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Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by - 2025.04.23,Wed
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Posted by norlys - 2015.07.14,Tue
梅雨時の週末は雨予報に翻弄され悶々…でしたが、なんと土日とも好天という素晴らしい予報。

前日の金曜日は雨は上がっていたものの、それまでほぼ連日雨だったこともあり、森の深い瑞牆は不動沢がひょんぐり、各所の小沢も水流が迸っていました。

土曜日は初めて訪れるメルヘン岩。
瑞牆本をぱらりと開いたらちょうどこの岩場のページが開き、割合コンパクトな独立岩峰ならば乾きも早いかな…と。それにアンダーテンのワイドクラックなら睡眠不足がちな土曜日のゆるふわクライミングにも良さそうだし、と。

岩場に到着すると、予想以上にモイスティ。「未知との遭遇」はびっしょり。
やはり瑞牆の森は深く、そんなに簡単には乾かないか…と。

お隣の「ブラウン・ジョー」も水流跡があるけれど、それでも登れないコンディションではなさそうだったのでトライ。

1P目のチムニー~OWは、案外と外にホールドがあり内面登攀なので露出感も控えめで楽しく登れました。
途中の立木を越え、「風神の門」に繋がるトンネルでカムで支点を取りビレイ。(チムニーを登るルートということもあり落石から逃れられないので、トンネル内に退避していて良かったです。)
2P目は真向勝負のチムニーから、風化の激しい3P目を繋げて岩峰直下まで。

岩場の弱点を突いた、アルパインちっくなルート。山登りとフリーが同時に楽しめ、そしてフリーでありながらアルパイン的な要素も高い、この瑞牆の懐の広さ。楽しい。

瑞牆本の記述どおり西面にラペルダウン。そこは明らかにお掃除された形跡のある、けれど瑞牆本には載っていない美しいOWのルートでした。
一旦ギアをデポし、ザック類を回収することに。そしてここに戻る道筋が、初見なので結構大変でした。分かってしまえば…だけど。

うん、でも、初めてここに足を踏み入れた先人たちはきっと同じように右往左往したのではないかな…と想像すると、逐一手取り足取りガイドされるよりも多少不案内な部分が残っている方が色々な発見があり楽しいものです。

無名のワイド、自分たちの間で勝手に「メルヘンワイド」と呼ぶことにしたワイドクラックを登り、この日は終了。帰路は、来た道と違えて殿堂岩のルートを眺め夫婦岩から登山道へ合流。

日曜日は摩天岩上部岩壁へ。
ここは以前ルートを探して少しうろちょろしたのですが、シャクナゲの藪に阻まれてたどり着けなかったところ。今回の瑞牆本作成にあたり人が入ったことで、かなりアプローチが良くなっていました。ありがたし。

お目当ては「北斗七星」。グレードは5.9と高くはないけれど、内容は素晴らしいとの評判なので、これはぜひ登りたいな…と。

いざ登り始めると、下から見上げる以上にスケールがあり、あれ…これ、もしかしたら弾切れになるかも…な、ギリギリ感を抱えながらどうにかOS。もうこの一本ですっかり満腹、満足でした。ありがとうございます。

「虚無僧クラック」をフォローし、お隣の「摩天楼」をTRで交替でお触り。
フレアしたOW~チムニーのルーフ越え。発表当初は10dで、瑞牆本では11a。
クラック内部がびっしょりでフリクションが悪かったけれど、もはやそれ以前の問題。自分にとっては完全に異次元のシロモノでした。
なんとかジャムの決まるところを探り足を動かし、リービテーションを決めて足を離したら、はい終了~…。
もう少し上の部分の外側のカチホールドにはチョーク跡がびっしりだったけれど、全然そこまで辿り着けませんでした。

全然歯が立たなかったけれど、また機会があったら遊んでみたいです(もちろんTRで…^^;)。
それより、ジムにこういうクラックがあったらいいのになぁ…<=無理な注文w

その後は、ルートを同定ししばしウロウロ。
右岩稜の取付きが見いだせず、行きつ戻りつをし、ようやく発見。
その時点ですでに時刻は16時過ぎだったので、結局右岩稜は諦め、右岩稜をさらに右に回り込んだ緩い岩を適当に登り、南十字星側にラペルダウンし、取付きに戻りました。

この南十字星のルートは、終了点から60mロープの折り返しでピッタリ。スケール感もさることながら、下開きのフレアードチムニーで悪相ぷんぷん。これで10cとか…ほんと?

