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Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by - 2024.11.28,Thu
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Posted by norlys - 2007.09.03,Mon
週末に上高地→西穂高山荘→西穂高→奥穂高→北穂高→上高地と、穂高連峰の岩稜地帯を縦走してきました。
岩峰に次ぐ岩峰。岩を登っては降り、降りては登るをひたすら繰り返すという岩スキーにはたまらないルートです。特に西穂高から奥穂高、北穂高にかけての滝谷花崗閃緑岩地帯は、まるで恐竜の背びれのように荒々しく峻険で、針山地獄とはこんなトコロかな~という印象でした。
滑落事故も多数発生しているところなので十分な注意が必要ですが、好きな人にはたまらないかと。

相変わらず長い山行記録です。。忘れやすいので、自分。。

山域: 穂高連峰 山行形態: 小屋泊まり 縦走
コースタイム:
(1日目) 上高地BS 6:30 → 田代橋 6:50 → 西穂山荘 9:25  (停滞~)
(2日目) 西穂山荘 3:00 → 西穂独標 4:25 → ピラミッドピーク 5:00 (大休止) → 西穂高岳 5:55 → 赤石岳 6:45 → 間ノ岳 7:45 → 間天のコル 8:15 → 天狗岩 8:30 → 天狗のコル(避難小屋跡) 9:05 → コブの頭(立ち寄り) → ジャンダルム 巻き道手前 11:10 → 馬の背 手前 11:50 → 奥穂高 12:30 (休憩) → 穂高山荘 13:10 (途中、団体様通過待ちアリ) (昼食) →  13:38 穂高山荘 出発 → 涸沢岳 14:00 → 最低コル 14:55 → 南峰 直下の分岐 16:05 → 北穂高山頂(北穂高小屋) 16:15
(3日目) 北穂高小屋 5:18 → 南峰 直下の分岐 5:28 → 涸沢小屋 7:20 (大休止) → 本谷橋 8:40 → 横尾山荘 9:25 → 明神館 10:45 → 上高地 BS 11:30

木曜日の夜、家を出る直前までひたすら天気予報とにらめっこ。
出発前の天気予報では、週末は雨と曇りのマークオンリー。秋雨前線が停滞しているためなので、いっそ台風が来て前線を吹き飛ばしてくれないかな~とたわごとをのたまっていたら、出発の前々日に台風9号が太平洋の東海上に発生。。
いや、あの、来てほしかったのはそっちの方面からじゃないんだけど。。。と、気持ちはますますトーンダウン。

西穂高から穂高連峰を抜けて槍ヶ岳まで至る縦走路は、岩稜地帯の連続で難易度の高いルートとして有名だそうです。山の会の集会では「天気が良ければ大丈夫でしょう」と言われていましたが、なにしろ天気予報が優れないこともあり、わたしたちの出発に前後して山の会の人たちからも「気をつけて」メールが舞い込み、迂闊なことはできないなぁ。。。と、気持ちをきゅっと引き締めるばかり(でも、実際にはどれほど困難なルートなのかという点はまだ実感できていませんでした…反省)。

もともとの予定では、2泊3日+1日予備日ということで、上高地→西穂高→奥穂高→北穂高→槍ヶ岳→上高地と縦走する予定でした。ただ、岩場が連続する岩稜地帯を雨天の中歩くのは厳しかろ~ということで上高地から槍ヶ岳に向かい様子見…という案も出ていました。

早朝、上高地への乗り換えバスに移る沢渡に到着すると案の定小雨がパラパラ。
上高地に到着すると、幸い雨は降っていませんでしたが、お山はすべて雲の中。

ところが、観光案内所で天気予報をチェックすると、翌日の土曜日の予報が曇りのち晴れに変わっていました。
これなら今日のうちに西穂山荘まで上がって、次の日に北穂高まで抜けられるかも? ということで、急遽、西穂山荘を目指すことに。

