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Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by - 2024.11.29,Fri
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Posted by norlys - 2009.06.23,Tue
週末は谷川岳。一ノ倉沢衝立岩中央稜へ。

谷川に行きたいなぁと願っていたら、梅雨の合間の土曜日にぽっちり晴れマーク。
金曜夜に都内を出発。水上ICを降りて最後のコンビニで買出しをした後、珍しく自分が車の運転を代わってみたりして、こわごわノロノロと進んだことから到着が遅くなってしまった。。トホ。

土合駅脇の踏切工事のため土合駅から先の道が夜間一時通行止めになっていたこともあり、一ノ倉沢出合の駐車場は3分の入り。ここで車中泊。到着直後にしとしとと霧雨が降り始める。う~む。

午前4時半にセットした目覚ましが鳴るものの、周囲はガスガス。すでに出発の準備を整えているパーティが多数いるけれど、睡眠不足と思わしくない空模様ですっかりモチが下がり、二度寝。
その後もつらつら起きては三度寝、四度寝^^; 。とうとう7時を過ぎたところで、車を揺らす人が(笑)。
同日早朝に都内を出発して谷川を登る予定のOさん、Nさん、Mさんの3人。すでに装備を整え、さて歩き出そうかという前にひょいと覗いたら、自分たちがまだ眠りこけていたので驚いたそうな。

「おい、Y行くぞ」と御大O氏が声をかけ、Y氏いわく「ハイキングにでも行くみたいに気軽に」3人は先に出発。
そこからの自分たちの行動は目覚しく(笑)、朝ごはんを食べてギアを装着して30分後には歩き出し。

P6200002_s.JPG慌てて向かった一ノ倉沢は出合から見るとガスガスで、雨こそ降っていないものの自分のような初心者には険悪な印象。

←だって、こんなんですよ。。。(言い訳イクナイ^^;

すでに8時近くという時間もあり、ガスっぽいこともあり、やけに蒸し暑い。左岸の踏み跡から雪渓に下りると、ひんやりとした冷気が心地よい。

今年の冬は例年よりも雪が少なかったものの時期が早いためか、ひょんぐりの滝はまだ雪渓の下。




P6200010_s.JPG雪渓上をペタペタ歩き雪渓末端から難なくテールリッジに飛び移り、フィックスロープに沿って岩場歩き。岩はほとんど塗れておらず、ただし靴の裏の泥のために滑りやすい。(帰りには、一部雪渓が大きく崩壊し始めている箇所がありました)

←テールリッジ末端に到着。崩れないでおくれよと内心祈りながら岩場へジャンプ。

相変わらずガスっぽいけれど雲の密度は低いようで、周囲の視界は利く。どのみち稜線上に上がるまでは一ノ倉沢の中しか見えないので、雨さえ降らなければ良し。

OさんにはっぱをかけられのかY氏は目覚ましく先を進んでいく。一方で、自分は暑さに参って休み休み。

8時半少し前に中央稜基部に到着。ちょうど先発したOさんたち3人がスタンバイ中。なんでも南陵奥壁は大混雑だったので中央稜に転進したそうな。なるほど左手を見れば、南陵テラスにまだ登り始めていないパーティが待機中。

Oさんたちのパーティが登り始める間に最後の準備を整えロープを結び、自分たちもスタンバイ。奇数ピッチは自分、偶数ピッチはY氏。8時50分に登攀開始。

P6200018_s.JPG1ピッチ目: 自分がリード。中央稜基部から左上。抜け口のみ少しホールドが乏しくなるものの、概ね階段状の岩場。アップに最適、快適。正直、Ⅳ級もないと思う。
(後日談: まじまじとガイドブックを見直したところ、どうも今回ピッチを切る箇所が早すぎただけで、2ピッチ目の出だしのトラバース箇所(逆層のところ)の先まで伸ばしてのⅣなのだろな…と。)
(さらに後日談: 白水社登山体系を見たら、1ピッチ目の終了点は正解だったっぽい。まぁたしかに後半ちょっと逆層気味…というほどでもないような。。)
←中央稜基部から1ピッチ目。朝イチだしこれくらいが丁度良いです。

