Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by norlys - 2008.08.13,Wed
北アルプス縦走顛末記、The Day 2。
2日目、8月10日(日)は朝3時15分に起床。なにしろ前夜、というか夕方6時過ぎに寝付いたので、睡眠は十分。。なハズなんだけど、まだ眠れそう。。
出発前の週は睡眠時間が短い日が多かったので、快調! にはちょっと物足りない。
外はまだ真っ暗。テントの中で各自手早く朝ごはんを済ませ、テントを撤収。見ればすでに1パーティが出発した模様。早いな~。
4時頃に奥黒部ヒュッテでトイレ&水の補給。この日はひたすら稜線歩き、コースタイムにして約13時間の行程なので、水はたっぷり4リットルを用意。
4時20分に、読売新道をいざ歩き出し。
奥黒部ヒュッテは標高約1500m。目指す第一のチェックポイントである赤牛岳は標高2864.2m。コースタイムで7時間。長い樹林帯歩きなので、気持ちを奮い立たせないと気持ち負けしそう。
歩き出しから30分も経つと、次第に空が明るみ始めました。5時過ぎに「読売新道8分の1」と書かれた標識のある地点に到着。ヘッデンを消して、黙々と歩き続ける3人。標高が低いこともあり、朝早い時間だというのに気温はそれほど低くなく、すでにして汗ぐっしょり。
読売新道は2001年にコースが整備されてから登山者が増えたとのことだけど、なるほどルートはしっかり整備されていました。
のっけから急登続きで、木の根だらけの道や岩の巻き道、砂砂のガレ場(1箇所)など、なかなか手強いルートですが、これだけ整備が整っているのはさすが一般登山道。
枝尾根から枝尾根へと渡り、次第に本尾根に詰めていくので、急登続きといえども、合間に平坦な箇所もあったりして、5万分の1の地図で見るよりも、実際にはなかなかメリハリのあるコースです。
とはいえ、登りよりも下りで使う人が多いためか、「8分のX」の標識の間隔は、上に上るほど1区間が短くなる印象でした(8分の2から8分の5までは、下りが苦手な人はタイムロスしやすい岩がちの道が多い。1箇所だけ90度に曲がる箇所があり、天候が悪いと枝尾根をそのまま降りてしまいそうになるところにトラロープあり。その他の箇所は、標識もしっかりしていて、迷うところはありません)。
地図上に記された「雨量計あり」のポイント(8分の5)に到着すると、ようやく周囲はすっかり背の低い潅木ばかりとなり、遠くの山々の稜線が見渡せるようになりました。遠くにはるか来た黒部湖。
←とお~くに黒部湖が見えます。思えば遠くに○○もんた(古)。
立山や室堂、薬師、烏帽子岳~と、風景を満喫。やっぱり森林限界を超えると気分が盛り上がりますな。
そして、前方右手に見える赤いガレた2つのツノっぽい山の頂が赤牛岳だろうか、と。なるほど、「赤牛」っぽいや。
展望が開けたこともあって、空とそこに続く稜線しかない風景は、ほんとうに絶景。
こじんまりとしたお手製のような雨量計はともかくも、人工的な夾雑物はいっさい視界になし(室堂の建物類も見えず)。
ガレた岩場、ハイマツの分け道、真砂のトラバース道を進んでいくと、そこここに高山植物が咲き誇っていました。
赤牛岳の山頂手前では一気に標高を上げるので、空を仰ぐような位置に目指す目的地。それでも丹念に一歩一歩進んでいけば、いつか到着するはず。。! と心の中で自分を励ましながら、澄み切った青空の下を歩けることがほんとうに楽しい。
赤味を帯びた岩のガレ道をジグザグと上って行き、ついに赤牛岳山頂に到着したのは9時半過ぎ。コースタイムにして7時間のところを5時間で消化。エスケープルートがないだけに、長めのコースタイム設定となっているのでしょうか。さて。
赤牛岳山頂には先行パーティの方たちが休憩中。自分達を含めて2パーティのみ。
山頂にてお湯を沸かしてコーヒータイム。温かい飲み物がうまい。まったりと30分近くも休憩。
