Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by norlys - 2008.09.24,Wed
週末は小川山でクライミング三昧!! のつもりで意気揚々とY氏と共に廻り目平入りしたものの、台風通過後の低気圧に祟られ3日間(1日目は移動+買出しなので実質2日間)の滞在中、1本しか登れませんでした。。。凹む凹む。。。
日曜日の昼間から降りだした雨は、月曜日の朝になってもちっとも止む気配がなく、早々と撤収。
どこに行くあてもないけれど、こうなったらムダに観光スポットでもめぐってみるべと、山と高原の地図とにらめっこ。
いわゆる観光地は苦手なので、できれば山の方がいい。でも雨の中でしょんぼり山登りもなんだかな。
千曲川源流を訪ねる遊歩道にも惹かれたけれど、「増水時渡渉注意」とあり、どうもこの連日の雨では増水必至と思われやめる。
そんなわけで、割と近場にあるらしき南相木ダムにGo。
なぜなら自分がダムが好きだからだ。(ごめんよ。。
南相木ダムは2005年に完成したばかりの新しいロックフィル式ダム。南相木村の集落の奥へと、よく整備された道をうねうね登っていくと、いきなり目の前に緑色の湖が広がる。
いちおう観光スポットらしいのだけど雨の降る平日だけあって、他に訪問者はナシ。途中で電力会社の関係車両が1台通過しただけ。森閑としていてよろしいです。
堰堤上のダム湖右岸には「天空の石広場」があり、対岸には「輪の広場」がある。
ふたつの広場をつなぐ谷に向かって開けた堰堤には、ダム周辺から採石された真っ白い石灰岩が敷き詰められ、壮大な傾斜を演出。眼下には水流の渦を模した「ウズマクヒロバ」という公園がある(2006年度グッドデザイン賞を受賞)。晴れた日なら渓谷の向こうに八ヶ岳の山並みが見えるのだとか。
残念ながらこの日は雨だったけれど、帰りがけに一瞬雲が切れそうになって谷間がちらっと広がったとき、その演出効果のスケールのどでかさにびっくりした。
ダムを取り巻くすべての自然の風景が借景だなんて。いったいどなたが設計されたんだろ。。
満水時に水を逃がす洪水吐水路のコンクリート躯体の描く湾曲部のなめらかさ具合もたいそう美しくて、コンクリートマニアの自分ははぁはぁしてしまった。
さすがにダムはいいコンクリートを使ってますな。はぁはぁ。
あぁもう、わたしが中島みゆきだったら、きっとここで「地上の星」を歌ったのに。(意味不明)
さてもこの南相木ダム、日中は長野県側にある南相木ダムから群馬県側にある上野ダムへと続く地中のパイプ内に水を流して、中間部の地下にある神流川水力発電所で発電し、夜間は深夜電力で上野ダムから南相木ダムに水を揚水しているんだそうな。
こんな感じ?
長野県
南相木ダム __^県境^ 群馬県
\______神流川発電所___
\_______ 上野ダム
(正しい位置関係はこちら)
そんなわけで、ダム湖である奥三川湖は満々と水を湛えているものの、地上には発電施設は見当たらず。
Wikipediaの記述によれば、「最終的には6台の水車発電機により揚水発電所としては世界最大となる予定である」とのことだけど、堰堤はともかくダム湖自体は周囲5.5Km程度の割合こじんまりとしたもの。
なんだか不思議。
でも地上の自然環境との調和とかテロ対策といった意味では良いのかも。地上は冬になると雪の深い土地だし。なにより、地下で脈々と活動を営む秘密基地みたいでカッコいい。
しかも山々を貫いてふたつのダムを連結しているのだと考えると、すごいワクワクする。
