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Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by - 2024.04.25,Thu
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Posted by norlys - 2017.10.10,Tue
久しぶりにブログ更新。
(これまでのお話)
去年、2016年の7月上旬に岩場で登攀中に転落し、右足大腿骨骨幹部を骨折し緊急搬送され手術して多く方にご迷惑をおかけし誠に申し訳なく、退院してリハビリして、今年の6月に抜釘手術をして、もう一度筋力ガタ落ちして、何度も深い淵の底から眩しいものを見上げるばかりで半べそ溜息意気消沈でも、それでもやっぱりクライミングは楽しいし、ようやく少しずつ元通りになってきました。多分。まだ足りないものばかりだけど、よく考えたらもともとそんなに強くもうまくもなかった。だいたいこんなとこ。多分。
***

沢のシーズンも終わり、先々週から久しぶりの瑞牆詣で。

別にブログに書かなくてもいいかな…と思ったけれど、端末ローカルに保存していたリハビリ日記が端末の故障によりがっつり失われて茫然としたこともあって(とはいえWebサービスなら大丈夫という保障は分からないけど)、ぽつぽつ書いてみたくなりました。

そんなきっかけがありました。

先々週は土曜日が雨予報だったのでジムへ。そのまま日曜(9/24)に久しぶりに末端壁を訪れて、調和の1P目をリードで、T&TをTRで。
できるならアストロドームをトライしたかったのだけど、末端壁はいつものように結構混雑しているし、混んでいる岩場は苦手なので、お茶を濁すようにT&Tをリードしてみたら、テンテンながらも感触は悪くなかったです。怪我する前よりも、今までで一番良かったかも。

というわけで、先週も(土曜日は用事があり、10/1の日曜日ワンデイ)もう一度末端壁へ…と、意気込んだのだけど、植樹祭駐車場に着いた途端、気持ちがシュンと萎えてしまい、七面沢上流部へ転進。したら、北面ということもあり寒くてたまらずアトムエリアへ再転進。
Heaven's doorという素敵なワイドに今一度トライしてみたのですが、自分のサイズだとどうにもこうにもならず。あぁでもないこうでもない…と色々と試してみるのだけど、もうどうにもならない。止まっていられるけれど進めない。ワイドクラック万歳(号泣)。

それでも、その次の週に、ジムで久しぶりに11cを登ることができて、なにか自分の中でやっとこスタートラインに戻れた気がしました。

で。3連休は…もとい、土曜日は雨で移動日として、日月は瑞牆へ。

10/8(日) 瑞牆、末端壁
もうちゃんと目を背けないで、自分から逃げないでアストロドームにトライしよう、と。
かなり混んでいて賑わっていたけれど、みんな楽しい方ばかりで、お喋りしながらのんびりと。
と、リアルなルートを目の前にしたら、いたたまれなくなってしまい(苦笑)、TRをセットしていただきまして、えぇここまで来てもチキンです。。
が、TRだとありがたいことに気楽で、落ちる気がしません。昔は登れる気がしなかったのに、ちょびっとながらも進歩したもんです。自画自賛。

10/9(月) 瑞牆、末端壁
出発前は月曜日はもう一度アトムエリアへ…と考えていたのだけど、もしかしたら…という淡い期待が芽生えてしまい、末端壁を再訪。
「もう登れそうな気がする」「いや登れるんじゃないか」と、自分に言い聞かせて。
結論から言うと、ダメでした(笑)。でも、感触はすごく良かったです。
1便目はメロメロで、リードで登るのは今回が2回目だったか3回目だったか随分昔のことだけどその時と同じく、カムセットがあると下部からしんどくてメンタルが削られて前腕はパンパン。
夕方に2便目。1便目の疲れが抜けないままだったけれど、ハング下でフォールした以外は繋がりました。なるほど、落ちなければ登れるんだ!と、やっと分かりました(笑)。

登れたら登りたかったけれど、まぐれで登れるんじゃなくて、もう安定していつでもトライできそうな気が少しだけするので、それだけは大収穫、としておきましょう。そうしましょう。

最後に春うららの出だしをTRで触らせてもらい、果たして出だしのボルダームーブができるのかな? とワクワク感と半信半疑でトライしてみたら、2回目でするっと出だしのムーブができてしまい(TRですしね)、核心のチェンジングコーナー手前でポロリ。みんなが見ていた風景はこれなんだー…と。
遠く憧れて手が届かないと思っていたルートに、やっとお触りできてうれしかったのでした。上部は触らずロワーダウン。もう一度出だしを試して、リードだと怖そうだけど、とりあえずムーブはちゃんとできそうなのでひと安心。
さて。

夕暮れ時の末端壁がオレンジ色に光る美しい時間の、その頃、ひとりの女性クライマーさんが、壁を貫く広大なルートに挑戦されていました。詳細は後日ご本人が語られることでしょう。

ロープを解いて(片づけてなかった。すんません!)、カメラを握りしめ、広大な壁の全貌が見るところへと足早に移動して、固唾を呑んで見守り続けました。

秋晴れの晴天で、爽やかだけど陽射しが強く暑かった一日も夕暮れとなり、谷間の下に紅い蜜のような光彩が漂い、八ヶ岳の稜線の連なりが青く浮かび上がっていました。

夕陽に赤く染まり、壁はまるで瑞牆本の表紙のようでした。一日の僅かな時間にしか見ることのできないシャッターチャンスを狙って撮影されたという、あの写真のような。
上空の高いところには飛行機が夕陽を反射して真白く輝きながら行き交います。私の視界の範囲で動いているものは、飛び去る飛行機と登り続ける彼女の後姿だけでした。
やがて谷間一面にひんやりとした空気が吹き下ろし始め、もう陽が沈んだのだと分かりました。岩場の上辺の、彼女が目指している立木の少し上に、星がひとつ瞬き始めました。
壁の色が徐々に色彩を失いグレーに変わる頃、その人はしっかりと着実に、終了点に到達されました。

うまく言葉にできません。
本当に素晴らしいクライミングでした。
だから、きっと、ここに書いておくことで、またいつでも記憶のスイッチをONにして反芻できるんじゃないかと思うので、書いておきます。

本当に素晴らしいクライミングでした。

あの時、偶然とはいえ、その場に居ることができて、幸いでした。ありがとうございました。
岩場で駐車場で広場でお会いした皆様もありがとうございました。


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自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。

色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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