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Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by - 2024.05.18,Sat
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Posted by norlys - 2017.12.27,Wed
週末は瑞浪へ。
瑞浪は4回目(かな)。

土曜日。
まずは、まだ触ったことのない「アタックNo.1(5.10b B&NP)」にトライ。
オンサイトではなく、フラッシュ。
でもクラックは正直なにをやっているのかよく分からなくて、なんだか大変そうだなぁ…ということしか分からないw

出だしのフェイス部分が見た目よりしんどかった(苦笑)。
クラックパートはジャミングが多彩で面白かった。しんどかったけど(苦笑)。

それからご一緒させていただいた方のTRをお借りしてアダムに初トライ。
全然スタートできません...(
なんとかスタートできても、一手一手が厳しいです(

でも楽しいな、楽しいな。
ワイドクラックも好きだけど、フィンガークラックも好き。厳しさに目が覚める感じが。
好きなのに登れないのは、フィンガークラックが私のことを好きではないからです(切ないのう、切ないのう)。

日曜日。
さて、なにをしましょうか。あ、あれ。
以前TRでお触りした「ハッピィクラック(5.10a NP)」。あの時はまだ髄内釘が入っていた頃だったっけ。最終的にムーブは繋がったはずなんだけど、覚えてないや。

とりま1便目。行き詰ってしまって、あえなくテンション。あちゃー。
少し休んで2便目。分かってしまえば、でした。

それから再びこの日もアダム祭りに参加。
昨日と同じくTRをお借りして(ありがとうございます)、2回ずつトライ。
1回目に穴を繋いでムーブを作ったらすんなりスタートできました。アダムならぬアナダムw

最後に「アームロックききますか」へ。
たいして登っていないけれど、結構疲れたしもう陽も傾いてきて寒かったし、登らなくてもいいかなぁ…なんて思ったけれど、TRだったらいいかぁ…と。

で、離陸。
岩が冷たくてフリクションが最高だったお陰かもしれないけれど、なるほどアームロックがバチ効きでした。自分でも驚くほどするりとあっさりと(ただし、ぜいぜいと肩で息をしながら)登れました。
前にうんともすんともできなかったのはなんだったんだろう。今と何が違うんだろう。。

やっと少し、クラックが分かってきたような気がしたのでした。

***この日登った(触っただけの)ルート***
20171223
/*瑞浪
・アタックNo.1(5.10b B&NP)-FL。なんでかな。登る直前まで10aだと思い込んでました。短いルートの多い瑞浪の中では長さもあり、内容も多彩。
・アダム(5.11b NP)-TR。短くも美しいフィンガークラック。厳しくも楽しい。
・アダム(5.11b NP)-TR。

20171224
/*瑞浪
・ハッピィクラック(5.10a NP)-×。ボルダーとして登られそうなくらい短い。短いけれど傾斜あり。
・ハッピィクラック(5.10a NP)-RP。5便目くらい? ムーブとカムセットを整理したら登れました。ハッピィ。
・アダム(5.11b NP)-TR。アナダムならスタートも楽々。でも結局核心は厳しい。
・アダム(5.11b NP)-TR
・アームロックききますか(5.10a NP)-TR。効きました!TRだけどw 次はちゃんと登ります
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Posted by norlys - 2017.12.07,Thu
書かなくてもいいけど、書かないでいると忘れてしまいそう。。

11月の最後の週末は弾丸名張。
弾丸というのは、自分たちの中だけでのワードだけど、金夜発で日曜帰り、ということ。
週末で名張まで行くと、どう頑張っても岩場の滞在時間よりも車に乗っている時間の方が長い。おまけにこの日は飛び石連休だったこともあってか、帰りの東名高速の渋滞がハンパなかった…。

でもたくさんの方々にお会いして楽しい時間を過ごすことができました。本当にありがとうございました。

20171124
/*名張、屏風岩
・クラックベイビー(5.8 NP)-再登。アップ。
・クラックベイビー(5.8 NP)-再登。アップその2。
・ユビキタス(5.11b NP)-TR。全般的に思い出せない…
・ユビキタス(5.11b NP)-TR。出だしは分かったけど、中間部がわからん
・ユビキタス(5.11b NP)-TR。中間部もやっとわかった!あとはガバ…と思ったらヨレていてすぽーんww。もう少し登り込んだら、ちゃんとリードしてみたいです。

