Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by norlys - 2009.08.26,Wed
・1日目(#DAY1 折立-太郎平)。
・2日目(#DAY2 赤木沢)。
夏の北アルプス定着源流紀行? 3日目の記録。
夜半に目を覚ましてテントの外を眺めたら満点の星。天の川の白い筋がたいそうきれいでした。ただ残念ながら流星はお目にかかれず。
朝3時に起床。相変わらず喉が腫れて痛い。長い一日になりそうなので気を引き締める。4時ちょうどにテン場を出発。
昨日よりも出発が30分早いのでまだ周囲は薄暗い。ただ、太郎平小屋の脇をとおり薬師沢小屋までの道のりは昨日と一緒で、すでに一度通っている道なので安心。
5時40分前に薬師沢小屋に到着。すでに川原を歩き出しているパーティや間もなく入渓しようという感じのパーティがちらほら。釣り師さんや縦走の登山者さんも同じくらい。皆のなんとなく高揚した雰囲気が漂っていて、沢屋だけでなく、釣り師さんはもちろん、縦走派の人にとっても憧れの場所なんだな、という感じ。
自分たちも沢の装備を整え6時10分に例の梯子から川原に降り立つ。
赤木沢の出合までは昨日と同じ。水量は昨日よりもやや少ない。2日続けて同じところを歩くと、なんだか馴染みの場所のような気がする。ただし昨日とは違って今日は右岸をメインに進む。
瀞の手前でいったん左岸に移り、前日渡渉した地点で同じく右岸に渡り、岩を飛び移って左岸に戻り、岩魚止メノ滝手前へ。先行パーティを1組追い越す。今回はさっくりと岩魚止メノ滝から高巻きルートに入る。踏み跡明瞭。
7時ちょうどに赤木沢出合の手前にある兎平で休憩中の先行パーティ2組の脇を通過。ここで記念写真を取り合いっこ。
昨日見た黒部本流の1m滝は高さはないものの水が多い印象でどんなものかと不安だったけれど、水の中に入ってみればそれほど深さはなく、左岸の兎平から一直線に右岸に向かい、左壁の岩を伝って滝上に。
←「黒部」という名称に気持ちが呑まれそうになるけれど、見た目よりも浅瀬でした。幸いこの日は流れも穏やか。
滝の上は広~い川原。傾斜はほとんどなく、のっぺりと水の流れる開放的な川原。ゆるゆると流れる緑の水面がキラキラと朝陽を反射してとてもきれい。周囲は高台の草地。
とにかく水がきれい~。
特に困難なところはなく、どんどん先に進む。進むほどに少しずつゴーロが増えてくる。
花崗岩のゴーロが主だけど、水面下の部分は黄褐色に変色しているものが多い。なんの成分だろう?
8時25分、祖母沢出合に到着。祖母沢の入口はこじんまりとした印象。
振り返ると野口五郎岳のすっきりとした山容が開けた沢の上に聳え立つ。山頂直下には花崗岩の白い岩峰が立ち並んでいる。小川山とか瑞牆の岩場みたい。黒部五郎岳の岩場を登るアルパインルートってあるんだろうか。また、ここから見える黒部五郎岳の中央部分に名前のない沢の連瀑帯が白い1本の筋を描いて落ちている。う~ん、直登は困難そう…。
8時半に五郎沢出合に到着。顕著な二俣で、五郎沢は左岸から合わさる。五郎沢には白い花崗岩のゴーロが転がっている。
大きな岩の上に上がりしばし休憩。好奇心旺盛な虫たちがうようよ集まってくる。悪さはしないからいいけど恐れる様子はまったくなし。好奇心こそが進化の鍵なんだろか。
この二俣周辺も、赤木沢出合直後と同じく、両岸の少し高いところに草の台地が広がっている。
15分ばかり休憩した後、左俣の黒部源流歩きを再開。水量はぐっと減り、ゴーロが多くなる。沢幅も狭くなり、次第に傾斜が上がってくる。とはいえ階段状の小滝とゴーロばかりで難しいところは皆無。段々と赤みを帯びた花崗岩がメインとなり、黒苔でぬめるところも多い。
魚はいなさそうなのに生き物の匂いが濃くなる。
