アーキア(Archaea)=古細菌のお話。
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新しい高圧培養法による生命の最高生育温度記録更新と高圧メタン生成
122℃で増殖し、重い炭素に富んだメタンを生成する超好熱メタン菌の培養に成功
[概要]
独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 加藤康宏)極限環境生物圏研究センター地殻内微生物研究プログラムの高井研プログラムディレクターは、新しく開発した高圧培養方法により、インド洋の深海熱水環境から分離された超好熱メタン菌が再現可能な試験として、122℃までの高温下でも増殖可能であることを発見しました。
これまで微生物の最高生育温度記録は再現可能な記録として113℃(再現できない記録としては121℃がある。)と報告されており、生命活動の限界が122℃まで引き上げられたことにより、地球における生命圏の拡がりだけでなく、地球外の宇宙環境における生命存在限界条件を理解するのに大きく貢献するものです。
さらに、琉球大学及び北海道大学と共同で、この超好熱メタン菌の生成するメタンが、従来の定説を覆す「重い炭素同位体に富んだメタン」であることを発見しました。本成果は温室効果ガスや未来のエネルギー資源と考えられるメタンに関して、微生物学的な生成メカニズムの重要性を示す画期的な発見です。
これら成果は7月28日付けの米国科学アカデミー紀要Proceedings of the National Academy of Sciences of the USAオンライン版に掲載されます。
独立行政法人海洋研究開発機構(2008年07月29日)
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121℃という完全殺菌温度を超える122℃という最高生育温度記録更新。
オートクレーブ滅菌(2気圧、121℃)も効果なし。恐るべし。
また高温での生存能力も、常圧下では130℃、2時間まで生存できたのに対し、高圧下では130℃、3時間の加熱後も生存可能であることがわかりました。
だそうなので、死んじゃうけど一応ある程度耐えられる温度のハードルはもっと上。恐るべし。
もっとも、この超好熱メタン菌Methanopyrus kandleri 116株というヤツは、もともと「インド洋中央海嶺のかいれいフィールドの熱水(水深2,450m、温度360℃)から分離された」そうなので、100℃をちょっと超えたくらいじゃコイツらにとってはまだまだ生ぬるいのかもしれぬ。恐るべし。
熱湯風呂好きの江戸っ子もびっくり。
一体全体どーやって生きているのかと思いきや、
同株は水素と二酸化炭素からメタンを生成しエネルギーを得ながら、二酸化炭素を固定することによって細胞の有機物を合成します。
なんだと。
な、なんだと~!??
水素と二酸化炭素を摂取してチタンを生成~。。って。
人様の食事内容(?)に口を挟むのはよくないのですが、もう絶対に一緒に住めませんから。
味噌汁は白味噌か赤だしか、なんてレベルじゃありませんから。
て、人間とは生存可能環境からしてまるっと違うわけなんで、えぇ。
今回の発表された内容のポイントは、(1)超好熱メタン菌生育温度のベンチマーク更新に加えて、
(2)超高熱メタン菌が代謝によって「重い炭素(13C)」を生成される可能性が示唆されたこと。だそうな。
(生体による有機物の合成では「軽い炭素(12C)」がメインで使用されるので、重い炭素を含むメタンはメタン菌のような生物を介さずやっぱりマグマ起源なんじゃね? というのが従来の説なのかな。。難しいな~。。)
東京の地下には南関東ガス田と呼ばれるメタンハイドレード層が広がっているそうだけど、これらもこんな超好熱メタン菌がせっせと代謝した結果なんですかね。
なるほど日本の周囲にメタンハイドレートが多いわけだ。(今更納得)
アーキア(古細菌)は、真正細菌と真核生物とも異なる原格生物の一種で、人間からしてみれば特殊な環境(高温・低温、高圧、毒性ガス発生地域etc)に好んで生息するそうで。
温泉に行ったりすると、源泉かけ流しの樋口に、目にも鮮やかな緑の藻が生えていたりして、かねがねあの人(?)たちは、どうしてまたこんな(高温・硫化物)環境で成長できるのか不思議でたまりません。
ましてや、深い海の底など。海底火山のチムニー周辺にも、かなり多彩な生物が繁殖しているらしいのですが、あの人たちはいったいどこからやってくるんだろう。。自然発生??
どこから無機で、どこから有機? 生命ってなんだ?
わからんわー。。
細菌やバクテリア(共に真正細菌)みたいに人間に干渉することもあまりないので(オナラの元はメタン菌らしいけど)、ほどよい距離を保ってヲチするには興味深し。
ただ、SFみたいに、ある日突然変異株が出現して人類の脅威になったら。。。Σ(||゚Д゚)ヒィィィィ
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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