DSCF4108.JPGバスステーションから梓川沿いに田代橋を目指し、登山道の入口に到着したところで、またしても雨が降ってきました。レインウェアを着こんで、いざ出発。
田代橋から西穂山荘までは中尾根という樹林帯の急登。同行のYさんがサクサクっと歩く一方で、わたしは寝不足のせいか(単に弱なだけかw)、歩き出しの1時間は20分歩いては5分休憩をリクエストするというていたらく。1時間ほど歩いたらようやくエンジンがかかり、ペースがあがってきました。

斜面は急ですが、巻き道が細かく刻まれているので淡々と標高を稼ぐうちに屋根を上りきり岩の多い地形に到達。雨が登山道を流れ落ちていく中、じわじわ浸入した雨が靴の中でガポガポと鳴りはじめました。ひえ~。

登山道が狭まりトリカブトの群生地を通り過ぎ「あれ、トリカブトの群生地って、誰かの山行記録で見た覚えが…。もしかしてもうすぐ到着?」と思った次の瞬間には稜線に達し、割谷山からの登山道の分岐に至りました。
稜線をさらに10分ほど上がると西穂山荘に到着。昭文社の5万分の1の地図ではコースタイムが3時間50分となっていますが、約2時間半で上がりました。「んーあれ? 上高地の地図はコースタイムが甘いのかな…?」と、同行のYさんと顔を見合わせつつ西穂山荘の別館に入りました。ふー。

雨でぐっしょり濡れた状態で人心地のつく温かい山荘に入った瞬間、本日はここにて停滞!ということになりました。当初の予定では(もちろん天気が良ければ)、コースタイムであと6時間ほど歩き続け、天狗の頭の直下にあるというビバークサイトでフォーカストビバーク(予定した露営)をするつもりだったので、西穂山荘での停滞は予備日1日の消化を意味します。

DSCF4115.JPG本館の宿泊受付は午後1時からということで、それまでは喫茶室と自炊場を兼ねる別館で待機。別館にはすでに15人ほどの登山客の方がいらっしゃり、ストーブを囲んで暖をとっていました。
前日には西穂山荘に到着し、今朝奥穂高に向けて出発の予定だったそうですが、生憎の雨模様のためみな西穂独標まで行って引き返してきて停滞中とのこと。

わたしたちは樹林帯を歩いてきたので雨ばかり気にしていましたが、いわく「稜線に出たら雨ばかりか風が強くてとても歩けない」とのこと。さらに、「こんな天気で、なにか(事故が)あったら笑われる」と。この言葉をずっしりと実感を伴う楔の重さに感じました。

まぁひとまず濡れた服を乾かしつつ、宿泊受付の開始を待ちつつ…と、まだお昼まではちょいと間があるけれど早速おでんとビールで乾杯。窓の外は横殴りの雨。やだなー。。

天候がすぐれないこともあり、山荘は主に前日から停滞している登山客がメイン。まだいちおう夏山終盤の時期なのにひとりあたり布団1組ということでラッキーでした。
受付時間が早まったおかげで早々に布団にもぐりこみ、さーて漫画でも読むか~と思う間もなく即寝オチ。前夜の高速バスではあまり睡眠をとれなかったので、これ幸いと寝溜めモード一直線。

山荘の受付にあるテレビでは常時ウェザーニュースが垂れ流されていました。どうやらやはり明日は低気圧の狭間でなんとか大丈夫かも…! と、望みをつなぎつつ、午前2時半にアラームをセット。

翌朝アラームに起こされ、ほかにはまだ誰も起きる気配がないひっそりとした山荘の入り口でモソモソ準備をしていると、一足早く装備を整えたYさんが外の様子を見に行き「月が出ているよ」とのご報告。おおー。

日の出は5時20分頃なので、まだ外は暗いながらもキーンと鋭い星灯りの下、3時ちょうどに山荘を出発。5分くらい歩いたところで、ぐんぐん道が下っているのでおかしいぞ、ということでいったん山荘に戻ると、山荘を出てすぐの分岐を間違っていることが判明。3時13分(細かいなw)に、改めて西穂高に向かう登り道を踏み出しました。

歩き出しすぐはごく普通の山道ですが、しばらくするとゴツゴツとした岩場の道に変化しました。ところどころ岩に白丸でルートが示されているので、ヘッドランプで足元を照らしながらこの白丸を追っていきます。