また、南相木ダムは長野県佐久郡南相木村にあるにもかかわらず、管轄者は東京電力渋川営業所(in群馬)となっていました。
これもまたちょっぴり不思議。なるほど長野県と群馬県の県境なので、南相木ダムと上野ダムは直線距離だと目と鼻の先だけど、一般車両だとぐる~っとぶどう峠という山道経由で実に約44Km(by MapFanWeb)のドライブになるので、心理的に遠い。
ちなみに南相木村への電力供給元は中部電力。これまた不思議(というほどじゃないけど。行政区分上の問題なのでしょう。首都圏はかくもエネルギー食いだということだ)。
なお、南相木ダムから真東に約3Kmほど、県境を越えて群馬県に入ったところは、かつて日航機123便が墜落した現場である御巣鷹の尾根。
なるほど、こんな山深い場所に墜落したのか。。。と、感慨深し。
事故後は上野村側のアクセスは飛躍的に改善されたものの、事故発生当時に墜落現場を探して山に分け入った人たちはたいへんだっただろうな、としみじみ思う。
でも人口密度の高い地域の上空を飛び続けながら、最後にこの山域にたどり着いたことで二次災害を出さずに済んだことは、なにかしら人ではないものの手を感じなくもない。そのくらい山深い。
そんな山奥の集落の先の峡谷に道路を作ってダムを建造して、しかも地中深くでもうひとつのダムにつながっているなんて、なんかすごいよ。とにかくすごいよ。
利権とか自然破壊とかの諸問題はさておき、巨大で精巧な人工構造物を目の前にするとキトキトしてしまう自分。矛盾してるよな。
なんでもこのダムがひとつ出来たことで、南相木村は一気に財政赤字を解消してリッチになったらしい。
逆に言えば、ダムひとつで一時的に潤沢になるほどの経済規模だということなんだろう。
(たとえば村の小学6年生全員は夏休みにオーストラリアでホームステイだそうで、かなりうらやましいぞ。とにかく北欧諸国バリの手厚い福祉政策っぷりだ)
まぁ色々考え出すと厭になるのでやめておく。
ちなみに、群馬側と長野側を結ぶ御巣鷹山トンネルがありましたが、残念ながらこのトンネルは現在のところ一般車両通行禁止(東京電力の関係車両のみ)だそうです。
完成後は一般開放される予定だったとか。ところが、どうやら現在のところ一般開放の見込み薄。。なぜなんだろ。
1. 走り屋や林道マニアが押しかけて村の静かな生活に支障を来たす恐れがあるから
2. 場所柄メンテナンスがたいへんなので、交通量が増えるのは望ましくない
3. やっぱり色々と。。。出るから(誠に失礼な表現で申し訳ありません。ただ、ダムやトンネルの作業現場では色々と目撃例が絶えないというオカルト話は多いようです。。)
まぁ、正解(らしきもの)は1. + 2.かな。あとは東電が自前で用意した私道のトンネルであって、公道じゃないもんね、というところでしょうか。
ダム散策を終えて、村の中心地を通りかかると村営の温泉施設「滝見の湯」を発見。
お昼ごはんでも~と考えていたところに「新蕎麦」ののぼりを見たので、コレ幸いと停車。
ふと見れば入浴料も350円と破格値。おぉ、まさにダム様様w。
そんなわけで、ひとっ風呂浴びて今年の新蕎麦をおいしく戴いて、再び出発。
走り出してまもなく、「立岩」という観光名所の案内板を見かけ、道路脇のスペースに車を停めて見学に。
対岸からでも「アレダ」と一目で分かる立派な岩。
橋を渡って岩の下に近づいて見上げると、やっぱり立派。茶色でゴツゴツしていて一見もろもろと崩れそうな印象だけれど、触ってみたらカッチリした石灰岩の塊でした。なぜにこんなカタマリが??
