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Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by - 2024.11.26,Tue
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Posted by norlys - 2009.02.12,Thu
2月11日(水、祝)は山の会の雪訓。前日夜に都内を出発し、谷川岳天神平ロープウェー駐車場で仮眠。
天気が良ければマチガ沢周辺で、天気が悪かったら土合山の家裏手あたりで実施の予定とのこと。

それにしても雪がない。出発前に谷川周辺の気象や積雪に関する定点観測情報をチェックして予想はしていたけれど、2月だというのに雪が少ない。前週の陽気でかなり融けてしまった様子。みなかみ温泉街周辺などは3月下旬の春山みたい。

朝6時に起床し各自で朝ごはんやら準備やらを進める。週半ばの祝日だからか、スキー客の出足は遅く、広いロビーも割合閑散としている。
7時20分頃に出発。多少雲はかかっているけれど概ね好天の様子なので、マチガ沢方面に向かって歩き出す。

この辺りは多少雪があるものの、積雪はおおむね50cm程度で、吹き溜まりでも1mあるかないか。風の通り道にあたる場所は露出したアスファルトにウィンドクラストの氷がうっすら張り付いている。部分的に除雪したのかと勘違いしてしまった。まさかね。

P2111033_s.JPG マチガ沢出合手前の道幅の広いところにザックをおき、すぐ側の斜面で雪上訓練開始。
マチガ沢出合からは、谷川岳の猫耳がよく見える。岩と雪の稜線が魅惑的。白と黒のコントラスト。振り返ると湯檜曽川を挟んで笠が岳の円錐形の山頂が見える。
空には雲が流れて飛ぶけれど、今すぐ急変する兆しはない。
こんな天気の良い日には雪訓ではなくて、山に登りたいですね~と、たまらずSさんに言う。そうだね、後で一ノ倉沢まで散歩にでも行こうか、とSさんが仰る。

斜面に突入する前にハンドテストを実施。まずは掌、次に腕と力を入れると、表面から5cmくらいのところでさっくり剥がれる。先週の降雪部分。次に肘に力を入れ、それから肩に力を入れると、表面から30cmくらいのところでガバっと剥がれる。おそらく前々週の降雪。剥がれた面を観察すると、はっきりとしたザラメが見てとれる。

Kさんがスノーソーを持ってきてくださったので、続いてコンプレッションテストを試してみる。雪を切り出してショベルのブレードを手で叩く。ブレードが堅いので、手が痛い(笑)。表面から5cmの層はすぐにぶっ飛び、30cm層から約4cm間隔の弱層が3段現れる。バームクーヘンみたい。

「これでなにが分かるんですか?」とSTさんが問う。「確実なことは言えないけれど、雪の状態がどういう具合なのかを知る手がかりですかね」と答える。雪は表面だけ見ても分からないよ~ということが分かればいいのだけど。分かったのかな。

斜面を少し上がり、アイゼンワーク。登る場合、下る場合、トラバースの場合と、それぞれに意識して足を運ぶ。

それから滑落停止の練習。背中にスカイボードという団扇みたいな簡易ソリを挟み込んで斜面を滑り降りながら滑落停止。傾斜が緩いし、雪質の関係もあってさほどスピードは出ないので、なんなく止まる。もうちょっと傾斜の強い場所とかアイスバーンでも試してみたいかも。

その後は支点作成。スノーバー(縦、横)、ピッケル、土嚢、枝を束ねたものの順に雪面に支点を作成し、その強度をみる。最初はプラトーがあまり踏み固められていなかったので呆気なくスノーバーが抜けてしまった。スノーバーは縦埋めよりも横埋めの方が良さそう。ただ、プラトーの状態が同一ではないから単純な比較はできないけど。プラトーがしっかりしていると、枝を束ねた支点にみんなが力をかけてもなかなか抜けなかった。
支点そのものも重要だけど、プラトー作りは本当に重要だと思う。支点からのメインロープの通り道を切り込んでおくことも重要(忘れていました。。)。それにしても、プラトーがぼごっと盛り上がってくるとヒヤヒヤする。