20171125
/*名張、第一岸壁奥壁
・むささび君の休暇村(5.10b NP)-TR。リードしようと思ったけれど、ムーブが固まってなくて逃げた。申し訳ない。
・むささび君の休暇村(5.10b NP)-TR。どうしてもフィストからリービの切り替えができない。リードするならばこの部分は右壁を使うしかなさそう…。
・むささび君の休暇村(5.10b NP)-TR。リービのパートで、従来よりも小さなカムを奥にセットしたら一緒に旅ができそうなことが判明。次はリードします。(今回こんなのばっか…)


Posted by norlys - 2017.11.15,Wed
今年の秋は週末ごとに雨が降った。
台風が週末目掛けて訪れては去って行った。

なんてこった…。

だから、「月曜日に休みをとって名張に行こう」という誘い文句はどんな蜂蜜よりも甘く響いた。行っとこう。月曜日は仕事だけど、リモートでなんとかなるだろう。行っとこう。

という訳で、名張遠征、2.5日。

土曜日。
朝目が覚めると、上空は雲がもくもく、路面はしっとり。てか、びっしょり。
岩場は「豪雨です」とのご連絡。あちゃ。
名張の吉牛でぽくぽくと牛丼を食べて、のんびりと岩場に向かい、霧に包まれていることを確認してから地元の酒蔵に移動して日本酒を買い、町のお祭りを覗いてイオンでお喋りして、お昼過ぎに再度岩場へ。屏風岩へ。

ルート自体は若干しっとりながらも乾いている。取り付きはびしょびしょだけど。でもトップロープなので安心安全。

昔一度TRで触って、核心ムーブが全然できなくて、でも今一度トライしてみたかった「パンドラ」にトライ。TRだけど。
下部は快適なハンドジャム。それから核心。フィンガーとピンキーから、甘いフィンガー交じりのハンドジャム。できなくて何度も試行錯誤。
最後に自分なりのムーブは見つかったけれど、成功する確率が低すぎる…。

それに、核心を越えたと思ったら、上部のシンハンドもなかなか苦しい。
あぁ、やっぱり楽しい。。

お昼過ぎからで、夕暮れも早い今の時期だから、登る時間はあまりないかな…と思ったけれど、TRでもう一便。

最後に「パンピングアイアン」をTRで。細い指と長い身体がないとしんどいと聞いていたけれど、フレアしたフィンガーセクションを越えたら、わっとワイド。聞いてないわ~!でも楽しい。

日曜日。
曇りがちで底冷えのする一日。この日もパンドラでトレ。
あわよくばリードしようと思ったけれど、寒すぎて指が弾かれてしまう。結局3便ともTR。一応毎回カムセットをしながら。

3便目でなんとかノーテン。
でも成功率の低さは相変わらず。それに体力ゲージも低い。岩のコンディションが良いだけに残念だけど、またいつか。

月曜日。
お昼には電波の通じる場所に降りなくてはいけないので、気合いを入れて早起きしたら寒い…。
第一岩壁奥壁へ。

ひさしぶりに「むささび君の休暇村」にトライ。
岩は冷たいけれどフリクションは良い。
でもなんでかな、呼吸がうまくできなかった。途中ですとんと動けなくなってテンション。あーあ。

選手交代でTRを張ってもらい、TRで再度。一応カムをセットしながら。
3日連続で登っているせいか、身体がよれていて、アームバーでばんばんと進むパワームーブは出せない。途中からずっとリービになる。膝が入れば楽になるのだろうけれど、自分の膝は太過ぎて入らない。いや一カ所だけ入るけれど、タイト過ぎて抜くのに一苦労。。本気で膝を残置しそうになって焦った。

それにカムを奥にセットしないと邪魔になるけれど、核心部分で5番がスタックする。だからといってノープロで進む勇気はないし…(TRだけど)

少しなにか分かったような、でもああんまりそうでもないような。。
時間があったらしっかりレストして、もう一度トライしたかったけれど、残念ながら時間切れ。
これもまた今度。。