中間部分に古いRCCボルトと自作ハンガーのボルトがあり、いずれもスリングとビナが垂れていたけれど、いったいいつの時代に誰が遺したものやら…? 人工登攀用? それともビレイ支点用? これらのボルトについては瑞牆本にも触れられていないので、なんでだろう…? と、推測するばかり。

瑞牆の森は深く、それでも少しずつあちこちを彷徨してきたことで、ようやく全体象が見えてきたような気がします。あちこちに宿題を残したままな上に、まだ足を運んだことのないエリアもたくさんあり、一生かかっても登り尽くせそうにありません。

ありがとうございました。

***この日登った(触っただけの)ルート***
2015/07/11
/*瑞牆、メルヘン岩
・ブラウン・ジョー1P目(5.9 NP)-OS。予想外にホールドが豊富でサイズも悪くなく、楽しい内面登攀。両端を壁で切り取られた視界の隙間に不動滝方面が見え、気分はまるでアルパイン。体感5.8かな。(ご飯2杯)
・ブラウン・ジョー2P目(5.8 NP)-フォローで。3P目までを繋げて一気に。スクイーズチムニーから脆い岩を繋げて岩峰直下に。ここから左手にラペルダウンするよう記述があるけれど、ロープ長に注意しつつ、右側の未知との遭遇のラインに降りた方がすっきりしていいかもしれません。(ご飯1杯)
・無名ルート(メルヘンワイド(仮)) (体感5.10-)-FL。メルヘン岩西面にあるOWのルート。キレイにお掃除されていて、明らかに登られた形跡あり。落ちないけれど進めない…という、長く苦しく楽しいワイドでした。この1本でもうお腹いっぱい。(ご飯4杯)

2015/07/12
/*瑞牆、摩天岩上部岩壁
・北斗七星(5.9 NP)-OS。予想通りより、予想以上にキレイな長いルートでした。最後のトラバース部分手前で弾切れ警報がなっていたけれど、どうにか登り切ることができてよかった…(しみじみ)。10aではなくてもいいから9+くらいほしい<=地味w (ご飯3杯)
・虚無僧クラック(5.10a NP)-フォロー回収で。コンディションは決してよくなく、ムーブも初見だと分かりにくそう。フォローでよかった(苦笑)。(ご飯2杯)
・摩天楼クラック(5.11a NP)-TR。トップロープで。上部のフレアードクラックのパートはびしょびしょ。でもコンディションが良かったとしてもトップアウトできたとは思えず。。
どんな可能性があるのか、またいつか試してみたいものです。(ご飯…?)

メルヘン岩にはほかにも、明らかに人の手が入ったキレイな、そしてかなり難しそうな割れ目がありました。瑞牆本にて600本ものルートが発表されてもなお、未だあちこちで登られていそうな未掲載のルートに遭遇します。
ボルトを打たず終了点もなく(たまにある)、自然の中で自然の姿のまま、微かにまたは明らかに人が触れた気配が残されたルートを見つけると、瑞牆の森はほんとうに深く、こういう出会いの余地が残されていることをとても嬉しく思います。






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Posted by norlys - 2015.07.08,Wed
忘れる前に…。てかもう、すでにうっすらと記憶に幕がかかりそうな按配ですが…。

6月28日の日曜日は瑞牆の七面岩へ。
前日の土曜日はジムで紐トレ。翌日は晴れ予報なので、ジムに到着した時点で翌日の岩は決定事項。なので、果たしてジムでどのくらい登ってよいのやら…な感じ。

