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Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by - 2024.11.25,Mon
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Posted by norlys - 2011.08.10,Wed
週末は前週天候不順で中止となった赤谷川本谷へリベンジ…! と願い、現地入りしてみたものの、どうやら草津地方から雲が流れ込んできているわ、そもそも天気予報は雨マークだらけだわ…というわけで、先週に引き続き今回もまた中止。残念。

気象衛星図を見ると雨雲はしばらく吾妻地方に留まっていそうだったので、転進用に準備しておいた根羽沢大薙沢へ。この沢は、まだ沢を始める前のずいぶん昔にネットで記録を見て以来ずっと気になっていたところ。

沼田市街から片品村へ入ると青空が広がり始め、よい感じ。
ただ、尾瀬周辺はここ数日夕方になるとみなかみ北部以上にゲリラ雷雨が活発になっていたところ。何時までお天気がもつかな…、まぁ谷川方面と比べれば地形的に増水の心配は少ないから、とりあえず行ってみよー! と、大清水の駐車場で遡行準備。

RIMG0052_s.JPG平坦な林道を30分ほど鬼怒沼方面へぽくぽく歩き、物見橋を渡ると入渓点となる広い広場。ここは湯沢と根羽沢の出合。広場の先にはかつての鉱山跡を偲ばせるズリ山がどでんと積み上げられていました。根羽沢鉱山の主要産出物は金と銀。金と銀! (な、なんだってーw

ただし、含金銀石英脈の地層ということで、別に金の塊がゴロゴロ転がっているわけではないそうです。よくわかりませんが。
でも、変哲のなさそうな岩盤を掘削して金やら銀やらを精錬して…と、ずいぶんと昔からやっていたんですよね。すごいな。一体どうやって?
RIMG0057_s.JPG広場から沢に降りるとゴーロと倒木の多い、ちょっと荒れた印象のあるナメ沢。








RIMG0056_s.JPGいきなり6m滝のご登場。
下に大きな釜があるのでドボンしても大丈夫だろう…と、細かいスタンスを拾って右壁を直登。
帰りは左岸の側壁を伝って降りました。

右岸に軌道跡を辿る高巻き道があるらしいけれど未確認。




RIMG0059_s.JPG6m滝を上がり少し進むと前方、右岸に人工物発見。
H鋼を組んだ軌道跡。その下の斜面にはおそらく以前の軌道だった木材がごろり。







RIMG0067_s.JPG小滝を構える釜を左からヘツルところの上部に試掘跡があり、そこから冷気が噴出しているようで、このあたりだけやけに空気が肌寒し。

急速に寒気が入ってきたのかと思って、一瞬戸惑いましたが、ここを抜けたら空気がぬるくなってホッ。









RIMG0093_s.JPGそこから先はひたすら穏やかな渓様。
「これはナメてるね~」「だいぶナメ過ぎでしょう~」とお約束の会話を交わし、ヒタヒタ、ぽくぽくと歩いて顕著な二俣から左俣へ。

途中は樹林に覆われ岩の苔むした奥秩父の小沢のような様相で、特にイベントもなく距離を稼ぐ。
とはいえ、石英鉱脈やガレの押し出しに金属結晶を含む青銅色の粘土があったりと地層の変化がなかなか楽しい。根羽沢は以前「粘沢」という表記だったらしいけれど、なるほどその由来はこれかな。

RIMG0121_s.JPG左沢にかかる見事なナメ滝を見送るあたりから、傾斜の緩い黒いナメの小滝が連続し出す。難しいところはとくになく直登できるか、主に左岸に明瞭な巻き道あり。







RIMG0132_s.JPG3段ナメ滝最上部の10mくらいの滝は左のガレから水流を右に入り直登。続く8mくらいの滝はさすがに傾斜が強くて水流右のガレルンゼから落ち口経由で越える。