ちっとも強くもうまくもないせいで、宿題ばかりが積み残される。。
でも本当に楽しい。

ローカルの皆様に色々とお世話になって、とても楽しい時間を過ごすことができました。いつもありがとうございます。
Posted by norlys - 2017.11.06,Mon
久しぶりに秋晴れの予報の3連休。
金(祝)と土曜日の2日間で瑞牆へ。

ここ3週間ずっと週末は雨模様でジムで登るばかりでした。久しぶり。
ただ体調は最悪で、登れない理由ならいくらでもある!というくらい。

それでも抜けるような青空の下で錦秋に包まれた瑞牆の岩峰を眺めると、あぁ来て良かったなぁ…と、しみじみ。
初日の金曜日は末端壁へ。
なるべく息が上がらないようにゆっくりとアプローチ。秋の森は美しいなぁ。

岩場に到着すると、馴染みの皆様がたくさん。連休なので東海や関西からの遠征組の方も多く、まるで名張にいるみたい。逆に、関東の方たちは別のところに遠征しているから、なのかな。

アストロドームに取り付く人は誰もいない様子。これはラッキー。

テーピング等の準備を終えて、ふうっと息を吸い込んで、朝イチでアストロドームにトライ。
岩の感触は悪くない。
登れない理由はごまんとあるけれど、トライしないことには登れるはずもない。

右の逆手を差し込んでガバを取るところで、またしてもまごついてしまいテンション。。
上部まで抜けて回収するか、エイドダウンでいったん降りるか逡巡していたら、ありがたいことに末端壁常連の方から、残りを繋げて登ってカムを回収しましょうか? とのご提案を頂戴する。

ありがたく後をお任せさせていただくこととして、ムーブをおさらいし、自分はロワーダウン。
お陰様で体力を温存することができました。本当にありがとうございます。

秋の夕暮れは早いので、お昼を食べてしばしのんびりしたところで2便目。
2つ目のカムセットで若干手こずったので、いったんクライムダウン。
呼吸を整えてから改めて登り出す。

(以下、ムーブに関する若干の記述がありますが、ここのムーブは手と身体のサイズで人によりけり色々なので…)
2つ目のカムをセットし直し、3つ目のカムを決めて、右手の逆手を差し込み、左手を添えて今一度しっかり手をねじ込み、左手のタイトハンドを決めてガバをとり…あ、できた。

すんなりできた。。

ごく当たり前のようにムーブが繋がって、全然落ちる気はしなくて、ただ、登りきらないとRPにはならないので、バンドに立ち、じっくりとレスト。

振り返る余裕はないけれど、下から応援の声が聞こえてくる。ありがたいなぁ。

あとは上まで落ち着いて登りきるだけ…と、え? 紫キャメが足りないよ? あれ?(カムセットを確認しそびれた…)
まぁ、なんとかなるかー…なるのかなー…と、じりじりと高度を上げて、途中やむなく若干ランナウト気味になりながらもここまで来たら頑張るしかないなーと、じりじりと。

ルーフの下にカムをセットし、一安心。もう落ちない。多分落ちない。もしかしたらスリップして落ちることがあるかもしれないけれど、自分から諦めることはしない。

どうしたことかこの日は残置ビナがなくなっていたそうで、残しておいていただいたヌンチャクにクリップ。
もし1便目でまんまと終了点に辿りついても、残置ビナがなかったら焦って最後の最後に絶望していたかも…。よかった…。

おめでとう~。
という声が聞こえて、あぁ本当に登れたんだなぁ…と。

もしも登れなかったならばそれは自分のせいだけど、今回登れたのは皆様のおかげです。
本当にありがとうございました。

この日アストロドームが空いていたのは、みんなもうすでに卒業していて次の課題にトライしているから。
つまり私自身は周回遅れの落ちこぼれなのだけれど、やはりどうにも嬉しいのです。

去年の7月に大腿骨を骨折し、全治6カ月との診断を受け、リハビリを重ねてがむしゃらにクライミングを続けて、やっとこクラックのグレードを更新できました。やっとこ、怪我をする前の自分を越えることができました。

本当にありがとうございました。

翌日(土曜日)も末端壁を再訪。
寒くなる予報だったので、標高の低い場所に行くことも検討していたのですが、なんだか末端壁の居心地が良くて(笑)。

春うららにTRで触らせてもらうものの、この日は寒くて岩の感触が悪いのと、前日出し切ってしまったのか身体がボロボロで、チェンジングコーナーにセットしてもらった振られ止めを回収するのもどテン山。