日曜日は張り切って始発の電車に乗り、瑞牆へ。

途中で脇を通り過ぎるKUMITEボルダーがびっしょりシケシケだったので、あぁこれはちょっと期待できないかな…と思いながらぽくぽくと。

七面岩に到着すると、しっとり感はあるけれど、そこそこ乾いている様子。パリパリではないけれど、易しいルートならば登れないという訳でもなく。

まずは白仙峰の無名ルートHにトライ。瑞牆本によると外側のフェイスから取り付くラインが示されていましたが、自分は仙人回廊のチムニー内部からスタート。

OWからハンド、とのことだったけれど、チムニー内部から登り始めたこともあり、大きなギアが不足しそうだったので途中の足場の良いテラスでロープを下に垂らし4、5番を引き上げ。
快適なワイドから若干広めのハンドを経て、無事に広いテラスへ。
強い人ならば、そのまま継続して登ってしまうのかも…だけど、大きなカムがないのでいったんピッチを切ってビレイ。

登り終えてみると、まぁなんということのないルートなのですが、その先が分からないということの緊張感はすごくて、肩で息をしていました。はぁはぁ。

続けての短いワイドピッチをまに氏がリード。実に短いけれど息が切れる…。
で、岩峰の少し下の古い下降点を見出したのはよいけれど、残置スリングの風化の激しさにしばし沈黙。「ないわー」「ないねー」ということで、自分たちのギアを残して懸垂下降。

ちょうどトップロープのセットになっているので、風化の激しい無名ルートI(10a)側にロープを降り、こちらを登って再度岩峰の上へ。

下部が触れるほどにぱらぱら崩れる脆さだけど、内容自体はラブリー。ただ、人が登れば登るほど岩が削れていくのは必定…なので、そういうものだと思って取付く人以外にはおススメしませんが。。

しばし休憩し、桃仙峰北面の無名ルートL(5.10c)にまに氏がトライ。
自分は見るからに実力不足なので、最初からTRをお願いモード。
それなりに触られた形跡はあったけれど、今のこの梅雨時ということもあり北面ということもあり、上部は苔まみれ。ブラシで掃除したらかなりすっきりしました。

フィンガー系のルートは、ムーブを過たずに次々と展開しなくてはならず、未だ弱い自分の手には余る要素が大きいのですが、TRでムーブに集中させてもらうのは面白いです。
湯川のフォーサイトや小川山のキビタキより厳しく、十一面のT&Tよりは若干易しく、名張の苔男…とは得意不得意系が分かれるところ。ジャスト10cのみじかしい系のフィンガーだと思います。

もう少し余裕がもてるようになったら、いつかリードしたいなぁ…と。

***この日登った(触っただけ)のルート***
2015/06/28
/*瑞牆、七面岩
・無名ルートH(5.9 NP)-OS。お初のルートを登らせてもらって本当に嬉しかったです。難しくはないのに緊張しまくってしまいました。そのルートの初回のトライは一生に一度…と思うと、ほんと貴重過ぎて過呼吸になりそう。。
・無名ルート上部(5.8くらい NP)-フォローで。テラスから4mくらいのワイドから岩峰へ。短いけれど息が切れるー。
・無名ルートI(5.10a)-TR。下部の風化が激しく、岩をパラパラとむしりながら登る感じ。中間部からは快適なハンド。
・無名ルート上部(5.8くらい NP)-RP。というか、終了点を取り替えるために登り返したまでですが。
・無名ルートL(5.10c)-TR。みじかしいフィンガー。フィンガー系は消耗が激しいので短時間の中で色々と試される感じが楽しいです。
・無名ルートL(5.10c)-TR。アゲイン。下部のムーブを忘れてもた。。
・無名ルートL(5.10c)-TR。3回目。ムーブが固まったこともあり、ノーテンでした。でもこのタイプのルートにありがちなんだけど、リードは全っ然別物ですわ。