この先はもう滝がないのでしばし休憩。赤谷用に買っておいたビールをプシュ。

左から入るナメの水流を分けると水量がぐっと減り、足場はガレガレに。
水流を詰めるべく最後の分岐を左入り大ガレの急登をツメて樹林帯へ。藪漕ぎなし。(ここでツメた先を真っ直ぐ進んだところ燕巣山方向に向かってしまいそうになったので、右に右に回り込むように進むか、最後の分岐を右に入ったらどうなんだろう…ただガレを詰めた先の踏み跡は結構しっかりしていたしなぁ…(悩)


RIMG0175_s.JPG地図にないマイナールートながらも山道は明瞭で(東電の送電線巡視路だから?かな)、木立の間から日の降り注ぐ丸沼高原方面を遠望。

残念ながら、日光白根は雲の中。





RIMG0186_s.JPGコルに下りるとそこは四郎峠という旧道の峠道だそうで、丸沼高原に至る登山道を示す道標やテープがたくさんありました。
立ち木に赤テープが二重に巻きつけられた箇所から顕著な踏み跡を辿り、右俣への下降開始。




RIMG0203_s.JPG突然「キャンッ!」と甲高い声が聞こえ、「サル?」と群れの攻撃に身構えていたら、一匹の鹿が藪の中に消えて行きました。ほ。

右俣上部は左俣よりも上部が開けて明るく、至るところにガレの押し出しあり。あと雪に運ばれたと思しきゴーロがゴロゴロ。
ここのところの雨で地盤が緩んでいるだろうから、落石があったら厭だな…と思いながらぽくぽく進む。


と。




RIMG0209_s.JPGと、いきなり前方にナメ床が続き始めてびっくり。
写真では見たことあるけれど、百聞は一見にしかずなんだな、と。








RIMG0222_s.JPG家に帰ってから確認した「東京近郊の沢120」での大薙沢の紹介文には「このナメ、一体どこまで続くの~?と思わず口にでるほど」とあり、なるほど、まさに。

灰青色の岩に茶色の縞がある溶結凝灰岩のナメ床。
虎毛の沢に似ているような気もする。




RIMG0245_s.JPG下っても下っても、ナメまくり。ナメるにもほどがある。
幸いにも午後になってから雲が減り、夏の日差しがキラキラと水面に反射して美しかったです。











RIMG0268_s.JPGここのナメはフリクションが抜群で、右俣唯一の滝である3m滝もスタンスを拾ってノーロープで降りることができました。フリクションが良い分、ウォータースライダーはできないけど。











RIMG0305_s.JPG左俣との出合まではひたすらナメナメナメ。ところどころゴーロの堆積した箇所もあるけれど、とにかくナメすぎ。








朝、道を分けた左俣との分岐に戻り、ひたすら下降。遡行しているときよりも、上から目線がある下降の際の方が、下流部にもナメが多いように思われました。

懸案だった6m滝もロープを出さずに降りることができ、今一度鉱山の軌道跡を右手に見たら、朝入渓した広場に到着。

ツメの藪漕ぎもなく、癒し系のナメ沢を1日中ぐるりと辿るという行程は、癒し系の沢好きにはたまりません。
お天気も、結果として概ね曇りときどき晴れで夏の眩しい陽射しが開けたナメ床を照らす、気持ちの良い一日となりました。遡行を終え、花豆ジェラートを食べ、駐車場で片づけをしてさぁ温泉へ…というところでザーっと土砂降り。タイミングに恵まれてラッキーでした。

根羽沢鉱山が栄えていた時代には小学校や映画館があったとのことですが、多くの人がそこで生活を営んでいた跡は、今回歩いた範囲ではまったく見かけませんでした(鬼怒沼方面への登山道にあるのかも)。
入渓まもなくの地点に古そうなジュースの空き缶の欠片が土中に埋まっているのを見かけたくらい。
人間がそこで活動した痕跡は、いずれ跡形もなく消えてしまう儚いものなんだな…と、思ってみたり。

※帰宅後、改めて根羽沢のことを調べていたら、植物学者であり登山家でもあり尾瀬の保護に尽力された「尾瀬の父」である武田正久博士のことに言及されている記録を多数目にしました。1907年7月9月に大薙沢を遡行し、翌10日に四郎沢を下降し丸沼に至った記録が博士の著作「尾瀬紀行」に記されているそうです。
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自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。

色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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