忍者ブログ
Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by - 2024.05.19,Sun
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

Posted by norlys - 2014.08.08,Fri
先週末の沢の記録など。

・山域:足尾- 庚申川、皇海山、庚申山
・日程:2014月8月2日(土)~3日(日)。
・天候:8/2-晴れ、8/3-晴れ一時雷雨
・コースタイム(ざっくり):
8/2-6時50分 銀山平発~7時5分 庚申川入渓~8時5分 光風(坑夫)の滝下~9時20分 笹ミキ沢出合~10時55分 水ノ面沢出合~13時30分 三才沢出合~14時30分 二俣~14時50分 奥の二俣~16時30分 幕営地

8/3-4時30分起床~6時35分 幕営地発~ 9時頃 鋸岳山頂(沢装備を解除&日干しし、空身で皇海山へ)~10時 皇海山山頂~11時10分 鋸岳再び(荷物をまとめて下山準備)~13時40分 庚申山~16時40分くらい 銀山平(カメラの電池切れ&記憶曖昧)

金曜日の夜に都内を出発。途中で仮眠をし、銀山平にある国民宿舎かじか荘の駐車場に車を停め、そそくさと沢の準備。

土曜日の関東山岳地帯は午後から一時雷雨の予報。特に尾瀬から中禅寺湖にかけてはかなり雷雨の確率高し…。あれこれと転進先も考えたけれど、今年はまだ沢中泊をしておらず焚火をしたいなぁ…という思いがあり、結局決行。

いかんせん、今年訪れた沢は、尾名手川遡行~大久保沢下降(日帰り)、大井川倉沢(1日目で雪渓敗退)、奥多摩倉沢(日帰り)と、一日で終わってしまった沢ばかりだったので…。

幸いなことに予報は外れ、土曜日から日曜日の午後まで一滴の雨にも降られずに済みました。結果論にすぎませんが、本当によかった…。日曜日には、庚申山からの下山途中のお胎内くぐりから土砂降りの雨に降られてしまったけれど、その時にはすでに一般登山道&林道だったので、ひとまず問題なし(本当によかった…)。

かじか荘から少し先の、車止め地点から広い河原へ下降。

沢筋が左に折れると浅い函状に。おおむね膝程度。猛暑日となるこの日、朝早くからぐんぐんと気温はあがりそうな気配だけど、まだ水に浸かる気分ではないかな…とは言ってられない地形なので、じゃぶじゃぶと水に入って歩く。
すぐ先に巨大堰堤が出現。右岸から大きく高巻。あまり明瞭な踏み跡はないものの、ところどころの木に古い赤ペンキの跡があり、それを辿る。堰堤の上に割合すんなりと下降。

ゴーロと函と巨岩が交互に現れる渓相。陽射しが差し込むと、青緑の水面がキラキラと輝いてきれい。函は腰くらいまで水に浸かるところが多くじゃぶじゃぶと。そういう場所には釣り師さんの残置と思しきトラロープがありましたが、いずれも水の中を歩いた方が安全だし早そう。

やがて光風(坑夫)の滝が登場。
 
(光風(坑夫)の滝。観光用に「光風」と美名に変更されたけど従前は「坑夫」の滝で、それはここで坑夫の方々が身を洗ったからとか、坑夫と娘さんの悲話があるのだとか、なんだか諸説紛々でイマイチ分からない)

高さはないものの水量が多く、なにより釜が巨大でとりつけそうにないので定石どおり右岸を小さく高巻。
帰りの林道にこの滝を遠望する地点に立て看板がありました。でも、樹木が煩くて滝は見えず残念。

7mCS滝も水の勢いが激しく登れそうにないので、右壁から小さく巻き。
光風の滝からこの辺りはチャートの岩で、アクアステルスだとフリクションゼロ。フェルトでも滑りやすいかもですが。

しばらく巨岩とゴーロと大きな釜の続く沢をぽくぽくウォーターウォーキング。笹ミキ沢の出合に到着。
さすが足尾は鹿が多く、そこここに古い鹿の骨が…。

その後も巨岩とゴーロと大きな釜の連続。大きな滝はないのに、釜はいちいち大きい。脇をすんなり抜けられたり、泳いでとりついたり。


(なんというか、いちいち泳がされます)