枝を束ねた支点作りの続きで、立ち木の枝から支点をとる方法を試す。クローブヒッチ、ハーフヒッチ、クローブヒッチの束ねを自分が作っていると、Kさんが自分が忘れていたポイントを指摘してくれる。あぁもう、本当にすぐに忘れてしまうよな。。とほほ。それからKさんが、クレムハイストを用いた束ね方を教えてくれる。

お昼少し前、寒気が吹き込んできたのか気温がぐっと下がる。じっとしていると結構寒い。雲が流れては消える。
先ほど滑落停止の練習でできたレーンを活用して、スタンディングアックスビレイの練習。
それからコンテ(大阪方式)のおさらい。去年練習したのに、ちっとも覚えていない。。とほほ。
午前の部の最後として、耐風姿勢の練習をして休憩。

マチガ沢を滑降してきたスノーボードの人たちが下山してきたり、スノーシューやスノーハイクの人たちが通り過ぎる。

午後の部はビーコン捜索の練習。何人かずつに分かれて、雪原に隠したビーコンを捜索し合う。初めてビーコンでの捜索を体験した人たちは、「本当に見つかるんだ~」と驚いていた。
実際には、完全埋没者をビーコンで発見する確率よりも、衣類や身体の一部など埋没者の位置を示す手がかりが明瞭である方が、よほど救助成功率は高いらしい。当然といえば当然かもだけど。
それでも、ビーコンの有無は万が一雪崩に遭った場合の生還率に大きな影響を与える。雪山に入るときになぜビーコンが必要なのかということを理解してもらえたら良いやね。

また、以前の講習会でもお世話になったKさんが、みなに要点を説明してくれるのを聞きながら、自分が結構たくさんのことを忘れているということを認識して愕然としてしまった。。漫然と技術解説書を読み流していても、ちっとも身についてないや。とほほ。

雪面にちょうど手頃な穴が開いたので、Kさんが潜り込んで、プローブで人を差したときの感触を代わる代わる体験する。まさに「ぶにょ」という感じ。う~む。。できれば、実地で体験したくないかも。。
その穴に2名ほど入って埋没体験。埋没者の声が外からどう聞こえるのか(ほとんど聞こえない)、埋没者には外部の声がどう聞こえるのか(方角が判別できないけど、割合はっきり聞こえるらしい)ということを学ぶ。

埋没体験をしたSTさんは、いくら体験とわかっていてもなんだか切ない気分になるらしく、発掘されたときには少し遠い目をしていた気がする。

これにて雪訓は終了~ということで、装備を片付け、荷物をデポしたままみんなで一ノ倉沢まで散歩。
積雪は少なく明瞭な踏み跡もあるし、もとより車道だし、手ぶらなのでたいしたことはないかと思ったけど、厚着のまま歩いていたら次第に汗だく。

一ノ倉沢の出合に到着すると、マチガ沢よりも峻険なラインが前方に広がる。シビレル。。
傾斜が厳しいため雪が付かずに黒い岩盤の露出した衝立岩が、雪景色の中にくっきりと浮かび上がっている。
見れば、足跡が沢の奥に向かって延びている。最近誰かが取り付いたらしい。

夏に見る一ノ倉沢の風景も圧倒的だけれど、冬の眺めはより一層厳しく威厳に満ちている印象。
谷川はアクセス至便で、実際に冬の時期を除いてはここまで車で入ってこれるくらいの場所だけど、その先に広がる風景はなんというか別世界だよなぁ。。とヒシヒシ思う。

マチガ沢への帰り道、急速に雲が広がり、ちらほらと飛び雪が舞い始めた。マチガ沢からはもはや谷川岳は望めなかった。デポしたザックを担いで谷川天神平ロープウェーに戻る。山を降りるほどに天気が良くなり、駐車場に到着する頃には、土合駅周辺には西陽が当たっていた。

近場の温泉で温まり、途中の赤木高原SAで夕飯を食べて解散。

楽しかったです。いかに自分が忘れやすいかしみじみ実感しました。ううう。
みなさまお疲れさまでした。
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自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。

色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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