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Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by - 2024.05.15,Wed
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Posted by norlys - 2010.07.28,Wed

先週末は小川山でのんびりフリー。夏バテと寝不足と縦走の疲れがトリプルパンチでかなり不調。。
まぁ、それはそれとして、海の日の3連休の日記の続き。

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■DAY2(2010/07/18(日) )間天のコル~奥穂高岳~涸沢岳~北穂高岳~南岳~大喰岳~槍ヶ岳

2:00 起床 3時過ぎには準備が整うもののまだ外が暗いので待ち - 4:00 間天のコル  歩き出し - 4:20 天狗岳 山頂 - 4:53 天狗のコル - 5:40 コブ尾根の頭 - 6:13 ジャンダルム下 - 6:19 ジャンダルム上 着 - 7:10 馬の背 - 7:30 奥穂高岳山頂 着 山頂付近で休憩  - 8:33 穂高岳山荘 着 - 9:00 穂高岳山荘 歩き出し - 9:16 涸沢岳 - 10:04 最低コル - 11:00 北穂分岐 - 11:10 北穂高岳山頂 着 - 11:15 北穂高岳山荘 着 - 11:40 北穂高岳山荘 歩き出し - 12:10 長い鎖 先行P待ち - 12:20 飛騨泣き - 12:40 A沢のコル - 12:51 長谷川ピーク - 13:38 南岳直下 第1梯子 - 14:12 南岳山荘 着 休憩 - 14:30 南岳山荘 歩き出し - 14:43 南岳 山頂 - 15:17 2980mピーク - 15:33 水場 - 15:52 雷鳥に遭遇 - 16:00 中岳 山頂 - 16:36 大喰岳 山頂 - 17:08 槍ヶ岳山荘 着 テントサイトはすでに満員御礼 - 18:00 殺生ヒュッテ 着 - 20:00頃 就寝
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北アルプスは幕営指定地以外は原則キャンプ禁止ですが、降雨の中岩稜帯での行動を強行することを避け間天のコルで緊急ビバーク。

朝2時に起床。ご飯を食べて出発の準備を整える。まだ3時。外は暗く最後の星が瞬いている。もう少し周囲が明るくなってから行動しようということで4時まで待機。

4時前になると北穂の向こうに曙光の兆し。岩と空の境目が区別できるようになったので行動開始。岩はすでにしっかり乾いている。

まずは長い鎖場。越えるとすぐに天狗岳山頂。朝焼けの光の中に、特徴的なシルエットですぐにそれと分かる槍ヶ岳。まだ遠い。遠くに八ヶ岳や富士山の山並みが良く見える。

P7180189_s.JPG岳沢に続く天狗のコルへ降りる。落石で崩壊した避難小屋跡はまだ健在。上部に残る雪渓には岳沢まで降りるトレースは見当たらず。稜線を右に左にとペンキ印を追いかけながら進むと出ました、目の前にジャンダルム。てっぺんに人影はなし。

←西穂側から見たジャンダルム。

信州側への巻き道地点にザックをデポして飛騨側からよじ登る。特に難しいところはなく、あっという間にジャンダルムの上に到着。朝陽を受けて360度の展望。奥穂高岳山頂に人影がいくつか。予定した全ルートの踏破は難しくなってしまったけれど、ジャンダルム前後の「おいしい場所」はやっぱりコンディションの良いときに来て良かったなぁ~と思う。

P7180201_s.JPG
←ジャンダルムの上から。左のとんがった峰が槍ヶ岳。








P7180248_s.JPGしばしジャンダルムからの眺めを満喫した後、ジャンダルムを信州側から巻いて先を急ぐ。奥穂方面から続々と人が降りてくる。鎖場や狭い岩稜は相互に譲り合いながら通過しなくてはならないので、もっと遅い時間に歩き出したら渋滞に難渋したかもしれない。

馬の背をよじ登り、そのまま奥穂高岳山頂に続く辺りは、この西穂-奥穂のフィナーレを飾るにふさわしく絵になるところ。振り返るとジャンダルム。やっぱりジャンダルムは奥穂から見る方が絵になります。







P7180220_s.JPG←奥穂側から見たジャンダルム。恐竜みたい。

奥穂山頂直下の登山道脇でしばし休憩。濡れたシュラフや銀マットを広げて干しながら風景を満喫。
結構歩いてきたような気がするのに、西穂高岳も新穂高ロープウェイ乗り場もすぐ間近に見える。むしろ、これから目指す槍の穂先の方がよほど遠い。うむう。

