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Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by - 2024.11.25,Mon
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Posted by norlys - 2011.10.14,Fri
10月の連休は初めての錫杖岳へ。

幸いにも3日間とも登攀日和の晴天に恵まれ、楽しく登ることができました。
登ったのは大人気ルート「注文の多い料理店」と「左方カンテ」の2本。
どちらも大人気で評判が高いのも納得のとても楽しい(陳腐だけど、それしか言葉が浮かばない)ルートでした。

* * * * *
今年の夏に北アルプスを縦走した際に、錫杖岳へのアプローチ下見を兼ねてクリヤ谷経由で登り始め、登山道の傍らから初めて錫杖岳前衛壁を望みました。

雲ひとつない真夏の青空を背景にし、緑豊かな谷間の向こうに聳え立つ岩壁の険しさと美しさ。
写真でしか見たことのない憧れの場所を目の前にして、気持ちが浮き足立ちました。

ところが、いざ出発! の段になると、臆病虫がざわざわと胸中を掻き乱す。
いつもそう。憧れが強すぎて、憧れのままそっと留めておいたほうがいいのかも、なんて弱気になってしまう。期待と不安で混沌。。

***************
2011/10/08(土)
Day1:錫杖沢出合幕営地、取り付き地点偵察

前日の夜に都内を出発し、夜中の1時半過ぎに槍見温泉の無料駐車場に到着。すでにほぼ満車状態。幸いにも空いている場所に車を停めて車中泊。

外気は冷気。しんしんと身に沁みるような寒さ。ある程度覚悟はしていたはずなのに、まだ秋の浅い下界から訪れた者は思考回路の切り替えが追いつかない。
だって、2週間前には新潟でゴルジュの沢を泳ぎまくってたのにねぇ。。

朝6時に目覚ましが鳴る。気付かなかったフリをしていたかったけれど、そうもいかずのろのろと起きる。眠い。とにかく眠い。
前夜に、深夜の空腹に負けてうっかり購入したチャーハン+鳥南蛮というボリューミーなお弁当を目の前にしてうろたえる。あれほどやる気満々だった胃袋はちっとも目覚める気配なし。おいこら。

装備をまとめて7時10分頃にようやく歩き出し。

のんびりペースで行きます! と一方的に宣言し、錫杖沢出合を目指してゆっくり歩く。次第に汗が噴き出してくる。すでに一度歩いたことがあるという既視感に助けられ、心配していたほどには辛くない。ただ連日の寝不足がたたってとにかく眠い。

8時過ぎに第1渡渉点に到着。沢を流れる冷たい水が気持ちいい。
8時45分頃に錫杖沢出合に到着。どん、と目の前に前衛壁が立ちはだかる。
RIMG0012_s.JPG

















あぁ、かっこいい...(ほれぼれ

錫杖沢出合のテン場にはすでにテントが10張以上。どこもかしこも満員御礼。
テン場適地をあちこち探してしばらくうろうろし、ようやくのこと川岸の高台に空きスペースを見出しテントを設営。

他のテントはすでに登攀に出払っている様子。みんな行動が早いなぁ...と感心しながら、早々と昼寝。
12時頃にようやく目を覚まし、まだ眠気の治まらない頭をゆすりつつ、偵察にでも出かけますか、ということに。

偵察がてら左方ルンゼの1、2ピッチ目だけを登ろうということで、登攀道具をサブザックに詰めて錫杖沢脇の踏み跡を辿る。

自分が先行したところ、右手の分岐に入り込んでしまい、おそらく1ルンゼ押し出しの道に入ってしまった模様。
樹林の中の涸沢を詰め、樹林帯が切れたと思ったら、どん、と真正面に岩壁が登場。
RIMG0025_s.JPG



















あぁ、かっこいい...。

でも、さすがに登攀対象として眺めると悠長なことは考えられず、緊張感がいやがおうにも増し増し。。(プレッシャーに弱いのです)

岩壁基部伝いに左に移動し、左方カンテの取り付きがある2のガリーへ。
あぁこれ、写真で見たとおりだ!! と、ガイドブック片手に旅行中のおのぼりさん気分。
RIMG0034_s.JPG






















左方カンテは核心が奇数ピッチにばかりあるので、本番のときには自分は偶数ピッチを登る算段をし(勝手にすみません)、逆に偵察時には1P目をリードさせてもらう。

どこからでも登れそうだけど、自分の場合はど真ん中のチムニーから登攀開始。
前方高いところに終了点らしきオレンジ色のスリングが見える。

傾斜の緩いフェイスと泥ルンゼが交互に現れる。残置物は一切なし。ところどころカムや潅木にランニングビレイをとりつつ終了点へ。50mロープをほぼいっぱい伸ばす。

2P目はまによん氏がリード。1P目よりも傾斜のやや強いルンゼ。右手に浮石多し。ガバを掴んで乗り上がる箇所が一瞬緊張。その先はルンゼ内を歩いてピナクルテラス手前まで。ここも残置物は一切なし。

とりあえず本日はここまで、ということで、テラスの左手の潅木から北沢方面に続くルンゼを懸垂下降。

ほぼ50mぴったりで無事に草付き地帯に降りることができた...と喜んでいたら、回収時にロープがスタック。結局、まによん氏が半分ほど登り返して無事回収。ご苦労さまでした。すみません。

北沢に降りたついでにと、注文の多い料理店を見学。ちょうど3P目を登っているパーティの姿が見えました。

あそこが核心のハングで、あそこが大テラス、あれが枯れ木テラス...と、眺めている内にじわじわと高まってくる緊張感。明日はあそこを登るのか...。(あぁあぁあぁ…<<内心の声)

さぁテン場に帰ろうか…その前にと、ギア分けをしていたら、キャメ#2が足りないことが発覚。
しまった、左方カンテに忘れてきた! ということで、申し訳ないことに、再度左方カンテ1、2Pを登ることに。
2P目に残置されていたキャメ#2を無事に回収できました。ほ。
本当に申し訳ありませんでした。。

帰りは北沢沿いの踏み跡を辿ってテン場まで。もっと早い時間に戻ってくる筈が、到着した時分には陽が傾き始めた頃。
とりあえずビールで乾杯。夕飯を食べ、しっかり昼寝をしたというのに、早々と就寝。

多分続きます。

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自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。

色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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