蛇足~

七面岩は、過去にロクスノ24号の瑞牆特集で見開き2ページを割いて紹介されていたエリア。
ただし、そこに記されたアプローチは「???」というくらい不明瞭でしたし、ネットで拾える範囲の情報ではどうも全体的に岩が脆いらしい…ということしか分かりませんでした。

以前、地獄エリアからのコルをうろついたときには、そこに至る道はシャクナゲの密藪に阻まれ、七面岩は完全に隔絶されたエリアでした。

今こうして瑞牆本で発表されたものの、ロクスノ発表時と同じく七面岩の各ルートにはグレードのみで名前が与えられていません。

それなのに、そこには古い下降点が残されていたり、ブランクセクションにはRCCボルトが打たれています。

思い入れがあるルートならば、きっと名前を与えるであろう…と思うのに。
もうこの岩場の開拓に着手した頃には、名前を付けるという行為に飽きてしまったのかもしれません。10台や最高11aのグレードならば、今更自分達にとっては特別ではないのだと。
いやでも、その後も何度か訪れているらしいのに。なんでだろう…?
他人の心の機微は、自分には分かりません。なにかしらの理由はあるかもしれないし、理由なんてまったくないかもしれない。

後から訪れた者は、うっすらと残されたかつての時代の足跡をたどりながら、それを愛おしくなぞるばかりです。

また、ついぞ先日のような間近さで瑞牆本作成時に再登しているはずであろうに、ギアも「不明」とあるだけです。これは初登者の意向なのか、それとも自らの手の内にないエリアにはさほど関心がなかったからなのか…。

かようにして、すべてが名無しの無名ルートまたは不明ルートとされることで、「あのルートは…」と口に出す瞬間にルート名がないことで、その具体的な像を脳裏に結び、どのルートなのかを具体的に相手に伝える労が必要となり、それだけに、ルートの姿が鮮明に浮かび上がります。

不思議なことです。

不遇と言えば不遇。でもそれこそが、情報が乏しいことが、かえって初登時と同じコンディションをもたらしてくれることに、自分はただただ感謝しています。ありがとうございます。






Posted by norlys - 2015.07.03,Fri
忘れてしまう前に忘備録。

6月20日の土曜日は瑞牆へ。
前日の金曜日は雨。翌日の土曜日は曇りの予報。植樹祭広場に着いたら、上部はどんより曇りがち。まぁ梅雨時だし仕方なし。「登れたらいいな。でもダメでも偵察がてら岩を探してお散歩…」という体で、えっちらおっちらと七面岩方面へ。

以前、地獄エリア周辺をうろちょろした際に、行く手を阻むしゃくなげの藪が濃かったコルも、瑞牆本作成隊の藪払いのお陰で踏み跡が。岩はしっかりとびしょ濡れ。えぇまぁ、梅雨時ですから。えぇ。

荷物を置いて空身になり、あちらこちらの岩峰を探索。

まずは白仙峰から桃仙峰を回り込み、三紅仙峰へ。
以前ロクスノ24号で紹介されていて興味はあったものの、情報が乏しいこともあり、なかなか訪れる機会のなかったエリア。
少し前まではシャクナゲの密藪に阻まれていたし。

それから横尾尾根を辿り、色々とうろうろ。

沢のツメのような奥秩父の原生林。薄い踏み跡は果たして人なのか獣なのか。いつの時代のものなのか。

原始のまま手つかずで残されている岩も、よくよく観察するとすでに誰かがここに通い登った気配を感じたり。

とある峰の上に立つと、途切れ途切れに人の声が。近くに誰かクライマーがいるのかな…と、思ったら、どうやら瑞牆山頂から響く声のようでした。
なるほど、ここまで来ると不動沢上流の岩場も沢筋を挟んで指呼の距離。自分の中でばらばらだった瑞牆の全体図が少しずつ繋がって見えてきた気がします。