(2009/11/25 訂正。立岩は石灰岩ではなくてチャートだそうです。)
ものすごく登攀意欲をそそられたけれど、残念ながらハングのキツイ箇所以外は全面雨が染み出していて、ただでさえツルリとした石灰岩だけに怖い怖い。
なお、南相木村のWebサイトによれば、
「南相木村のシンボル的な奇岩。立岩の高さは60m、幅は10m、頂上にはスサノオ尊を祭る。」なのだそう。
なんと神様がいらっしゃいましたか。。
しかしまぁ、スサノオ伝説とは。びっくり。
南相木村の南、群馬県との県境には、高天原山(別名、ショナミの頭、神立山、蟻ヶ峰)があったり、高天原山の南には舟窪、北には大蛇倉山、舟留と、やけに神話っぽい名前の地名があるけれど、なにか関係があるのでしょか。。
出雲勢力が逃れた先が長野県の諏訪湖だというしな。南相木村にも諏訪神社にちなんだ社があるそうだし。
と思えば、サイトの説明には、重ねて「この岩には、三等分したような線が入っており、遠い昔鬼が三回に分けて運んで積み重ねたとも言われています。」とあり、あららら。
なにか巨大な力の存在を感じさせるこの大岩に、神話や鬼のモチーフを重ね見たのかな。
混沌としていて、なかなか愉快ですな。
ダムがなければ消えてしまったかもしれない村の遠い昔の伝説を、今のうちに掘り起こしておいてほしいものです。
日曜日の昼間から降りだした雨は、月曜日の朝になってもちっとも止む気配がなく、早々と撤収。
どこに行くあてもないけれど、こうなったらムダに観光スポットでもめぐってみるべと、山と高原の地図とにらめっこ。
いわゆる観光地は苦手なので、できれば山の方がいい。でも雨の中でしょんぼり山登りもなんだかな。
千曲川源流を訪ねる遊歩道にも惹かれたけれど、「増水時渡渉注意」とあり、どうもこの連日の雨では増水必至と思われやめる。
そんなわけで、割と近場にあるらしき南相木ダムにGo。
なぜなら自分がダムが好きだからだ。(ごめんよ。。
南相木ダムは2005年に完成したばかりの新しいロックフィル式ダム。南相木村の集落の奥へと、よく整備された道をうねうね登っていくと、いきなり目の前に緑色の湖が広がる。
いちおう観光スポットらしいのだけど雨の降る平日だけあって、他に訪問者はナシ。途中で電力会社の関係車両が1台通過しただけ。森閑としていてよろしいです。
堰堤上のダム湖右岸には「天空の石広場」があり、対岸には「輪の広場」がある。
ふたつの広場をつなぐ谷に向かって開けた堰堤には、ダム周辺から採石された真っ白い石灰岩が敷き詰められ、壮大な傾斜を演出。眼下には水流の渦を模した「ウズマクヒロバ」という公園がある(2006年度グッドデザイン賞を受賞)。晴れた日なら渓谷の向こうに八ヶ岳の山並みが見えるのだとか。
残念ながらこの日は雨だったけれど、帰りがけに一瞬雲が切れそうになって谷間がちらっと広がったとき、その演出効果のスケールのどでかさにびっくりした。
ダムを取り巻くすべての自然の風景が借景だなんて。いったいどなたが設計されたんだろ。。
満水時に水を逃がす洪水吐水路のコンクリート躯体の描く湾曲部のなめらかさ具合もたいそう美しくて、コンクリートマニアの自分ははぁはぁしてしまった。
さすがにダムはいいコンクリートを使ってますな。はぁはぁ。
あぁもう、わたしが中島みゆきだったら、きっとここで「地上の星」を歌ったのに。(意味不明)
さてもこの南相木ダム、日中は長野県側にある南相木ダムから群馬県側にある上野ダムへと続く地中のパイプ内に水を流して、中間部の地下にある神流川水力発電所で発電し、夜間は深夜電力で上野ダムから南相木ダムに水を揚水しているんだそうな。
こんな感じ?
長野県
南相木ダム __^県境^ 群馬県
\______神流川発電所___
\_______ 上野ダム
(正しい位置関係はこちら)
そんなわけで、ダム湖である奥三川湖は満々と水を湛えているものの、地上には発電施設は見当たらず。
Wikipediaの記述によれば、「最終的には6台の水車発電機により揚水発電所としては世界最大となる予定である」とのことだけど、堰堤はともかくダム湖自体は周囲5.5Km程度の割合こじんまりとしたもの。
なんだか不思議。
でも地上の自然環境との調和とかテロ対策といった意味では良いのかも。地上は冬になると雪の深い土地だし。なにより、地下で脈々と活動を営む秘密基地みたいでカッコいい。
しかも山々を貫いてふたつのダムを連結しているのだと考えると、すごいワクワクする。
また、南相木ダムは長野県佐久郡南相木村にあるにもかかわらず、管轄者は東京電力渋川営業所(in群馬)となっていました。
これもまたちょっぴり不思議。なるほど長野県と群馬県の県境なので、南相木ダムと上野ダムは直線距離だと目と鼻の先だけど、一般車両だとぐる~っとぶどう峠という山道経由で実に約44Km(by MapFanWeb)のドライブになるので、心理的に遠い。
