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Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by - 2024.04.27,Sat
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Posted by norlys - 2007.10.09,Tue
週末は、今年最後の無雪期北アルプス縦走のチャンスということで北鎌尾根に行くぞと意気込んでいたのですが、3連休の最終日の天気予報が思わしくなかったため中止にしました。
まぁ山は逃げないので、来年のもっと良い時期にリベンジしたいと思います。とまぁ、こうやって宿題が増えていくような。。。

そんなわけで、出発直前で急遽計画を変更し、小川山でフリークライミングとなりました。
そろそろおなじみとなった(といってもまだ3回目ですが)コースを辿り、悔しいくらい青空の広がる小川山に到着。

到着後UさんとNさんが所要でいったん来た道を引き返すことになり、その間自分とY君は薪拾いに。小一時間ほどで一晩の焚き火には十分な量の薪が集まったので、しばしまたーり。なんという贅沢。
ううむ、これなら仕掛かり中の編み道具一式を持ってくれば良かったかもなどと思いつつ。

とはいえまだ陽も高くせっかくの小川山なので、惰眠をむさぼり続けるのも惜しく、それでは人気ルート「小川山物語(5.9)」のある父岩ゾーンを探索してみましょうかということに。

トポを頼りに踏み跡をたどると、意外にも兄岩ゾーンはキャンプ地からほど近い場所にありました。今までマラ岩とガマスラブの岩場しか訪れたことのない自分にとって、新しい岩場は新鮮。

小川山物語は60mロープでぎりぎりというすうっと天に伸びるようなフェイスのライン。とても美しいのですが、同時にとても怖く、リードで登る自信がまったくありません。うう、ヘタレです。ごめんなさい。

Y君がリードで登り、自分はトップロープで「登らせていただきました」。ありがとうございます。
トップロープなのだから、そのまま吊り下がっていればよいのに、途中でテンションをかけて休み休み登りました。登っても登っても終了点が遠い。。

matsumushi_sou.JPG
岩場を離れたときはすでに5時近く。そろそろ日没の時刻も迫ってくるので急いでテン場に戻りました。

途中で見つけたマツムシソウ。秋の代表的な野草だそうです。ほへぇ。。知りませんでした。雪の結晶みたいでキレイ。



テン場に戻って焚き火を燃やして夕餉の支度。徐々に周囲が暗くなり、日中の暖かさはどこへというくらいしんと冷え込んできました。吐く息が白いのは焚き火の煙を吸い込んだせいではなさそう。手元の時計によれば気温は6.5度。

2時半に起きて金峰山に登り朝陽を拝もうということで、10時半にほどなく就寝。
トイレに行きたいなぁどうしようかなぁと2時くらいからモソモソしていたこともあって、2時半にセットした目覚ましが鳴る2分前に起床。

体調の優れないNさんとUさんを起こさないようにと一気にテントを出ると、思ったよりも外は冷え込んでおらずひと安心。月のない真っ暗な夜空に散りばめられた満天の星がさざめいていて、なんとも美しいです。

しばらくは沢沿いの林道歩き。「クマに会いたい」という夜の山歩きの達人Y君の後ろを「クマだけは勘弁…」と、びくびくしながらついて行きます。

途中で作業場と思しき小屋やなぜか車止めを越えて林道の奥まで入り込んだ自動車を見かけました。森の暗さや遠くで聞こえる鹿の鳴き声はまだ平気なのですが、なぜか暗闇の中に佇む人工物の方がはるかに怖かったです。。なぜでしょう。

あまつさえ、「幻想が向ふから迫ってくるときは/もうにんげんの壊れるときだ」という宮沢賢治の小岩井農場の一文が頭の中でぐるぐる廻りました。夜の樹林帯歩きが初めてのせいか、無駄に緊張しすぎです…(苦笑

丸木橋を渡ると山道に。1時間ばかり平坦な林道を歩いてきたのでウォームアップは十分と思っていたのですが、案外スピードがあがらずゆっくりペースで登ることにしてもらいました。

わずかなヘッドランプの灯りを頼りに、ひたすら足元を見つめながら山道を登るのはなかなか緊張感を強いられます。それでも時折立ち止まって木々の間から空を見上げると、銀色の星の光が染み入るよう。