眼下に横たわる黒部川を見て、奥ノ廊下の長さをつくづく実感。いつか遡行してみたいけれど、ほんとうに長いなぁ。
赤牛岳から水晶岳までは2時間40分の行程。緩いアップダウンの稜線の道で、思う存分絶景を満喫。ただ、この手の道は、思うほどには足がはかどらない。
水晶岳に向かう左手、長野側の稜線直下にはいくつか雪渓の残るなだらかな土地があり、どうやらビバーク地として用いられている様子。
ケルンの並ぶなだらかなガレ場を過ぎてしばし岩がちな道を登ると、温泉沢ノ頭の分岐に到着。
前方右手のはるか下に、秘境の湯として名高い高天原山荘の赤い屋根が見える。
温泉沢ノ頭から高天原山荘へ下る尾根はガレの急坂で、見た目は近いけれどなかなかしんどそう。
「温泉いいな~」と誘惑にかられつつ、水晶岳に向かう。ここからアップダウンが顕著になり、土のトラバース道とゴツゴツした岩が露出する道が交互に現れる。赤牛岳に比べたら浮石は格段に少ないけれど、しんどいのはどっちもどっち。
右手に見える野口五郎岳は、真砂が露出してまるで初冠雪を被った頂みたい。「写真を撮って、『北アルプスに初冠雪!』といってHさんに送ったら信じるかもよ?」と自分が言うと、Y君が「これ以上信用をなくしたくないし」と躊躇。まぁ悪い冗談でございます。
右手前方の台地みたいななだらかな広い土地の真ん中に小屋の赤い屋根が見える。本日の幕営地である雲ノ平キャンプ場。あそこに到着するためには、ぐるりと水晶岳を回りこんで、ワリモ北分岐から祖父岳を越えていかなくちゃならない。まだまだ残りは長い。
←はるか前方に水晶岳。「水晶が採れる」ということなので、かなりwktkだったのですが、どうも玄武岩っぽい岩塊で内心がっかりしたのは内緒です(国立公園内での鉱物の採取は事前の申請が必要です。はい)。
水晶が採れるのは山麓のみなのだそうです。そういえば、温泉沢ノ頭の手前は長石っぽい岩がごろごろしてキレイだったな。。
2986mピークの手前からは、周囲はすっかり黒い岩塊の道に変化。ハイマツと黒い岩の塊しかない。目前に聳える水晶岳は黒い岩でできた天然要塞のよう。
「ヨーロッパのお城みたいだよね」とY君2。「あー、モンサンミッシェル? 似てるかも」と自分。とにかく、なんともカッコいい。
カッコいいだけじゃなくて、なかなか手強い。近そうで、なかなか近づけない。次第に行き交う人も増えてきたので、人気の100名山に来たんだなと実感する。
最後の岩ガレの急登を登ると、水晶岳山頂に到着。山頂にはすでに多数の人。水晶岳山荘からピストンしてきたらしく身軽な登山客が多い。
「どちらからいらしたんですか?」 との問いに、「読売新道で奥黒部ヒュッテから」と答えると、「おぉ~、そりゃすごい。たいへんだったでしょう」と労いの言葉をいただく。でも、この時点でまだ全行程の4分の3なんだな。
風景を楽しみ写真を撮った後、下山開始。なにしろ、まだまだ行程は長いのだし、と。
水晶岳の下りは岩場の急坂。一気に標高を下げると、なだらかな稜線の先に水晶小屋が見える。あぁもうちょっとだ~。
というわけで、水晶小屋に到着し、Y君その2と自分は早速缶ビール(350ml、600円也)を購入。うんまい。
近くの雪渓からとってきた雪塊で冷やされていました。うんまい。
さて、この先の行程はなだらかなハズ。。と思っていたけれど、意外に渋い。
水晶岳からワリモ北分岐まで滑らかな稜線を一気に降り、ジグザグの急坂を一気に下る。
これだけ一気に下ったら、また登り返さないといけないんじゃあ。。という不安はばっちり的中。
祖父岳まではなだからな上り坂なのだけど、本日すでに11時間以上も歩き続けてきた身には、トドメのような登り坂。
途中、雪渓が解けて水が流れているところで喉を潤し、「まだ登るの~」とぜぃぜぃ言いつつ、えっちらおっちら登っていくと、のっぺりとした広い土地にケルン群が立ち並ぶ山頂スペースに到着。
あまりにのっぺりしすぎて、あまりにケルンが点在しすぎて、濃霧の中では道迷いしそう。
←なぜこんなにケルンだらけなんだろ?