春うららトライの人が多い中、ご迷惑をおかけいたしました。すみません…。
で、まぁなんとなく時間があるので、調和の幻想1P目を再登。
T&T待ちをしていたら突然不穏な北風が吹き始め撤収準備開始。間もなく、はらはらと霧雨が降り始めたので下山しました。

***この日登った(触っただけの)ルート***
/*20171103
瑞牆、十一面末端壁
・アストロドーム(5.11a NP)-×。ガバ取りできず。ロワーダウン。G田さん、本当にもう毎回色々とお世話になりっぱなしで…。ありがとうございました。
・アストロドーム(5.11a NP)-RP。今季3日目(TR×3回、リード×4回目)…なのかな。2年前くらいに1度リードでトライしたけれどボロボロでした。それよりももっと昔に、TRで触らせてもらって本当になにもできなかった記憶は未だに鮮明。

/*20171104
瑞牆、十一面末端壁
・春うらら(5.11b NP)-TR。ダメダメ。全回できたはずの出だしのムーブすらダメダメ。
・調和の幻想1P目(5.9 NP)-再登。何度登っても楽しい。


クライミング
2017/10/08-09、瑞牆、末端壁
Posted by norlys - 2017.10.10,Tue
久しぶりにブログ更新。
(これまでのお話)
去年、2016年の7月上旬に岩場で登攀中に転落し、右足大腿骨骨幹部を骨折し緊急搬送され手術して多く方にご迷惑をおかけし誠に申し訳なく、退院してリハビリして、今年の6月に抜釘手術をして、もう一度筋力ガタ落ちして、何度も深い淵の底から眩しいものを見上げるばかりで半べそ溜息意気消沈でも、それでもやっぱりクライミングは楽しいし、ようやく少しずつ元通りになってきました。多分。まだ足りないものばかりだけど、よく考えたらもともとそんなに強くもうまくもなかった。だいたいこんなとこ。多分。
***

沢のシーズンも終わり、先々週から久しぶりの瑞牆詣で。

別にブログに書かなくてもいいかな…と思ったけれど、端末ローカルに保存していたリハビリ日記が端末の故障によりがっつり失われて茫然としたこともあって(とはいえWebサービスなら大丈夫という保障は分からないけど)、ぽつぽつ書いてみたくなりました。

そんなきっかけがありました。

先々週は土曜日が雨予報だったのでジムへ。そのまま日曜(9/24)に久しぶりに末端壁を訪れて、調和の1P目をリードで、T&TをTRで。
できるならアストロドームをトライしたかったのだけど、末端壁はいつものように結構混雑しているし、混んでいる岩場は苦手なので、お茶を濁すようにT&Tをリードしてみたら、テンテンながらも感触は悪くなかったです。怪我する前よりも、今までで一番良かったかも。

というわけで、先週も(土曜日は用事があり、10/1の日曜日ワンデイ)もう一度末端壁へ…と、意気込んだのだけど、植樹祭駐車場に着いた途端、気持ちがシュンと萎えてしまい、七面沢上流部へ転進。したら、北面ということもあり寒くてたまらずアトムエリアへ再転進。
Heaven's doorという素敵なワイドに今一度トライしてみたのですが、自分のサイズだとどうにもこうにもならず。あぁでもないこうでもない…と色々と試してみるのだけど、もうどうにもならない。止まっていられるけれど進めない。ワイドクラック万歳(号泣)。

それでも、その次の週に、ジムで久しぶりに11cを登ることができて、なにか自分の中でやっとこスタートラインに戻れた気がしました。

で。3連休は…もとい、土曜日は雨で移動日として、日月は瑞牆へ。

10/8(日) 瑞牆、末端壁
もうちゃんと目を背けないで、自分から逃げないでアストロドームにトライしよう、と。
かなり混んでいて賑わっていたけれど、みんな楽しい方ばかりで、お喋りしながらのんびりと。
と、リアルなルートを目の前にしたら、いたたまれなくなってしまい(苦笑)、TRをセットしていただきまして、えぇここまで来てもチキンです。。
が、TRだとありがたいことに気楽で、落ちる気がしません。昔は登れる気がしなかったのに、ちょびっとながらも進歩したもんです。自画自賛。