次第に標高を稼ぐようになり、振り返って見る黒部五郎の高さが目印になる。ほとんどゴーロだけど、時々小さなナメや小さな釜が現れて目を楽しませてくれる。
10時頃、前方になだらかな稜線が見え始める。両岸も少しずつ開けてきた感じになる。振り返ると黒部五郎岳の山頂が水平な目線の先に。緩やかだけど結構登ってきたんだなぁ。いったん休憩。
休憩した場所から先はぐっと空が広がり、祖父岳のなだらかな山容が右手に広がる。水はいよいよ細くなり、草と潅木が両岸から迫る水道を辿る。
「あれ、トラロープがあるよ?」とYさん。おやほんとだ。と、トラロープをまたぐと、そこは雲ノ平のテントサイトのトイレの脇。こうして10時40分過ぎに無事に雲ノ平に到着。思ったより早めに到着したのでちょっとうれしい。
雲ノ平は、去年、読売新道を歩き水晶岳、ワリモ分岐経由で訪れた場所。なんだか懐かしい。去年ここに来たときは夕方ですでにテントがびっしり立ち並んでいたけれど、この日はまだ2、3張程度。
いずれもまあるい祖父岳と祖母岳に挟まれた高層湿原のお花畑。しみじみと癒される風景。
青空の下ぽかぽかと陽射しを浴びながらのんびりと沢装備をしまい、靴を履き替える。
テントサイト脇の水場で水を汲み、雲ノ平山荘で缶ビールを買い乾杯。お盆休み前に雨が降ったためヘリによる荷上げができず「ビールはお一人様1本まで」との但し書きがありました。なんて貴重な1本。
目の前に水晶岳のかっこいい姿を眺めつつグビリ。
11時45分に小屋前から出発。北北西方面から雲が流れて来る。結局雨には降られずに済んだのでよかった。
お花畑の中に伸びる木道をぽくぽく歩く。アラスカ庭園、奥日本庭園。薬師岳が前方遠くに見える。う~む、テン場まで遠い。。
木道とお花畑が終わると、登山道は足元ぬかるみがちな樹林帯に突入。周囲の展望は一切ないので黙々と降りる。途中からガレた枯れ沢に変わり、岩がヌルヌルで滑って怖い。登るには急登だし下るにはヌルヌル。。
薬師沢小屋からの登山道入口の道標に「雲ノ平/直登」とあり、看板に嘘偽りなし。
冷や冷やしながらぐんぐんと標高を下げて(でまた登るんだよなぁ…とため息つきつつ)、13時半にどうにか薬師沢小屋に到着。ほ。テラスで休憩。
昨日、今日と朝見た赤い吊橋を、今度は対岸から渡って戻るというのはなんとなく面白い。
さて、まだまだ道のりは長い…と、今朝来た道を逆戻り。
雲ノ平の標高が約2500m。薬師沢小屋は標高1912m。太郎平小屋は標高2300mちょっと。水平距離も長いけれど累積標高差もなかなか。。
途中の木道で足を滑らせて右足首を捻挫してしまう。あほだなぁ、自分。テーピングで固定してどうにかしのぐ。うっかり浮石を踏むと激痛。先だって岩場で捻った左足が象足のままなのに、右足首はさらに極太になってしまった。。うう。
15時半に太郎平テントサイトの「我が家」に到着。定着して周辺の沢をうろうろ…というスタイルなので、テントがすっかり我が家状態。
テントサイトでのビールの販売は16時までで、それまでには戻れないだろうからと雲ノ平で乾杯したにも関わらず、買えるならありがたく…と、ビールを購入して乾杯。
あぁ明日はもう下山なんだねぇ、今度は高天原まで行きたいねぇなど話しつつ夕飯。この日は玉ねぎとランチョンミートのチャンプルーと海草サラダとチラシ寿司。豪華。ありがとうございました。
祖父沢は出発前にネットで収集した情報に記されていたように、通過困難なところは一切なくゴーロが連続する沢でした。雲ノ平にぽんと出ることを考えると、急登の連続する薬師沢小屋からの登山道を登るよりも楽かも(?)。沢装備が必要になるけど。。
赤木沢の美しさに較べると、祖父沢はどうしても見劣りしてしまう気がしますが、黒部源流の支流のひとつを完全遡行するという冒険的な要素が面白かったし、ゴールが雲ノ平のお花畑というのはナイス。(ただしトイレの脇だけど(苦笑))
・2日目(#DAY2 赤木沢)。
夏の北アルプス定着源流紀行? 3日目の記録。
