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Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by - 2024.05.02,Thu
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Posted by norlys - 2010.08.24,Tue

今年のお盆は大きく開けた明るい沢をのんびりと泳ぎを交えつつ歩きたいなぁ~と思い、北アルプスの金木戸川・双六谷本流を遡行する予定でしたが、生憎の台風4号の通過により入渓することなく断念。残念。

折角なので、林道歩きだけだけど記録でも。

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■日程:2010年8月12日(木)~8月13日(金)
■行程:金木戸川 双六谷 本流(敗退/ 第2ゲート~広川原発電所間の林道を徒歩で往復)
■天候:8/12: 雨 8/13: 曇り
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前日(8/11)の夜、都内を出発し、一路奥飛騨へ。夜中に道の駅に到着するとまだ雨は降っておらず、空はほんのりガスが広がっているもののまばらに星が見えている。

折りしも翌日12日は週頭に発生した台風4号が日本海を通過する予定。小型の台風というよりは強めの熱帯低気圧程度とはいえ、天候が崩れるのは確実。
朝6時半に雨が降り始めた。あぁ、ついに。。

雨の場合には、近場の日帰りの沢を2つばかり予定していたけれど、日帰り2本では間が持たない。なによりも、調べるほどに憧れの募る双六谷の様子をひとめ見たいと思った。たとえ入渓できなくても。

双六川下流ならば、去年の赤木沢遡行や今年のGWの北ノ俣山スキーの帰りに有峰林道から双六渓谷沿いを車で走ったときに見ている。白い巨岩が点在する川原に、透き通った青緑色の、見るからに清冽な水の流れが印象的で、あの流れを辿るのだと楽しみにしていた。

P8120005_s.JPGとりあえず双六渓谷から双六ダム脇の林道を入る。

双六ダムの上に位置する金木戸発電所付属の建物。古い学校校舎のような建物で、とても味わい深い。







P8120007_s.JPG発電所のすぐ先に第1ゲート登場。お盆のためか休工期間で開いていた。ラッキー。その先の林道もダートだけど定期的にメンテナンスされている様子。

第1ゲートが閉じている場合は、第1ゲート-第2ゲート間がプラス1時間の林道歩きになるとのこと。





P8120015_s.JPGほぼ8時ちょうどに第2ゲート前に到着。
4台ほど車を停めることができるけれど、路肩はあまり広くない。
先客と思しき車が2台。後から釣り人さんたちの車が1台。

左手の山肌にツルリとしたスラブが立ちはだかっている。「あの直登ルートは5.13はあるね~」「太刀岡山のカリスマ並みだね」「神岡のカリスマだね」と勝手なことを言い合う。

気温は高く、むしっと暑い。熱帯低気圧のもたらす大粒のぬるい雨が降り続いてる。寝不足なので、しばらく車の中で仮眠。

台風の通過に備えてか、工事車両数台が第2ゲートの先に進んでいった。

10時を過ぎる頃、上流のダムの放水を知らせるサイレンが辺り一面に響き渡る。すぐ近くにサイレンの装置があり、猛烈な音波に圧倒される。たまらない。

ここはまだ携帯電話の通信圏内なので、天気予報を見たら明日も一日曇りの予報。台風一過ですっきりと晴れる予定はどこへ? と訝しく思う。

さて、と、ひとり算段に入る。
ここから広川原発電所まで徒歩2時間、打込谷出合まで3~4時間。広川原まではこれまでと似たような林道で、その先は山道になるらしい。打込谷出合までは行かずとも、ひとまず広川原までとして、行って戻って4時間。今からならば明るい内に戻ってくることは可能だな、と。

この雨の中を本気で? と見るからに厭そうな顔をする相方を宥め誤魔化して出発を決行。どのみち濡れるので沢靴とレインウェア。

広川原の発電所までは単調な林道歩き。右手のはるか眼下、木々の隙間から濁流が垣間見える。放水のサイレンが鳴るまでは水はまだかろうじて青さを残していたのに。
P8120024_s.JPG金木戸林道沿いに残る、森林軌道の跡。「No.17」で始まり、歩みを進めるほどに番号が若くなる。

よくぞまぁ、こんな場所に軌道を設置したものだと恐れ入る。







 


