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Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by - 2024.04.29,Mon
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Posted by norlys - 2007.08.09,Thu
8月6日(月)~8月8日(水)の三日間で北岳に行ってきました。
目標は、憧れのバットレス!! だったのですが、「ムーブを知らない初心者でも登れる」と言われる四尾根を無残にも敗退。。。
敗退の原因は自分にあるので、泣くに泣けませんが。。。クラックでの立ち上がりで膝を捻ってしまったので、下山することになりました(号泣
下山途中で痛む膝を反対に捻ったら、スコンと快復してしまったというウソのようなホントのお話。
最終日でもある翌日は、岩は諦めて八本歯→北岳山頂→草スベリのルートで山頂を踏んで下山→帰京。
今度こそは必ずバットレスを登ってやる~と思いながらの敗退記は以下。
/* 長い、長すぎるよママン。

8月6日(月) 晴
午前7時発の高速バスで新宿駅→甲府駅。甲府駅には予定どおりに9時到着。盆地だからか甲府駅前はむわっと蒸し暑~。
10時発の甲府駅→広川原行きのバスに乗車。平日とはいえ夏休みだからか、それなりに乗客は多く、特に普段よりも家族連れが多い印象。よ~しパパ、北岳登っちゃうぞ~という感じ。
12時10分に広川原到着。陽射しは強いものの下界よりは爽やか。広場の向こう側には、北沢峠行きのバスを待つ人たちがいっぱい。
とはいえ、クライマーらしき格好をした人は自分たちしかいません。縦走系の人ばかり。今の時期、アルパインクライマーはもっと北の方に遠征しているのでしょうか。

12時45分に広川原を出発。すぐに現れる分岐で白根御池方面に向かいます。樹林帯の中は涼しいのに、大荷物のせいか汗が止まらず。なにしろ2泊3日テント泊+クライミング道具一式。いやいや冬季バリエーションの荷物を思えば、なんのこれくらい~と自らを励ましつつ、ゆっくりと一歩一歩高度を稼いでいきます。この尾根道は今年の6月末の北岳登山で下山に使ったルート。アレ結構な急登だったよなぁ。。と思っていたのですが、ペースがちょうど良かったおかげでなんとかバテずに尾根道を登りきり、2300m地点に到着。あとは穏やかなトラバースルートを歩けば本日の幕営地である白根御池小屋は目前。途中にある大樺沢の支流の冷たい水に癒され、コースタイムぴったりの3時間後、15時45分に白根御池小屋に到着。
まだ陽の明るい静かな山間の山荘前には、多くの人がのんびりと荷を降ろして寛いでいました。中には生ビールを片手にテーブルで談笑している人たちも。おお、生ビール!! と、さっそくテント場の奥に場所を確保しテントを張って、いざやビールビール。
生ビール850円、缶ビール(500ml) 700円、缶ビール(350ml) 500円、というラインナップ。
ちょっとお高めですが(山だしね)、やっぱり生でしょう~、ということで、受付を済ませたらそそくさとジョッキで乾杯。
0bc7d54fjpeg白根御池小屋は2006年にリニューアルしたばかりで建物も真新しく、なんと水洗トイレ完備。水も豊富で実に快適。
外がまだ明るいので、テントの前につまみを並べてお酒を呑みつつ夕飯の準備。
翌日の行程を話しているうちに、ようよう空が暗くなってきました。気がつけば満点の星空。
夜の帳と一緒に、昼間の暑さがすうーっとひいて、ひんやりと寒気が降りてきました。あぁもう夏も終わりだな~と、秋の気配を感じさせる空気。
あれやこれやとヨモヤマ話をしてラジオで気象情報を聞き、21:00に就寝(8時にはシュラフに潜り込んだのですが、ヨモヤマ話が続いて、寝付いたのは9時になってしまいました)。