ザレザレな岩場の道をじわじわと登り詰め、ほぼコースタイムどおりに西穂独標に到着。

空と君との間には今日も冷たい雨が降るそうですが、このときのわたしたちは高層雲とガスの間のわずかな晴れ間?にいました。気温は15度程度。動いている分には快適。

西穂独標のピークから先は、すとーんと岩場が切れ落ちた鎖場でした。谷間を挟んで目の前には暗い次のピークのシルエットが聳え、岩にスプレーされた白丸の道標が点々と高みに続いています。

視界が暗くてよく見えないのはこれ幸いかもね…と、切れ落ちた谷がぼんやりとしか見えない幸せを語りつつクライムダウン。幸いなことに、昨日の雨はどこへやらというくらい、岩は十分に乾いていました。でも「雨だったら(この岩場)厭だよね」「…だよね。昨日登った人たちすごいよね」「…すごいよね」という会話を交わしながら、ふと来た道を振り返ると、西穂山荘のオレンジ色の灯りがぽっちりと点っているのが見えました。また、わたしたちより1時間くらい後に出発した後続の登山者のものらしきヘッドランプらしき灯りがちらちらと動いているのも見えました。

DSCF4148.JPGうっすらと明るさを増す東の空を見やると、群青色の空に黒い稜線のシルエットが走り、その向こうにオレンジ色の光が横切って眼下には真っ白な雲海…と、幻想的な風景がありました。

きれいだねー、きれいだねー、と互いに何度も繰り返しながら、岩場を登っては降り、降りては登り。周囲は一気に明るさを増し、白丸のマークや足元が見えやすくなってひと安心。

出発から約3時間後、西穂高岳の山頂に到着。ここでお湯を沸かしてココアタイム。ほっ。


西穂高を過ぎると、ひたすらに岩峰の連続。ひとつの岩山をよじ登ったと思ったら、すぐに急降下のクライムダウン。赤岩岳ってあれかな、あっちじゃないかな赤いし…と言いながらヨジヨジ、オリオリ、ヨジヨジ d.c.。

しばらく歩いた後、ひとつのピークの巻き道に明瞭な一張り分のテントサイトがありました。あれ、これってビバークしようって言っていた間ノ岳直下のアレ? へーもうここまで来たんだ~。と、なかなかに余裕のふたり。

間ノ岳のピークを過ぎたあたりから、岩のガレガレ度と浮石度が120%増に。
「カモシカならこんな岩場でもヒョコヒョコ行っちゃうのかなぁ」と、カモシカのような美脚の持ち主であるYさんがサクサク岩場を越えて行きます。前世がペンギンだった(と信じてやまない)自分は、雪上のようにはいかないまでもなんとか後をついていきます。

浮石の多い箇所では、自分は後続だったので登るときはまだいいのですが(直後には人がいないから)、降りるときには落石を起こさないよう神経を使いました。ふたりとも念のためにヘルメットを被っていましたが、それでも足や腕に落石が落ちて怪我をして行動不能になったら…? と考えるだけでぞっとします。わたしたちのパーティはふたりだけで、直前直後のパーティもいませんでしたが、混雑期や大人数だったら、ヘルメットを着用した方が無難だと思います(でもメット率低かったです。安心と安全のお代としては安いものだと思うけどなぁ)。

地図に「逆層スラブに長い鎖」や「垂直の鎖」と書かれた箇所も、岩場が乾いているお陰もあって、階段状の楽しい岩登りでした。逆層とはいっても、手も足もふんだんにホールドがあり、乾いている分には花崗閃緑岩はフリクションがよく効きます(でも濡れていたらこの種の岩は本当にいやらしいです…)。

Yさんも自分も日頃のフリークライミイングの練習成果をいざここにとばかりに、楽しく岩を登りましたが、それでもある程度高度がありながらロープによる確保がなく鎖の補助のみという状態は、一歩間違えれば真っ逆さまに転落するので、ひとときも緊張感を抜けません。

