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Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by - 2024.11.28,Thu
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Posted by norlys - 2009.07.27,Mon
週末は予報に反して望外の晴天につき、奥鬼怒のナメの沢を満喫。

金曜日の夜に都内で集合し、東北道へ。今回はYさんY2さん、Nさん、Sさんと自分の5人。

途中から大粒の雨が降り出し、日光に入っても雨は止む気配なし。出発前に眺めていた天気図では、オホーツク海高気圧が張り出していて近づく低気圧と梅雨前線を日本海側でブロック。北関東内陸部の影響は不明。予報のとおり曇りか、やっぱり雨か…と思いつつも、なるべく荒れないことを祈るばかり。

霧降高原スカイラインに入るとなにしおう濃厚な霧。雨は降り止まず。午前3時頃に夫婦淵温泉に到着。あたり一面を包む硫黄の刺激臭がツンと鼻につく。幸い雨は小康状態。ここで仮眠。

朝7時半過ぎに起き出し、ぼちぼちと沢の準備を進める。ガスが上昇気流に乗って曇りがちだけど、部分的に青空も覗いている。

朝9時に夫婦淵駐車場を出発し、奥鬼怒遊歩道から黒沢林道へ。林道に入って奥鬼怒温泉郷に続く吊橋を左手に見るとすぐに道が草っぽく細くなる。この先にある堰堤工事のために道が拓かれてからメンテナンスされていないのかも。右手に露出した岩肌はところどころかなり脆そうで、小さな崩壊箇所が2、3箇所。

途中に残る2つのコンクリート橋やS字のカーブの端に埋もれたカーブミラーが遺跡のよう。地図を見ながら歩いていたけれど、魚沢へ続く林道の分岐点は分からなかった。同じく地図を眺めながら歩いていたYさんも「見つからないね」とのこと。最近の記録によると魚沢沿いの林道は廃道になって久しくすっかり自然に帰っているとのことだったけど、どうやら本当らしい。

じゃりじゃりと水を含んだ林道を歩いていると、いつの間にか太陽が背に照りつけ気温がぐんぐん上がる。左側の眼下に黒沢の流れ。水量はさほど多くない様子。「飛び込みたいなー」とNさん。「こういう広い川原みたいな沢が好きなんだよね」

黒沢林道は概ね平坦。標高は2箇所のS字カーブで稼ぐ。1つ目のS字カーブを上がった少し先で緑の中に白い巨大堰堤の姿を見る。おお、あれか。

P7251139_s.JPG2つ目のS字カーブを越えると堰堤脇に出る。ここ数日そこそこ雨の日が続いていたようなのにバックウォーターはそれほど多くなく、おそらく満水のときにはここも水没するのだろうなと思われる砂地を越えて、いったん荷を置いて入渓点を確認。この時点で10時15分。じりじりと陽射しが暑く、そろそろ水が恋しい。

赤岩沢の出合は人の頭よりやや大きめの白い花崗岩のガレがゴロゴロ転がる枯沢。ガレをぽくぽくと歩くとすぐに2つの堰堤が登場。右岸から2つまとめて高巻き。泥壁はやや脆いものの難なく越える。

手前の堰堤は小さく明らかに古い。2つ目の堰堤は大きく立派だけれど、すでにかなりの土砂や岩が堆積している。途中に「建設省貸与」という標識が埋められていたので最低でも8年以上、おそらくはもっと経っているのだろ。

赤岩沢自体の集水面積はそれほど広くないので、多少の雨でも大丈夫かな…と考えていたけれど、これらの河川の水を集める鬼怒川の下流はその昔氾濫が絶えなかったらしい。毛の国(群馬・栃木)を流れる川なので「毛野川」と呼ばれていたとか蚕産業が盛んだったから「絹川、衣川」と呼ばれていたものが明治時代に「鬼怒川」という名称になったのは、「測量に入った役人が「鬼が怒ったような」激しい流れに、この字を当てたとの話が残っています。(関東農政局のサイトより)」だとか。

堰堤上で休憩し、10時50分過ぎにいよいよ赤岩沢の遡行開始。水の流れは細く、ナメ床を花崗岩の岩や大きな流木が埋めつくしている。段々と沢が開けてくるにつれて、小滝と小さな緑色の釜が続いて現れるようになる。

30分ほど歩くと沢はすっきりと明るくなり、雪渓で磨かれたきれいなナメが断続的に続く。特に困難なところはなく、ナメはフリクションが効き、滑るように流れる緑色の水が美しい。

