Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by norlys - 2008.11.10,Mon
週末の日曜日は奥多摩にある川乗の岩場へ。
(カワノリには、「川苔」と「川乗」の2種類の表記がありますが、岩場としては「川乗」(バス停も)、山と谷は「川苔」に統一しておきます。書き分けることに、特に意味はありません)
前日に別の岩場を登っていたY氏とT氏のお二人と御嶽の駅で合流。
なんでも二人とも前の日は、朝イチからバリバリ本気モードで登ったそうで、夜8時には爆睡だったそうな。
それでもまだ眠そうな二人と、睡眠不足の自分とで、この日は始動からなんとなくまったりモード。
川乗橋のバス停から林道奥に進み、目印となるレリーフのある岩峰手前から左の植林帯の急登を登ると、すでにそこが川乗の岩場。あら近い。
川苔山に続く林道には紅葉の奥多摩を楽しむ山登りの人たちが続々と続いていましたが、ここの岩場は自分たちが一番乗りで、その後も誰も来ることなく、結局1日中貸切状態でした。
空も朝からずっとどんよりと曇っているし、空気も冷たい。
でも岩場のコンディションは染み出しもなく、ヌメリもなく、かといって冷たすぎず、かなり良好。
まずはアップということで、「期待はずれのフェイス」にある「期待はずれ(5.8)」へ。
「一番グレードの低い人にこそオンサイトの権利がある」というT氏の論に基づき、自分がトップでヌンチャクかけ係として登り始めることに。あう。。
ただでさえ登る気を削ぐルート名のうえに、中盤以降5.8という低グレードとは思えないホールドのなさ(あるけど遠い&バランシー)。
どうもなにかが違う。。ということで、スタートは同じだけど途中でクラック沿いに左上する「どこ吹く風(5.10a)」に転進。ライン取りとしては、こちらの方が自然だけど、これもまた途中で手詰まりとなり、結局敗退。
なんじゃこりゃ。。
続いてY氏とT氏が「期待はずれ」にトライ。二人とも、「えぇぇ。おかしいよ、これ5.8じゃないよ」とのこと。そーじゃろ、そーじゃろ。
グレードが辛いと言われる奥多摩とはいえ、これはどうしたもんだ。
どこかの時点で決定的なホールドが欠けたとか(そんな形跡はなし)、自分がなにかとてつもない見落としをしているのか(自分だけならともかく3人とも?)。。と、しばらく悩む。
グレードはあくまでも目安で、大事なのはルートの内容。。とはいっても、やっぱり内容よりも控えめすぎるグレードだと、ちょっと勿体ないような気がする。ルート内容自体は悪くないんだけどな。。
他にアップに良さそうなルートを。。と、ディンギーフェイスとやまねの塔周辺を見て回るものの、いずれも一見して辛そうなものばかり。
ヘタに手を出すよりは。。と、アップもそこそこに「やまねコロコロ(5.10b)」を登ることに。
まずはT氏がマスターでOS。長いルートが好きなT氏は「長くて楽しい」と高評価。
楽しいのはいいけど、長いのはなぁ。。と思いながら、続くY氏の後に、自分も登ってみました。
先に登ったふたりのチョーク跡がバッチリ残っているし、それらはもれなくガバなので、条件としては最高なのに、核心のところで手が伸びず敢えなくフォール。結果はツーテン(同じ場所)でトップアウトでした。
ガバがたくさんあるし、レストポイントも多いので、このルートに関しては辛目の5.10bというところで妥当かな。
登れなかったけど楽しいルートでした。ただ、もう一度登るには長くてしんどいのでモチがあがらず、そのままヌンチャクを回収。まぁ、またいつか。
お昼ごはんを食べた後、川沿いのエリアに移動。林道を下りるとこれまたすぐ岩場。
ルートをあれこれ眺めた挙句、川沿いの「レディーバードフェイス」エリアにある「壁に穴あり(5.10b)」を登る。
ここでもT氏、Y氏、自分の順。自分には辛口だったけれど、ムーブが面白かったので満足。
ルート名どおり、「壁に穴」があるところが核心だけど、リーチの長い人なら易々と越えてしまうかも。
このレディーバードエリアの端は谷底に切れ落ちていて、足元に広がる川苔谷の川床にも巨大な石灰岩の岩盤の露頭が見える。また、小滝で岩が抉られた部分には石灰岩層の直下に緑と紫の縞状のチャート層が見える。
チャート層との境目を下限として、植林地帯のやまねの塔があるエリアの上端を繋いだ高さを想像すると、全体で標高差100m弱くらいになるんだろか。
