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Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by - 2024.12.02,Mon
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Posted by norlys - 2007.07.22,Sun

7月21日(土) 尾瀬
大清水→尾瀬沼→沼尻→燧岳→見晴→尾瀬ヶ原→山ノ鼻→鳩待峠

週末の天気予報がすぐれなかったので、北アルプスの槍ヶ岳をがっつり歩こう計画から、癒しの尾瀬散策に急遽予定を変更。
7月20日、金曜日の夜に都内を出発し、大清水の駐車場にてテント泊。

駐車場そばの片品川を流れる水の音とテントのフライを打つ雨音が入り交ざり、賑やかな水音の中で3時間半の就寝。
朝目を覚ますと、予想通りの雨模様。最近週末に太陽を見ていません。梅雨の季節だからしかたないのかな(涙)。気温は20度前後。幸い雨に濡れてもさほど寒くはなく。

今年のGWに鳩待峠から尾瀬に入り、至仏山をスキーで滑りました。尾瀬ヶ原を挟む二つの山、丸みを帯びた女性的な山容(でも登るとキツイ。。)の至仏山と、対照的に「聳え立つ」という形容が相応しい男性的な燧岳の姿が印象的でした。

今度は燧岳に登りたいなぁ。。。と、私がうっかり口を滑らしたため、尾瀬の湿原をのんびりお散歩~の計画に、なぜかがっつり登山の要素が加わり、平地歩きが多いからイケるだろう~と、コースタイムでオーバー10時間の道のりとなりました。
つい出来心でやった。今は深く反省している(苦笑)。

6時半ちょっと過ぎに大清水から歩き出し。しばらくは緩やかな傾斜の幅広い林道。40分ほどで一の瀬に到着。
1971年、長蔵小屋三代目の平野長靖氏が当時の環境庁長官だった大石武一氏に道路建設中止を直訴したのがまさにこの道だったのだと、家に帰ってから知りました。

一の瀬からは、木道のかかる緩やかな山道。雨のため木道が滑りやすくなっていて、周囲の風景を楽しむ余裕はあまりなく、ひたすら足元を見つめながら三平峠を越えて尾瀬沼山荘へ。

尾瀬沼の湖畔の道端に銀竜草(ぎんりょうそう)が咲いていました。葉緑素を持たない植物で、茎も花も透き通るような白さ。キノコではないのですが、別名で幽霊茸とも呼ぶそうです。
わたしはこの銀竜草を初めて見ましたが、群生している姿はまるでニョロニョロの集会のようです。

尾瀬沼の南岸コースをたどり、9時過ぎに沼尻休憩所に到着。
小屋の裏手には、渡し舟があった頃の桟橋の名残? が未だに残っていました。

アヤメやニッコウキスゲがちらほらと咲いて、湿原の緑にまさしく華を添えていました。
また、雨だというのに、沼尻休憩所も付近もあふれんばかりの人出で、色とりどりのレインウェアの行列が鮮やかでした。

休憩もほどほどに燧岳方面に出発。ナデッ窪に入ると、風景は一変して岩の急斜面に。
「『ナデッ窪』ってどういう意味だろう」という問いかけに、「なだからな窪、の訛りでは?」と勝手な推測を言ってしまいましたが、大嘘でした。ごめんなさい。
「ナデッ窪」とは「雪崩(の多い)窪(地)」のことだそうです。

ナデッ窪は、雪崩の多い窪地だけあって、水の通い路でもありました。最初は水溜りの多い道だな、という程度だったのに、途中からはすっかり沢登り状態。おろしたてのトレイルラン用のシューズをなるべく濡らさないように。。。と、最初は気をつけて足元を選んでいたものの、途中からは諦めて水の中をじゃぶじゃぶと歩きました。顕著な滝はないので、これなら1級マイナーかなぁ。。。と考えながら。

