Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by norlys - 2009.09.24,Thu
5連休はどっぷりと秋田の沢と滝巡り。連休明けのせいか電話が通じないと文句を言われるほど電話が鳴りっぱなしのため、ざっくり行程と簡単なダイジェストのみのログ。詳細とかはまたいつかのいつか。
前夜:都内出発-鹿角八幡平IC下車 東北支部長と合流し、森吉山鳥獣センター駐車場へ
1日目:散策コース-ノロ川・赤水沢-九階の滝展望台-赤水沢の途中で幕営
2日目:幕営地-ノロ川・トウド沢(桃洞沢)遡行-赤水沢下降-散策コース-森吉山鳥獣センター-森吉山荘(入浴)-阿仁前田(夕食、買出し)-コメツガ山荘泊
3日目:コメツガ山荘-登山道-1000m付近から下降-連瀬沢遡行-登山道-森吉山-一の腰-様田コース経由-コメツガ山荘-森吉山荘(入浴)-親子ふれあいキャンプ場 幕営
4日目:親子ふれあいキャンプ場-森吉山鳥獣センター-散策コース-赤水沢-九階の滝下-赤水沢-散策コース-森吉山鳥獣センター-玉川温泉(入浴、散策)-盛岡へ移動
5日目:東北道をひたすら南下、帰京
大きなブナや秋田杉が聳える森の中をゆるやかに流れるナメの沢をヒタヒタと歩き、「マタギステップ」と名付けた滝や釜の脇の岩場に彫られた足がかりを頼りに越えたりと、明るく開けた楽しい沢でした。まさに「天国の散歩道」。
ここの地形特有の甌穴(ポットホール)の中を泳ぎまわる岩魚も多数目にしました。ちょうど産卵期だそうで、たいてい雌雄のペアで泳いでいる姿に和んだり。すでに色づき始めた山頂付近の森の色に歓声を上げたり。東北支部長のお陰でサモダシ(ナラタケ)も収穫でき、山の恵みのおこぼれにも預かりました。
まるんとしたスラブの滝や渓谷の周囲の壁の形状や苔の様子から、てっきり花崗岩だと思っていましたが、なんでも玉川溶結凝灰岩とのことでした。石英班晶が多量に含有されているため、風化した岩が沢の屈曲した箇所に南の国の砂浜のようなさらさらと白い砂地をなしていて美しかったです。
トウド沢にある「桃洞滝」は女滝という別称がある独特の形状をした滝。個人的には、笠ヶ岳にある穴毛沢と双璧をなす「エロ自然地名」だと思いましたが、トウド沢というカナ表記を眺めていると、おそらくは「トウド=トウドウ=止々」、すなわち「魚止め」の滝という意味の音に、後から桃洞という文字を当てたのではないかと推測してみたり。さて、どうなんでしょう。
連瀬沢は赤水・トウド沢とは趣が異なり、斜面を降りてのアプローチ、長いゴーロ地帯を抜けた後に続くナメと連滝帯(直登、高巻き)そしてまたナメという、沢登りの要素をギュッとまとめたコンパクトながらも濃密な内容でした。ほとんど藪を漕ぐこともなく沢の上流部を横断する登山道に出て森吉山の山頂まで一投足。山頂からは東北の山並みを一望。
今回の沢旅で、個人的に特に印象的だったのは、粒様沢上流の様ノ沢にある「九階の滝」の下まで無事に辿りつくことができたこと。かつて森吉山一帯を猟場にしていた阿仁マタギたちも「山神様の領域」と畏れ、ここでは猟を行わなかったと言われる場所。台地からすり鉢状のスラブに収束する、9段からなる落差135mの滝。
「様ノ沢」の由来は、「神様の沢」であるとも言われていますが、本来は「サマ=狭間=断崖、滝」という方言に由来するようです。「様ノ沢=滝の沢」と変換すると、なるほどな、と。
それでも、苦労の末に滝の落ちる下まで足を運ぶと、そこが山神様の領域であることを実感しきりでした。
そういえば。
駐車場で沢道具を片付けている時に鳥獣保護センターの方がいらっしゃり、赤水・桃洞沢、連瀬沢と九階の滝を歩いたとお話をしたところ、「九階の滝さ行ったべ、3人ぐらいかね、まだ帰ってこね人がおる」とのことでした。「3人くらい」という数字と「まだ帰ってこない」という表現が妙にリアルでしたが、それよりも山荘で寝ているとき夜中に金縛りに遭い、現在封印されている「奥の部屋にいるよ」と耳元で囁かれた方がちょっぴり怖かったです。まぁ、単に疲れていただけだと思いますが。。
こうしてざざっと書き出しているうちに、あれもこれもと記憶が粒粒と湧き立ち始め、収拾がつかなくなりそうな。。
どの風景ひとつを切り出しても鮮やかで印象的な沢旅でした。
同行してくれた皆さまにただただ感謝。
