Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by norlys - 2008.08.20,Wed
夏の北アルプス縦走の記録、最終日を残したままでした。
■これまでの道のり
・Day1 黒部ダム~平の渡し~奥黒部ヒュッテ
・Day2 奥黒部ヒュッテ~水晶岳~祖父岳~雲ノ平
・Day3 雲ノ平~祖父岳~鷲羽岳~三俣蓮華岳
・Day3 Part2 三俣蓮華岳~双六岳~双六小屋
そういえば。
昨日、2008年8月19日のニュースによると、くろよんヒュッテのすぐ先にある「北アルプス黒部湖左岸のタンボ沢に架かる橋が大雨で流され、登山者15人が立ち往生しましたが、県警の山岳警備隊によって無事に救助されました。 」とのことです。
(「橋流され孤立の登山者15人を救助」北日本放送 2008/08/19 19:03)
増水によって流された木橋って、こちらでしょうかね。。
通行者がいるときに木橋が流されたのではなく、それだけは不幸中の幸いだと思います。
さて。8月12日の火曜日は、朝2時に起床。周囲のテント客の迷惑にならないようひっそりとテントを撤収。すでに中に灯りがともっっているテントもちらほら。
荷物を担いで双六小屋前のベンチに移動。外はまだ漆黒の闇。月が山影に隠れたこともあり、空には満点の星。ちょうど頭上に天の川。ペルセウス流星群の再接近前日なので、流れ星が見えるんじゃないかと、朝ごはんをもぐもぐ食べながら星空鑑賞。2~3分にひとつの割合でヒュンヒュンと星が流れて消えていきました。
小屋の宿泊客の方もぽつりぽつりと表に出てきては、星空を見上げていました。
暗闇の中に次第に周囲に人が増えてきた気配を感じつつ、午前3時に出発。
ヘッドランプで足元を照らしつつ、直線の平坦地では時折空を見上げて流れ星を探しつつ。
テン場の脇の小道から木道に入り、シャクナゲのトンネルの山道を登っていくと、稜線直下の緩やかな道に出ました。
深夜のこんな時間でも防寒具ナシで全然寒さを感じることなく、むしろ歩き出したら次第に暑くなるくらい。
それでも真昼間の稜線上の逃げ場のない暑さに比べたら、快適度200%。水も全然減らないし。
左手のはるか下の方から沢音が聞こえ、ふっとヘッデンを向けると光が吸込まれる暗闇。あら、切り立った場所だったんですね。
歩き出しから1時間弱を経過した3時50分。道端に標識が見えたので近寄ってみると「花見平」とありました。ふと左手を見れば、緩やかな台地がありベンチが並び、その先が雪渓溜まりとなっていました。右手の丘状の斜面には高山植物が多数点在。
夏山のナイトトレッキングは人も少なければ気温も快適だし星空を満喫できるけど、絶景の風景をスルーしちゃうのが少々残念。
4時ちょうどに弓折岳分岐に到着。本日の上り坂はこれにておしまい。あとは最後までひたすら下るだけ。
次第に東の空が明るくなり始め、顕著な星座を残して星が姿を消していくと、西鎌尾根の稜線が黒い影となって浮かび上がり始めました。
←4時20分頃の写真(すべてY君寄贈。ありがとうございます)。
中央右よりにちょこんと尖がっているのが槍ヶ岳山頂。
全方位どこからみても鋭く尖がっているんですね。
毎日繰り返される事象に過ぎないのですが、夜が明ける瞬間というのはいつ見ても荘厳な気持になりますな。DNAレベルの生体反応なんでしょか(不明)。
道がぐんぐんと高度を下げていくのが名残惜しい気がしつつ、目下に広がる樹林帯めがけて下山。
ふと稜線を見上げると、槍ヶ岳山頂直下にある肩の小屋や、南岳小屋に灯りが灯り始めました。
周囲がうっすらと明るくなってきたのでヘッデンを消して、下山続行。
4時45分に鏡平山荘に到着。鏡平山荘前には、すでに宿泊客の方が多数表に出ていらっしゃいました。
木の香りも新しく、こじんまりとした池が点在する森の中のロッジという感じ。小奇麗な山小屋の多い北アルプスでも、とりわけ双六山楽共和国(双六山荘グループ)はどこも感心するくらいキレイで、ヨーロッパの山岳リゾートみたいです(誉め過ぎ?)。
鏡平は標高約2280mの地点なので、目の前に続く槍ヶ岳、大喰、中岳、南岳、北穂、奥穂、西穂の稜線ははるか遠く高く。
