いまさらのようですがプリオンです。
先週の金曜日にブクオフで購入しました。「プリオン説はほんとうか?」 (福岡伸一 著)。
特に読みたい本があったわけではなく、フィクションよりはノンフィクション、できればサイエンティフィック(SFではなく)な内容がいいなぁと思ったら、あまり選択肢がなかっただけですが。
サルでもわたしのような人間でもわかるように読みやすさを優先するあまり、割と内容が薄っぺらい科学入門書が多い中、この本は本気度が高く、知的欲求(笑)を存分に満たしてくれました。
著者自身の専門分野だけに造詣が深く、また化学的思考や論理的な展開に基づいて丁寧な解説があり、表現力はもとより、伏線の回収具合のうまさも見事で、一気に読ませる優れた文章です。
そんな館ありえねーよww、みたいな奇想天外なミステリーよりも、遥かに濃密で充実した内容だと思います。
初版が2005年11月なので、ちょっと今更かもしれませんが、幸いにしてプリオンタンパク説をめぐる仮説は現在なお確定していません。
さらっと内容をさらうと、
プリオンをめぐる歴史、研究に携わる人々の紹介、プルシナーの科学者としての人となり、プリオン説誕生までの経緯、プリオン説の根拠、プリオン説の再検討、そしてアンチ・プリオン説の提示。
さらっとすぎてわからないよ~という場合は、こちらをご参照。
→ 「有機化学美術館 タンパク質の話(6)」
いやはや。
専門書ではない一般書籍で、「ノーベル賞評価への再審請求」ときたもんです。シロートさん相手にすごい本気度です。いや、一般書籍だからこそできたのかもしれませんが。
プリオンという言葉は耳にしたことがあるけれど、イマイチよく理解できていなかった自分にとって、なるほどなぁと納得する点が多数。同時に、プリオン=「異常型プリオンタンパク質の蓄積」という現象が未だに完全に解明されたわけではないということを知り、ちょっと安心しました。
生命のプログラムは核酸中のDNAが担い、DNAコードに基づいてアミノ酸が生産され、アミノ酸からたんぱく質ができるというロジックは、サル並みでも割合すんなりと理解できます。
でも、たんぱく質はいわばプログラミングのアウトプットに過ぎないのに、そこからまた変質してさらに感染するというのが。。。んんん~。
しかも、たんぱく質って胃で消化されてアミノ酸に分解されて小腸で吸収されるんじゃなかったの~と。(まぁ大雑把に言うと)
紫外線とか化学物質、有機化合物、ウィルス、真菌、細菌などの外的要因によってDNAやRNAが損傷し、結果として病原性プリオンタンパクが誕生する。。。というのならサルにもわかります。従来の病理学の範疇なので。
でもある日突然正常プリオンタンパクが病原性プリオンタンパクに変質する。増殖する。さらには種を越えて感染しちゃう。というのは、なんで? どうして?
仮にある日突然正常プリオンが病原性プリオンに変性するとして、その自然発生のメカニズムはなんじゃらほい。先天性遺伝性疾患、それとも後天性免疫不全? でもなんで感染するんだぜ?
いやだからこそ、プリオン学説が世界に与えたインパクトはそれほどまでに大きかった、という点だけはわかります。でもプリオンについては、いつまでたっても、なんとなーくわかったようなわからないような。。。
あ~そうかー。プリオン説についてもやもやっとしたなにかを感じたのは自分だけじゃないんだなぁ。。と。
まぁ、色々なことがまだまだ未確定のようで、プリオン説が確定じゃないと知って安心するのは、実は本末転倒のような気もしますがw
(原因が論理的に実証されて、かつ治療法が確立するに越したことはありません。はい。)
病原性たんぱく質が正常たんぱく質を変質させ、感染力を有するということのインパクトに加えて、プリオン説の根幹にあるもの-病原体を摂取(経口、移植)したものも発症リスクが高まる、という点もすごいインパクトですな。いわゆる「肉骨粉」。
高等生物における共食いを戒めるために仕込まれた病の発現かと、きっと多くの人は神の御業に思いを馳せたことでしょう。ちなみに自分もそのひとりです。はは。
まぁ、倫理的というか感傷的というかそんな見地から、レンダリング(肉骨粉処理)や人肉食には嫌悪感を覚えざるをえませんが。
ただ、哺乳類のプリオンだけではなく、イースト菌酵母Sup35にもαへリックスからβシートに立体構造を変えて凝集する性質(病原性プリオン化)が発見されたという報告例があるとか。
かと思えば、2007年10月にイギリスのイェール大学がBSE(狂牛病)はウィルス由来説を発表するなど、未だこの問題は決着がついていないようで。。。
なんという生命の神秘。奥が深いのぉ。
さて。上記のイェール大学の発表に関してネットを検索していたら、あらら2chの過去スレがヒットしました。
電波学者の発表を鵜呑みするな説から、やっぱりウィルス由来なんじゃね説、代謝と免疫バランスの問題じゃね説、果ては厚生省主導の捏造あるあるプリオン病説、BSEエセ科学説…と諸説入り混じって喧々諤々。
その中で気になったとあるコピペレス。
↓
269 :名無しのひみつ :2007/05/29(火) 02:47:38 ID:MtZao0Gv
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949 :非公開@個人情報保護のため:2007/05/29(火) 01:51:45
永岡に次いで、松岡も吊るされたな
吊るすのは食肉処理のときのやりかた
雨牛解禁に対する報復だろう
次は、全頭検査補助打ち切りの柳澤か
秘書すら入れない新議員会館にも刺客は迫る
逃げ切れるものではないだろう
950 :非公開@個人情報保護のため:2007/05/29(火) 01:56:53
犬も飼っていないのに、犬の紐で首吊り
これは、犬頃し、つまり、B層の犯行とのサインだ
松岡はアメリカの庇護で、何をやっても首にはならないはずだった
緑疑惑なんかで自殺するはずがない
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いやまさか、プリオンネタで故松岡元農水大臣の疑惑話がでてくるとは、ビクーリ。
なんだこのブラックボックス。プリオンタンパク質の突然変異並みに驚きですってばw
科学的事象も社会的事件も、真相はまだまだ闇の中。。が多いもので。
もっとも科学的事象は鋭意研究を続けている方々の努力によって少しずつ解明されるという明るい未来がきっと待っているので、一緒くたにしてはいけませんね。えぇ。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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