終了点から見上げる衝立岩末端のスラブが圧巻。Oさんたちの前のパーティが詰まっているため、背後にある滝沢スラブについてOさんから講釈を受けつつ、しばし待ち。待っている間、衝立岩正面で落石が落ちる音が響く。

2ピッチ目: Y氏リード。1ピッチ目の終了点から左にトラバース。稜線を越えてルンゼを上がる。ホールドは大きくてがっしりしているけれど、トラバース箇所は足元がすっぱり切れ落ちていてなかなか高度感あり。アイゼンの爪痕が岩に刻まれている。冬にアイゼンでここを登るのかぁ…と、想像するだけでシビれる。
またしても先行パーティ待ちでのんびり写真を撮りつつ待ち。終了点からは烏帽子沢奥壁と南陵下部が良く見える。

3ピッチ目: 自分がリード。Oさんパーティは一段高いところから小ルンゼを右上したけれどあまり良くないそうなので、自分は出だしからすぐにカンテを右に回りこむルートを選択。ホールドはしっかりしているけれど、この辺り、岩質が石英閃緑岩ではなくぬめりっぽい蛇紋岩のようでちょっと厭らしい。回り込んでしまえば、後は快適なスカイライン。。と思いきや、結構浮石が多くてヒヤり。手や足を置く前に、いちいち確認しながら用心しいしい登る。

右に回りこむ手前に新しめのピトンがあった。これ以外、自分が目にしたのはいずれも年季の入ったピトンかリングボルトばかりだった気がする。見逃しているものがあるとも思うけど。ただ、不用なピトンは抜かれているようで、全体的に残置はすっきりとしていたと思う。どうなんだろう。

P6200067_s.JPG4ピッチ目: Y氏リード。このルートの核心ピッチ。事前に収集した情報によると、下部の逆層のフェースと上部のチムニーとシビれる箇所が続くらしい。下部のフェース部分は岩が安定していることもあり、予想よりも快適。

フェース上部から、カンテの右のラインに沿って岩場を上がると、なるほどこれが核心かぁ~と一目で分かる上部のチムニーが登場。チムニーから途中で左のフェースに抜けるところが面白い。チムニーを直上するルート取りも可能だそうだけど、自分には厳しそう。

←核心のチムニー。「登った」という達成感があり、楽しかった。

5ピッチ目: 自分がリード。稜線の左側にある泥のルンゼを、烏帽子沢奥壁を眺めながら登る。ルンゼを登るところ以外はあまりパッとしない。ルンゼを上がったところがどうやらピナクルで、Oさんたちパーティがピッチを切っていたので終了。ピナクルの向こう側に進み出ると、テールリッジが大分小さく遠く見える。

6ピッチ目: Y氏リード。快適なフェース。岩をわしわし登る。ガイドブックには40mとあったけれど、Oさんたちパーティが早めにピッチを切ったので、こちらもあわせて25mくらいで終了。

P6200092_s.JPG7ピッチ目: 自分がリード。見るからに楽しそうだったし、触ってみたら岩がしっかりしていたので快適なカンテラインを直上。小テラスから左の小ルンゼを登り、ほぼいっぱいにロープを伸ばしてガレたテラスでピッチを切る。烏帽子岩が目前になる。

8ピッチ目: Y氏リード。草がはびこる岩場をわしわし登る。快適。

←思えば高くに来たもんだ。。。一ノ倉沢出合いからテールリッジが足元に広がっていました。この高度感がたまりません。




9ピッチ目: 自分がリード。8ピッチの終了点からすぐに草付を右に回りこみ、ガレガレの岩場を登る。途中に残置支点はなく、岩も浮石だらけ。気休め程度に潅木にスリングでランニングビレイをとるものの、すぐ上が衝立の頭だった。Y氏が登ってくるのをビレイし、13時過ぎに登攀終了。

