4m滝をフリーソロで通過し、地蔵滝8mは直瀑で登攀不可能なので右岸を高巻。古いフィックスロープと明瞭な踏み跡を辿り、最後に10mほど懸垂下降して再度沢床へ。

下部では黒いスレートだった側壁も、魚止滝から上は石灰岩が主となり、側壁の高さはないけれどゴルジュの雰囲気はたっぷり。

 [ゴルジュの奥の4m滝] ゴルジュの雰囲気ならプチ会越の沢気分。奥多摩の懐の深さと良さを改めて実感。

トポでは連続して高巻きとなっている3m、4m、6m滝の連暴帯は、とてもゴルジュ感満載で、特に難しいところはなくゴルジュ通しで登れました。

6mCS滝はヒョングリの裏を抜けた右壁がワイドムーブで抜けられそうな感じで、登り始めたら絶妙に配置されたホールドを慎重に繋いで登ることに神経が集中してしまい、「ロープ出した方がいいんじゃないの?」という声を背後に聞きながらも無事にフリーで抜けました。中間に残置ハーケンがあるのでロープは出した方がよいかと思います(反省)。

その上の6mスラブ滝はさくっと巻いて、登山道に合流。ここで遡行切り上げ。

あとは登山道をぽくぽくっと歩き、魚止橋から林道に戻ってお手軽下山。

のびのびと沢登りの楽しさを満喫した一日でした。緊張感ばっかりでは神経もたないので、こういうゆるふわっな沢はミモココロモ洗われてとても楽しかったです。ありがとうございました~。



Posted by norlys - 2014.07.30,Wed
海の日の3連休は、南アルプス南部の沢、大井川倉沢へ。
結果としては、ゴルジュCを抜けた地点で雪渓に阻まれ初日で敗退でした。

ここ数年、海の日の連休は、たいてい関東甲信越地方は梅雨明け直前でお天気が不安定。
やきもきしながら天気予報を眺め、なるべく予報の良さそうな南ア南を選択。

倉沢は沢中1泊2日の行程と決して長くはなく、初日に水平距離にして2km (たった! なんだけど) のゴルジュ帯を抜けることさえできれば、ツメの途中で椹島-笊が岳の登山道に合流できるので、一日だけでいいからどうかお天気がもちますように…と祈る気持ちで出発。

前夜都内を出発し、畑薙第1ダムの臨時駐車場で仮眠し、朝7時のバスで椹島へ。
空は曇りがち。ところにより、時々パラリと雨。
途中、車窓から眺める大井川の流れはそこそこ多め。雪代が出ているのが目に留まり、なんとなく嫌な予感…ひしっ。

椹島にて沢装備の準備。地元のローカルTV局の方々が登山客の皆さんにインタビューをされていたけれど、怪しい沢装備の自分達には近寄ってくださいませんでした(爆)。

椹島ロッジの裏手から大井川本流へ降りて右岸をぽくぽく歩く。
2回くらい踝程度の渡渉をこなし、上部にもはやワイヤーしか残されていない吊り橋の残骸を見る。昔、この吊り橋が未だ使用に耐える状態だった頃はこの吊り橋を渡って倉沢に入渓したらしい。

吊り橋の少し下流に左手から顕著な沢地形が合わさる。これが倉沢。1978年発刊の沢本には6級とあり、その後の沢本には5級上、後に5級下…と、徐々にグレードが下げられているものの、1泊2日という短い行程でありながら5級が与えられる沢ということで厭が応にも緊張マシマシ。

河原にてハーネスを付けて最後の準備。

倉沢に分け入るとすぐにゴルジュAの始まり。深く刻まれた黒い岩肌が両岸に伸び、白く泡立った水流が勢いよく迸っている。ただ、さすがに流程の短い支流だからか、水流に足を掬われるほどの流勢ではない。「やっぱり1泊2日の沢だと、ツメも近い分規模もこんな感じなのかな…」というのが正直な感想。

ゴルジュAの最後に、3m滝と行く手を遮るちょっとした大岩が登場。残置ハーケンにスリングをかけて乗り越す場面が悪くてお助け紐をもらう。行きたいと主張したのは自分なのに、ここが越えられなくてこの先どうするのー…と、ちょっと凹む。沢はグレードではなく、良い沢か否かが重要だと思う自分なのに、やはりどこかで囚われていたようで緊張し過ぎていたようです(深呼吸、深呼吸)。

いったん沢が開けて短いゴルジュAが終わり、ゴルジュBへ。
側壁が一段と高くそびえたところに5m滝が登場。突破できないかと近寄って見学してみたものの抜け口で水流に押し出されそうだったので、定石通り右岸高巻きからの20m空中懸垂で沢へ。