空はいよいよ明るくすっきりとした夏空。明るい原生林の中、舗装道路のようなナメ床をひたひたと歩く。楽しい。ところどころに巨大なヒノキの倒木が転がっている。予想外の晴天と暑いほどのとにかく楽しい。

P7251175_s.JPG11時半頃、目の前がいよいよ開け、なだらかな8mとその奥に2段50m滝が登場(ロープスケールでは50m必要かもしれないけれど、体感としては2段35m程度かも)。
黒苔がちょっと滑って嫌な感じだけど、2段50m滝の下部は階段状なのでロープを出さずに直登。Yさんと自分は左から、あとの3人は右から登り水流をトラバース。上部は水流脇の潅木帯を登る。ここで流れは左に曲がる。
滝の上部に頭がやや潰れたハーケンがひとつリスに打ち込まれていました。この沢で見かけた唯一の残置物。

滝上で休憩。Nさんが「しっかり休もう」と仰ってくれたので、ありがたくお湯を沸かしてラーメンを食べる。
20分少々休んだ後、再び歩き出し、ひたすらナメを歩く。途中にある小滝はペタペタと直登。すこぶる快適。

P7251195_s.JPG途中のナメ。降り積もった雪が固まり、ぞりぞりと花崗岩の沢床を削る。想像しただけでぞくぞくする。









P7251234_s.JPG次第に倒木が煩くなってきたところを越えると、本日のハイライト、2つ目の2段50m滝が登場。この時点で13時。滝の上にちょうど太陽を向かえ、落ち口から水しぶきがキラキラと零れ落ちてくる。
(2段50mの滝は目見当で下段(3段)20m程度、上段5m程度かなと思う。いずれにしても最初の2段50m滝より立っているので威圧感がある)

「水流脇の右壁を直登」した記録と「右岸のルンゼを登ってからトラバース」という記録があり、どうやって攻めようか皆でしばし観察。






P7251241_s.JPG右壁は上部がとりわけ脆そうで意欲が湧かない。左壁のコンタクトラインも登れそうだけど黒苔が滑りそう。というわけで右岸左のルンゼを登り、1段目の上部下まで草付きをトラバース。岩肌に泥が張り付いただけなので足元がやや脆い。Nさんが潅木を掴んで滝下段上部に上がってロープを出してくれたので、順番に上がる。

滝の上段は左のコンタクトラインが階段状なのでそのまま直登。階段状だしガバもいっぱいあるのだけどいかんせん高度感満載のフリーソロなので慎重に登る。

無事に滝の落ち口に上がると光いっぱいのナメ床。徐々に沢床の幅が狭まり、両岸も低くなり樹木の向こうに青空が透けて見える。角ばった岩でできた階段状の小滝や倒木地帯を登る。「そろそろ今日の幕営地を探そう」ということで、周囲を見渡しながら進む。

途中で2、3箇所ほど焚き火の跡を見るもののあまり広くない。振り返ると沢の向こうに山並みが見える。なんの山だろう。

沢の流れはすっかり小さくなり、周囲に根曲がり竹が繁茂し出す。赤っぽい角ばった岩が切れて灰色の泥壁の地帯が現れる。ふと予感がしてここの沢水を舐めるとやけに酸っぱい。白鉄鉱? なんだろう? 幸い灰色の泥壁地帯はすぐに途切れ、再び赤い岩に変わる。水流が細いために苔でぬめっぽいけど水はおいしい。

2時40分頃、二俣に到着。右俣に入る。分岐のところに野生のブルーベリーが生えていた。

明日の朝が楽なようになるべく上流に行こうと更に先に進む。15時過ぎにNさんが「いいところがあった」と笹薮を指差す。「下が笹だと快適なんだよ」と。タープを張ってしばし休憩。どこからか虫がブンブン集まってくる。
今日一日の行程はそれほど長くないし、途中で休み休み進んだので思ったよりも楽だったけれど、前日の睡眠不足がたたって疲れた気がする。

しばしの休憩の後、薪集めに奔走。流木はそこそこ豊富なものの、完全に水没していてなかなか燃えない。もうもうと煙に巻かれながらしばらく格闘。髪の毛がすっかり燻製臭くなる。猛烈な煙のお陰か時間帯のせいか、虫は多少減ったような。ようやく諦めた頃に薪から炎が上がる。ちょうどSさんが作ってくれた晩御飯ができあがったので、乾杯と同時に夕飯。しみる。

空にはいつの間にか雲が広がっていたけれど、雨の気配はない。酔いが回ったこともあり、すっかり睡魔が押し寄せてきたので8時頃に就寝。
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norlys
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自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。

色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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