10/9(月) 瑞牆、末端壁
出発前は月曜日はもう一度アトムエリアへ…と考えていたのだけど、もしかしたら…という淡い期待が芽生えてしまい、末端壁を再訪。
「もう登れそうな気がする」「いや登れるんじゃないか」と、自分に言い聞かせて。
結論から言うと、ダメでした(笑)。でも、感触はすごく良かったです。
1便目はメロメロで、リードで登るのは今回が2回目だったか3回目だったか随分昔のことだけどその時と同じく、カムセットがあると下部からしんどくてメンタルが削られて前腕はパンパン。
夕方に2便目。1便目の疲れが抜けないままだったけれど、ハング下でフォールした以外は繋がりました。なるほど、落ちなければ登れるんだ!と、やっと分かりました(笑)。

登れたら登りたかったけれど、まぐれで登れるんじゃなくて、もう安定していつでもトライできそうな気が少しだけするので、それだけは大収穫、としておきましょう。そうしましょう。

最後に春うららの出だしをTRで触らせてもらい、果たして出だしのボルダームーブができるのかな? とワクワク感と半信半疑でトライしてみたら、2回目でするっと出だしのムーブができてしまい(TRですしね)、核心のチェンジングコーナー手前でポロリ。みんなが見ていた風景はこれなんだー…と。
遠く憧れて手が届かないと思っていたルートに、やっとお触りできてうれしかったのでした。上部は触らずロワーダウン。もう一度出だしを試して、リードだと怖そうだけど、とりあえずムーブはちゃんとできそうなのでひと安心。
さて。

夕暮れ時の末端壁がオレンジ色に光る美しい時間の、その頃、ひとりの女性クライマーさんが、壁を貫く広大なルートに挑戦されていました。詳細は後日ご本人が語られることでしょう。

ロープを解いて(片づけてなかった。すんません!)、カメラを握りしめ、広大な壁の全貌が見るところへと足早に移動して、固唾を呑んで見守り続けました。

秋晴れの晴天で、爽やかだけど陽射しが強く暑かった一日も夕暮れとなり、谷間の下に紅い蜜のような光彩が漂い、八ヶ岳の稜線の連なりが青く浮かび上がっていました。

夕陽に赤く染まり、壁はまるで瑞牆本の表紙のようでした。一日の僅かな時間にしか見ることのできないシャッターチャンスを狙って撮影されたという、あの写真のような。
上空の高いところには飛行機が夕陽を反射して真白く輝きながら行き交います。私の視界の範囲で動いているものは、飛び去る飛行機と登り続ける彼女の後姿だけでした。
やがて谷間一面にひんやりとした空気が吹き下ろし始め、もう陽が沈んだのだと分かりました。岩場の上辺の、彼女が目指している立木の少し上に、星がひとつ瞬き始めました。
壁の色が徐々に色彩を失いグレーに変わる頃、その人はしっかりと着実に、終了点に到達されました。

うまく言葉にできません。
本当に素晴らしいクライミングでした。
だから、きっと、ここに書いておくことで、またいつでも記憶のスイッチをONにして反芻できるんじゃないかと思うので、書いておきます。

本当に素晴らしいクライミングでした。

あの時、偶然とはいえ、その場に居ることができて、幸いでした。ありがとうございました。
岩場で駐車場で広場でお会いした皆様もありがとうございました。


クライミング
瑞牆、地獄
Posted by norlys - 2016.06.13,Mon
週末の土曜日は夕方から用事があったので昼過ぎから荻へ。
もともと日曜日の予報が悪そうだったのでジムでもいいかな…と思っていたけれど、なんだか日中は天気がもちそうな予報に変わったので、直前で瑞牆行きに決定。

なんだかんだで連登でよれよれだけど、梅雨時のこの季節、貴重な晴れ間ならば瑞牆の森の中で過ごしたいなぁ…と。

大気が不安定らしく午後から雨がぱらつく可能性もあったので、割と近場のクラック地獄エリアへ。2年前に核心を抜けたと思った先でフォールして以来、封印していた「N字ハング」をそろそろ登りたいな...と(奇跡的に核心を抜けたと思った先のフォールで本当に魂消ました...)。