ぐっと高度を下げて天狗のコルと呼ばれる避難小屋跡に到着。「落石で崩壊したんだって」というYさんの言葉にふと見上げれば、モアイ製造所ですかこれはというくらい見事な斜方形に亀裂の入った岩の壁。
これが一片でも落ちてきたらひとたまりもないよなぁ…と岩造りの基礎だけが残る避難小屋後の様子に納得。長時間立ち止まって、万が一落石にぺしゃんこにされてもかなわないので、束の間の間の休息の後に歩みを進めます。

「ルンゼ内の岩場」の箇所で、岩壁を見上げると雷鳥がひょこひょこ顔を出していました。
「わー雷鳥だ~」と、初めて雷鳥を見た自分は大感激。

またしてもザレザレガレガレな岩峰の登り降りを繰り返すと、目の前にコブノ頭が現れました。実はこれはコブノ頭だったのですが、おおこれがジャンダルムか~と下に荷物をデポしててっぺんまで登りました(すいません、わたし全然勉強不足でした)。これなら荷物をデポしなくても行けるかもね~と余裕たっぷりで話し合いながら、岩峰の巻き道を辿り、ピークの岩の隙間をよじ登って這いつくばって越えて(巻こうとしたら飛騨側が切れ落ちていました(汗)、さらにコルに下りると、正面の石峰に、左に黄色の丸印、右に白丸印が。ん?

それまで黄色丸と白丸は仲良く互いに補完しあいつつ同じ道を示していたのですが、ここに来て仲違い? まるで「パパとママと、どっちが好き?」と訊かれた子供のような気持ちになったり…(しませんが)。

DSCF4258.JPGと、白丸印の隣には白スプレーで文字が。自前の細い目をよく凝らしてみると、なんと「ジャンダルム」とあります。
あれジャンダルムってまだだったの? え、じゃあこの岩場の後ろかな? と、てっきりここはジャンダルムへの分岐点かもねぇと思い込みながら、白丸を辿り、左頭上の懸垂下降ポイントを「アルパインルートかなぁ」と見上げつつ通過し、振り返ると、あら、ジャンダルム。
信州側を巻いてきたってことですね、これ。

戻る? いや、いいでしょう。コブノ頭に登ったし。青空の下に聳えるジャンダルムはとても秀麗。西穂高側からだとただの岩山にしか見えなかったのに(苦笑)。


DSCF4260.JPG続く馬ノ背にも「ウマノセ」と白スプレーで書かれていました。難易度が高いと言えど、さすが一般縦走路。これがバリエーションルートだったら、岩場のルートをいちいち選択している間に日が暮れてしまうかも。
要所要所にマークがあるので、歩く(登る&降りる)ことに専念できて助かります。

馬ノ背は信州側が少し切れていてやや高度感がありますが、意外と幅があって、このときは下がガスっていたおかげもあり難なくクリア。クライムダウンすることもなく、そのまま一路奥穂高の山頂に通じていて、まるで山頂へのレッドカーペットのようです。

12時半ちょうどに奥穂高山頂に到着。青空に切れ切れの白雲が流れ、時折谷間からガスが吹き上がってくる中、とんがった槍ヶ岳の山頂が間近に見えました。

DSCF4278.JPGさぁ、そろそろお昼も過ぎたしお腹も空いたし、一気に穂高岳山荘へ~と、ガレた道を少し登ると山荘の赤い屋根が見えてきました。緩やかなジグザク道を下り、最後は一気に梯子で降りると、穂高岳山荘に到着。

当初から小屋泊まりの縦走といっても、朝と夜の食料は自前で用意し(つまり素泊まり)、昼食だけは割安な小屋ご飯にありつこうという計画でした。

Yさんはラーメン+ご飯で残ったご飯を夕飯にTo Go。どんぶり飯が200円なので、これはコスパ高いです。次回はぜひマネしたいと思います。わたしはカレーライス。てんこ盛りのライスもあっという間に完食。カレーのルゥがたいへんおいしゅうございました。

すでに一日の行程を終え、のんびりと寛ぐ登山客が三々五々談笑している姿を見ていると、今日はもうここで(停滞しても)もいいかなぁ~という気持ちにもなりつつ、いや明日の天気は分からないからと、1時38分(細かいってばw)に出発。

