Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by norlys - 2007.08.27,Mon
週末は久しぶりの家族サービス強化週間。両親と弟家族とわしらの計8名で奥上州へ。
両親も元山男&山女なので当然のごとく目的地は山。もっとも弟夫婦のところに赤子がいるので、山登りはせず高原リゾートなわけですが。
上信越自動車道を走り軽井沢碓氷ICで高速を降り、北軽井沢方面へ。
碓氷峠は両親が若かりし頃のデートスポット。とはいっても、優雅な軽井沢族だったわけではなくて、単に遠距離?恋愛をしていたふたりの中間地点だったというだけ。
「愛の碓氷峠だね~」と茶化す両親もすでに還暦前後。時の流れは早いもので。
宿泊地はパルコール嬬恋。冬のスキーリゾートとして有名なところですが、夏も 四阿山(あずまやさん)への登山道として百名山ゲッターが訪れるようで、トレッカーで賑わっていました。
窓から写した四阿山。
今年の春に、長野の菅平方面から四阿山のお隣の根子岳を登ってスキーで滑りました。
反対の群馬側からだと、四阿山(2332.9m)より標高の低い根子岳(2207m)は見えません。残念。
翌朝はロープウェーに乗って山頂駅(浦倉山)に。
四阿山までは片道徒歩1時間弱の道のり。もっとも家族サービス強化週間につき山頂までは行かず。
晴れてはいたものの薄く靄がかっていたため、本白根山や浅間隠山、榛名山、浅間山といった近場の山しか見えませんでした。
ロープウェーの下の斜面はとても緩やかなスロープで、アルペンスキーだけではなくて、クロスカントリーでツーリングをしても楽しそうだなぁと思いました。
翌日は浅間山の山麓にある鬼押し出し園に。ここは小さいときに何度も来たことがあるハズなんだけど、「鬼」という言葉の響きが怖いなぁ。。ということしか覚えておらず。
浅間山は現在も活動中の活火山で、有毒ガスが発生するため入山禁止(隣接する前掛山までは自己責任において入山可)。
有毒ガスのためか山腹から山頂にかけては樹木が生えていない荒涼とした風景が印象的。大島の三原山を思い出しました。
榛名山同様に浅間山もかつては3,000m級の山だったと推測されていますが、もし今も3,000m級の山として残っていたら、ただでさえ山深い奥上州は今以上に秘境の地だったかも。
家族サービス強化週間なので、行き先はみんなの決定に従う前提でいましたが、自分としては途中でどうしても立ち寄りたいトコロがありました。
吾妻渓谷です。
来た道と同じではつまらないし、上りの上信越自動車道は混むよ~ということで、帰りは嬬恋から北軽井沢に戻って上野原を抜けて渋川方面に向かうことに。吾妻渓谷はちょうど通り道になる国道145号線沿いにあります。
上野原駅を通過し車中から振り返ると、川原湯温泉の入り口がありました。川原湯温泉は、すでに周辺工事が進行中の八ッ場(やんば)ダムの底に沈んでしまう予定の土地です。
川原湯温泉は源頼朝に由来すると言われる古い歴史を有する温泉地。ここがすべてダムの底に沈むのか。。。と考えると、なかなか感慨深いものがあります。
駐車スペースが限られていて遊歩道の入り口がすでに埋まっていたことと、弟夫婦の赤子も疲れてぐっすり眠り込んでいたため、探勝遊歩道までは降りずに道路端の遊歩道を束の間のお散歩。
国道沿いの遊歩道から渓谷に降りる道は現在閉鎖中(下に降りれるポイントもあるようです)。残念ですが、はるかに上の歩道から木々の隙間を縫って必死で渓谷を覗き見。
眼下に見える渓谷は、ダム工事の影響かかなり水流が細くなっている模様。ただ、水流に削られた両岸の岩肌を見ると、水流の激しいときは相当水嵩が増すのだろうなぁとつらつら思ったり。
水は清流と呼ぶのをためらう神秘的な灰青濁の色。おそらく硫化水素を多量に含んでいるものと思われ。地元の人もこの吾妻川の水は飲まず、飲料用には近くの山から湧水を汲んでいたのだそうな。
この渓谷を遡行したら(て、しないけど)、水が呑めないから辛いなぁと漫然と考えてみたり。