標高2000m近い場所では、時折わずかに青空が覗いたり、速く肌寒い雲が流れたり。
やがて遠くに微かな雷鳴が轟くものの、雨の気配はなし。

うろうろと歩き回り、荷物をデポした場所に戻ったのは午後3時頃。
すっかり喉も乾いたしお腹も空いたし…ということで、しばしのんびり。

それからえっちらおっちらと、結局この日一度も使うことのなかったギアを担いで下山。
駐車場に降りて荷物を片付け終えると、ちょうど雨が降り出しました。梅雨の雨というよりも叩きつけるようなスコールのような雨だったので、下山のタイミングがもう少し遅かったらひどい目にあったかも。
Posted by norlys - 2015.06.19,Fri
土曜日に引き続き、日曜日も瑞牆に残留。

夜中から明け方にかけて断続的に雨が降ったそう。
のんびりと7時過ぎに起きたら、駐車場は乾いていたけれど、上部の岩峰群は靄の中。まぁ梅雨時なので、雨が降っていないだけありがたい、ということで。

この日はお初のリアス式エリアへ。
正確には、登ることは初めてだけど、瑞牆本作成時の開拓中に、クラック地獄エリアを訪れた際に、ふらふらりと彷徨っていたら辿り着いてしまった場所でした。

その時には、開拓用の残置ロープが残されたルートしか目に入りませんでしたが、このたび刊行された瑞牆本によればその周辺にもクラックがあるとのことで、なるほど見る目を持つ人にとっては磨けば燦々と光と放つ原石でも、自分のように見る目を持たない者にはただの苔むした岩…なのだなぁ、と(苦笑)。

まずは、まに氏リクエストの「ジャイアント・ジャム・サンド」に。
自分はフラッシュトライ。色々なハンドが続き、最後はフィストからワイド。
見た目は少し威圧的だけど、ジャミングの面白さが満載で楽しいルートでした。

それから「海豹」へ。こちらは自分がオンサイトトライ。
なるほど出だしの岩の形状がアザラシとかオットセイっぽい。
ワイドとハンドを交えて体全体で登る感じがとても面白かったです。
部分的に表面が脆い部分があるので、グレードに囚われず、プロテクションセットはしっかりと。

この2本を登った時点で結構お腹いっぱいに。ただし時間はお昼を少し過ぎたところ。

さて、お次はどうしましょうかねぇ…と、いったん荷物をまとめて奥地獄エリアを探索。
人か獣かは定かではないものの、薄い踏み跡を辿り狭いルンゼを適当に登っていくと、ここは登られていそう…な、クラックが目に入りました。よくよく見れば終了点らしきスリングも。

どうする…? 登ってみる…? と、しばし逡巡。とても面白そうだけど、自分には厳しそう。。
まに氏がトライするとのことで、今一度荷物を担ぎ上げて移動。

見事にオンサイトに成功したまに氏によると「10a位かなぁ…」ただし手が大きい方が有利、とのこと。自分はトップロープでお触り。
ワイドからフィスト&カチ、そしてワイド。うーん、10aではいかんとも辛く、10a/bくらいではないかなぁ。。という感想。

事前情報が一切なく(瑞牆本にも未掲載)、登れそうか否かを―同時に安全に敗退できるか否かをも―をきっちりと判断してトライする…というスタイルは、ずっと憧れで、そうできたらいいなぁ…と思っていたけれど、やはり未だ自分がそこに至らないことを痛感。でもねぇ、ぼちぼち頑張るしかないのです。

ぼちぼち夕暮れ時となったので荷物を片付け、ロープなしでも問題なしな岩場を適当に登ると、そこは小さなテラスでした。目の前に瑞牆の岩場が開け、あのクラックはきれいそうじゃないか、あそこも登れそうじゃないか、あれはどうだろう…? と、自分達にとって未知のルートを物色。いつかの冒険の始まり。そして、瑞牆の森の懐の深さにしみじみと感動。

美しく高難度の有名課題を登れるようになることへの憧れは勿論あるけれど、岩場の弱点を探して右往左往しつつ―それは同時に強点を攻めきれない自分の弱点でもあると噛み締めながら―「果たして登れるのか、降りられるのか?」と自らに問い続けながら岩峰に立つ、そういう冒険的なクライミングがやっぱり好きなのかなぁ…と、改めて。

