Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by norlys - 2008.08.12,Tue
ただいま北アルプス縦走から戻りました。で、洗濯物終わり待ち。
今回歩いたコースは、次のとおり。
前夜発: ムーンライト信州号で信濃大町駅
1日目: 信濃大町駅-(タクシー)-扇沢-(トロリーバス)-黒部ダム-平の小屋-(渡し舟)-東沢出合キャンプ地(奥黒部ヒュッテ)
2日目: 東沢出合キャンプ地(奥黒部ヒュッテ)-読売新道経由-赤牛岳-水晶岳-水晶小屋-ワリモ北分岐-祖父岳-雲ノ平キャンプ場
3日目:雲ノ平キャンプ場-祖父岳-ワリモ北分岐-鷲羽岳-三俣山荘-三俣蓮華岳-双六岳-(稜線ルート)-双六キャンプ場
4日目:双六キャンプ場-弓折岳分岐-鏡平山荘-(小池新道)-左俣林道-新穂高温泉-タクシーで松本駅-急行あずさで帰京
北アルプスをまだくまなく歩いたわけでもないのに、いきなり読売新道デビュー。
本来ならば、表銀座や裏銀座を歩きつくしたあとでとるべき? 選択肢かもしれませんが、北アルプスの縦走路をすでにあちこち歩いてしまったY君の計画に乗って、北アルプスビギナーの自分と初北アルプスのY君2の2名が便乗。表街道から正面切って訪れるのではなく、いきなり裏道から入るというのも、激混みが予想される夏山の混雑を避けることができてなかなか乙な経験でした。
扇沢から朝一番、6時半のトロリーバスに乗車。
黒部ダムでトロリーバスを降りて、黒部湖のほとりをてくてく歩くこと約3時間。
平の小屋の渡し舟は6時、10時、12時、14時(夏季のみ)、17時なので、12時の舟に乗れればいいか~と、黒部ダムの放水を眺めたりトイレに行ったりと、気持ちのんびりめで出発。
←トロリーバスの終点から黒部ダムへ。この写真の奥に見える山の麓が1日目の目的地(だと思う)。遠いな~。。
ダム湖の緑色の湖面がキラキラと輝いてとても美しく、等高線に沿って整備された割合平坦な山道。ちょっとハイキングでも~という気分で歩いても気持ちよさそうだけど、終点が遠いのであまり万人向けではないかも。
やっぱり黒部湖は大きいな、ということだけは確実に実感できます。
途中で平の小屋の屋根が見え、これはもしかしたら10時の渡し舟に間に合うかも? と、なんとなく気もそぞろ。
「小屋が見えてからが長いんだよ」という噂どおりに、見えてからの距離も長かったです。なにせ等高線に沿ってくまなく陸地を歩いていくので。九十九折のように、曲がれども曲がれども、その先には道が続いている。
左手の湖面の方からガルベという遊覧船のアナウンスがかすかに聞こえ、「乗せてくれ~」と切ない気持ちになってみたり。
まもなく平の小屋かな。。というところで、Y君が小走りで斥候。湖面の方からエンジン音が聞こえ、乗客の数を伝える無線の声が。いやな予感を抱きつつ曲がり角を曲がると、あ、小屋。時すでに10時5分。
で渡し舟は。。。と見ると、すでに離岸中。あぁ。。切なす。
「自分だけなら間に合ったんだけど、全員揃わないとダメだって。荷揚げがあるから待てないんだって」とY君。
捨てられた子犬のようなしょぼんとした面持ちで、はしけから渡し舟を見つめていると
舟の方から、「全員ですか?」 とのありがたい声。
「はい、揃いました!」
「荷揚げ終わったら戻るので、待ってください」
というわけで、10時の舟に乗せていただきました。本当にありがとうございます。
渡し舟の所要時間は10分強。対岸に渡るためだけに2時間待ちにならずに済み幸いでした。
10時の渡し舟に乗れるかも! ということで、途中から休憩なしで飛ばしたので、舟を降りて登山道に上ったところでしばし休憩。
さて、これからは2時間で本日のキャンプ地へ。
渡し場の先からは黒部湖の幅が徐々に狭まり、脆い岩肌を切り拓いた山道が等高線伝いにくねくね。