夜半に目を覚ましてテントの外を眺めたら満点の星。天の川の白い筋がたいそうきれいでした。ただ残念ながら流星はお目にかかれず。
朝3時に起床。相変わらず喉が腫れて痛い。長い一日になりそうなので気を引き締める。4時ちょうどにテン場を出発。
昨日よりも出発が30分早いのでまだ周囲は薄暗い。ただ、太郎平小屋の脇をとおり薬師沢小屋までの道のりは昨日と一緒で、すでに一度通っている道なので安心。
5時40分前に薬師沢小屋に到着。すでに川原を歩き出しているパーティや間もなく入渓しようという感じのパーティがちらほら。釣り師さんや縦走の登山者さんも同じくらい。皆のなんとなく高揚した雰囲気が漂っていて、沢屋だけでなく、釣り師さんはもちろん、縦走派の人にとっても憧れの場所なんだな、という感じ。
自分たちも沢の装備を整え6時10分に例の梯子から川原に降り立つ。
赤木沢の出合までは昨日と同じ。水量は昨日よりもやや少ない。2日続けて同じところを歩くと、なんだか馴染みの場所のような気がする。ただし昨日とは違って今日は右岸をメインに進む。
瀞の手前でいったん左岸に移り、前日渡渉した地点で同じく右岸に渡り、岩を飛び移って左岸に戻り、岩魚止メノ滝手前へ。先行パーティを1組追い越す。今回はさっくりと岩魚止メノ滝から高巻きルートに入る。踏み跡明瞭。
7時ちょうどに赤木沢出合の手前にある兎平で休憩中の先行パーティ2組の脇を通過。ここで記念写真を取り合いっこ。
昨日見た黒部本流の1m滝は高さはないものの水が多い印象でどんなものかと不安だったけれど、水の中に入ってみればそれほど深さはなく、左岸の兎平から一直線に右岸に向かい、左壁の岩を伝って滝上に。
←「黒部」という名称に気持ちが呑まれそうになるけれど、見た目よりも浅瀬でした。幸いこの日は流れも穏やか。
滝の上は広~い川原。傾斜はほとんどなく、のっぺりと水の流れる開放的な川原。ゆるゆると流れる緑の水面がキラキラと朝陽を反射してとてもきれい。周囲は高台の草地。
とにかく水がきれい~。
特に困難なところはなく、どんどん先に進む。進むほどに少しずつゴーロが増えてくる。
花崗岩のゴーロが主だけど、水面下の部分は黄褐色に変色しているものが多い。なんの成分だろう?
8時25分、祖母沢出合に到着。祖母沢の入口はこじんまりとした印象。
振り返ると野口五郎岳のすっきりとした山容が開けた沢の上に聳え立つ。山頂直下には花崗岩の白い岩峰が立ち並んでいる。小川山とか瑞牆の岩場みたい。黒部五郎岳の岩場を登るアルパインルートってあるんだろうか。また、ここから見える黒部五郎岳の中央部分に名前のない沢の連瀑帯が白い1本の筋を描いて落ちている。う~ん、直登は困難そう…。
8時半に五郎沢出合に到着。顕著な二俣で、五郎沢は左岸から合わさる。五郎沢には白い花崗岩のゴーロが転がっている。
大きな岩の上に上がりしばし休憩。好奇心旺盛な虫たちがうようよ集まってくる。悪さはしないからいいけど恐れる様子はまったくなし。好奇心こそが進化の鍵なんだろか。
この二俣周辺も、赤木沢出合直後と同じく、両岸の少し高いところに草の台地が広がっている。
15分ばかり休憩した後、左俣の黒部源流歩きを再開。水量はぐっと減り、ゴーロが多くなる。沢幅も狭くなり、次第に傾斜が上がってくる。とはいえ階段状の小滝とゴーロばかりで難しいところは皆無。段々と赤みを帯びた花崗岩がメインとなり、黒苔でぬめるところも多い。
魚はいなさそうなのに生き物の匂いが濃くなる。
次第に標高を稼ぐようになり、振り返って見る黒部五郎の高さが目印になる。ほとんどゴーロだけど、時々小さなナメや小さな釜が現れて目を楽しませてくれる。
10時頃、前方になだらかな稜線が見え始める。両岸も少しずつ開けてきた感じになる。振り返ると黒部五郎岳の山頂が水平な目線の先に。緩やかだけど結構登ってきたんだなぁ。いったん休憩。
