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Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by - 2024.05.19,Sun
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Posted by norlys - 2014.07.30,Wed
海の日の3連休は、南アルプス南部の沢、大井川倉沢へ。
結果としては、ゴルジュCを抜けた地点で雪渓に阻まれ初日で敗退でした。

ここ数年、海の日の連休は、たいてい関東甲信越地方は梅雨明け直前でお天気が不安定。
やきもきしながら天気予報を眺め、なるべく予報の良さそうな南ア南を選択。

倉沢は沢中1泊2日の行程と決して長くはなく、初日に水平距離にして2km (たった! なんだけど) のゴルジュ帯を抜けることさえできれば、ツメの途中で椹島-笊が岳の登山道に合流できるので、一日だけでいいからどうかお天気がもちますように…と祈る気持ちで出発。

前夜都内を出発し、畑薙第1ダムの臨時駐車場で仮眠し、朝7時のバスで椹島へ。
空は曇りがち。ところにより、時々パラリと雨。
途中、車窓から眺める大井川の流れはそこそこ多め。雪代が出ているのが目に留まり、なんとなく嫌な予感…ひしっ。

椹島にて沢装備の準備。地元のローカルTV局の方々が登山客の皆さんにインタビューをされていたけれど、怪しい沢装備の自分達には近寄ってくださいませんでした(爆)。

椹島ロッジの裏手から大井川本流へ降りて右岸をぽくぽく歩く。
2回くらい踝程度の渡渉をこなし、上部にもはやワイヤーしか残されていない吊り橋の残骸を見る。昔、この吊り橋が未だ使用に耐える状態だった頃はこの吊り橋を渡って倉沢に入渓したらしい。

吊り橋の少し下流に左手から顕著な沢地形が合わさる。これが倉沢。1978年発刊の沢本には6級とあり、その後の沢本には5級上、後に5級下…と、徐々にグレードが下げられているものの、1泊2日という短い行程でありながら5級が与えられる沢ということで厭が応にも緊張マシマシ。

河原にてハーネスを付けて最後の準備。

倉沢に分け入るとすぐにゴルジュAの始まり。深く刻まれた黒い岩肌が両岸に伸び、白く泡立った水流が勢いよく迸っている。ただ、さすがに流程の短い支流だからか、水流に足を掬われるほどの流勢ではない。「やっぱり1泊2日の沢だと、ツメも近い分規模もこんな感じなのかな…」というのが正直な感想。

ゴルジュAの最後に、3m滝と行く手を遮るちょっとした大岩が登場。残置ハーケンにスリングをかけて乗り越す場面が悪くてお助け紐をもらう。行きたいと主張したのは自分なのに、ここが越えられなくてこの先どうするのー…と、ちょっと凹む。沢はグレードではなく、良い沢か否かが重要だと思う自分なのに、やはりどこかで囚われていたようで緊張し過ぎていたようです(深呼吸、深呼吸)。

いったん沢が開けて短いゴルジュAが終わり、ゴルジュBへ。
側壁が一段と高くそびえたところに5m滝が登場。突破できないかと近寄って見学してみたものの抜け口で水流に押し出されそうだったので、定石通り右岸高巻きからの20m空中懸垂で沢へ。

右に左にと細かく向きを変えるので先が見通せず、次々に釜や小滝が現れ、息を付く暇がない。楽しい。右手から美しい沢が入る小さな河原に到着し、ゴルジュB終了。河原といっても倒木がひどく多い。雲の隙間からちらりと陽が差す。けれど、濡れたウェットスーツが肌にへばりついて休んでいると身体が冷えてしまう。という訳で行動続行。

いざ、ゴルジュCへ。
10mひょんぐり滝は滝裏をくぐって側壁を快適登攀。その先も釜を持つ小滝が連続し、反転水流に乗って岩に取り付き慎重にフリーソロを繰り返す。
登っているときは無我夢中で気が付かないけれど、振り返ると越えてきた沢筋が階段のように眼下にあり、短い水平移動の間に高度を稼いでいることを知る。

 [ゴルジュCの釜と滝] 

ゴルジュCを無事に水線突破し、前方の左手の開けた空間が戸間ノ滝沢だろう…と、ぬか喜びしたのも束の間、急速に空模様が暗くなり遠くに雷鳴が聞こえてきた。折しも、水温がぐんと下がり不穏な雰囲気。

前方には小さなスノーブリッジ。ひとつめは潜れそう。ただ、その先にズタズタの雪渓が詰まっていて、水流が雪渓脇から噴出している様子。雨もポツリ。

本能的にヤバい…と感じ、右岸の一段高い場所に避難。
戸間ノ滝沢と沖ノ滝沢間は北面の大きなルンゼ状で、まだ雪渓が解けきらずに残ってしまったのかも。
巻いてその先を覗いてみる…という手もあったかもしれないけれど、この先にも雪渓が続いていたら逃げ場がなくなってしまい、沢床に戻ることなく大高巻に終始してしまうかもしれない…。なにより、雪渓がなければ快適に通過できる部分を無理して強行してもなぁ…と思った。タイミングを計り損ねた自分が悪かったのです。すみません。。

という訳で、取付いた右岸の小尾根から脱出行を開始。

幸いなことに、それまで通過してきたボロそうな泥壁や絶望的な岩壁とは異なり、立木も木の根もしっかりとした斜面でした。雷鳴は時折遠くに轟いていたものの近づく様子はなく、雨もたいしたことなくすぐに止みひと安心。

ところどころ鹿の踏み跡を辿りながら、急登にあえぎあえぎ標高を600mばかり稼ぐと、椹島-笊が岳間の登山道に無事合流。

あとは一目散に椹島へ下山。海の日の3連休にも関らず、ここには喧噪はなく、翌日の出発を控えた登山者と決して多くはない旅行者がのんびりと時間を過ごしていて、遡行の結果はともあれ、今ここにいることが楽しいな…と思う、健やかな気持ちになりました。
お風呂に入ってさっぱりした後、ビールをしこたま呑んで、ぐっすり。

倉沢は評判どおり登攀要素が高く、息を付く間もなく次々にイベントが現れる楽しい沢でした。もっともゴルジュCまでしか辿り着けていませんが。。
ゴルジュDやトンネル状ゴルジュと呼ばれるゴルジュE(これは大高巻で通過してしまうらしい)の様子が分からないので、またいつか機会があったらリベンジしたいな…とは思うものの、南ア南はやはり遠いので…いつの日が来ることがあるのかな…と願いつつ。
ありがとうございました。

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自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。

色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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