このルート、地図には「上下の激しい梯子多数/転落注意」との注意書きがあるので、いったいどんなところだろうと恐る恐る?歩みを進めていくものの、しばらくは普通の山道。
ただ満々と水を湛えた湖の姿はもはやなく、右手の眼下にはごうごうと飛沫を上げてダム方面に流れていく水流が木々の間から見える。
どんどんと人の住む領域を離れて、山の深いところに分け入っていくんだな。。と感慨深し。
等高線伝いに山道を開くのは、足元に土があるからできることで、左手の斜面が抉り取られたように崩壊している箇所では梯子を上り、梯子を降り、沢に掛かる橋を渡り、梯子を上り、梯子を降り。。の連続。
アップダウンはしんどいけれど、梯子がなければとてもじゃないけど先に進めない。
←こんな感じ( ▽|||) なかなかワイルド。でも足場はしっかりしています。ありがたや。
風化した脆い山塊の、雪深いこんな場所に、足場を整備し維持する人の労力を想像するだけで気が遠くなる。
川の流れが湾曲した部分では、広く白い真砂の河原が広がっていて、山の中に突然南の海のプライベートビーチが出現したような印象。
じりじりと気温が上昇する中、暑い山道をひたすらてくてく上り下りしているよりも、いっそあの山の中の浜辺で昼寝をしたい誘惑にかられる。
イタリアのリグーリア州にCinque Terreという景勝地があって、その昔海からしかアクセスできなかった山の端の5つの集落を結ぶ山道があるのだけど、その山道をトレッキングしたときの印象によく似ている。
あのときも、こんなところに人の通う道があるのかと驚嘆したけれど、今回の方が人里離れ度高し。
←秘境のプライベートビーチ(?)。こんな場所にパラソル立ててカイピリーニャ啜りつつまたーり読書~とかステキなんでわ。でも上流部で雨が降ったらOUT。
もう何度登って降りたかわからなくらいアップダウンを繰り返し、徐々に平坦になった道が開け、いざとなったらここでキャンプができそうだなという砂地をさくさく踏みしめていくと、川に大きめの木橋がふたつ。
東沢谷を渡った対岸に、この日のキャンプ地である東沢出合キャンプ地がありました。12時少し前に到着。
開けた砂地のテント場は快適。すでにテントがひと張り。どうやら渓流釣りの人たちの様子。
早速テントを張って荷物を仕舞い、お財布を握り締めて奥黒部小屋にて受付&ビール。
缶ビール(500ml)が700円、350mlは500円。これほどまでに山深い場所でもビールが手に入るのだから、北アルプスはすごい。
小屋の前のテーブルに陣取りビールで乾杯。と、パラパラとにわか雨。雨に降られる前に到着してよかったね~とそそくさとテントに避難。幸いにも雨はすぐに止んでしまい、夕食までのひとときを河原でまったり。
水の流れは痺れるほどに冷たい。
河原には釣り人が3人ほどいて、本日の夕食といって川魚を1、2匹捕まえていました。いいなぁ。そんなに簡単に釣れるものかな。。と水の流れを覗いてみても、ちっとも見当たらない。どこにいるんだか。
本気で河原で寝落ちしてしまいそうだったのでいったんテントに戻ったものの、自分が、渡渉前後で地図を取り出した拍子に日焼け止めを落としてしまったので、それを探しに再度河原に出動。めでたくY君が見つけ出してくれました。ありがとうございます。
まだ外が明るいので、山に囲まれた静かなテン場の、テントの前にて夕飯。
テン場には自分達を含めて計4張り、ちょうど10人。小屋泊まりのお客さんは11人(靴の数で推測)。
世界が100人の村だとしたら、ここは一大共和国として勢力を誇れそうですが、実際には1億以上もの人間がひしめく日本のお盆真っ盛りの行楽期に、たったこれだけの人しかいないというのも、なかなかすごい話。
明日は長い一日だから。。ということと、前夜の夜行列車であまり睡眠をとれなかったので、夜6時過ぎには早々に就寝。
今回歩いたコースは、次のとおり。