右に左にと細かく向きを変えるので先が見通せず、次々に釜や小滝が現れ、息を付く暇がない。楽しい。右手から美しい沢が入る小さな河原に到着し、ゴルジュB終了。河原といっても倒木がひどく多い。雲の隙間からちらりと陽が差す。けれど、濡れたウェットスーツが肌にへばりついて休んでいると身体が冷えてしまう。という訳で行動続行。

いざ、ゴルジュCへ。
10mひょんぐり滝は滝裏をくぐって側壁を快適登攀。その先も釜を持つ小滝が連続し、反転水流に乗って岩に取り付き慎重にフリーソロを繰り返す。
登っているときは無我夢中で気が付かないけれど、振り返ると越えてきた沢筋が階段のように眼下にあり、短い水平移動の間に高度を稼いでいることを知る。

 [ゴルジュCの釜と滝] 

ゴルジュCを無事に水線突破し、前方の左手の開けた空間が戸間ノ滝沢だろう…と、ぬか喜びしたのも束の間、急速に空模様が暗くなり遠くに雷鳴が聞こえてきた。折しも、水温がぐんと下がり不穏な雰囲気。

前方には小さなスノーブリッジ。ひとつめは潜れそう。ただ、その先にズタズタの雪渓が詰まっていて、水流が雪渓脇から噴出している様子。雨もポツリ。

本能的にヤバい…と感じ、右岸の一段高い場所に避難。
戸間ノ滝沢と沖ノ滝沢間は北面の大きなルンゼ状で、まだ雪渓が解けきらずに残ってしまったのかも。
巻いてその先を覗いてみる…という手もあったかもしれないけれど、この先にも雪渓が続いていたら逃げ場がなくなってしまい、沢床に戻ることなく大高巻に終始してしまうかもしれない…。なにより、雪渓がなければ快適に通過できる部分を無理して強行してもなぁ…と思った。タイミングを計り損ねた自分が悪かったのです。すみません。。

という訳で、取付いた右岸の小尾根から脱出行を開始。

幸いなことに、それまで通過してきたボロそうな泥壁や絶望的な岩壁とは異なり、立木も木の根もしっかりとした斜面でした。雷鳴は時折遠くに轟いていたものの近づく様子はなく、雨もたいしたことなくすぐに止みひと安心。

ところどころ鹿の踏み跡を辿りながら、急登にあえぎあえぎ標高を600mばかり稼ぐと、椹島-笊が岳間の登山道に無事合流。

あとは一目散に椹島へ下山。海の日の3連休にも関らず、ここには喧噪はなく、翌日の出発を控えた登山者と決して多くはない旅行者がのんびりと時間を過ごしていて、遡行の結果はともあれ、今ここにいることが楽しいな…と思う、健やかな気持ちになりました。
お風呂に入ってさっぱりした後、ビールをしこたま呑んで、ぐっすり。

倉沢は評判どおり登攀要素が高く、息を付く間もなく次々にイベントが現れる楽しい沢でした。もっともゴルジュCまでしか辿り着けていませんが。。
ゴルジュDやトンネル状ゴルジュと呼ばれるゴルジュE(これは大高巻で通過してしまうらしい)の様子が分からないので、またいつか機会があったらリベンジしたいな…とは思うものの、南ア南はやはり遠いので…いつの日が来ることがあるのかな…と願いつつ。
ありがとうございました。

Posted by norlys - 2014.05.21,Wed
週末の土曜日は3度目の太刀岡山左岩稜&富士山で山スキー。

太刀岡山左稜線はついこの先日登ったばかりだけど、翌日日曜日の富士山の方がメインなので手軽にアプローチできて、ジム歴はそこそこ長いものの外岩は初めてだというNさんに外岩マルチピッチの楽しさを満喫してもらおう~と。

新緑が眩しく、フリクションは抜群で、気温もほどよく、快適なマルチピッチを楽しみました。

下山後、買い出しをしてスバルラインに移動。

自分は富士山を登るのは初めて。スバルライン五合目駐車場から見上げる富士山は、いつも麓から見る姿よりも遥かに大きく広い印象。下界の山並みや街並みがジオラマのよう。

こんな時期の夕方でも観光客の方は結構いらっしゃって、まるでテーマパークみたい。夏はきっとすごい人混みなんだろうな…。

5月18日(日)は4時半に起床し、今回は車2台なので1台を北面側にデポして、6時半前に駐車場を出発。富士吉田口の登山道を目指してトラバースをするところから雪が残っていたので、アイゼンを履いてぽくぽく歩き。

