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Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by - 2024.04.16,Tue
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Posted by norlys - 2013.03.06,Wed
先週かもばばに立ち寄り、目当ての品が残念ながら棚に並んでいなかったこともあり、なんとなく散財したい気持ちに背中をぽんと押されて、ようやくのこと「垂壁のかなたへ」by スティーブ・ハウス氏を購入。で、読了。

「え、まだ読んでなかったんですか?」と山仲間に驚かれた。うん、そうなんです。ようやく読みました。
出版されて間もなくの頃、自分のTLでは絶賛の嵐が巻き上がっており興味はあったものの、荷物を増やすのが面倒だったこともあって、読まずじまいで終わらせてしまうところでした。

内容はスティーブ・ハウス氏の私的な登攀記録。
登攀という根源的な欲求に突き動かされクライマーとして生きること、ただひたすらにそれを追究する生き様が圧倒的。

極限まで自分自身を鍛え、重量を-それは同時に安全性や快適性に繋がるものを-削ぎ落とし、賞賛を得るがためではなく、自らの理想を実現するために限界を追求する、まさに骨を命を削る登攀。

その過程における辛さ、怖さ、苦しさをありのままに吐露し(実際、高所でゲーゲー吐いてる場面多し)、その上で新たに引いたラインや辿り着いた山頂(あるいはたどり着けなかった頂も)、そこで得たパートナーシップなど、生々しくざらりと粗い手触りの感情と、純粋で透徹な研ぎ澄まされた情熱が本編に満ち満ちていました。

登攀という行為においては、しばしば人命が失われる悲劇があり、その負の局面に立ち会ってしまう痛みと苦悩、それでもなお登り続けるということを人生において選択せずにはいられない心情がしっかりと記されている点も印象深し。

今の時代における冒険や挑戦の社会的意義とか社会的価値とか、そんな世間の尺度から、人間の営みの喧噪と騒音から、とてもとても遠く離れた場所でひっそりと行われる冒険。

飾らない言葉で語られる物語は、魂の透明度を試されているような気もしなくもない。

だからといって社会的成功や社会的貢献を目的とした生き方は否定されるという訳では決してない。ただそれらは並行して存在するであろう別の宇宙の話というだけ、それだけ。
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自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。

色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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