8時半過ぎに穂高山荘に到着。新宿駅のホームのように人でごった返している(ちょっと大げさ)。小屋の前には雪渓が残っていて照り返しが眩しい。水を補給して再び歩き出そうとしたところ、ちょうど荷揚げのヘリが到着したので5分ほど待ち。風の影響の少ない場所で退避していたにも関わらず、ものすごいダウンバースト。


気温が上がってきたこともあって涸沢岳への登り返しがキツイ。おまけに登りを歩いている途中でトイレに行きたくなってしまったけれど、この先どこにも隠れる場所がないので我慢。結局、北穂山荘まで我慢しました(汗)。
P7180293_s.JPGP7180294_s.JPG










涸沢岳山頂から。左が通って来た道。右がこれから進む道。どちらも岩岩岩岩岩岩岩岩。
地層は滝谷花崗閃緑岩だそうです(なので濡れるとちょっとイヤ)。途中の鞍部ではちょっと違う感じの岩になる(チャートとか流紋岩かな? 不明)。

涸沢岳の山頂からは鎖や梯子の急な下り。これまでもアップダウンの激しい道のりだったけれど、最低コルまで降りてまた登り返すのか~と思うと、ちょっとゲンナリ。同時に、岩場を歩くこと自体はとても楽しいので、いつまでも終わってほしくないような気もする。右手に涸沢カールが広がり、色とりどりのテントを見る。

P7180337_s.JPG←最低コルから。去年のGWは、北穂からえっちらおっちら下りてきて、ここから涸沢小屋までショートスキーで滑ったのでした。
涸沢小屋のテラスでビールを呑みながら、九州から来られたパーティの皆さんと楽しい時間を過ごしたことを思い出して大笑い。

最低コルから北穂へは主に滝谷方面を絡んで進む。途中で懸垂下降用と思しきペツルのハンガーボルトを見る。滝谷はかつてはクライマーで賑わったと聞く、自分にとっては一種の憧れの場所。耳を澄ましてみても、滝谷方面からはひっそりと静か。「鳥も通わぬ」どころか、最近は登攀に訪れる人も少ないのかな。どうなんだろう。


P7180387_s.JPG←北穂山頂から。ふむ~槍が近くなったような気は…とてもしない。。

11時過ぎに北穂山頂に到着。ちょっとしたテラスになっていて、10人くらいの登山者が思い思いに休憩中。槍ヶ岳が、さっきよりはわずかに近くになったような気がする。北穂小屋に降りて大休止。

まだ早い時間だけど生ビールを1杯買ってYさんと半分こ。すでに行動開始から7時間が経ち、カラカラの身体は一瞬でアルコールを吸収分解したのか、あまり呑んだ気がしない。けど、おいしかった。

P7180412_s.JPGふと気付くと、ふわりと飛騨側からガスが上がってきて槍ヶ岳を隠し始める。夏山の展望は店じまいが早い。まだ先は長い。いざ大キレットへ。北穂から槍までの道は初めて歩くところ。楽しみ。

しばらくはざくざくと岩がちの斜面をジグザグに降りる。降りるということは、もれなく登り返すということ。今日の累積標高差はどのくらいなんだろう…と思う。狭いトラバースを過ぎて、長い鎖の上に出る。足場がガレガレで落石多発地点。お互いに譲り合い、しかも間隔を空けないと危ないので、プチ渋滞。

鎖場を過ぎると足場のついた狭い岩場。通過時はよく分からなかったけれど、長い鎖からこの岩場あたりが「飛騨泣き」という難所のひとつ、らしい。高度感はあるけれど、スタンスが大きいので怖さはない。ただ、逆ルートだと急な下りの最後に足場の悪い長い鎖となるので、より難しいような気がする。


P7180431_s.JPGA沢のコルに降り、長谷川ピークを過ぎる辺りは残念ながらガスが立ち込めていたので目の前の岩しか見えず。しばし岩のリッジを離れて長い下りになる。どこまで降りるんだろう…て、また登るんだよねぇ…と若干不安になる。視界は悪くないけれど遠望が効かない。

←と、写真を整理していたらA沢のコルに下りるずっと手前から長谷川ピークが見えていました。(長谷川ピークがどれだかわかっていなかった。。(汗))