あぁ、楽しいなぁ。
ありがとうございました。

***この日登った(触っただけの)ルート***
2015/06/14
/*瑞牆、リアス式エリア、奥地獄周辺
・ジャイアント・ジャム・サンド(5.10a)-FL。要所要所でしっかりハンドジャムが効くけれど、まずは登ってみないことには分からない試される感じがとても面白かったです。上部のハンドからワイドは手の大きい人の方が若干有利かも。
・海豹(5.9 NP)-OS。岩の形状に翻弄されつつ自然と身体が動く感じが面白かったです。JJSと併せて、花崗岩のクラック入門に良いなぁと(ただしプロテクションはしっかりと)。
・無名クラック(体感5.10- NP)-TR。マムートの黄色いタスクの終了点ありなので登られている筈。この日のコンディションの自分がノーテンで登り切れたので10マイナスかなぁ…と思うけど、正直「登りたいから登ってみた」だけなので、グレードなんてどうでもいい。
グレードという数字のマジックはあくまでも相対的な現象の結果論であり、ジムやコンペルートならばいざ知らず、外岩のグレーディングというものはとても難しいのだろうな…と想像するばかり…です。





Posted by norlys - 2015.06.19,Fri
週末は瑞牆へ。

当初は不動沢上流のエリアに籠る予定だったけれど、日曜日の予報がイマイチだったので土曜日の弁天岩は日帰りで。弁天岩を訪れるのは、1年半ぶり2回目。

いざ登山道を歩き始めると、木曜日のジムトレの疲労感がもっさりずっしり、ずどーん。
金曜日は完全レストだったのに、超回復には間に合わず。。うん、まぁ48時間は経過していないしねぇ…。

えっちらおっちらと息を切らしつつ急登を登り弁天岩へ。
ここの標高は2100m弱。なので、登攀準備を整えるためにじっとしていると汗冷えしてうっすらと肌寒いくらい。

目指すは風穴ピナクル。前回訪れた際に「残氷ルート」から繋げられることは分かったので、今回は「ルーパークラック」から繋げてみよう、と。

まに氏がさくりとRP。さすが。自分はフォローで。
1年半前にトップロープでお触りした時は核心箇所のムーブがうんともすんとも分からなかったけれど、今なら少しは歯が立つようになったかな…それとも全然進歩していないかな…と、不安満載で離陸。も、あえなくテンション&フォール。3度目の正直で、「あ、なるほどこういうムーブなのか」と、無事に抜けられました。ほ。

結果としては、多少は歯が立つようになった気もするけれど、とはいえ不確実な要素が多すぎてすんなり登るにはまだまだ…かも。あぁ。

リードを交替し、5.5のチムニーから緩いスラブを繋ぎ主峰の頭へ。
登攀要素自体はいたって易しく泥臭いけれど、未知の場所ということもあり冒険要素があって面白かったです。

主峰の頭からは斜め懸垂をし、藪を繋いで風穴ピナクルへ。
この時点で喉がカラカラ。補給物資を一切持ち上げなかったことを少し後悔。

「風穴クラック」は以前11aだったものが今回刊行された瑞牆本で10cにグレードダウン。でも眺めるほどにどう見ても10cではなさそうな…(?)。

かくして、「菊之助」へ移動。
その姿はすらりと美しく「これは登りたい!」と思いました。なので、オンサイトトライをさせていただくことに。

残念ながらフィジカルもメンタルも足りず、バランスを崩してフォール。
しばしレストをしトライを再開するも、上を見るほどに圧倒されて完全にメンタル終了。悲しいかな、ごめんなさいと途中敗退(本当に申し訳ない…)。

その後TRでお触り。TRならば怖いものはなく…とはいえ、上部のフィンガークラックのムーブで行き詰りテンション。ムーブをばらして2度目のトップロープでどうにかノーテン。