涸沢岳まではなんてことのない登山道なのに、どうやら食べ過ぎた直後で血流が胃袋に集中しているようで登りがキツイ…。

あらーこのペースで北穂まで行けるのかなぁ…と内心不安にかられながらも、涸沢岳の山頂を越えて新たに岩稜ゾーンに突入すると俄然調子が戻ってきました。よほど自分は岩場ラブなようです(または消化活動が沈静化したのか)。
DSCF4287.JPG岩、鎖、鎖、岩、鎖、梯子…と、西穂-奥穂間よりは若干整備されているものの、決して易しいとはいえないアップダウンの連続。逆層やハングが多いという点では、奥穂-北穂もかなりいやらしいルートだと思うのですが、西穂-奥穂間を怯んでもこのルートを通行する登山者は多いというYさんの言葉に「うーむ」と首を傾げました。もっとも、眼下に広がる涸沢カールの風景は筆舌に尽くしがたいので、ぜひ通ってみたいと思う人が多いのもさもありなんかなぁ。

こんなうすぼけた写真じゃ伝わらないかも…ですが、高度差約600メートルの大スロープです。


最低コルまではいい調子で歩いてきたのですが(下りが多いので)、そこから先は登り要素が増えるためややペースダウン気味。南陵への分岐の南峰から先は、さらにアップダウンが強烈に。「5時前には小屋にたどり着かないと無謀な登山者だと思われる~」という妙な強迫観念にかられながら(5時でも遅いと思いますが…)、最後に岩畳のように整備された道を登りきると、北穂高山頂の道標が。。

DSCF4294.JPGうわー着いた~。と、右手を見ると北穂高小屋の屋根がすぐ下に。うわー小屋だ~。よかった~。と感動。最低コルあたりまではガスも切れていたのですが、北穂の山頂はすっかりガスに包まれていました。
山頂の先客に「どこから来たの?」と問われ「前穂からです」と答えると、「すごいね~。いや、すごい、感動したよ」とのありがたいお言葉。「写真撮ってあげるよ、いや感動した」と、Yさんの到着を待って山頂で記念撮影。

北穂小屋で宿泊手続きを行い、へろへろ~としながら外で夕飯の準備でも…と思っていたところ、山頂の先客の方がコーヒーを入れてくださいました。ありがとうございます。

夕刻になってすうっと寒気が降りてきた中、外のテーブルで夕飯の支度。少し前にがっつりとカレーを食べたのと岩場の連続で緊張し続けた一日の終わりということで、あまり食欲はなかったのですが、「食べなきゃ生き延びれない」みたいな、またしても変な強迫観念に追われてラーメンを啜りました。でもおいしかったです。

夕食後部屋に入り(宿泊客が少ないこともあり、ラッキーなことにふたりでひと部屋を割り当てられました)、地図を見ながら次の日の行程を相談。
西穂から槍までの大縦走はYさんの念願なので申し訳ないと思いながらも(ほんとうにごめんなさい)、あと2日間の晴天が確実ではないのならもうここで下山しましょうと、ごめんなさいをしました。

残りの行程の所要時間、不確実な天気、北穂から南岳間の大キレット越え、帰りの交通手段の確保…等を考えると、バッファのない行程は辛いなぁ…と。予備日の消化を取り戻す意味で西穂山荘から北穂高小屋まで歩き通してHPがかなりレベルダウン。ごめんなさい、ヘタレです。

夜半に布団の暑さで目覚め、まどろみの中で小屋のトタン屋根を叩く厭な雨の音を聞きながら「うーむ…」。
朝4時半にセットした目覚ましが鳴り、昨日の疲れの抜けないままにのろのろと支度(いつも遅くてすいません。。。)。階下に下りるとこれから出発する登山者のみなさんが一様にレインウェアを着込んでいました。
雨は降っていませんでしたが、山荘の周囲は濃厚なガスがたちこめ、湿度オーバー100%といった状態。飽和水蒸気が水滴になるほどの具合で、これでは岩場がすぐに乾くとは思えず。

