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Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by - 2024.04.27,Sat
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Posted by norlys - 2013.06.26,Wed
この間、なんとなく電網を彷徨っていたら、野田地図の「オイル」の動画に行き当たった。
なんでなのかは分からないけど、なんだかそういうタイミングだったのだと思う。

観始めた途端に魂が吸い込まれてしまい、一気に観終わってしまった。圧倒。
出雲の国譲りの神話と終戦直後の島根と、複層の時間軸が混線し、言葉遊びが拡散し収縮して輻輳し、混線。

これぞ野田節というべき言葉遊びとテンションの高さに翻弄されながら、荒れ狂う炎や嵐や復讐心のようなたとえうるこの世の現象の激しさのすべてが―それはモチーフのひとつである広島の原爆のような、そしてオイル=石油=自由=夥しい死者の思い、という構図の一瞬天をも照らす紅炎の焔のような―まるで瞬きをする瞬間の幻に凝縮されたような物語。

寓話だというのにリアル、リアルなのに幻。
巫女は預言者で神の代理人、同時に魔女。
なにが正しくて、なにが間違っているのか、その答えはどこにもない。
それでも主人公である富士は手当たり次第の可能性に賭けて電話線を繋ぎ、奇跡的に繋がったとはいえ今にも途切れそうなラインの先に問う。

「もしもし、もしもし・・・・・・天国があるというのなら、何故あの世に作るの?この世にないの。
どうして、天国が今ではなくて、アフターなの?
その答えを教えてくれたら信じてもいいよ。あなたのこと・・・・・・
ごめんなさい。嘘ついた。ほんとは助けが欲しい・・・・・・あなたの。
聞こえていたら・・・・・・返事して・・・・・・神さま。」

そして最後に訪れる圧倒的な喪失感と寂寥感。
どこにも届かない声、どこにもやり場のもっていきようのない思い。富士は問う。
「この恨みにも時効があるの?人はいつか忘れてしまうの?」

人の手の及ばない大きな存在に救いを求めずにはいられない人間の虚しさと悲しさ。神を祭ろう側とその神を異形ととらえる側の人間とを隔てる溝の深さ、おそらくは互いに永遠に分かり合えない虚しさと悲しさ。
その深い溝の淵に立ち、いずれかの立場に組しなければ自らの存在意義を表明できない中間に立つ人の苦さと悲しさ。

たとえそれが世の理なのだとしても、富士の弟であり脱走し行方不明となった特公隊員のヤマトの独白が甦る。
「誰もが生きていたいのだ。生きる望みを捨ててはいないんだ」と。
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norlys
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自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。

色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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