あぁ、なるほど。。ムーブが分かってしまえば…。 <-言い訳あるある…w

とはいえ、一撃はおろか、トップアウトさえできなかった自分の実力不足にただただ嘆息し、もしもこの美しいルートを美しく登ることができたら、きっと心の底から嬉しかっただろうな…(反語)、という考えが小骨のように喉元に突き刺さり、ちくりちくり。

遠いエリアなので、次回がいつになるかは分からないけれど、いつかまた。そして、その時にはきっと。だといいな。

***今回登った(触っただけの)ルート)***
2015/06/13
瑞牆、弁天岩
・ルーパークラック(5.10b NP)-フォローで。おそらくは初登時には今のようなキャメロットの5番、6番は存在しなかったと思われるので、いわゆるお手製アルミチューブチョック的なメンタルプロテクションを活用されたのではないか…またはノープロ…? と想像するに、昔の人は本当に強かったのだとしみじみ。。
・チムニー(5.5 NP)-リードで。回廊のようなチムニーから全身フリクションでずりずり這い上がり、短いスラブを繋いで主峰の上へ。アルパインっぽい感じ。ギアがつっかえまくって苦心しました。
・菊之助(5.10b NP)-×。自分の中の色々が終わってました。というか、始まってすらいませんでした。。とほほ。
・菊之助(5.10b NP)-TR。トップロープなら安心。でも上部のフィンガーでテンション。ムーブをばらしてみると、なるほどなぁ…。
・菊之助(5.10b NP)-TR。ダメ押しで。ムーブを整理したのでノーテン。登るほどに楽に感じられるようにはなったけれど、つまりまだ自分には限界グレードだということ。とほほ。






Posted by norlys - 2015.06.03,Wed
週末の日曜日は瑞牆の詩エリアを再訪。
当初は雨予報でしたが、朝から陽射しが燦々と降り注ぎ青空の広がる一日でした(ほ。

岩場のコンディションは前週よりも良く(あくまでも個人的な感想です。単に二日酔いではなかったからかも…というくらい全然違いました。お酒こわいw)、無事に5.9のクラックを3本まとめてRP。

最後に下部の岩場に移動し、お目当てのワイドクラックは先客さんがいらっしゃったので、適当に登れそうなルートを物色。
面白そうなルーフ越えのルートが目に入ったけれど、生憎手持ちは6番2つと5番以下をワンセット。
ルーフ越えの左側はハンドジャムっぽく、こちらなら手持ちのカムで事足りそう…?

果たして本当に登れるのか、そしてグレードが、分からない。それでも最悪の場合は上から回り込んで回収することもできるだろう…と、見切り発車でトライ。

見た目よりも岩は案外としっかりとしていて、ハンドジャムをこなすところまではなんとか。でもその上はワイルドで、期待したガバはなく指のばらけるカチでムーブをこなすことができずテンション。何度かムーブを試し、結局は思い切ることができずカムエイドでダウン。おそらくは10b位のワンポイントのフェイスムーブだと思うのだけど、気持ちが先に折れました。

それでも、トポにはない自分にとって未知のルートを見出してトライするということは、おそらくは先人の方々はそんな風に岩と向き合ってきたのだろうな…と、うっすらと想像しかできない開拓史の一幕に触れる気がして、結果はしょぼくても面白かったです。