前夜発: ムーンライト信州号で信濃大町駅
1日目: 信濃大町駅-(タクシー)-扇沢-(トロリーバス)-黒部ダム-平の小屋-(渡し舟)-東沢出合キャンプ地(奥黒部ヒュッテ)
2日目: 東沢出合キャンプ地(奥黒部ヒュッテ)-読売新道経由-赤牛岳-水晶岳-水晶小屋-ワリモ北分岐-祖父岳-雲ノ平キャンプ場
3日目:雲ノ平キャンプ場-祖父岳-ワリモ北分岐-鷲羽岳-三俣山荘-三俣蓮華岳-双六岳-(稜線ルート)-双六キャンプ場
4日目:双六キャンプ場-弓折岳分岐-鏡平山荘-(小池新道)-左俣林道-新穂高温泉-タクシーで松本駅-急行あずさで帰京
北アルプスをまだくまなく歩いたわけでもないのに、いきなり読売新道デビュー。
本来ならば、表銀座や裏銀座を歩きつくしたあとでとるべき? 選択肢かもしれませんが、北アルプスの縦走路をすでにあちこち歩いてしまったY君の計画に乗って、北アルプスビギナーの自分と初北アルプスのY君2の2名が便乗。表街道から正面切って訪れるのではなく、いきなり裏道から入るというのも、激混みが予想される夏山の混雑を避けることができてなかなか乙な経験でした。
扇沢から朝一番、6時半のトロリーバスに乗車。
黒部ダムでトロリーバスを降りて、黒部湖のほとりをてくてく歩くこと約3時間。
平の小屋の渡し舟は6時、10時、12時、14時(夏季のみ)、17時なので、12時の舟に乗れればいいか~と、黒部ダムの放水を眺めたりトイレに行ったりと、気持ちのんびりめで出発。
←トロリーバスの終点から黒部ダムへ。この写真の奥に見える山の麓が1日目の目的地(だと思う)。遠いな~。。
ダム湖の緑色の湖面がキラキラと輝いてとても美しく、等高線に沿って整備された割合平坦な山道。ちょっとハイキングでも~という気分で歩いても気持ちよさそうだけど、終点が遠いのであまり万人向けではないかも。
やっぱり黒部湖は大きいな、ということだけは確実に実感できます。
途中で平の小屋の屋根が見え、これはもしかしたら10時の渡し舟に間に合うかも? と、なんとなく気もそぞろ。
「小屋が見えてからが長いんだよ」という噂どおりに、見えてからの距離も長かったです。なにせ等高線に沿ってくまなく陸地を歩いていくので。九十九折のように、曲がれども曲がれども、その先には道が続いている。
左手の湖面の方からガルベという遊覧船のアナウンスがかすかに聞こえ、「乗せてくれ~」と切ない気持ちになってみたり。
まもなく平の小屋かな。。というところで、Y君が小走りで斥候。湖面の方からエンジン音が聞こえ、乗客の数を伝える無線の声が。いやな予感を抱きつつ曲がり角を曲がると、あ、小屋。時すでに10時5分。
で渡し舟は。。。と見ると、すでに離岸中。あぁ。。切なす。
「自分だけなら間に合ったんだけど、全員揃わないとダメだって。荷揚げがあるから待てないんだって」とY君。
捨てられた子犬のようなしょぼんとした面持ちで、はしけから渡し舟を見つめていると
舟の方から、「全員ですか?」 とのありがたい声。
「はい、揃いました!」
「荷揚げ終わったら戻るので、待ってください」
というわけで、10時の舟に乗せていただきました。本当にありがとうございます。
渡し舟の所要時間は10分強。対岸に渡るためだけに2時間待ちにならずに済み幸いでした。
10時の渡し舟に乗れるかも! ということで、途中から休憩なしで飛ばしたので、舟を降りて登山道に上ったところでしばし休憩。
さて、これからは2時間で本日のキャンプ地へ。
渡し場の先からは黒部湖の幅が徐々に狭まり、脆い岩肌を切り拓いた山道が等高線伝いにくねくね。
このルート、地図には「上下の激しい梯子多数/転落注意」との注意書きがあるので、いったいどんなところだろうと恐る恐る?歩みを進めていくものの、しばらくは普通の山道。
ただ満々と水を湛えた湖の姿はもはやなく、右手の眼下にはごうごうと飛沫を上げてダム方面に流れていく水流が木々の間から見える。