8月7日(火) 晴、一時雨のち晴
DSCF3566.JPG午前3時に起床。ヘッドランプもいらないほどに、すでに外は薄明かり。刷毛で掃いたような雲が少し空にかかっているけれど、行動時間中の天気は大丈夫だろうと支度を整えて、予定通り4時半にテン場を出発。ガチャと行動食を詰め込んだサブザックを担いで二俣へのトラバースルートを歩きます。

4時50分に広川原の二俣に到着。大樺沢沿いに八本歯方面を目指します。大樺沢の雪渓は、6月末に訪れたときよりもすっかりなくなっていて、沢沿いの夏道が出ていました。



バットレス沢、ヒドゥンガリー。。。と、バットレス方面から伸びる沢を通過してさらに上部に登っていきます。
あと少しで八本歯への分岐かなというところで、右にそれてガレたD沢に分け入り、草原の踏み後をたどっていくと目の前には。。。うわバットレス。
DSCF3607.JPG
Dガリーの下には雪渓が少し残っていましたが、幸いにも下部岩稜の端には雪はついておらず、岩場をつたって下部岩稜に取り付き。この時点でちょうど7時。
この日は先行パーティもいなければ、ほかのパーティが後から登った様子もなく、またしても貸切状態。このあたりは上部からの落石が多く過去に落石事故による死亡事故もあったということで、人の気配のなさにほっとひと安心。




装備を整えて7時半すこし前に登り出し。まず1ピッチ目はDガリー大滝からスタート。自分はフォローなので、安心して快適なクライミングを楽しむ。うわ~バットレスだわー、と。2ピッチ目はそのまま上部につなぎました。傾斜はほどほどに緩く、手がかり足がかりもたくさんありますが、リードで登る自信は。。。ほしい。本当にほしい。
2ピッチ目は長いルートで、45mロープがいっぱいになってしまいました。幸い、リードのH氏はテラス状のところに到着したので、そこでピッチを切っていました。
さて、そこからは本日の課題である下部フランケにつなげる予定でした。。。が、取り付きはどこ??
岩場の上方に残置のハーケンやロープは見えるものの、のっけからかぶったフェイスのルートで、見るからに。。。あう

しばらくルートを探してあちこち見回りますが、いまひとつ不安。なにしろ自分はバットレス初心者なので(言い訳不可。あう)、ルート図を眺めつ目前の岩場を眺めつしても、ちっとも役に立たず。
あとから判明したのですが、当初取り付こうとした岩場はピラミッドフェースだったのこと。
なにぶん今のわたしでは力量不足と思われ、む~ん。。。と唸っていたところ、H氏が奥に巻けば四尾根に出られるよ、とのこと。

というわけであっさりと下部フランケ・上部フランケのルートを断念し、正面に向かって右手の四尾根方面に。ピラミッドフェース下のトラバースは岩場がぐさぐさのもろもろで短いけれど。。怖。
巻き道を歩いて(一応ロープを出したけれど、帰りはロープなしで歩きました)、四尾根の下部に取り付き。この時点ですでに12時近く。短いクラックのルートを1ピッチ登りました。テラスからは富士山の頭がちょこっと見えて感動。

DSCF3635.JPGそこからまた右手に歩いて短くて乾いた苔のフェースを登ると、ちょうど緩傾斜帯というバンドに出ました。通常はbがリーやcガリー方面からこの緩傾斜帯を歩いて四尾根に取り付くのが早道なのだそう。さっきよりも富士山が大きく見えます。ぼちぼち1時過ぎで、今から仕切り直しだと山頂に出るのは。。。「早くて3時くらいかなぁ」とH氏。いくら陽の長い今の時期とはいえ、遅れたらまずい。。という焦りが内心にあったのかもしれません。快適そうなクラックに左足を入れて、左側の岩場に手をかけようと立ち上がろうとした瞬間、「痛!」。
無理な姿勢のせいで左膝裏の筋を痛めてしまいました。まるで生まれたての小鹿のように立ち上がれず。。。