願わくば、もっときっちりと登れるように、今少し強くなりたいと思いつつ。

***今回登った(触っただけの)ルート***
2015/05/31
/*瑞牆、瑞牆の詩
・魚雷(5.9 NP)-RP。前回フォロー便だったので、今回はリードで。5.9というグレードだけど、難しさではなく内容の充実度から鑑みて10aのスタンダードでもいいのでは…と思う。ハンドジャムがこれほどびしばし決まるルートは案外多くはないので。(取付き地点の枯れ木が使えなくなったら、いずれにしてもグレードが上がりそうですが)
・つちのこ(5.9 NP)-RP。前回TRだったので、今回はリードで。これは個人的に得意系らしく体感5.8。でも登り方によっては厳しいらしいので5.9でいいのかと。
・神楽(5.9 NP)-RP。前回リードで苦労したけど、分かってしまえば…それは当然楽になる訳で。フレアーしたワイドは真向勝負した方が絶対に面白い。良いルートです。
・雪だるま(5.8 NP)-フォローで。スクイーズチムニーの部分が面白い、まさに5.8のワイド入門。
・ルート不明(5.10c NP)-フォローで。短いけれどワンポイントのムーブがテクい。フォローなのでお気楽だけどリードだとメンタル核心になりそう。
・無名ルート左(5.10b? NP)-ワイドからハンドからのワンポイントのフェイスムーブがこなせず。いつかまたお掃除してからトライしてみたいかも。
・無名ルート右(5.10- NP)-フォローで。その場で伺ったお話によると5年前くらいまでは結構登られていたらしい。ワンポイントのルーフ越えが奮闘。絶妙にフットホールドがあり絶妙なさじ加減が面白い。フォローでお気楽便なのでノーテンだったけれど、これもリードだとメンタル核心になりそうな。。






Posted by norlys - 2015.06.02,Tue
5月30日、週末の土曜日は、S峡でY田先生の講習会(無駄なイニシャルトークw)。
日曜日の天気予報が雨模様だったため、直前で土曜日に変更。
前日に登ってしまうとヨレた状態で参加することになるので、土曜日への変更で安堵しきり。

年に1、2回は講習を受けたいと思いながらもなかなかタイミングが叶わず、Y田先生の講習会は久しぶり。2年ぶり3回目(?)。
直前の変更により受講生は2名。その分みっちりとトレーニングを受けました。なんとも贅沢なことです。

まずは推定11aのフィンガー~OW。アプローチで汗をかいたのでなにも考えず半袖のままクラックに突入したら、フィスト~OWのパートで前腕が傷だらけに…。

フィンガー~フィストまではどうにかこなせたものの、OW部分自分には悪くテンション。残念。でも面白かったです。

次は推定12aのフィンガー。フレアした甘い箇所へのフィンガージャムの厳しさといったら…(悶絶)。僅か4手がギリギリ。外の足を拾えれば、どうにか…だけど、足がなくなると途端にニッチモサッチモ…。
第2関節まで入ればこなせても、第1関節しか入らないと、本当に厳しい。
つまり、高難度のフィンガークラックは、これができないとダメな訳で。。

フィンガークラックの決め方をみっちり教わり、とても勉強になりました。あと最近のハンドジャムの方法も。

それから推定11台のワイドに。Y田先生の講習でワイドとは珍しいなぁ…と思いながら。
これがまた短いのに苦しい絶妙すぎるワイドで、途中で降参。広く大きく割れていれば身体が入るからイケるのでは…? なんて思ったら、途中から吐き出されて身動きとれず。すごい楽しい。

立て続けに先の11aのクラックに戻り、今度は左側のみで。フレアした甘い箇所へのフィンガークラックの決め方の難しさといったら(再度悶絶)。

すべてTRで、長さもそれほどないので、クラックボルダーな感じ。
短い中で凝縮されたムーブを満喫して悶絶しまくり。

休憩を挟んで、お隣の谷に移動。

殆ど誰も訪れない場所なのに、苔もなく美しい岩のハンドジャムのルートにトライ(「トンキー(5.10a)」だそう)。

最後におそらくは未登の、これまた美しいルートを見学して終了。
(推定13は無理げーだけど、それより少し易しそうなでも厳しそうなルートを「掃除して登ってください」と言われたけれど、はてどうなんだろう…)

クラックは技術に注目されがちだけど力も勿論重要だし、または力があればある程度のグレードは捻じ伏せることができてもその先には進めなかったり。ある意味技術と力とをバランス良く発揮することで、登れたり登れなかったり。あぁ本当に奥が深い。。

濃厚で濃密で、素晴らしい時間を過ごしました。本当にありがたいことです。
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norlys
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自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。

色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
つぶやき。
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