11時ごろにミノブチ岳に到着。晴れていれば見晴らしの良い場所だそうですが、残念ながらすべては霧の中。
左手のピークの陰にほんの少しだけ雪渓が残っていました。シャクナゲの花が咲き零れる道を、いざ俎嵓(マナイタグラ)へ。

俎嵓は岩の頂で、吹き抜ける風が肌寒かったです。昼食休みの後、次なるピークの柴安嵓へ。わずか10mの差ですが、柴安嵓には山頂を記す立派な石碑がありました。

ところで。ナデッ窪からミノブチ岳を登る間、時折、甘くどこかエキゾチックでかぐわしい香りが漂っていました。ジャコウとイランイランをブレンドしたような。。。
ロンドンの街角にある古い建物を改築した小さいながらも趣味の良い雑貨屋にいるようなイメージの匂いです(なんだそりゃ)。
「尾瀬」と「ジャコウ」で検索すると、「イブキジャコウソウ」という花がヒットしました。あぁこれか、これなのかな。

柴安嵓からは浮石の多い見晴新道の岩道を駆けるような速さで下りました。それでも休憩を含めるとほぼコースタイムどおりになってしまったので、世の中甘くないです。
とはいえ、尾瀬に来て風景を楽しまずにタイムを競うなんて、これほど勿体ない話はありませんが。

見晴に到着すると、そこは打って変わって観光地でした。「氷」とか「生ビール」などの看板を掲げたロッジが立ち並び、ラフな服装の観光客やら登山の団体様やらで賑わっていました。

燧ケ岳を登って降りてきた後だけあって、また空には雲が残っているものの湿原には雨は降っておらず木道も乾いていて、広々とした湿原の風景に心底癒されました。

ヒオウギアヤメにタムラソウ、ネジバナ、ハクサンチドリ、キンコウカ。。。(と、後から知ったのだけど)、ニッコウキスゲは4、5分咲きとのことですが、離れたところの群生が一面黄色に染まって見えるほどに咲き誇っていました。池塘にはヒツジクサの花が点在し、浮島も花盛り。

quarkXpress_6.0-demo.pngヒツジクサというと、イヤがオウにもQuark XPressを思い出すのはかつての職業病ですw

最新版のQuark EXpress 7では、別のテーマになってしまったみたいでちょっと残念です。



ところで。高山植物は過酷な環境条件下で生育するため、たいていは小ぶりで可憐な姿をしているものですが、ところによって巨大化したミズバショウの葉があり、たいそうぎょっとしました。
なんというか、巨大ミズバショウが夜中に訪問して来たら、恐ろしくて涙がでそうです。ホラーです。

尾瀬ヶ原をひた歩き、山ノ鼻の至仏山荘で花豆ジェラートを食べ(すでに売店は閉まっていたのですが、わざわざ販売してくれました。ありがとうございます)、再び降り出した雨の中を鳩ノ巣峠に到着したのは5時ちょっと前。最終バスはすでに出た後だったので、タクシーを呼んで大清水まで帰還。

望郷の湯に立ち寄りからだを温め、途中のとんかつ屋さんでがっつり食事をとり、一路帰宅。

尾瀬を歩こうガイドマップによれば、合計すると実に25Kmの道のり。うち半分は平坦な道のりだとしても、まぁ一日よく歩き回りました。

尾瀬という場所は、日本における自然保護の象徴といわれています。
自然保護第一の反対の声が上がらなければ、今頃はダムの底に沈んでいたかもしれない尾瀬の湿原。
今では木道が整備され、立ち入り禁止区域が指定され、一般車両の入山も制限され、宿泊施設も雑排水処理施設や電気が整備され(東京電力が尾瀬の大地主だからかもしれませんが)、利用者状況を把握するために赤外線センサーが設置され(by環境省)、植生の復元が試みられ、実に手厚く保護されています。
自然を護るために、ある意味不自然とも思えるほどに。

エコかエゴか。

つくづく、尾瀬という場所には、自然を護らなければならないと思わせる不思議な力が秘められているのだと思います。ほんとうに不思議な場所です。

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自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。

色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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