自分としては、とてもシュールで荒涼とした光景で好きだけど、なぜか無性に嵐が丘ゴッコがしたくなった。あぁヒース、ヒースクリフ!(嘘w)。
山というよりも岩の丘。今過ぎてきた水晶岳の威容もくっきり。鷲羽岳の山容も間近。薬師に野口五郎岳もくっきり。どこを見渡しても山、山、山。そして目の前には、雲ノ平の湿原地帯。
北アルプスのほぼ中央は、まさに別世界。
岩岩した祖父岳の登山道を下ると、眼下に本日のキャンプサイト。ただし、植生保護のためまっすぐ降りることはできず。木道で大きく迂回しなくてはなりません。ゆる~い道とはいえ、長いことがすでにして苦痛。
みなで悪態をつき(もちろん?自分が一番罵詈雑言を吐いた)つつも、道を進んでいくとスイス庭園に出ました。
多分、これほどまでに疲労困憊していなければ「うっわ~♪のわんてステキなお花畑なの。しゅてきぃ~、夢みたい~」と感動するのでしょうけれど、残念ながらそんな元気は1ミリも残っていませんでした。
スイス庭園の様相は、たとえるならば宮崎駿のアニメ映画「ハウルの動く城」でハウルがソフィーにプレゼントしたお花畑のシーン、まさにあれです(季節柄、少々お花が少なかったのですが)。
これで感動しなければ、自分も相当女子力が衰えているのだと反省すべきかもしれませんが、よくよく考えてみたらそもそもソフィーは黒部湖の端から12時間かけて自力で歩いてきたりしてませんもん。
雷岩の分岐に到着したのがほぼ16時。歩き出し(4時20分)からすでに12時間弱が経過。
ここで荷物を降ろし、お財布だけを握り締めて雲ノ平山荘へ。キャンプサイトの受付をし、ビールを購入。往復30分で再び雷岩に。荷物をピックアップして、テン場に移動。
テントサイトはすでにほぼ満員御礼状態で、かなりの賑わい。
どうにか空いている場所を見つけ、テントを張り、水の補給やらトイレやら夕飯の準備やら。
奥黒部ヒュッテで4リットル用意してきた水は残りほぼ200ml程度。水晶小屋でビール350mlを追加補給しているので、プラマイゼロというところ? 暑い一日でした。
雲ノ平キャンプ場は、水が豊富なのはとても良いのですが、いかんせん湿地帯ということもあり、あぶやら蚊やらの虫が多数。
蚊取り線香必須かもしれません。自分もけっこうくわれました。
自分はすっかりぐったりで、テントの中でしばし昼寝。外では若者2名が元気に夕飯の支度を進めていました。ありがたや。
夕飯ができたところで、ビールで乾杯。
「みんなよく歩いたよ~」とお互いに手放しでベタ誉め。でもほんとうに、トラブルにも見舞われず、みんなよく歩き通したと思います。誰に賞賛されなくとも、自分たちだけの自己満足だとしても、この行程を歩きとおした充実感は今振り返ってみてもひとしおです。
この日の食担は、Y君その2。長時間行動した後なので、インスタントラーメンとアルファ米が腹に沁みる。瞬速でアミノ酸レベルに分解され、吸収されました。うまかった。
そんなこんなで、ご飯を食べてコーヒーを飲み終わるやいなや、自分は速攻寝落ち。
いや~ほんとに疲れたんですってば。
で、翌日若者2名から「寝るの早杉」とバッシングw
「Y君2が面白い恋愛話でもしてくれたら起きていたんだけど」と答えると、「面白いネタなんてないもん」と、ネタにマジレスされました。
2日目、8月10日(日)は朝3時15分に起床。なにしろ前夜、というか夕方6時過ぎに寝付いたので、睡眠は十分。。なハズなんだけど、まだ眠れそう。。
出発前の週は睡眠時間が短い日が多かったので、快調! にはちょっと物足りない。
外はまだ真っ暗。テントの中で各自手早く朝ごはんを済ませ、テントを撤収。見ればすでに1パーティが出発した模様。早いな~。