沢筋を離れてしじまに包まれた登山道をぽくぽくと登っていると、天上の星と交信できそうな気分に(やっぱり壊れていたのかも^^;)。
登山道の中間地点という標識を過ぎてしばらくすると道がシャクナゲに囲まれ、傾斜が次第に緩やかになり、見上げると空に細い月が昇ってきました。

この頃にはすっかり夜道歩きも楽しくなり、明け方は多くの生命が誕生する時間だといういつ誰から聞いたのか覚えていない言葉を噛み締めていました。

金峰山小屋に到着したのはちょうど5時になる頃。まだ空は薄暗闇の中。小屋の前には出発支度を整える登山客がちらほら。

金峰山小屋から山頂まではコースタイムで20分とのこと。
この日の日の出は5時40分ということだったのですが、なぜか自分は5時20分と勘違いしていて、うわーこのままでは日の出に間に合わないかも…と内心かなり焦っていました。いったいなにを勘違いしたのやら。。

岩がちな登山道を登り、無事5時15分過ぎに山頂に到着。ふー間に合った。
山頂にはカメラを構えた先客さんがふたりばかり。その後も続々と登山客が山頂に集いはじめました。

kinpu_san_1.JPG山頂の岩塊をよじのぼって東の空を見ると、群青色の空の高みに小さく架かる星と明けの明星、低いところはオレンジ色の朝未来。高層には雲ひとつなく、眼下には一面の雲海。

kinpu_san3.JPG東南の方角を見やると雲海の波頭の向こうに富士山の雄姿が鮮明。東の海にあるという蓬莱山とはこれのことでしょうか、という気分。

振り返ると西には南アルプス、中央アルプス、八ヶ岳、北アルプス、小川山、瑞牆山、上州の山々、奥秩父の山々、それからよくわからないけど、はるか遠くの山の影が雲海にぽっかり顔を出しています。


寒さにたらたら鼻水を垂らしつつ、手袋をはめても寒さで指がかじかみながらも、あまりの絶景に180度周囲をぐるぐると見回していました。

5時40分を過ぎ、東の空が一段と明るさを増して、手前の山影に太陽が顔を出しました。

kinpu_san2.JPG周囲は一瞬黄昏と見間違う暁の光に包まれて、なんかもう荘厳です。いやはや眼福、眼福。

すっかり陽が登ってもなんだか立ち去りがたく、ひたすら写真を撮りまくり、五丈岩に攀じ登ろうとして断念したり(寒さで体が動かない状態でフリーソロはちと怖い。。)、なんだかんだで1時間ほど山頂に滞在した後、下山しました。


すっかり明るい登山道を、暗闇の中とは打って変わってあっけないほどするりと下り、8時半ちょうどにテン場に帰還。

朝ごはんをしこたま食べて苦しみつつ、ぼちぼちと父岩を再訪。とはいえ、本日もまたリードで登る気分にはなれず。前のグループの方のご好意でロープをお借りして、トップロープの付け替えをさせていただきました。

よく見ればハングしているわけではないし、ホールドはふんだんにあるのだから、休み休み登れば大丈夫なハズ…と自分に言い聞かせて、今度はテンションかけずに登ることができました。ふー。
終了点から振り返って見る景色はとても高度感があり、これぞ外岩の醍醐味という感じで爽快。

テン場に戻って夕飯?を食べ、ぼちぼちと片付けをして温泉に立ち寄り(これがまたなかなか。。)、一路帰京。さすがにこの日は行動時間が長かったせいか車中で超爆睡(すいません。。)。

岩と山とのんびり楽しんだ2日間でしたが、毎度ながら個人的に反省点も多数。
小岩井農場ネタついでに、小岩井農場の有名な一説を復唱しつつ。

もうけつしてさびしくはない
なんべんさびしくないと云つたとこで
またさびしくなるのはきまつてゐる
けれどもここはこれでいいのだ
すべてさびしさと悲傷とを焚いて
ひとは透明な軌道をすすむ

春の風景を描いた詩なのに、なぜか秋の季節の方が似つかわしいと思います。ラリックス、ラリックス。
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norlys
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非公開
自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。

色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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