そんなわけで、北穂高小屋から昨日登ってきた道を下り、ガスの中を南陵を辿りました。途中でパラパラ雨が降り始め、前日のコースほどの難易度ではないにせよ濡れた岩場に「いやだなぁ…」と思いながらクライムダウン。涸沢に着く頃にようやくガスの下に出ました。
(途中でまた雷鳥を見ました。うれしい)

DSCF4316.JPG涸沢を過ぎて、本谷橋から横尾山荘までの道のりは、山頂が雲に包まれた屏風岩を右手に眺めつつの歩き。あまりに素敵な山容に、うっかり道を曲がり損ねて脇の笹薮に飛び込んでしまいました(岩場じゃなくて良かった…まぁ、岩場でよそ見はしないと思うけど)。いつかはあの屏風岩に登ってみたいです。でも天気が良い日がいいです(まぁもちろん)。

お昼過ぎに到着すればいいかな…と思っていた上高地に、気付いたらお昼前に到着。平坦で長いだけの道程なので、退屈じゃ~と唸りながら、ですが。もっとも、それなら濡れ岩の大キレットを越えられていたかというと、そそそれは…。なのですが。

上高地に着いたらなんと朝から停電で…ということで、バスの予約ができず。たぶん空いているから大丈夫ですよと言われても、確約もなしにはいそーですかとは立ち去れません。まぁ仕方ないかと、近場の売店でおやきと缶ビールを購入。
しばらくウロウロとバスステーションをうろついていたら、観光案内所の蛍光灯がパッと点りました。すぐにはコンピュータが立ち上がらないのでしばらくしてからまた来てくださいと応対されながらも、またしてもウロウロうろついて粘ると、今度は大丈夫でした。

バスの座席を確保したら、後は温泉とご飯でしょと(さっき食べたおやきは一瞬にして胃袋の中で抹殺されました)。出発のときと同様に上空に雲の垂れ込む梓川沿いに田代橋方面へ向かい、対岸に渡って上高地温泉ホテルへ。ここの外湯は(上高地のほかの温泉もそうですが)源泉かけ流し。ひゃー贅沢、贅沢。

とっぷり温泉に漬かり、さてご飯ご飯…と、宿の方に伺うと「今朝の停電の影響でランチは中止です」との答え。えええ~。梓川沿いに立ち並ぶ旅館や飯処を端から覗くも、みな同様の張り紙が。

DSCF4332.JPG幸い、西糸屋山荘さんがランチをやっていたので、お蕎麦と生ビールで乾杯。きゅー。(写真はYさんのオーダーしたお蕎麦^^;)

久しぶりに(といっても4日ぶりなだけだけど)お風呂に入り、椅子でのんびりしていたせいか、立ち上がると全身が筋肉痛。「なんかロボットみたいにしか歩けないんだけど」「今ここで、どの観光客よりも歩みの遅い登山者だよね」とふたりしてギクシャクと歩きながらバスステーションに戻りました。

次の機会には、奥穂から槍を目指したいなぁと思います。再度、西穂から槍ヶ岳でもオッケイです(でもやっぱり天候次第かなぁ。。)。

(反省点)
・ラジオを持っていきましょう。天気が変わりやすい時期だったので、ラジオを携帯していればリアルタイムに天候が把握できて良かったかも(て、持ってないんかいと怒られそうな…あぁごめんなさい)。
・荷物は少なめにしましょう。当然といえば当然なんだけど…。3泊4日補給なしの前提で食料を詰め込んだので重(バカ。北アルプスではお金さえ出せばいくらでも補給できることを知りませんでした(大バカ。あと、シュラフカバーが重かった(さらにバカ。素泊まり寝具なしという設定はないようなので、ビバークの前提が崩れた時点でBSにデポしておけばよかったのかも(でも万が一の事態が起きたらなぁ。。。
・ザックは細身がいいです。これまた当然なんだけど、岩稜地帯でザックが詰まると悲しいです。まぁ、テント泊装備の方もいらっしゃったので、技術の問題もあるかな。
・平坦な道でもよそ見をしない。よそ見すると笹薮に突っ込むので。

その他にも色々ありますが、それはまぁ独り反省会で。
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Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。

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