どんどんと人の住む領域を離れて、山の深いところに分け入っていくんだな。。と感慨深し。
等高線伝いに山道を開くのは、足元に土があるからできることで、左手の斜面が抉り取られたように崩壊している箇所では梯子を上り、梯子を降り、沢に掛かる橋を渡り、梯子を上り、梯子を降り。。の連続。
アップダウンはしんどいけれど、梯子がなければとてもじゃないけど先に進めない。
←こんな感じ( ▽|||) なかなかワイルド。でも足場はしっかりしています。ありがたや。
風化した脆い山塊の、雪深いこんな場所に、足場を整備し維持する人の労力を想像するだけで気が遠くなる。
川の流れが湾曲した部分では、広く白い真砂の河原が広がっていて、山の中に突然南の海のプライベートビーチが出現したような印象。
じりじりと気温が上昇する中、暑い山道をひたすらてくてく上り下りしているよりも、いっそあの山の中の浜辺で昼寝をしたい誘惑にかられる。
イタリアのリグーリア州にCinque Terreという景勝地があって、その昔海からしかアクセスできなかった山の端の5つの集落を結ぶ山道があるのだけど、その山道をトレッキングしたときの印象によく似ている。
あのときも、こんなところに人の通う道があるのかと驚嘆したけれど、今回の方が人里離れ度高し。
←秘境のプライベートビーチ(?)。こんな場所にパラソル立ててカイピリーニャ啜りつつまたーり読書~とかステキなんでわ。でも上流部で雨が降ったらOUT。
もう何度登って降りたかわからなくらいアップダウンを繰り返し、徐々に平坦になった道が開け、いざとなったらここでキャンプができそうだなという砂地をさくさく踏みしめていくと、川に大きめの木橋がふたつ。
東沢谷を渡った対岸に、この日のキャンプ地である東沢出合キャンプ地がありました。12時少し前に到着。
開けた砂地のテント場は快適。すでにテントがひと張り。どうやら渓流釣りの人たちの様子。
早速テントを張って荷物を仕舞い、お財布を握り締めて奥黒部小屋にて受付&ビール。
缶ビール(500ml)が700円、350mlは500円。これほどまでに山深い場所でもビールが手に入るのだから、北アルプスはすごい。
小屋の前のテーブルに陣取りビールで乾杯。と、パラパラとにわか雨。雨に降られる前に到着してよかったね~とそそくさとテントに避難。幸いにも雨はすぐに止んでしまい、夕食までのひとときを河原でまったり。
水の流れは痺れるほどに冷たい。
河原には釣り人が3人ほどいて、本日の夕食といって川魚を1、2匹捕まえていました。いいなぁ。そんなに簡単に釣れるものかな。。と水の流れを覗いてみても、ちっとも見当たらない。どこにいるんだか。
本気で河原で寝落ちしてしまいそうだったのでいったんテントに戻ったものの、自分が、渡渉前後で地図を取り出した拍子に日焼け止めを落としてしまったので、それを探しに再度河原に出動。めでたくY君が見つけ出してくれました。ありがとうございます。
まだ外が明るいので、山に囲まれた静かなテン場の、テントの前にて夕飯。
テン場には自分達を含めて計4張り、ちょうど10人。小屋泊まりのお客さんは11人(靴の数で推測)。
世界が100人の村だとしたら、ここは一大共和国として勢力を誇れそうですが、実際には1億以上もの人間がひしめく日本のお盆真っ盛りの行楽期に、たったこれだけの人しかいないというのも、なかなかすごい話。
明日は長い一日だから。。ということと、前夜の夜行列車であまり睡眠をとれなかったので、夜6時過ぎには早々に就寝。
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自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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