悔しい、という気持ちと、せっかくの夏休みをバットレス行きにお付き合いくださったH氏に申し訳ない気持ちと、純粋に痛くて、涙がちょちょぎれました。
幸いにも自分フォローだし、リードのH氏はすでにビレーポイントを確保している、直近の支点は目の前、足場は最高ではないにしろそこそこ安定した場所、両手と右足は大丈夫、骨折のような響く痛みではなく、これは筋が痛んだもの。。。曲げていると痛くないけど左足をまっすぐに伸ばせない。。。ぐるぐると頭の中で考えながら、なんとか上に登ろうとその日初めてのA0をしましたが、やっぱり痛い。。

「すいません、無理です」と登攀を断念。H氏が最初に上から懸垂下降で降り、自分もすぐ真下の取り付きのテラスまで懸垂下降で降りる。このとき2時15分くらい。
岩にもたれて左足の筋をマッサージすると、少しずつ足の稼動範囲が広がって良くなっているような感じ。でもまだ左足では立てない。困った。
最悪ヘリコプター??? みんなに迷惑をかけるなぁ。。。なんとか下山したいなぁ。。。とぐるぐる。
「ツェルト持ってきているよね」「はい、あります」H氏は万一の場合はその場でビバークしようと考えていたとのこと。一方で、わたしは絶対に今日中に自力で下山することを念じていました。
3時まで様子をみようと言っていたけれど、なんとか力を入れなければ左足で立てるようになったので2時半に下山開始。

さっき登った苔付きのフェースを懸垂下降。ロープが振れて左足が岩に当たると、痛~(涙
辛いなぁ。。と思いながら、続けて懸垂下降をもう1ピッチ。岩にぶつかる~と衝動的に左足で岩をキック、その瞬間「ぱき」と左足から音が。地面に着地して「あれ?」左足が軽い、立てる、力を入れても平気。
おおおおおおー復活!!ぜんぜん痛くない~!!
く○~もっと早く復活していれば。。。。!!!!!! (断末魔) 
同行の山の師匠、H氏にはご迷惑をおかけしました。ほんとうにすいません。
これに懲りずによろしくお願いいたします。

と、突然雲行きが怪しくなり、ポツリポツリと雨が降り始めました。
bガリーから懸垂下降をしようということで、緩傾斜帯と思しき場所を横断してはうろうろと懸垂下降ポイントを探しますが、なかなか見つかりません。

ここはどこ。。。? と振り返ると、岩に赤いスプレーで「cガリー」とな。
さすればbガリーは岩場を背に左手奥だけどトラバースポイントが見当たらない。。。
ガレ場に転がる古びた片方のスニーカー。持ち主はいったい。。。どきどき。。

最初に登ったルートに懸垂下降の支点があったはず。。。ということで、再度来た道を戻りピラミッドフェースの下部に戻りました。そこから3回にピッチをきって懸垂下降。残置ハーケンやシュリンゲが若干年季が入っていて少々剣呑な雰囲気ですが、無事に一番最初の取り付き地点に到着。いつの間にか雨も上がり夕陽が差し込んできました。
ガチャを片付けて無念の敗退のままバットレスを後に。うううううううくやしーーーいーーー。

cガリー沢右岸の樹林帯を下ると、ところどころ木にテーピングが巻きつけてありました。クライマーならわかるよねOK?という感じ。OKビリー、おいらにはお見通しさ、と、さっきまでオロオロしていた自分はどこへというくらい呑気な帰り道。

陽は少し傾き始めたもののまだ明るさの残る大樺沢には、もはや誰もいません。人の気配のない北岳の大動脈をのそのそ下る影ふたつ。5時半に二俣に到着。無事に6時ちょっと過ぎには白根御池小屋に帰還。

無残にも敗退となってしまったけれど、生ビールで乾杯。つか、バットレスに完敗。
く~リベンジしたいー!!!