5合目小屋までは行かず、途中から斜上する形で雪面を登る。
前方には広い広い雪のスロープが広がっていて、淡々と登りながらも汗だくに。

空は快晴。上空には薄い雲がすごい勢いで流れていく。背後に上昇気流で湧き上がった雲の塊があるけれど、山頂を越えてきた風に押し付けられるのかある一定の高さでとどまっている。

島みたいだ、そう思った。独立峰で周囲に居並ぶ山並みのない富士山は、標高が上がるほどにとりわけ風の影響が強いというけれど、なるほど島みたいだ、と。

6合目付近で登山道に合流。夏道はすっかり雪の下。とはいえ、階段状に踏み跡があって歩きやすい。下山してくるいくつかのパーティにすれ違う。どのパーティも8合目から上は風が強く引き返してきた、お気を付けて、と口々に仰る。

標高が上がるに従い、次第に風の影響を受け始めたので、7合目の手前で夏道を外れ右手のルンゼを歩くことにする。夏道よりも風の影響は少なく、まだ雪も硬くはなく快適に滑れそうな感じ。

8合目の小屋を横目にする頃、風はいよいよ強くなり、徐々にブルーアイスが覗き始めたので、「カリカリのアイスバーンを滑っても楽しくない」と一同合意の上で撤退決定。時間的には余裕があったけれど、山頂に辿り着くことが目的ではないので、ここで諦めてよかったと思う。

ルンゼから再び夏道方面にトラバース。夏道に近づくほどに地形のためか風の影響は強くなり、ブロック状にガレを積んだ平らな段差の箇所の陰に隠れてしばしレスト。

足元が平らな場所なので安心してザックを下ろしてスキーを装着。
登ってきたルンゼを目指してカリカリと音を立てながらトラバース。シュプールの残る辺りに辿り着くと、カリカリではなく愉快なザラメが続いていました。天然のスキー場みたいで気持ちいいい。標高が下がるほどに傾斜も落ち、風も弱くなり、とにかく最高。

北面に車をデポしてあるので、標高2400m辺りから左にトラバースを開始。板を外して少し斜面をツボ足で登ったり、ガレを乗り越したり、スキーで横断しながら2900m弱まで登り返し。

夏の富士山は延々と渋滞の中を歩くらしい…ということで敬遠していたけれど、夏道を外れてトラバースを始めてからは上にも下にも誰にも出会うことなく、広大な斜面を貸切。陽射しに緩んだ真っ白いきれいなザラメはツボ足で歩いても沈み過ぎず、スキーで滑るにはうってつけのコンディションで、富士山ってこんなにステキなところだったのか…と、しみじみ。

幾度かガレを越えて、デポした車を確認することはできないものの、そろそろ近づいただろうということで、スバルラインまで続いていそうな斜面をロングライド。

頑張って登った甲斐があったなぁ…というくらい、長く広い斜面を―とはいえ、下部はところどころ落石が点在していたので板で踏まないように注意しながら―一目散に滑り下り、板を外すことなく、ぽんっと車道に出ました。

気持ち良かった~。

なるほど、富士山は日本一な山だけあって、こんなに素晴らしいのかと、今までの先入観(混んでそうで嫌だなとか、残雪期は落石が多くて板がジャキジャキになるらしいとか…。コンディション次第だとは思いますが)が吹き飛びました。

お陰さまでクライミング&山スキーと贅沢な週末を過ごすことができました。
ありがとうございます。
Posted by norlys - 2014.04.15,Tue
週末の土曜日は太刀岡山へ。

もともとは湯川でクラックの予定でしたが(日曜日は湯川で登りました)、先週末からずっと腰がバリバリに痛くて自分にとってハードなショートルートを連日登るのはちょっと厳しいかな…という感じだったので、一日は楽しくエンクラがしたいなぁと思い、太刀岡山を希望。

右岩稜は、以前三宅島で偶然お会いしたSガイドさんから「アルパイン的でおススメですよ」と伺い、つまりそれは決してお手柔らかな内容ではないのだろうな…と思い、なかなか登る機会を見出せずにいました(苦笑)。

トポやネットでの記録を色々と拝見すると、右岩稜は5P目でのラペルの後の6P目が5.10d/11aと厳しそうだったので、右岩稜は4P目にて終了とし、そうすると一日のかなりの時間が余ってしまいそうなので以前登攀した左岩稜をもう一度登ることにしましょう、そうしましょう、ということに。

結果としては、右岩稜4P+左岩稜8Pの合計12Pと、途中の小休止を挟みつつもずっと岩を登り続ける楽しい一日となりました。

太刀岡山下部岩壁の基部から踏み跡を右にトラバース。途中にある右岩稜上部を覗くガレの押し出しを越えてさらに歩くと下部岩壁の右端に到達。
リングボルトが左に、ハンガーボルトのラインが右に近い間隔で並んでいる場所が右岩稜の取付き。
右のリングボルトのラインが「父の優しさ(5.9)」で、左のハンガーボルトが「太刀岡山健康ランド(5.10a)」かなと見当をつける。