植樹祭広場の駐車場に到着したら、ちょうど同じエリアを目指す皆様とご挨拶。

ゆるりゆるりと歩き出し。気温はそれほどでもないのに湿度が高くて汗だくだく。途中でがっつり水分補給をしたらかえって体調が悪くなり、岩場に辿り着いたときにはよぼよぼ。

まずは「オリジナルルート2P目」でアップ。
もう何度も登ったルートなのに、久しぶりだからか(といっても1年振りなだけ)、なんだかカムのサイズ感が合わず、もっさり感満載。

なんか体調もイマイチだし、N字ハングへのトライというプレッシャーも相まって、なんかもうメロメロ。。

うーん、こんな状態でリードして大丈夫? と思い、なんでTRにしないんだろう? とも思いつつ、N字ハングにトライ。

このルートには瑞牆本にはキャメロットの3番と4番がたくさん必要とあるけれど、3番は使わないよね? という話をしていたら、下部で3番が使えますよーという情報を頂戴しました。ありがとうございます。

限定なしで下の岩も木もガンガン使い、スタイルとしては美しくないけど、とりあえず2年前のフォールのトラウマを払拭するのが先...と。

ハング下に辿り着いた時点で、4番を温存し潤沢に持ち上げていることで、気持ちに余裕が生まれたのかもしれません。フィストが核心なので、テーピングを厚めに貼ったことが吉と出たのかもしれません。
前回フォールした部分で、手前ではなく奥にカムをセットできたことが良かったのかもしれません。2年振りでも、それなりにムーブやホールドを覚えていたからかもしれません。随分と人が入るようになり岩が安定していたからかもしれません。

予想していた最悪の事態は幸いにして回避し、すべてのホールドとムーブを繋げ、終了点に辿り着きました。

最近、収穫祭だね!と言葉をかけられ、それまで余りにプラトー期間が長かったので、あぁ、そういうこともあるんだなぁ…と。ありがとうございました。

一度登ったからもう当分はいいかな…という場合もあるけれど、あれから2年が経ち今一度トライしてみたら、このルートは何度も登っても面白いルートだと思いました。できそうなら、今度は木を使わずに。

最後に「B1フィンガー」をTRでお触り。
色々なタイプのフィンガージャムが試され、面白くてキッツイし、キツイけれど面白い。
まだリードできる感触は全くないので要修行。

岩場では、割れ目のエリアでよくお会いする皆様と偶然にもご一緒~という感じで、色々とお話をし、のんびりと楽しい時間を過ごしました。結局雨にも降られず終いで幸いでした。
本当にありがとうございました。

***この日登った(触っただけの)ルート***
・オリジナルルート2P目(5.10a NP)-再登。アップで。なんだか調子が悪くてもじもじしてしまいました。
・N字ハング(5.10d NP)-RP。2年ぶり何回目? TRを含めたら結構な回数かも。リードでは多分3便目。ハングを越える部分では、すとんと動きが嵌りました。そういうこともあるんですね。上部はがっつりレストしながら慎重に。まさか登れるとは思っていなかったので、かなりびっくり。
・B1フィンガー(5.11a NP)-TR。骨間筋の虫様筋のフィンガーとワイドのコンビネーションが絶妙。思わず声がでるほど自分にはキッツイのですが、フィンガークラックならではのムーブの組み立てが面白いです。乾きが悪いので若干お湿り感あり。
・B1フィンガー(5.11a NP)-TR。絞り出し。
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瑞牆、バベルの塔
Posted by norlys - 2016.06.06,Mon
週末の土曜日は瑞牆へ。
本当は土日の2日間の予定だったけれど、土曜日の朝に天気予報をチェックしたら日曜日の予報が荒転(not好転)していたので、あぁ梅雨の時期が始まったのか…と(さめざめ)。

さぁて、どこに行きましょうかと相談の上、今回はバベルの塔のエリアを初訪問。

ここは、瑞牆本作成時分にS野さんの写真館で拝見した「ポセイドン」があるところ。
行きたいなぁ...でも自分には難しいだろうなぁ…と、長いことうだうだ迷っていたところに、ぽんと背中を押されました。