早ければ11時くらいから空模様が怪しくなる予報だったけれど、深い谷間から覗く空は快晴で雨の気配はなし。

しばらく歩くと右手に顕著な人工物(木製の階段)が目に入る。一の鳥居から水ノ面沢沿いに降りてくる遊歩道らしい。

その辺りから先は巨岩とゴーロの連続。特にイベントはなく、ひたすら歩く。森は深く美しい。
途中の小さな流れでまに氏が岩魚を手づかみ。今回は釣りをする余裕はないだろな…と初っ端から釣りは計画外だったのに、まさかのたんぱく質ゲット。

「んー、結構遠いね」「この先も長いねぇ」と言いながらひたすら歩く。
予報では本降りの気配が濃厚となる時刻。でも幸いなことに未だ空は青く、天候が急変する兆しはない。

やがて目の前に10m滝が登場。ゴロタな沢筋からそのまま右岸を歩いて越える。長いことゴロタ歩きだったので、久しぶりのフォトジェニックな滝が嬉しい。



ほどなくして三才沢の出合に到着。ここから先は地形図で見て取れるように沢筋がぐねぐねと屈曲を繰り返し、ちょっとしたゴルジュ地形。

大きな滝はなく、腰または胸まで浸かって、またはヘツリながら泳いで段差を乗り越える場面が何度か。楽しい。

と、前方がいっそう鬱蒼と薄暗くなり、釜の向こうに4m+5mの2段の滝が登場。滝下までバンドを伝って歩き、ボルダームーブで這い上がり、水流を左へ(残置ピトンがあったけど、どうやって使うのか謎でした)。上の滝は、そのまま左壁上のバンドを伝ってクリア。

(結局一回もロープは出さずじまいでした。タープの張り綱として有効活用できたけど)

この滝を越えると沢は開け明るく変化。けれど相変わらず側壁はそこそこ高く、地盤が脆いせいか谷はU字型。おまけに滝はないのに釜はいちいち大きい、のでじゃぶじゃぶと水に入らせられる。いや、いいんですけどね。水遊び、好きだから。

(こんな感じでナイス)

再びゴロタが目立つようになったところで二俣に到着。さすがにここまで来ると水量もぐっと減ってくるので、もういつ雷雨になっても大丈夫かな…と、ひと安心。

基本的にゴロタ歩きながらも、ときおり堆積岩(?)のナメが現れる。水量も踝を洗う程度で森の中のウォーターウォーキングが心地よい。

ともあれ、そろそろテン場を探さなくては…と、よさそうな場所を物色してみるものの、どこも今ひとつな感じ。トポによれば、「二俣を過ぎたらどこでもテン場」のようなことが書いてあったのだけれど…。

ずんずん歩き続けて、どうにか見出した場所をテン場に定め、16時半にて行動終了。睡眠不足なので結構堪えました。
テン場は快適に整地され(byまに氏)、薪も豊富。盛大な焚火にて豚バラ肉と岩魚を焼き、ご飯を4合炊く(晩&朝用)。まに氏特製スープカレー的なサムシングともどもお腹いっぱい。沢はいいなぁ。

翌朝は4時半に起床。焚火を熾し、朝ご飯。テン場を撤収して6時半過ぎに出発。

徐々に傾斜が増す内に水流は少しずつ細くなり、幕営地から30分ほど歩いたところで六林班峠に続く登山道が横切る地点へ。

なおも本流である境沢をツメていくと、ボロ壁のルンゼやスラブが連続し、一気に高度を稼ぐ。水流のある部分はそこそこしっかりしているけれど、全体的に脆い。
どーんと前方に岩壁が立ちはだかる最奥の二俣にて、右のルンゼ状スラブに取り付く。傾斜はないけれどそこそこ脆いし、いかんせんノープロなので落ちたらヤバい感満載。

スラブルンゼを5mほど登った途中にてホールドが途切れ、次の一手がどうしても出せず。身動きがとれなくなったところでいったんクライムダウンし、「左の草付はどう?」という声に左に移動。足場が安定したのでザックに括り付けたバイルを取り出したら、一気にがつがつ登ることができ、信頼と安定の笹薮に突入。ほ。泥壁でのバイル登攀は快適。とはいえ、ここがこの沢で一番悪かった…。