4時頃に奥黒部ヒュッテでトイレ&水の補給。この日はひたすら稜線歩き、コースタイムにして約13時間の行程なので、水はたっぷり4リットルを用意。
4時20分に、読売新道をいざ歩き出し。
奥黒部ヒュッテは標高約1500m。目指す第一のチェックポイントである赤牛岳は標高2864.2m。コースタイムで7時間。長い樹林帯歩きなので、気持ちを奮い立たせないと気持ち負けしそう。
歩き出しから30分も経つと、次第に空が明るみ始めました。5時過ぎに「読売新道8分の1」と書かれた標識のある地点に到着。ヘッデンを消して、黙々と歩き続ける3人。標高が低いこともあり、朝早い時間だというのに気温はそれほど低くなく、すでにして汗ぐっしょり。
読売新道は2001年にコースが整備されてから登山者が増えたとのことだけど、なるほどルートはしっかり整備されていました。
のっけから急登続きで、木の根だらけの道や岩の巻き道、砂砂のガレ場(1箇所)など、なかなか手強いルートですが、これだけ整備が整っているのはさすが一般登山道。
枝尾根から枝尾根へと渡り、次第に本尾根に詰めていくので、急登続きといえども、合間に平坦な箇所もあったりして、5万分の1の地図で見るよりも、実際にはなかなかメリハリのあるコースです。
とはいえ、登りよりも下りで使う人が多いためか、「8分のX」の標識の間隔は、上に上るほど1区間が短くなる印象でした(8分の2から8分の5までは、下りが苦手な人はタイムロスしやすい岩がちの道が多い。1箇所だけ90度に曲がる箇所があり、天候が悪いと枝尾根をそのまま降りてしまいそうになるところにトラロープあり。その他の箇所は、標識もしっかりしていて、迷うところはありません)。
地図上に記された「雨量計あり」のポイント(8分の5)に到着すると、ようやく周囲はすっかり背の低い潅木ばかりとなり、遠くの山々の稜線が見渡せるようになりました。遠くにはるか来た黒部湖。
←とお~くに黒部湖が見えます。思えば遠くに○○もんた(古)。
立山や室堂、薬師、烏帽子岳~と、風景を満喫。やっぱり森林限界を超えると気分が盛り上がりますな。
そして、前方右手に見える赤いガレた2つのツノっぽい山の頂が赤牛岳だろうか、と。なるほど、「赤牛」っぽいや。
展望が開けたこともあって、空とそこに続く稜線しかない風景は、ほんとうに絶景。
こじんまりとしたお手製のような雨量計はともかくも、人工的な夾雑物はいっさい視界になし(室堂の建物類も見えず)。
ガレた岩場、ハイマツの分け道、真砂のトラバース道を進んでいくと、そこここに高山植物が咲き誇っていました。
赤牛岳の山頂手前では一気に標高を上げるので、空を仰ぐような位置に目指す目的地。それでも丹念に一歩一歩進んでいけば、いつか到着するはず。。! と心の中で自分を励ましながら、澄み切った青空の下を歩けることがほんとうに楽しい。
赤味を帯びた岩のガレ道をジグザグと上って行き、ついに赤牛岳山頂に到着したのは9時半過ぎ。コースタイムにして7時間のところを5時間で消化。エスケープルートがないだけに、長めのコースタイム設定となっているのでしょうか。さて。
赤牛岳山頂には先行パーティの方たちが休憩中。自分達を含めて2パーティのみ。
山頂にてお湯を沸かしてコーヒータイム。温かい飲み物がうまい。まったりと30分近くも休憩。
眼下に横たわる黒部川を見て、奥ノ廊下の長さをつくづく実感。いつか遡行してみたいけれど、ほんとうに長いなぁ。
赤牛岳から水晶岳までは2時間40分の行程。緩いアップダウンの稜線の道で、思う存分絶景を満喫。ただ、この手の道は、思うほどには足がはかどらない。