カンマンボロン方面の踏み跡は、今は随分とクライマーだけではなく山歩きの方も多く入るからか、以前と比べてハッキリくっきり。

途中で「Cavitation」や「カフェ・オレ」のルートを見学しながら、汗だくになりつつ、バベルの塔のエリアへ。
もう随分と瑞牆の森は彷徨っているつもりだったのに、まだ訪れたことのない場所が沢山あるのだとも思い、瑞牆の森の懐の広さに若干途方に暮れたり、それもまた嬉しかったり。

そんなこんなで、ようやっとバベルの塔のエリアに到着。正直ヘトヘトw。
あぁこれかぁ…と。これが、いつか辿り着きたいと焦がれていたルートか…と。感無量。

まずはアップで「ガラモン」へ。一瞥するだに「わぁ、チンケ!」と、のたまってしまいましたが(苦笑)、登ってみれば短くも楽しいルートでした。本当にごめんなさい()。
続いて「ピグモン」へ。短いのに5.9とはこれいかに...と身構えましたが、出だし以降はガラモンよりも素直かも。

で、「ポセイドン」のビレイ。
初めてのルートに初めてトライすることは一生で一度きり。なので、ビレイしながらも、リードするかTRにするか逡巡していましたが、結局TRで触ることにしました。
毎度TRでホールドやムーブを確認してからRPへの道を探るという、そういう自分の弱さが嫌になり、でもやはり限界グレードなのでリードしなくてよかったのかも...とも思う弱さと、ある種の狡猾さにさらに嫌悪。まぁこれが自分の実力なのだから仕方あるまい(という言い訳...の無限ループ...うあぁぁぁ)。

1便目はバランスが崩れてふいっとスリップしたり、ムーブの組み立てができずにテンテン。
2便目は、いわゆる「分かってしまえば」的な感じで、なんとかノーテン。でもギリギリ過ぎて、プロテクションをセットする余裕はなさそうな。。
絞り出しの3便目は、もうヨレヨレでどこで落ちてもおかしくないけれど、落ちない限りは登らせて~ということで、なんとかノーテン...だけど、殆ど落ちてました。ココロも。上からロープでぐいぐい引っ張り上げてもらったのでナントカカントカ...というだけで、とてもじゃないけどフリークライミングとは言えませんでした。無様。

どう考えても自分には限界...なんだけど、もしかしてもしかしたら...という、ふわふわと漂う、近づいた瞬間にぱちんと消えてしまいそうな希望を見出したりして。
ふと気付いたら、何度もムーブを反芻している自分がいたりして。

今すぐ登れなくてもいいから、いつか登れたら、いいなぁ、と。

ともあれ。
駐車場で、岩場で、谷間を挟んで、下山時に、帰り道に、色々な方にお会いしてお話をして(ありがとうございました)、瑞牆はやっぱりいいなぁ...と。大好きだなぁ…と。

瑞牆本が出た後でも、まだまだここには未登のルートがあり開拓しているのだというお話を伺ったり、自分達もまたあそこは登れるんじゃないかとかここはどうだろうとか、そういう風に岩場を眺めることが本当に楽しいのです。

もう随分と訪れた筈なのに、まだ尽きない。自分よりもずっともっと何度も通っている方が今もってなお尽きないのだから、自分には登り尽くせるはずもない。

何度訪れても、またすぐに戻りたいと思ってしまう。
瑞牆の森の深い場所へ。

***この日登った(触っただけの)ルート***
2016/06/04
/*瑞牆、バベルの塔
・ガラモン(5.7 NP)-OS。アップで。ワイドー。
・ピグモン(5.9 NP)-OS。下部がちょっと悪いけれど上部はガバ。
・ポセイドン(5.11a NP)-TR。バランスを崩してスリップしたり、手順が分からずテンションしたり。
・ポセイドン(5.11a NP)-TR。分かってしまえば…というのはどうなんだろう。ノーテンだったけれど、だから何? というか。。
・ポセイドン(5.11a NP)-TR。絞り出し。もうよれっよれ。自分にとって11台のクラックの強度とはこういうものか…と。ナッツのセットを試そうと思っていたのに、そんな余裕は1ミリもありませんでした。限界グレードなので、次に訪れる際に、どれだけホールドやムーブを覚えていられるのか…というのが核心かも。いや、忘れていても登れるようになれたら...いいですねぇ(遠い目
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Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。

色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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