←池に映った山並。
紅葉の時期はより一層絶品かと。
鏡平を過ぎると、あとはひらすら樹林帯の中を下るだけ。
楽しかった夏山縦走も、これにておしまい。
気持としては達成感99%なのに、最後の最後まで自力で目的地に到達しなければならないのが切ないところ。
歩けば歩くほど山が遠くなるという名残惜しさでいっぱい。こうなったら下山後の楽しみとして温泉に期待だ! と
気持を切り替えて進む。(いやさ、すでにして4日もお風呂に入ってないで温泉はずっと楽しみだったけど)
ぐんぐんと山道を下り、6時50分に林道に合流。
下り道が続くと右膝裏が痛みだすので、先頭を歩くY君ずのどちらかにスピードを落としてほしいとお願いしておきながら、自分が先頭を歩くといきなりペースを上げるので、二人に不審がられる。
たぶん、先頭の方が視界が利くので、足の負担の少ない場所を選びつつ足を運べるからなんじゃないかと思うのだがどうなんだろ。でもやっぱり痛いんだけどね。毎週山を駆けずり回ってきたツケで、そろそろガタが出てきたんだな。。
それからは結構長い林道歩き。
新穂高温泉郷にある無料の公衆温泉は9時半からオープンとのことなので、急いでも仕方ないやと、途中、ワサビ平小屋での休憩を挟んでのんびり歩く。
8時半頃、道の途中にホテルニューホダカの建物が現れ、日帰り入浴可との看板がかかっていたので、ここで入浴。4日ぶりのお風呂ということもあって、なかなか泡が立ちませんww
湯船につかる前に髪の毛を3回、全身を3回を洗って、汚れを落としまくりました。とてもいいお湯でした。
9時半過ぎに新穂高のターミナルに到着。ここから松本駅までタクシーで帰り、松本駅からは特急あずさで帰京。早い時間帯で移動できたので、たいした混雑にも合わずさっくり家に帰り着きました。
疲れたけれど、ただただ楽しい、ほんとうに楽しい4日間でした。
夏の北アルプスを満喫した~という気持でいっぱいです。同行のお二人さんもお疲れさまでした。
■これまでの道のり
・Day1 黒部ダム~平の渡し~奥黒部ヒュッテ
・Day2 奥黒部ヒュッテ~水晶岳~祖父岳~雲ノ平
・Day3 雲ノ平~祖父岳~鷲羽岳~三俣蓮華岳
・Day3 Part2 三俣蓮華岳~双六岳~双六小屋
そういえば。
昨日、2008年8月19日のニュースによると、くろよんヒュッテのすぐ先にある「北アルプス黒部湖左岸のタンボ沢に架かる橋が大雨で流され、登山者15人が立ち往生しましたが、県警の山岳警備隊によって無事に救助されました。 」とのことです。
(「橋流され孤立の登山者15人を救助」北日本放送 2008/08/19 19:03)
増水によって流された木橋って、こちらでしょうかね。。
通行者がいるときに木橋が流されたのではなく、それだけは不幸中の幸いだと思います。
さて。8月12日の火曜日は、朝2時に起床。周囲のテント客の迷惑にならないようひっそりとテントを撤収。すでに中に灯りがともっっているテントもちらほら。
荷物を担いで双六小屋前のベンチに移動。外はまだ漆黒の闇。月が山影に隠れたこともあり、空には満点の星。ちょうど頭上に天の川。ペルセウス流星群の再接近前日なので、流れ星が見えるんじゃないかと、朝ごはんをもぐもぐ食べながら星空鑑賞。2~3分にひとつの割合でヒュンヒュンと星が流れて消えていきました。
小屋の宿泊客の方もぽつりぽつりと表に出てきては、星空を見上げていました。
暗闇の中に次第に周囲に人が増えてきた気配を感じつつ、午前3時に出発。
ヘッドランプで足元を照らしつつ、直線の平坦地では時折空を見上げて流れ星を探しつつ。
テン場の脇の小道から木道に入り、シャクナゲのトンネルの山道を登っていくと、稜線直下の緩やかな道に出ました。
深夜のこんな時間でも防寒具ナシで全然寒さを感じることなく、むしろ歩き出したら次第に暑くなるくらい。
それでも真昼間の稜線上の逃げ場のない暑さに比べたら、快適度200%。水も全然減らないし。
左手のはるか下の方から沢音が聞こえ、ふっとヘッデンを向けると光が吸込まれる暗闇。あら、切り立った場所だったんですね。
歩き出しから1時間弱を経過した3時50分。道端に標識が見えたので近寄ってみると「花見平」とありました。ふと左手を見れば、緩やかな台地がありベンチが並び、その先が雪渓溜まりとなっていました。右手の丘状の斜面には高山植物が多数点在。