前夜:都内出発-鹿角八幡平IC下車 東北支部長と合流し、森吉山鳥獣センター駐車場へ
1日目:散策コース-ノロ川・赤水沢-九階の滝展望台-赤水沢の途中で幕営
2日目:幕営地-ノロ川・トウド沢(桃洞沢)遡行-赤水沢下降-散策コース-森吉山鳥獣センター-森吉山荘(入浴)-阿仁前田(夕食、買出し)-コメツガ山荘泊
3日目:コメツガ山荘-登山道-1000m付近から下降-連瀬沢遡行-登山道-森吉山-一の腰-様田コース経由-コメツガ山荘-森吉山荘(入浴)-親子ふれあいキャンプ場 幕営
4日目:親子ふれあいキャンプ場-森吉山鳥獣センター-散策コース-赤水沢-九階の滝下-赤水沢-散策コース-森吉山鳥獣センター-玉川温泉(入浴、散策)-盛岡へ移動
5日目:東北道をひたすら南下、帰京
大きなブナや秋田杉が聳える森の中をゆるやかに流れるナメの沢をヒタヒタと歩き、「マタギステップ」と名付けた滝や釜の脇の岩場に彫られた足がかりを頼りに越えたりと、明るく開けた楽しい沢でした。まさに「天国の散歩道」。
ここの地形特有の甌穴(ポットホール)の中を泳ぎまわる岩魚も多数目にしました。ちょうど産卵期だそうで、たいてい雌雄のペアで泳いでいる姿に和んだり。すでに色づき始めた山頂付近の森の色に歓声を上げたり。東北支部長のお陰でサモダシ(ナラタケ)も収穫でき、山の恵みのおこぼれにも預かりました。
まるんとしたスラブの滝や渓谷の周囲の壁の形状や苔の様子から、てっきり花崗岩だと思っていましたが、なんでも玉川溶結凝灰岩とのことでした。石英班晶が多量に含有されているため、風化した岩が沢の屈曲した箇所に南の国の砂浜のようなさらさらと白い砂地をなしていて美しかったです。
トウド沢にある「桃洞滝」は女滝という別称がある独特の形状をした滝。個人的には、笠ヶ岳にある穴毛沢と双璧をなす「エロ自然地名」だと思いましたが、トウド沢というカナ表記を眺めていると、おそらくは「トウド=トウドウ=止々」、すなわち「魚止め」の滝という意味の音に、後から桃洞という文字を当てたのではないかと推測してみたり。さて、どうなんでしょう。
連瀬沢は赤水・トウド沢とは趣が異なり、斜面を降りてのアプローチ、長いゴーロ地帯を抜けた後に続くナメと連滝帯(直登、高巻き)そしてまたナメという、沢登りの要素をギュッとまとめたコンパクトながらも濃密な内容でした。ほとんど藪を漕ぐこともなく沢の上流部を横断する登山道に出て森吉山の山頂まで一投足。山頂からは東北の山並みを一望。
今回の沢旅で、個人的に特に印象的だったのは、粒様沢上流の様ノ沢にある「九階の滝」の下まで無事に辿りつくことができたこと。かつて森吉山一帯を猟場にしていた阿仁マタギたちも「山神様の領域」と畏れ、ここでは猟を行わなかったと言われる場所。台地からすり鉢状のスラブに収束する、9段からなる落差135mの滝。
「様ノ沢」の由来は、「神様の沢」であるとも言われていますが、本来は「サマ=狭間=断崖、滝」という方言に由来するようです。「様ノ沢=滝の沢」と変換すると、なるほどな、と。
それでも、苦労の末に滝の落ちる下まで足を運ぶと、そこが山神様の領域であることを実感しきりでした。
そういえば。
駐車場で沢道具を片付けている時に鳥獣保護センターの方がいらっしゃり、赤水・桃洞沢、連瀬沢と九階の滝を歩いたとお話をしたところ、「九階の滝さ行ったべ、3人ぐらいかね、まだ帰ってこね人がおる」とのことでした。「3人くらい」という数字と「まだ帰ってこない」という表現が妙にリアルでしたが、それよりも山荘で寝ているとき夜中に金縛りに遭い、現在封印されている「奥の部屋にいるよ」と耳元で囁かれた方がちょっぴり怖かったです。まぁ、単に疲れていただけだと思いますが。。
こうしてざざっと書き出しているうちに、あれもこれもと記憶が粒粒と湧き立ち始め、収拾がつかなくなりそうな。。
どの風景ひとつを切り出しても鮮やかで印象的な沢旅でした。
同行してくれた皆さまにただただ感謝。
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自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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