一番興味のあった「八丁暗がり」(水流が狭まって幅3m高さ50mの谷底に水がごうごうと流れるのだそうな)も、この様子では水涸れているんだろうなぁ。。と自分を慰めつつ車に戻り、一路帰京。
もともとの計画では、川原湯温泉だけではなくこの吾妻渓谷もダムの底に沈む予定だったそう。地元や環境保護派の反対の声を受けて、この渓谷の3分の2を残す上流位置にダムサイトを移動させることに変更したそうな。
まだダム本体の正式工事は着工していないらしいけれど、道路やダム上にかかる橋脚などの周辺工事は着々と進行中でした。
首都圏の人口増加に伴い水資源の確保が重要。。。ということは理解できますが、今回ようやく吾妻渓谷を実際に訪れて思ったのは、「なにもここにダムを造らなくても」ということでした。
「関東の耶馬渓」と呼ばれる国指定名勝の地でありながら、なぜ未来に遺そうとしないのだろ。
たとえ3分の2が残るとはいっても、直上にダムができたら現在の様相を維持できるとは思えないし、ましてやダムの底に沈んだ部分は永久に元の姿には戻らないのに。
じゃあどこにダムを造ったらいいのか。。。と問われると答えに窮してしまうのですが。。。
原子力発電所や原子力処理場、産業廃棄物処理場、そしてダム…と、首都圏が機能するために地方が犠牲になる図式は仕方のないことなんでしょうかね。と、なんとも複雑な気持ちになりました。
ところで。吾妻渓谷は辺鄙な(すいません)土地ですが、ご年配の方よりも乳幼児連れの家族が多かった点が意外でした。
失われるものを今のうちに見ておこうという気持ちは、年配の人よりも若い人の方が多いのかなというのは、ちょっと考えすぎかな。たまたまわたしが訪れたタイミングの問題かもしれないし。
きっといつかまた家族でここを訪れて「昔、ダムができる前にもここに来たんだよ。覚えてないと思うけど」という話をするのかな…と勝手な妄想を膨らませてみたり。
機会があったら近いうちにじっくりと散策したいなぁ。。。と思います。まだ間に合ううちに。
両親も元山男&山女なので当然のごとく目的地は山。もっとも弟夫婦のところに赤子がいるので、山登りはせず高原リゾートなわけですが。
上信越自動車道を走り軽井沢碓氷ICで高速を降り、北軽井沢方面へ。
碓氷峠は両親が若かりし頃のデートスポット。とはいっても、優雅な軽井沢族だったわけではなくて、単に遠距離?恋愛をしていたふたりの中間地点だったというだけ。
「愛の碓氷峠だね~」と茶化す両親もすでに還暦前後。時の流れは早いもので。
宿泊地はパルコール嬬恋。冬のスキーリゾートとして有名なところですが、夏も 四阿山(あずまやさん)への登山道として百名山ゲッターが訪れるようで、トレッカーで賑わっていました。
窓から写した四阿山。
今年の春に、長野の菅平方面から四阿山のお隣の根子岳を登ってスキーで滑りました。
反対の群馬側からだと、四阿山(2332.9m)より標高の低い根子岳(2207m)は見えません。残念。
翌朝はロープウェーに乗って山頂駅(浦倉山)に。
四阿山までは片道徒歩1時間弱の道のり。もっとも家族サービス強化週間につき山頂までは行かず。
晴れてはいたものの薄く靄がかっていたため、本白根山や浅間隠山、榛名山、浅間山といった近場の山しか見えませんでした。
ロープウェーの下の斜面はとても緩やかなスロープで、アルペンスキーだけではなくて、クロスカントリーでツーリングをしても楽しそうだなぁと思いました。
翌日は浅間山の山麓にある鬼押し出し園に。ここは小さいときに何度も来たことがあるハズなんだけど、「鬼」という言葉の響きが怖いなぁ。。ということしか覚えておらず。
浅間山は現在も活動中の活火山で、有毒ガスが発生するため入山禁止(隣接する前掛山までは自己責任において入山可)。
有毒ガスのためか山腹から山頂にかけては樹木が生えていない荒涼とした風景が印象的。大島の三原山を思い出しました。
榛名山同様に浅間山もかつては3,000m級の山だったと推測されていますが、もし今も3,000m級の山として残っていたら、ただでさえ山深い奥上州は今以上に秘境の地だったかも。
家族サービス強化週間なので、行き先はみんなの決定に従う前提でいましたが、自分としては途中でどうしても立ち寄りたいトコロがありました。