チャートはホウサンチュウという珪酸質の微生物の死骸が体積したもの、石灰岩は珊瑚や湾足貝など石灰質の生物の死骸の体積したもの、だそうな。これらの地層は、奥多摩がその遥か昔に温かい海の底だった記録なのだと言われている。
いったい何万年かけて珪酸質の微生物だけが繁殖し、その後何万年かけて石灰質生物だけが繁殖したというのだろ。
そんな特殊な環境がそんなに長い間維持されて、ある日突然ドラスティックに変わるなんてことがほんとうにあるのかな(チャートも石灰岩も、生物起源ではない場合もあるそうだけど、どうなんだろ)。
なんてイキナリだけど、まぁそんなことをつらつらっと考えてしまうほどに、この川乗の岩場の石灰岩は美しい。まだ地表に露出して年月が浅いためか、表面の風化も雨や植物による侵食もあまり進んでおらず、ほんとうにきれい。セメント原料として採掘されずにひっそりと残ってくれたことに感謝。
ちなみに、川乗の岩場は足元が急斜面で不安定な場所が多いので、ビレイヤーはちゃんとセルフビレイをとって、クライマーも登り出す前にビレイポイントにクリップしておいたほうがよいかと思われ。転げ落ちたら相当ひどいことになりそうだし、川沿いのエリアだと最悪の場合、川苔谷に真っ逆さま。。オソロシス
また、終了点のボルトにかかっているロープがかなり年代モノなので、自前でスリングをセットするか、捨て紐を用意した方がよさげ。
この日は珍しく? 日が落ちる前に終了し、そのままご飯でも食べて帰宅~のはずが、なぜかT氏ともどもY氏宅にお邪魔してお夕飯をいただきました。m(_"_)m
■今回触っただけのルート(登れてない。。)
・どこ吹く風(5.10a) 敗退。核心を越えられず。。面白いけど、上部に行くほど辛くなるのは朝イチにはツライ。。しかしグレーディングが辛いよぅ。。(さめざめ
・やまねコロコロ(5.10b) テンション×2。核心のムーブさえこなせれば登れたのに。。(負け惜しみ) 。タグをつけるとすれば「もっと評価されるべき」
・壁に穴あり(5.10b) テンション×2。穴があるのは分かっていても指が届かん。。でも面白い。
(カワノリには、「川苔」と「川乗」の2種類の表記がありますが、岩場としては「川乗」(バス停も)、山と谷は「川苔」に統一しておきます。書き分けることに、特に意味はありません)
前日に別の岩場を登っていたY氏とT氏のお二人と御嶽の駅で合流。
なんでも二人とも前の日は、朝イチからバリバリ本気モードで登ったそうで、夜8時には爆睡だったそうな。
それでもまだ眠そうな二人と、睡眠不足の自分とで、この日は始動からなんとなくまったりモード。
川乗橋のバス停から林道奥に進み、目印となるレリーフのある岩峰手前から左の植林帯の急登を登ると、すでにそこが川乗の岩場。あら近い。
川苔山に続く林道には紅葉の奥多摩を楽しむ山登りの人たちが続々と続いていましたが、ここの岩場は自分たちが一番乗りで、その後も誰も来ることなく、結局1日中貸切状態でした。
空も朝からずっとどんよりと曇っているし、空気も冷たい。
でも岩場のコンディションは染み出しもなく、ヌメリもなく、かといって冷たすぎず、かなり良好。
まずはアップということで、「期待はずれのフェイス」にある「期待はずれ(5.8)」へ。
「一番グレードの低い人にこそオンサイトの権利がある」というT氏の論に基づき、自分がトップでヌンチャクかけ係として登り始めることに。あう。。
ただでさえ登る気を削ぐルート名のうえに、中盤以降5.8という低グレードとは思えないホールドのなさ(あるけど遠い&バランシー)。
どうもなにかが違う。。ということで、スタートは同じだけど途中でクラック沿いに左上する「どこ吹く風(5.10a)」に転進。ライン取りとしては、こちらの方が自然だけど、これもまた途中で手詰まりとなり、結局敗退。
なんじゃこりゃ。。
続いてY氏とT氏が「期待はずれ」にトライ。二人とも、「えぇぇ。おかしいよ、これ5.8じゃないよ」とのこと。そーじゃろ、そーじゃろ。
グレードが辛いと言われる奥多摩とはいえ、これはどうしたもんだ。
どこかの時点で決定的なホールドが欠けたとか(そんな形跡はなし)、自分がなにかとてつもない見落としをしているのか(自分だけならともかく3人とも?)。。と、しばらく悩む。
グレードはあくまでも目安で、大事なのはルートの内容。。とはいっても、やっぱり内容よりも控えめすぎるグレードだと、ちょっと勿体ないような気がする。ルート内容自体は悪くないんだけどな。。