水晶岳に向かう左手、長野側の稜線直下にはいくつか雪渓の残るなだらかな土地があり、どうやらビバーク地として用いられている様子。
ケルンの並ぶなだらかなガレ場を過ぎてしばし岩がちな道を登ると、温泉沢ノ頭の分岐に到着。
前方右手のはるか下に、秘境の湯として名高い高天原山荘の赤い屋根が見える。
温泉沢ノ頭から高天原山荘へ下る尾根はガレの急坂で、見た目は近いけれどなかなかしんどそう。
「温泉いいな~」と誘惑にかられつつ、水晶岳に向かう。ここからアップダウンが顕著になり、土のトラバース道とゴツゴツした岩が露出する道が交互に現れる。赤牛岳に比べたら浮石は格段に少ないけれど、しんどいのはどっちもどっち。
右手に見える野口五郎岳は、真砂が露出してまるで初冠雪を被った頂みたい。「写真を撮って、『北アルプスに初冠雪!』といってHさんに送ったら信じるかもよ?」と自分が言うと、Y君が「これ以上信用をなくしたくないし」と躊躇。まぁ悪い冗談でございます。
右手前方の台地みたいななだらかな広い土地の真ん中に小屋の赤い屋根が見える。本日の幕営地である雲ノ平キャンプ場。あそこに到着するためには、ぐるりと水晶岳を回りこんで、ワリモ北分岐から祖父岳を越えていかなくちゃならない。まだまだ残りは長い。
←はるか前方に水晶岳。「水晶が採れる」ということなので、かなりwktkだったのですが、どうも玄武岩っぽい岩塊で内心がっかりしたのは内緒です(国立公園内での鉱物の採取は事前の申請が必要です。はい)。
水晶が採れるのは山麓のみなのだそうです。そういえば、温泉沢ノ頭の手前は長石っぽい岩がごろごろしてキレイだったな。。
2986mピークの手前からは、周囲はすっかり黒い岩塊の道に変化。ハイマツと黒い岩の塊しかない。目前に聳える水晶岳は黒い岩でできた天然要塞のよう。
「ヨーロッパのお城みたいだよね」とY君2。「あー、モンサンミッシェル? 似てるかも」と自分。とにかく、なんともカッコいい。
カッコいいだけじゃなくて、なかなか手強い。近そうで、なかなか近づけない。次第に行き交う人も増えてきたので、人気の100名山に来たんだなと実感する。
最後の岩ガレの急登を登ると、水晶岳山頂に到着。山頂にはすでに多数の人。水晶岳山荘からピストンしてきたらしく身軽な登山客が多い。
「どちらからいらしたんですか?」 との問いに、「読売新道で奥黒部ヒュッテから」と答えると、「おぉ~、そりゃすごい。たいへんだったでしょう」と労いの言葉をいただく。でも、この時点でまだ全行程の4分の3なんだな。
風景を楽しみ写真を撮った後、下山開始。なにしろ、まだまだ行程は長いのだし、と。
水晶岳の下りは岩場の急坂。一気に標高を下げると、なだらかな稜線の先に水晶小屋が見える。あぁもうちょっとだ~。
というわけで、水晶小屋に到着し、Y君その2と自分は早速缶ビール(350ml、600円也)を購入。うんまい。
近くの雪渓からとってきた雪塊で冷やされていました。うんまい。
さて、この先の行程はなだらかなハズ。。と思っていたけれど、意外に渋い。
水晶岳からワリモ北分岐まで滑らかな稜線を一気に降り、ジグザグの急坂を一気に下る。
これだけ一気に下ったら、また登り返さないといけないんじゃあ。。という不安はばっちり的中。
祖父岳まではなだからな上り坂なのだけど、本日すでに11時間以上も歩き続けてきた身には、トドメのような登り坂。
途中、雪渓が解けて水が流れているところで喉を潤し、「まだ登るの~」とぜぃぜぃ言いつつ、えっちらおっちら登っていくと、のっぺりとした広い土地にケルン群が立ち並ぶ山頂スペースに到着。
あまりにのっぺりしすぎて、あまりにケルンが点在しすぎて、濃霧の中では道迷いしそう。
←なぜこんなにケルンだらけなんだろ?