■太刀岡山右岩稜

1P目(5.10a)
まに氏リード。右稜線を4P目までとすると1P目と3P目がいずれも5.10aなので、互いに10aのピッチを1本ずつ担当しましょう~ということで、朝イチのピッチはまに氏にお願い。
カチっとした垂壁。ボルト4本目から左のルンゼ側に入り、そのままトラバース気味に左上。カンテの上に終了点あり。
まに氏はつるつるっと登ってしまったけれど、自分はフォローだというのに朝イチなので身体が全然動かないし、岩がまだ冷たくて指先が冷えて仕方なく、もたもた(すみません)。

2P目(5.9)
自分がリード。「一瞬とまどう出だしを越えればカンテとなる」というトポの通り、一瞬とまどう出だしを越えてカンテのラインから樹林帯へ。一瞬とまどう出だしはムーブに戸惑うものの岩は堅く快適。その後のカンテと樹林帯はアルパインチックで落石注意。ルーファイは木の枝を切った跡を追い掛けつつ。トポに「松の木まで行ってしまったら登りすぎ」とあったので、松の木の右隣の木でビレイ。

3P目(5.10a)
自分がリード。左の「登りすぎ」な松の木からのラインも登れそうだけど、目の前にハングとその右にひとつ朝陽を受けてピカっと光るボルトが見えるのであっちがラインかな…と相談。ただ「右上に見える広めのクラック」は苔がモサモサ生えていてちょっと想像と違う…。確かにアルパインちっくというか、ワイルド。
広めのクラックの上に出ると頭上にハング。フィンガーサイズのクラックにカムをいくつかセットしながら右トラバース気味に、右上にペかっと光るボルトを目指す。強い人ならこのボルトがなくとも問題ないかもですが、ルーファイにまごまごしてしまった自分には道標として支点として有り難かったです。モタモタとカンテへ回り込み、のそのそと終了点へ。緊張しました。

4P目(5.8)
まに氏リード。青空の下、岩に打たれたボルトラインは明瞭で迷うところはなし。ただ、「やさしいがきれいなカンテ(5.7)」とあるけれど、岩全体がスナスナしていて傾斜はないけれど縦ホールドと足スメアの連続で、そんなに易しくないような…。
ともあれ、大ピナクルの頂点に無事到着。

5P目の取付き地点から右のルンゼ沿いに歩いて降りることもできそうだったけれど、60mシングルロープで4回の懸垂下降で取付きに無事帰還。50mシングルロープだと4P目からの懸垂がちょっと足りなさそう。降りる途中で12時を知らせるチャイムを聞く。

結局フルセットで用意したカムとナッツのうち、使用したのは赤から紫サイズのみ(赤は立木があたので使わなくてもよかった)。フィンガーサイズのカムが少し多目にあれば十分だったかも。

いったん荷物をデポした場所に戻り、栄養補給。

太刀岡山左岩稜は以前一度登っているので、気持ちは楽。
この日、偶然お会いした知り合いの方に「左岩稜の1P目の出だしにリングボルトが2つ打たれているの」と聞いてはいたものの、ピカピカのリングボルトを目の前にするとやっぱりガッカリ感が大。左稜線は下部ピッチこそテクニカルだけど上部は気持ちの良い岩稜帯歩き…という、開拓者の方の意図を尊重してほしかったな…と。

左岩稜は各ピッチは短いながらも、フェイスとクラックのさまざまな要素が出てくる、何度登っても楽しいルートでした。

鋏岩まで登り、あとは鋏岩の基部を回り込んで登山道から小山ロック前を通り、登山道から右にそれた少し色褪せた赤テープを目印に踏み跡を辿ると小尾根沿いに歩いて下ることができ、そのまま下部岩壁に辿り着きました。葉が生い茂る季節だと道が分かりにくいかもしれませんが、まだ早春のこの時期は見通しもよく迷うところはありませんでした。

登り始める前に、「右岩稜+左岩稜で何ノーズ(1ノーズ≒2.5時間)で登れるかな?」と話していたのですが、結果としては2ノーズ強…なのかな。
トップクライマーの方々の強さと、ピッチグレードは10aを越えないながらもたくさん登ることのタクティスを含めた面白さを改めて認識した一日でした。最後はふくらばぎがパンパンに疲れましたが、楽しかったです。ありがとうございます。
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自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。

色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
つぶやき。
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