他にアップに良さそうなルートを。。と、ディンギーフェイスとやまねの塔周辺を見て回るものの、いずれも一見して辛そうなものばかり。
ヘタに手を出すよりは。。と、アップもそこそこに「やまねコロコロ(5.10b)」を登ることに。
まずはT氏がマスターでOS。長いルートが好きなT氏は「長くて楽しい」と高評価。
楽しいのはいいけど、長いのはなぁ。。と思いながら、続くY氏の後に、自分も登ってみました。
先に登ったふたりのチョーク跡がバッチリ残っているし、それらはもれなくガバなので、条件としては最高なのに、核心のところで手が伸びず敢えなくフォール。結果はツーテン(同じ場所)でトップアウトでした。
ガバがたくさんあるし、レストポイントも多いので、このルートに関しては辛目の5.10bというところで妥当かな。
登れなかったけど楽しいルートでした。ただ、もう一度登るには長くてしんどいのでモチがあがらず、そのままヌンチャクを回収。まぁ、またいつか。
お昼ごはんを食べた後、川沿いのエリアに移動。林道を下りるとこれまたすぐ岩場。
ルートをあれこれ眺めた挙句、川沿いの「レディーバードフェイス」エリアにある「壁に穴あり(5.10b)」を登る。
ここでもT氏、Y氏、自分の順。自分には辛口だったけれど、ムーブが面白かったので満足。
ルート名どおり、「壁に穴」があるところが核心だけど、リーチの長い人なら易々と越えてしまうかも。
このレディーバードエリアの端は谷底に切れ落ちていて、足元に広がる川苔谷の川床にも巨大な石灰岩の岩盤の露頭が見える。また、小滝で岩が抉られた部分には石灰岩層の直下に緑と紫の縞状のチャート層が見える。
チャート層との境目を下限として、植林地帯のやまねの塔があるエリアの上端を繋いだ高さを想像すると、全体で標高差100m弱くらいになるんだろか。
チャートはホウサンチュウという珪酸質の微生物の死骸が体積したもの、石灰岩は珊瑚や湾足貝など石灰質の生物の死骸の体積したもの、だそうな。これらの地層は、奥多摩がその遥か昔に温かい海の底だった記録なのだと言われている。
いったい何万年かけて珪酸質の微生物だけが繁殖し、その後何万年かけて石灰質生物だけが繁殖したというのだろ。
そんな特殊な環境がそんなに長い間維持されて、ある日突然ドラスティックに変わるなんてことがほんとうにあるのかな(チャートも石灰岩も、生物起源ではない場合もあるそうだけど、どうなんだろ)。
なんてイキナリだけど、まぁそんなことをつらつらっと考えてしまうほどに、この川乗の岩場の石灰岩は美しい。まだ地表に露出して年月が浅いためか、表面の風化も雨や植物による侵食もあまり進んでおらず、ほんとうにきれい。セメント原料として採掘されずにひっそりと残ってくれたことに感謝。
ちなみに、川乗の岩場は足元が急斜面で不安定な場所が多いので、ビレイヤーはちゃんとセルフビレイをとって、クライマーも登り出す前にビレイポイントにクリップしておいたほうがよいかと思われ。転げ落ちたら相当ひどいことになりそうだし、川沿いのエリアだと最悪の場合、川苔谷に真っ逆さま。。オソロシス
また、終了点のボルトにかかっているロープがかなり年代モノなので、自前でスリングをセットするか、捨て紐を用意した方がよさげ。
この日は珍しく? 日が落ちる前に終了し、そのままご飯でも食べて帰宅~のはずが、なぜかT氏ともどもY氏宅にお邪魔してお夕飯をいただきました。m(_"_)m
■今回触っただけのルート(登れてない。。)
・どこ吹く風(5.10a) 敗退。核心を越えられず。。面白いけど、上部に行くほど辛くなるのは朝イチにはツライ。。しかしグレーディングが辛いよぅ。。(さめざめ
・やまねコロコロ(5.10b) テンション×2。核心のムーブさえこなせれば登れたのに。。(負け惜しみ) 。タグをつけるとすれば「もっと評価されるべき」
・壁に穴あり(5.10b) テンション×2。穴があるのは分かっていても指が届かん。。でも面白い。
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自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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