P7180462_s.JPG次第に道が登り基調になり、梯子が現れる。「南岳直下に梯子が2箇所ってあったっけ」とYさん。なるほど。登山道は一番弱点を突いて整備されているけれど、周辺にはキレイなクラックがあちこちに走っていて岩も硬そう。あそこを登ったら楽しそうだよねぇ~、誰か登った人はいないのかな、でもアプローチが遠いよね~、などと話し合いながら歩く。

←南岳山頂直下にある獅子鼻岩はキレイなクラックがたくさん走っていて、登ったら面白そう。

14時10分過ぎに南岳山荘に到着。ここでまた大休止。反対側から来るパーティの通過待ちなどで休んだ以外は北穂からノンストップ。つ、疲れた。

テントサイトにはテントが10張弱ほど。以前、明け方の弓折岳から槍穂の稜線を眺めたときに、南岳の山小屋に朝一番の明かりが灯るのを見た。険しい稜線が続く断崖の上にぽつりと灯る明かりはとても印象的だった。ここが、そこかぁ。

小屋の方が表に出てきて、南岳方面を指差して言う。「あの人、今雷鳥を撮っていますね」と。「花の写真を撮るならば、姿勢が違いますから」言われてみれば、なるほど。雷鳥か~。今回は遭遇していないなぁ。

槍ヶ岳まではエアリアマップのコースタイムであと3時間。双六までは無理そうだけど、今日のうちに槍ヶ岳までは行きますか~と、再び歩き出し。

P7180480_s.JPG南岳まではなだらかな砂礫の道。ここで今回初めて、ずっと岩稜帯だったため出番のなかったストックを使用。軽いはずの荷物もさすがにずっしりと重さを感じるようになり、緩い下りになると左膝裏の筋が痛むのでうれしい。もっとも、2980mピークを過ぎたらまた岩場がちになり即座に折り畳まれる運命でした(哀)。

信州側は切れ切れに風景が覗くものの、稜線から飛騨側はガス。それでも時々前方に槍ヶ岳が見える。うう、まだ遠い~。。



P7180530_s.JPG右手に槍沢のカールと屏風岩を眺めながら、稜線をぽくぽく歩く。
南岳を過ぎてからかなり登山者の姿は減ったものの、それでも前後に時々人を見る。中岳直下の水場で水を飲む。生き返る。途中で第1次雷鳥遭遇。今回はこの1羽のみ。イワヒバリは何度も見た。どちらもかわいい。






P7180548_s.JPG←中岳と大喰岳の途中の稜線。歩けども歩けどもガレガレ岩岩で感覚が次第に麻痺してきた。
それにしても槍ヶ岳の存在感の激しさは異常。

中岳を過ぎ、砂礫の登山道を歩いて大喰岳へ。この辺り、エアリアマップでは「南岳->槍ヶ岳」のコースタイムをまとめてざっくり3時間と表記。それぞれ特徴的なピークなのにちょっとかわいそう(?)。南岳から先の道は砂礫が多くかなり荒涼とした印象。ハイマツなどの植物もあるのだけど、全体的にグレー。おまけに真正面に聳える槍ヶ岳といい、すべてが灰色の世界。かなりハードボイルド。

P7180518_s.JPG←槍沢のカール地形。規模が大きすぎてわらかなかったけど、なるほどカール。ハーフパイプみたい。









P7180567_s.JPG←飛騨乗越から槍ヶ岳。このドヤ顔っぷりがたまらない。

槍ヶ岳山荘のテン場に点在する色とりどりのテントを見上げながら最後の登り。辛いなぁ。。
槍ヶ岳山荘のテン場は、さすがにこの時間ではすでに満員御礼で、殺生ヒュッテに行きやがれと貼紙があるということで、殺生ヒュッテへ。もう歩かなくていいと思ったのになー。とほほ。しかも下り坂基調だと、左膝裏が痛くて涙が出そう。

と、かなりヘロヘロで殺生ヒュッテまで到着。500mlの缶ビールが売切れと聞いた瞬間、心が折れそうになった。あぁ、ここまで来たのに。仕方がないので350ml缶を2本購入(でも700mlもいらなかったなー)。

早速テントを設営し、夕ご飯。さすがにバテバテであんまり食べられず。風の影響も受けず、気温もほどほどで過ごしやすい。雨の中岩稜の隙間でひっそりとビバークした昨日の幕営地に比べると、人で賑わうテン場はなんとなく街中にいるような気分。

半分眠りに落ちながらビールを無理やり呑み終えて、就寝。

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norlys
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自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。

色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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