吾妻渓谷です。
来た道と同じではつまらないし、上りの上信越自動車道は混むよ~ということで、帰りは嬬恋から北軽井沢に戻って上野原を抜けて渋川方面に向かうことに。吾妻渓谷はちょうど通り道になる国道145号線沿いにあります。
上野原駅を通過し車中から振り返ると、川原湯温泉の入り口がありました。川原湯温泉は、すでに周辺工事が進行中の八ッ場(やんば)ダムの底に沈んでしまう予定の土地です。
川原湯温泉は源頼朝に由来すると言われる古い歴史を有する温泉地。ここがすべてダムの底に沈むのか。。。と考えると、なかなか感慨深いものがあります。
駐車スペースが限られていて遊歩道の入り口がすでに埋まっていたことと、弟夫婦の赤子も疲れてぐっすり眠り込んでいたため、探勝遊歩道までは降りずに道路端の遊歩道を束の間のお散歩。
国道沿いの遊歩道から渓谷に降りる道は現在閉鎖中(下に降りれるポイントもあるようです)。残念ですが、はるかに上の歩道から木々の隙間を縫って必死で渓谷を覗き見。
眼下に見える渓谷は、ダム工事の影響かかなり水流が細くなっている模様。ただ、水流に削られた両岸の岩肌を見ると、水流の激しいときは相当水嵩が増すのだろうなぁとつらつら思ったり。
水は清流と呼ぶのをためらう神秘的な灰青濁の色。おそらく硫化水素を多量に含んでいるものと思われ。地元の人もこの吾妻川の水は飲まず、飲料用には近くの山から湧水を汲んでいたのだそうな。
この渓谷を遡行したら(て、しないけど)、水が呑めないから辛いなぁと漫然と考えてみたり。
一番興味のあった「八丁暗がり」(水流が狭まって幅3m高さ50mの谷底に水がごうごうと流れるのだそうな)も、この様子では水涸れているんだろうなぁ。。と自分を慰めつつ車に戻り、一路帰京。
もともとの計画では、川原湯温泉だけではなくこの吾妻渓谷もダムの底に沈む予定だったそう。地元や環境保護派の反対の声を受けて、この渓谷の3分の2を残す上流位置にダムサイトを移動させることに変更したそうな。
まだダム本体の正式工事は着工していないらしいけれど、道路やダム上にかかる橋脚などの周辺工事は着々と進行中でした。
首都圏の人口増加に伴い水資源の確保が重要。。。ということは理解できますが、今回ようやく吾妻渓谷を実際に訪れて思ったのは、「なにもここにダムを造らなくても」ということでした。
「関東の耶馬渓」と呼ばれる国指定名勝の地でありながら、なぜ未来に遺そうとしないのだろ。
たとえ3分の2が残るとはいっても、直上にダムができたら現在の様相を維持できるとは思えないし、ましてやダムの底に沈んだ部分は永久に元の姿には戻らないのに。
じゃあどこにダムを造ったらいいのか。。。と問われると答えに窮してしまうのですが。。。
原子力発電所や原子力処理場、産業廃棄物処理場、そしてダム…と、首都圏が機能するために地方が犠牲になる図式は仕方のないことなんでしょうかね。と、なんとも複雑な気持ちになりました。
ところで。吾妻渓谷は辺鄙な(すいません)土地ですが、ご年配の方よりも乳幼児連れの家族が多かった点が意外でした。
失われるものを今のうちに見ておこうという気持ちは、年配の人よりも若い人の方が多いのかなというのは、ちょっと考えすぎかな。たまたまわたしが訪れたタイミングの問題かもしれないし。
きっといつかまた家族でここを訪れて「昔、ダムができる前にもここに来たんだよ。覚えてないと思うけど」という話をするのかな…と勝手な妄想を膨らませてみたり。
機会があったら近いうちにじっくりと散策したいなぁ。。。と思います。まだ間に合ううちに。
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norlys
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自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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