夏山のナイトトレッキングは人も少なければ気温も快適だし星空を満喫できるけど、絶景の風景をスルーしちゃうのが少々残念。
4時ちょうどに弓折岳分岐に到着。本日の上り坂はこれにておしまい。あとは最後までひたすら下るだけ。
次第に東の空が明るくなり始め、顕著な星座を残して星が姿を消していくと、西鎌尾根の稜線が黒い影となって浮かび上がり始めました。
←4時20分頃の写真(すべてY君寄贈。ありがとうございます)。
中央右よりにちょこんと尖がっているのが槍ヶ岳山頂。
全方位どこからみても鋭く尖がっているんですね。
毎日繰り返される事象に過ぎないのですが、夜が明ける瞬間というのはいつ見ても荘厳な気持になりますな。DNAレベルの生体反応なんでしょか(不明)。
道がぐんぐんと高度を下げていくのが名残惜しい気がしつつ、目下に広がる樹林帯めがけて下山。
ふと稜線を見上げると、槍ヶ岳山頂直下にある肩の小屋や、南岳小屋に灯りが灯り始めました。
周囲がうっすらと明るくなってきたのでヘッデンを消して、下山続行。
4時45分に鏡平山荘に到着。鏡平山荘前には、すでに宿泊客の方が多数表に出ていらっしゃいました。
木の香りも新しく、こじんまりとした池が点在する森の中のロッジという感じ。小奇麗な山小屋の多い北アルプスでも、とりわけ双六山楽共和国(双六山荘グループ)はどこも感心するくらいキレイで、ヨーロッパの山岳リゾートみたいです(誉め過ぎ?)。
鏡平は標高約2280mの地点なので、目の前に続く槍ヶ岳、大喰、中岳、南岳、北穂、奥穂、西穂の稜線ははるか遠く高く。
←池に映った山並。
紅葉の時期はより一層絶品かと。
鏡平を過ぎると、あとはひらすら樹林帯の中を下るだけ。
楽しかった夏山縦走も、これにておしまい。
気持としては達成感99%なのに、最後の最後まで自力で目的地に到達しなければならないのが切ないところ。
歩けば歩くほど山が遠くなるという名残惜しさでいっぱい。こうなったら下山後の楽しみとして温泉に期待だ! と
気持を切り替えて進む。(いやさ、すでにして4日もお風呂に入ってないで温泉はずっと楽しみだったけど)
ぐんぐんと山道を下り、6時50分に林道に合流。
下り道が続くと右膝裏が痛みだすので、先頭を歩くY君ずのどちらかにスピードを落としてほしいとお願いしておきながら、自分が先頭を歩くといきなりペースを上げるので、二人に不審がられる。
たぶん、先頭の方が視界が利くので、足の負担の少ない場所を選びつつ足を運べるからなんじゃないかと思うのだがどうなんだろ。でもやっぱり痛いんだけどね。毎週山を駆けずり回ってきたツケで、そろそろガタが出てきたんだな。。
それからは結構長い林道歩き。
新穂高温泉郷にある無料の公衆温泉は9時半からオープンとのことなので、急いでも仕方ないやと、途中、ワサビ平小屋での休憩を挟んでのんびり歩く。
8時半頃、道の途中にホテルニューホダカの建物が現れ、日帰り入浴可との看板がかかっていたので、ここで入浴。4日ぶりのお風呂ということもあって、なかなか泡が立ちませんww
湯船につかる前に髪の毛を3回、全身を3回を洗って、汚れを落としまくりました。とてもいいお湯でした。
9時半過ぎに新穂高のターミナルに到着。ここから松本駅までタクシーで帰り、松本駅からは特急あずさで帰京。早い時間帯で移動できたので、たいした混雑にも合わずさっくり家に帰り着きました。
疲れたけれど、ただただ楽しい、ほんとうに楽しい4日間でした。
夏の北アルプスを満喫した~という気持でいっぱいです。同行のお二人さんもお疲れさまでした。
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norlys
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非公開
自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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