ちなみに南相木村への電力供給元は中部電力。これまた不思議(というほどじゃないけど。行政区分上の問題なのでしょう。首都圏はかくもエネルギー食いだということだ)。
なお、南相木ダムから真東に約3Kmほど、県境を越えて群馬県に入ったところは、かつて日航機123便が墜落した現場である御巣鷹の尾根。
なるほど、こんな山深い場所に墜落したのか。。。と、感慨深し。
事故後は上野村側のアクセスは飛躍的に改善されたものの、事故発生当時に墜落現場を探して山に分け入った人たちはたいへんだっただろうな、としみじみ思う。
でも人口密度の高い地域の上空を飛び続けながら、最後にこの山域にたどり着いたことで二次災害を出さずに済んだことは、なにかしら人ではないものの手を感じなくもない。そのくらい山深い。
そんな山奥の集落の先の峡谷に道路を作ってダムを建造して、しかも地中深くでもうひとつのダムにつながっているなんて、なんかすごいよ。とにかくすごいよ。
利権とか自然破壊とかの諸問題はさておき、巨大で精巧な人工構造物を目の前にするとキトキトしてしまう自分。矛盾してるよな。
なんでもこのダムがひとつ出来たことで、南相木村は一気に財政赤字を解消してリッチになったらしい。
逆に言えば、ダムひとつで一時的に潤沢になるほどの経済規模だということなんだろう。
(たとえば村の小学6年生全員は夏休みにオーストラリアでホームステイだそうで、かなりうらやましいぞ。とにかく北欧諸国バリの手厚い福祉政策っぷりだ)
まぁ色々考え出すと厭になるのでやめておく。
ちなみに、群馬側と長野側を結ぶ御巣鷹山トンネルがありましたが、残念ながらこのトンネルは現在のところ一般車両通行禁止(東京電力の関係車両のみ)だそうです。
完成後は一般開放される予定だったとか。ところが、どうやら現在のところ一般開放の見込み薄。。なぜなんだろ。
1. 走り屋や林道マニアが押しかけて村の静かな生活に支障を来たす恐れがあるから
2. 場所柄メンテナンスがたいへんなので、交通量が増えるのは望ましくない
3. やっぱり色々と。。。出るから(誠に失礼な表現で申し訳ありません。ただ、ダムやトンネルの作業現場では色々と目撃例が絶えないというオカルト話は多いようです。。)
まぁ、正解(らしきもの)は1. + 2.かな。あとは東電が自前で用意した私道のトンネルであって、公道じゃないもんね、というところでしょうか。
ダム散策を終えて、村の中心地を通りかかると村営の温泉施設「滝見の湯」を発見。
お昼ごはんでも~と考えていたところに「新蕎麦」ののぼりを見たので、コレ幸いと停車。
ふと見れば入浴料も350円と破格値。おぉ、まさにダム様様w。
そんなわけで、ひとっ風呂浴びて今年の新蕎麦をおいしく戴いて、再び出発。
走り出してまもなく、「立岩」という観光名所の案内板を見かけ、道路脇のスペースに車を停めて見学に。
対岸からでも「アレダ」と一目で分かる立派な岩。
橋を渡って岩の下に近づいて見上げると、やっぱり立派。茶色でゴツゴツしていて一見もろもろと崩れそうな印象だけれど、触ってみたらカッチリした石灰岩の塊でした。なぜにこんなカタマリが??
(2009/11/25 訂正。立岩は石灰岩ではなくてチャートだそうです。)
ものすごく登攀意欲をそそられたけれど、残念ながらハングのキツイ箇所以外は全面雨が染み出していて、ただでさえツルリとした石灰岩だけに怖い怖い。
なお、南相木村のWebサイトによれば、
「南相木村のシンボル的な奇岩。立岩の高さは60m、幅は10m、頂上にはスサノオ尊を祭る。」なのだそう。
なんと神様がいらっしゃいましたか。。
しかしまぁ、スサノオ伝説とは。びっくり。
南相木村の南、群馬県との県境には、高天原山(別名、ショナミの頭、神立山、蟻ヶ峰)があったり、高天原山の南には舟窪、北には大蛇倉山、舟留と、やけに神話っぽい名前の地名があるけれど、なにか関係があるのでしょか。。
出雲勢力が逃れた先が長野県の諏訪湖だというしな。南相木村にも諏訪神社にちなんだ社があるそうだし。
と思えば、サイトの説明には、重ねて「この岩には、三等分したような線が入っており、遠い昔鬼が三回に分けて運んで積み重ねたとも言われています。」とあり、あららら。
なにか巨大な力の存在を感じさせるこの大岩に、神話や鬼のモチーフを重ね見たのかな。
混沌としていて、なかなか愉快ですな。
ダムがなければ消えてしまったかもしれない村の遠い昔の伝説を、今のうちに掘り起こしておいてほしいものです。
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自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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