自分としては、とてもシュールで荒涼とした光景で好きだけど、なぜか無性に嵐が丘ゴッコがしたくなった。あぁヒース、ヒースクリフ!(嘘w)。
山というよりも岩の丘。今過ぎてきた水晶岳の威容もくっきり。鷲羽岳の山容も間近。薬師に野口五郎岳もくっきり。どこを見渡しても山、山、山。そして目の前には、雲ノ平の湿原地帯。
北アルプスのほぼ中央は、まさに別世界。
岩岩した祖父岳の登山道を下ると、眼下に本日のキャンプサイト。ただし、植生保護のためまっすぐ降りることはできず。木道で大きく迂回しなくてはなりません。ゆる~い道とはいえ、長いことがすでにして苦痛。
みなで悪態をつき(もちろん?自分が一番罵詈雑言を吐いた)つつも、道を進んでいくとスイス庭園に出ました。
多分、これほどまでに疲労困憊していなければ「うっわ~♪のわんてステキなお花畑なの。しゅてきぃ~、夢みたい~」と感動するのでしょうけれど、残念ながらそんな元気は1ミリも残っていませんでした。
スイス庭園の様相は、たとえるならば宮崎駿のアニメ映画「ハウルの動く城」でハウルがソフィーにプレゼントしたお花畑のシーン、まさにあれです(季節柄、少々お花が少なかったのですが)。
これで感動しなければ、自分も相当女子力が衰えているのだと反省すべきかもしれませんが、よくよく考えてみたらそもそもソフィーは黒部湖の端から12時間かけて自力で歩いてきたりしてませんもん。
雷岩の分岐に到着したのがほぼ16時。歩き出し(4時20分)からすでに12時間弱が経過。
ここで荷物を降ろし、お財布だけを握り締めて雲ノ平山荘へ。キャンプサイトの受付をし、ビールを購入。往復30分で再び雷岩に。荷物をピックアップして、テン場に移動。
テントサイトはすでにほぼ満員御礼状態で、かなりの賑わい。
どうにか空いている場所を見つけ、テントを張り、水の補給やらトイレやら夕飯の準備やら。
奥黒部ヒュッテで4リットル用意してきた水は残りほぼ200ml程度。水晶小屋でビール350mlを追加補給しているので、プラマイゼロというところ? 暑い一日でした。
雲ノ平キャンプ場は、水が豊富なのはとても良いのですが、いかんせん湿地帯ということもあり、あぶやら蚊やらの虫が多数。
蚊取り線香必須かもしれません。自分もけっこうくわれました。
自分はすっかりぐったりで、テントの中でしばし昼寝。外では若者2名が元気に夕飯の支度を進めていました。ありがたや。
夕飯ができたところで、ビールで乾杯。
「みんなよく歩いたよ~」とお互いに手放しでベタ誉め。でもほんとうに、トラブルにも見舞われず、みんなよく歩き通したと思います。誰に賞賛されなくとも、自分たちだけの自己満足だとしても、この行程を歩きとおした充実感は今振り返ってみてもひとしおです。
この日の食担は、Y君その2。長時間行動した後なので、インスタントラーメンとアルファ米が腹に沁みる。瞬速でアミノ酸レベルに分解され、吸収されました。うまかった。
そんなこんなで、ご飯を食べてコーヒーを飲み終わるやいなや、自分は速攻寝落ち。
いや~ほんとに疲れたんですってば。
で、翌日若者2名から「寝るの早杉」とバッシングw
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norlys
性別:
非公開
自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
つぶやき。
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