休憩した場所から先はぐっと空が広がり、祖父岳のなだらかな山容が右手に広がる。水はいよいよ細くなり、草と潅木が両岸から迫る水道を辿る。
「あれ、トラロープがあるよ?」とYさん。おやほんとだ。と、トラロープをまたぐと、そこは雲ノ平のテントサイトのトイレの脇。こうして10時40分過ぎに無事に雲ノ平に到着。思ったより早めに到着したのでちょっとうれしい。
雲ノ平は、去年、読売新道を歩き水晶岳、ワリモ分岐経由で訪れた場所。なんだか懐かしい。去年ここに来たときは夕方ですでにテントがびっしり立ち並んでいたけれど、この日はまだ2、3張程度。
いずれもまあるい祖父岳と祖母岳に挟まれた高層湿原のお花畑。しみじみと癒される風景。
青空の下ぽかぽかと陽射しを浴びながらのんびりと沢装備をしまい、靴を履き替える。
テントサイト脇の水場で水を汲み、雲ノ平山荘で缶ビールを買い乾杯。お盆休み前に雨が降ったためヘリによる荷上げができず「ビールはお一人様1本まで」との但し書きがありました。なんて貴重な1本。
目の前に水晶岳のかっこいい姿を眺めつつグビリ。
11時45分に小屋前から出発。北北西方面から雲が流れて来る。結局雨には降られずに済んだのでよかった。
お花畑の中に伸びる木道をぽくぽく歩く。アラスカ庭園、奥日本庭園。薬師岳が前方遠くに見える。う~む、テン場まで遠い。。
木道とお花畑が終わると、登山道は足元ぬかるみがちな樹林帯に突入。周囲の展望は一切ないので黙々と降りる。途中からガレた枯れ沢に変わり、岩がヌルヌルで滑って怖い。登るには急登だし下るにはヌルヌル。。
薬師沢小屋からの登山道入口の道標に「雲ノ平/直登」とあり、看板に嘘偽りなし。
冷や冷やしながらぐんぐんと標高を下げて(でまた登るんだよなぁ…とため息つきつつ)、13時半にどうにか薬師沢小屋に到着。ほ。テラスで休憩。
昨日、今日と朝見た赤い吊橋を、今度は対岸から渡って戻るというのはなんとなく面白い。
さて、まだまだ道のりは長い…と、今朝来た道を逆戻り。
雲ノ平の標高が約2500m。薬師沢小屋は標高1912m。太郎平小屋は標高2300mちょっと。水平距離も長いけれど累積標高差もなかなか。。
途中の木道で足を滑らせて右足首を捻挫してしまう。あほだなぁ、自分。テーピングで固定してどうにかしのぐ。うっかり浮石を踏むと激痛。先だって岩場で捻った左足が象足のままなのに、右足首はさらに極太になってしまった。。うう。
15時半に太郎平テントサイトの「我が家」に到着。定着して周辺の沢をうろうろ…というスタイルなので、テントがすっかり我が家状態。
テントサイトでのビールの販売は16時までで、それまでには戻れないだろうからと雲ノ平で乾杯したにも関わらず、買えるならありがたく…と、ビールを購入して乾杯。
あぁ明日はもう下山なんだねぇ、今度は高天原まで行きたいねぇなど話しつつ夕飯。この日は玉ねぎとランチョンミートのチャンプルーと海草サラダとチラシ寿司。豪華。ありがとうございました。
祖父沢は出発前にネットで収集した情報に記されていたように、通過困難なところは一切なくゴーロが連続する沢でした。雲ノ平にぽんと出ることを考えると、急登の連続する薬師沢小屋からの登山道を登るよりも楽かも(?)。沢装備が必要になるけど。。
赤木沢の美しさに較べると、祖父沢はどうしても見劣りしてしまう気がしますが、黒部源流の支流のひとつを完全遡行するという冒険的な要素が面白かったし、ゴールが雲ノ平のお花畑というのはナイス。(ただしトイレの脇だけど(苦笑))
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Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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