8月8日(水) 晴ときどき曇り
前日にバットレスからの帰り道に、翌日は北岳のサミットハントにしようということにしていました。
遅くとも夕方4時広川原発のバスに乗ろうとすると、おそらく日帰りでのバットレス登攀は厳しいかもということで、八本歯のコル経由で北岳山頂を踏んで草スベリ経由で白根御池に戻る、と。
4時に起床、5時45分にテン場を出発。H氏はいまいち体調が優れないようでしたが、昨日のバットレス敗退だけが記録に残るのはあまりにトホホなので、自分はかなりヤル気で引っ張り出してしまいました。すいません。
幸い左足はほとんど痛みもなく。なにしろ空身なのでうれしい。
「早いね~。今日の一番乗りだよ~」と、途中の八本歯で北岳山荘からの下山中の方に言われました。6時10分広川原着のバス客と思われたんでしょか。それなら確かに早いかも~ですが。

途中、バットレスがよく見える場所で足を止めました。ほんとうならアレを登って山頂に抜けていたはずの自分を想像すると悔しさ満点。アンド、救助要請とならずにほんとうに良かったとあらためて安堵。
8時45分に八本歯のコルに到着。目の前のボーコン沢の頭が相変わらず素敵です。
「アレ(ボーコン沢の頭)に登りませんか?」とH氏に問うと、アレに登るか北岳山頂に登るかどっちかという回答だったので、高いほうがいいなぁと一路北岳山頂へ。

DSCF3703.JPG9時ちょうどに山頂到着。何度来てもいいですね~。
彼方に富士山、南アルプス山系、此方に中央アルプス、北アルプス、そなたに鳳凰三山。ところどころ雲がかかっているものの、なかなかの絶景。

あれは塩見、前に登ったよ~、あっちは鋸岳、いつか登ってみたいんだよね~、あれは槍ヶ岳かな雲で見えないな~というH氏の講釈に地図を首っ引きで180度ぐるぐる見回す自分。
早いところ、山容と名前が一致するようになりたいものです。。


山頂でのんびりと休憩していると、ふわりと広川原方面からガスが立ち昇ってきました。みるみるうちに広川原側はガスの中。反対側は相変わらずスカーンと晴天。山の天気はほんとうにめまぐるしい。

9時45分に下山開始。前日膝を痛めた自分は恐るおそる付いていくも昨日の痛みはなんだったのかな。。と思うほどに復活。

10時ちょっと過ぎに肩の小屋に到着。広川原方面から吹き上る湿気をはらんだ風がぬるく、山頂とのお別れを実感。小太郎山との分岐を草スベリ方面に下り、上り坂でバテ気味の登山者とすれ違いながら下る下る。
11時ごろ眼下に白根御池が見えてきました。あれ、このペースならもしかして13時25分のバスに間に合う? ということで一段とスピードアップ。11時15分には白根御池小屋に到着。

テントを撤収し荷造りを終えたのは12時5分。うーむこれは微妙かな、でもまぁ16時のバスもあるしなぁ~と、広川原を目指して下山。なにしろ大荷物で梯子の多い急坂なので、着実に歩くことに専念。結局、広川原に到着したのは13時50分でした。
16時のバスを待つ間にアルペンプラザのトイレで着替えをし、のんびりとビールを二缶空け、酔っ払った勢いでバス停そばの岩でボルダリングもどきを楽しんだりしているとあっという間にバスの発車時刻に。

携帯電話も通じない、山で働く人や山を楽しむ人しかない山の奥でゆっくりを時間を過ごすのはいいものだなぁと思いながら、北岳にお別れ。
広川原→甲府駅、甲府駅→新宿駅とバスを乗り継いで帰りました。

後になって痛みが出てくるかな。。。と恐れていた左足も拍子抜けするくらいなんともなく、筋肉痛もほとんどなく(二日目が怖いw)、無事に家に帰ってこれて良かった~としみじみ実感中です。
でもこれに懲りずに真面目にジムに通って、またバットレスに挑戦したい気持ちでいっぱいでもあったり。
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norlys
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Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。

色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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