イタリアでは、Crisi di governo (政局の危機) で Casini(大騒ぎ) だそうです。
自分がクライミングシューズをせっせと洗ってみたり、北海道で呑んだくれている間にも、刻々と状況が進展中。
世界各国が国際金融不安で揺れているときに、まったく関係のない方向で内政がグダグダになるとはさすがイタリアンクオリティ。。
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イタリア、解散か新首相指名か・大統領ら調整開始
イタリアのプロディ首相の辞任を受け、ナポリターノ大統領は25日、議会解散・総選挙に踏み切るか、暫定政権の新首相を指名するかを判断するため、上下両院議長、政党関係者との調整に入った。協議は29日まで続く。野党・中道右派連合を率いるベルルスコーニ前首相は即時解散を求めており、政局の混迷は続きそうだ。
イタリアの議会上院は24日、内閣信任案を否決、これを受け中道左派のプロディ内閣が総辞職した。大統領には議会の解散権や首相指名権があり、上下両院議長、与野党党首や元大統領ら24人の意見を聞き、それを踏まえて最終判断する。現地の報道では与党側のマリーニ上院議長、野党側では前ベルルスコーニ政権の官房長官であるレッタ氏が暫定首相候補に挙がっている。
(2008/01/28 23:55 NIKKEI NET)
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そもそも今回の首相辞任に至るプロットの端緒が、
「今回の政治危機は、小党の欧州民主同盟党首であるマステッラ前法相が汚職疑惑で自身が捜査対象になった際、与党の力添えを得られなかったとして、政権支持を撤回したのが発端。(時事通信 2008/01/24-22:22) 」
だなんて、なんというか実にもうダメ杉。。
とはいえ、近年のイタリア政局の動向についてはサパーリなので、復習?がてら、過去約10年間の内閣変動をせっせと年表にしてみました。
てね、Wikipediaからの切り張りに過ぎないし、間違っているかもなんですが。。
1996年5月17日 ロマーノ・プローディ首相就任(中道左派連合「オリーブの木」)
1998年10月9日 代議員(下院)で内閣信任案否決
1998年10月21日 ロマーノ・プローディ首相退任
1998年10月21日-2000年4月 マッシモ・ダレーマ内閣(オリーブの木)
2000年4月25日-2001年3月31日 ジュリアーノ・アマート内閣(中道左翼連合)
2001年-2006年 ベルルスコーニ内閣(フォルツァ・イタリア、中道右派連合「自由の家」)
2006年2月11日 ベルルスコーニ内閣の信任案否決
2006年4月9、10日 総選挙実施(上院、下院)
2006年4月13日 「ウニオーネ」(野党の中道左派連)僅差で勝利
2006年5月17日 ロマーノ・プローディ首相就任
2007年2月 ロマーノ・プローディ辞職表明。後に撤回
2008年1月 欧州民主連合・人民(UDEUR)が連立離脱
2008年1月23日 代議員(下院)で内閣信任案可決
2008年1月24日 元老院(上院)で内閣信任案否決
2008年1月25日 プローディ首相辞意表明。ナポレターノ大統領承認。
・メディア王ベルルスコーニが自前の放送局や財力にモノを言わせてガンガンキャンペーンを張り、自らが率いる中道右派連合が台頭→
・打倒ベルルスコーニを標榜して中道左派連立政権が誕生するもまもなく内部分裂勃発でgdgd→
(D.C. :最初に戻る)
という感じで、中道左派と中道右派が拮抗状態で綱引きしつつ、短期政権で首相の顔がクルクル交替しつつ。。
日本の政治状況もまぁ似たようなグダグダっぷりだけど、イタリアよりはまだマシなような気がしてくるからアラ不思議w
ベルルスコーニみたいにわかりやすい悪玉親分がいない分、そんな風に思うだけでしょか。
あくまでも個人的な意見ですが、自分はベルルスコーニが大嫌いです。
実業家としては凄腕かもしれないけど、政治家としては。。ねぇ。。清廉潔白からはほど遠く、発言がいちいち下品で攻撃的で、見るからにMafioso(マフィアっぽい)だし。
比較対象がヒド過ぎるためか、自分はひっそり学究肌のプローディ氏支持派。
とはいえ、中道左派連合自体はいつまでたっても烏合の衆で、プローディ氏に求心力がないという評価は否めません。
それにまぁ、自分が支持したところで、イタリアの政治状況にはミリも影響しないわけでして。
ベルルスコーニが首相に就任する直前、2001年の春に南イタリアの友人宅を訪れたとき、友人のマンマが「ベルルスコーニは嫌いだけど、きっと彼が次の首相になるのよね。。」と諦めた風に呟いていたことを思い出します。
でも自分がぽっちりと知る限り、ベルルスコーニを支持しているイタリア人なぞお目にかかったことがなかったので、
「いったい誰がベルルスコーニを支持しているのですか?」と、問うと、
「国民は誰も彼を支持なんかしてないわよ。でもね、そういう風に決まっているの」
えぇーなんでーどうしてー。。。という言葉を思わず呑むほどに、
反論も抵抗の余地も一切残っていないといわんばかりの彼女の諦観の深さが、吸い込まれそうに強烈だったことは今でも覚えています。
権力や金と言う名の甘い蜜に群がる人が多すぎて、システムが機能不全。
組織が肥大化するほどに金銭が闇に消えていく。健全化しようとすると死者が出る。恐ろしす。たまにガス抜きしてお茶を濁してお終い。足元に深く開く暗い淵を直視せずに「マフィアがいるから」という一言で片付けちゃう。そして、みんな諦めちゃう。
あら、これはイタリアのこと? それとも日本の話?
まぁ、どっちもどっちですかねぇwww
いずれにせよ、お疲れさまです、プローディさん。
イタリア国内ではなくて、EUを舞台にしたほうが性に合っているのではないのでしょか。
良くも悪くもここ数年間で、ヨーロッパが、アメリアでもなくアジアでもロシアでもなく、大きく緩やかに閉じた経済圏にまとまりつつあるのをヒシっと実感します。
ユーロ高といってもEU諸国内の流通においては為替リスクはないで、EU全体で5億人という経済規模なら内需志向でも十分やっていけるかもだし。
政策面でも、RoHS指令のように、環境への配慮と同時にやんわりと非EU加盟国からの輸入を牽制するかのような独自路線を打ち出したり、と。
それにしても、総選挙実施ということになって、ベルルスコーニがまたぞろ首相に返り咲きなんてしたら、どうなるんだろー。。
再登板一発目の爆弾は、独メルケル首相へのセクハラ発言に一票、と勝手に予想w
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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