P6200100_s.JPG←烏帽子岩が遠くに見える♪ 涙あふれてかすんでる Oh~♪
というのは、エボシ岩違い(くだらなくてすみません)。

北陵寄りの箇所に小テラスがあり、ここでOさんパーティ共々お昼タイム。幽の沢がよく見える。登っているパーティの姿はなし。
ランニングシューズに靴を履き替え、13時半に北陵から下降開始。この段になって空は雲が切れ、わずかに青空が覗く。「これはもうわたしの中では晴れですよ、晴れ」と初の夏山アルパインで初リードを務めたNさんが緊張解けやらぬ面持ちで断言する。うんまぁ、雨に降られなかったからすべて良しでしょう。


稜線の末端に移動すると立派な下降支点があった。その後の支点は古ぼけたスリングが多く、ただしそれぞれに残置ビナがかかっていた。ありがたい。用意しておいた捨て縄も結局出番なし。

P6200191_s.JPG5人で4本のロープを順々に回して懸垂下降。後半に空中懸垂の箇所が2箇所あるということで緊張していたけれど、かなり快適だった。

←最後の空中懸垂。右手にコップ状岩壁が広がり、足元にコップスラブ。いずれも雪渓に磨かれたつるりとしたスラブとフェースで、山と自分のスケールの違いをまざまざと思い知る。

コップの広場に降り立ち、コップスラブに続くルンゼのバンドを横断し、15時20分に略奪点に到着。

雪渓がわずかに残る箇所から衝立前沢に入り、滑りやすい沢を降りていく。16時少し前に一ノ倉沢との出合に残る雪渓末端に攀じのぼる。

P6200226_s.JPG進行方向の後ろに、今登ってきた中央稜の稜線と降りてきた北陵がくっきりと見える。名残惜しくて何度も振り返ってしまう。「実際に登ったときよりも、ここから見るほうが(中央稜は)急峻だね」というMさんの言葉に頷く。

朝歩いた雪渓がひどく割れている箇所を慎重に通過し、右岸の樹林帯に入ると出合はすぐ。沢の水で顔をごしごし洗う。16時15分に一ノ倉沢出合に到着。

湯テルメで汗と泥を洗い流してさっぱりした後、ぼちぼちと帰京。

「みんなで登ると楽しいな」と、登攀途中に発したOさんの言葉のとおり心底楽しかった。岩の脆い箇所があって内心ヒヤリとした場面もあるけれど、無事に登って降りてくることができて、とても楽しかった。
お疲れさまでした。



*個人的メモ(雑多) -----------------------
・登攀ギア類: ダブルロープ(50m)、ルベルソキューブ、QD、スリング、カラビナ、バイル、8環、捨て縄 など
・ザックは先日購入したMHWのスクランブラー(32リットル)を使用。軽くてGood。冬山用には容量がギリギリかも。
・南陵奥壁に比べると岩が脆い。特に中間部と稜線直下。石が動く。ロープの流れで落ちないかとひやひや。
・中間部は岩質的に滑りやすい。
・支点が多数。中間の残置物は思ったよりも少なかった。ひん曲がったピトンもあったりしてこわい。
・小さめのカムがあったら役立つかも。なくても今回は問題なかったけど。
・ハーケンが緩んでいるものチェックや打ち足し・回収用にバイルを持参したが、結局出番がなかった。ただ、本沢の雪渓に乗り込むときには役立った。
・ダブルロープではなくてシングルロープ+バックロープで登っているパーティがいた。ロープの流れが割合直線手的なので、ダブルではなくツインロープ的な使い方もありかも。
・衝立岩と烏帽子沢奥壁にて落石あり。
・北陵の下降は泥付箇所が滑りやすい。
・来週にはアプローチの雪渓が崩壊している可能性大。
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norlys
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自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。

色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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