無事に泥壁のスラブ上ルンゼを脱出し、笹薮の痩せ尾根に取り付いて50mほど上がると登山道に合流。そこから数十メートル歩くと鋸岳の山頂でした。後で皇海山から鋸岳を見て、よくぞまぁあんな尖がったところにツメ上げたなぁ…と自画自賛(?)。

ここで沢装備を解除し、縦走モードに変更。

今回の最大の目的は「100名山である皇海山をピークハントしよう」だったので、これは外せません。沢の中で風邪気味になってしまい、体調崩し気味でしたが、勢いまかせでGo。

エアリアによれば、鋸岳~皇海岳のピストンで3時間弱、鋸岳から庚申山経由で銀山平まで約5時間。計およそ8時間。長い沢の終わりではなく、長い一日の始まりでした。

 
(皇海山方面から眺めた「鋸岳」別名「烏帽子岳」。このトンガリのテッペン(の裏側ですが)めがけて詰め上げたのかーと思ったら笑えて仕方なく。そら悪かろうw)

最低限の装備だけを持ち、ほぼ空身で快適。
鋸岳の山頂直下は鎖の連続。ほぼ垂直に降りていくイメージ。そこからは樹林と笹薮の続く快適な登山道。さすがは100名山で、栗原川林道からの登山道が合流するあたりからは徐々に登山者の数が増えました。

無事に皇海山のピークを踏み、再び鋸岳へ。乾かしておいた沢装備を仕舞い、いざ庚申山方面へ。

鋸岳~庚申山間は11のピークがあるそう。とりわけ鋸岳~薬師岳間は、ザ修験道の山という感じでした。ボロイ岩に枯れ木を支点とした細い鎖や擦り切れたトラロープ、梯子、ザレたトラバースの連続で、破線ルートでありながら、なかなかの悪路。景色は最高でしたが、お腹いっぱいになりました。


(鎖や梯子があるだけいいのかも…なんだけど、支点がワヤ過ぎ&岩がボロボロでなかなかスリリング)

薬師岳を過ぎた後は、一部痩せ尾根はあるものの笹の平原や樹林帯になり安堵。
しかもいずれもピークもほぼ丹念に踏むので、下り基調とはいえアップダウンがしんどい…。

どうにか庚申山の山頂に到着した頃、ポツリと雨の気配。とはいえ、ここから先は赤線の一般登山道。ほ。

その後少しだけは持ってくれた天気も、お胎内くぐりを過ぎたところで一気に本降りに。遠くで雷鳴が轟き不穏な気配。雨の当たらない岩陰にいることを幸いに雨具を着込み、雨宿りをしていても時間が過ぎるだけなので一目散に下山。
登山道に泥水が流れ、こんなことなら沢靴のまま下山すればよかったな…と思いつつ。

登山道の脇を流れる沢筋は濁流。時折樹林の合間から眼下に垣間見える庚申川本流も当然ながら濁流。昨日の遡行時に雷雨に見舞われずに済んでほんとうによかった。

どうにかこうにか一の鳥居を過ぎ、林道を歩く内に、ようやく雨は上がりました。
それなりに長い行程と、風邪が悪化した感じでよぼよぼのヨレヨレになりながら銀山平に到着。
かじか荘でお風呂に入り、途中でご飯を食べて、一路帰京。

久しぶりに、豊かな原生林の中を滔々と流れる水と戯れながら源流の一滴を辿る、長く(長かった^^;)静かで―実際に、鋸-皇海山間は別として、沢中でも鋸岳から銀山平までの縦走路でも誰ともすれ違わず―、ずぶ濡れになりながらも明るく楽しい沢旅でした。
ありがとうございました。




PR
Comments
Post a Comment
Name :
Title :
E-mail :
URL :
Comments :
Pass :   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
Calendar
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
最新記事
(07/27)
(07/13)
(07/10)
(03/18)
(03/17)
(03/16)
(03/16)
(03/16)
(03/12)
(03/10)
Profile
HN:
norlys
性別:
非公開
自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。

色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
つぶやき。
Search
Meteo
Look down on Earth
↑陸域観測技術衛星ALOS(だいち) 「P」ボタンを押すと衛星画像になりますyo
Ads
Comments
[09/23 ヨシ]
[02/06 kacky]
[09/22 kacky]
[07/31 vini]
[07/06 FilsNoel ]
Trackbacks
バーコード
Tool
Log
Template by mavericyard*
Powered by "Samurai Factory"
忍者ブログ [PR]