P8120032_s.JPG
金木戸林道。手掘りのトンネルや橋、切通しが続く。









P8120061_s.JPG
トンネル。その先にもトンネル。工事車両が進入できるようにというためか、かなり高さがある。

第2ゲートに近いいくつかのトンネルは内側に吹付補強が施されていた。でも岩盤剥き出しのほうが見た目に迫力がある。
トンネルスキーにはたまりません。うっとり。

岩が張り出している場所には「落石」、路肩が迫る場所は「路肩」と逐一赤ペンキで記されている。

途中で戻ってくる釣り人さんたちとすれ違う。



P8120037_s.JPG林鉄時代のトンネル。「あぶない!! なかにはいらないでください」と注意書きがあるけれど、柵があるのでどのみち入れません。












P8120063_s.JPG林鉄時代のトンネル。こちらは一見入れそうだけど、中に土砂が堆積していたので、どのみち入れません。。












P8120069_s.JPG12時少し前に池ノ尾発電所の取水堰。濁流が轟々と流れ白泡が泡立つ。









P8120077_s.JPG池ノ尾発電所入口。秘密基地みたいです。リアルで。










P8120079_s.JPG池ノ尾発電所脇の洪水吐。なんかもう「ゲロゲロゲーッ」って擬音が聞こえてきそうな感じ。(汚くてすみません…)

位置的にここは中ノ俣川からの流入で、神岡新道の南側と黒部五郎岳を結ぶ範囲が集水面積で、金木戸川上流とは別。
それにしても、見るからに適正水位を超過。

相方さんをと見れば、つくづく厭そうな顔をして嫌々ながらついて来る。なんだか申し訳ない。


P8120092_s.JPG
12時15分に北ノ俣方面と広川原方面への分岐に到着。迷わず広川原方面へ。

雨は止む気配なし。ただし風がないので寒くない。ありがたいけれど、台風の東側にいて風がないというのはちょっと不思議だなぁと思う。




P8120103_s.JPGまたまたトンネル。全部でいったいいくつあるんだろう。。










P8120107_s.JPG林道の緩やかな傾斜に比べると、川の傾斜の方がキツイので、歩くほど徐々に金木戸川が近くなる。

ザ・濁流。大きな岩が水圧に押されてゴロゴロ転がる低い音が響く。恐ろしい。

その「美しいエメラルドグリーン」色が讃えられる双六川とは思えない。むしろ黄河。



P8120113_s.JPG川幅いっぱいに濁流が広がっているものの、おそらくここが「広川原」だろうと思われる場所を通過し、13時15分に広川原発電所に到着。

かつてこの辺りは「青淵」と呼ばれる深く青い淵が続いていたらしい。
自然地形を活かして、今は双六川ダムがある。ダムといっても取水堰で堰き止めているだけという感じだけど。





P8120115_s.JPG取水堰から上流を眺めたところ。「ドキュメント 黄河」とかって、NHKあたりの番組のタイトル映像になりそう(無理?)。

取水堰の建物の陰で雨を凌げそうだったので、本日はここで幕営することに決定。

ちょっとお花を摘みに(←テクニカルターム)…と、建物を離れて林道脇に歩いていくと、先の川原から煙が登るのが見えました。

慌てて相方さんを呼び、「見て見て」と煙のほうを指差す。ちょっくら探索に行こうじゃないかと林道の先を進むと…川原の片隅に停滞中のパーティさんたちがいらっしゃいました。お話をしていたら沢本を記されているT氏のご一行。

昨日到着された時分には、川原の真ん中にわずかに水線が走る程度だったのに、今朝雨が降り始めたら見る見るうちに水嵩が増してきたとのこと。昨日の晩は対岸から流木を拾ってきたとか、対岸でビールを冷やしていたとか…今の川の様子からはとても信じられないコメントが続々。
しばらくお邪魔させていただき、色々とお話を伺いました。ありがとうございました。

雨は夕方遅くなってもなかなか止む気配がなく、いったん止んでもまた降りだす始末。
結局夜中近くまで降り続いた模様。

P8130141_s.JPG明けて翌朝の様子。
雨は上がったものの、空は曇天。それでも水はかなり引き、濁りもかなりとれました。








P8130157_s.JPG「まだまだ水量が多いから無理だなぁ」というT氏に判断。過去に何度もこの沢に入られている方の助言なので、今回は断念。

とはいえ、沢に入らないのも残念なので、ちょっくら小倉谷出合までお散歩。
右手の岩を回りこみ、水に飛び込んでみたり。





P8130169_s.JPG
広川原を過ぎたあたり、帰り道の林道から。

水流のある場所はまだ泥を含むのか緑がかっているものの、水溜りの箇所は濁りが落ち着き、双六川本来のピーコックブルー。

あの色が、陽射しを受けて駘蕩と流れる様を見たかったのになぁ。。

 

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Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。

色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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