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Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by - 2024.04.29,Mon
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Posted by norlys - 2011.06.07,Tue

週末は小川山へ。先週後半に発生した台風2号が、生まれたての梅雨前線を巻き込んで飛び去っていってくれたため、梅雨入りしたはずなのに週末は両日とも晴れの予報(後で日曜日は雨マークがついたらしい)。

土曜日はかねてから行ってみたい! と思っていた涸沢岩峰群2峰の広瀬オリジナル・ダイレクトルートでマルチピッチ。日曜日は藐姑射(ハコヤ)岩と親指岩上ボルダーでクラック。

■涸沢岩峰群2峰、広瀬ダイレクトルート(5.10a、4P)

以前、山道具屋さんの在庫一掃セールで購入した古いロクスノの小川山特集を眺めていたら、オススメのマルチピッチルートとしてセレクションや南陵レモン、ウスノロマンと並んで涸沢2峰のルートが紹介されていました。「日本のフリー事始」といわれる伝統あるルート、とのこと。

ガイドの広瀬氏による初登は1979年、今から30年ちょっと前。小川山にフリークライミング開拓のムーブメントという嵐が吹き荒れる僅か前の静けさの時代のことだとか。
弱点を点いたラインを繋げた広瀬オリジナルルート(1979年9月)と、より攻撃的なライン取りにしたものが広瀬ダイレクトルート(1979年11月)。現在では、この2本のルートをミックスした形が広瀬ダイレクトルートと呼ばれているそう。

キャンプ場から西股沢沿いに金峰山方面へ林道を歩き出し。フェニックスの大岩の手前にある右手の堰堤の右岸から沢沿いに歩き、あちこちに積み上げられたケルンや古いテープを辿り、古ぼけた木の看板を目印にシャクナゲの尾根筋に入り、唐松の林を抜けて再び沢筋をからんで、無事に涸沢岩峰群1峰正面に到着。ここまではオンサイト(あ、事前に情報集めまくったからフラッシュか)。最悪を想定してとても遠いアプローチを覚悟していた分、予想よりも多少近かったような、やっぱり遠いような…。

ところが、問題はこの後。事前にアプローチやルートについてあれこれ調べておいたつもりだったのに、肝心な位置関係の把握が疎かになっており、道迷い発生。なんのことはなく、「おがわやまだより」のエリアマップを広げれば一目瞭然だったのだということに気付いたのは後の祭りのさらに後。屋根岩はキャンプ場から近い順に1峰、2峰...だけど、涸沢岩峰群は逆にキャンプ場から遠い順に1峰、2峰...というオチでした。とほほ。

涸沢1峰と2峰の間のルンゼを詰めあがってしまったり、来た道のルンゼを詰めてしまいそうになって、かれこれ1時間ほどうろうろ。
ようやく取り付き地点にたどり着くと、林道で先を越された先行パーティの方がちょうど1P目を登り始めたところでした。

・1P目(5.9):自分がリード。広瀬オリジナルライン。スラブ。
切り株の上からスタートし、クラック沿いに左斜上。右手にペカっと輝くペツルのボルトが見えたけれど、残念ながらあと2歩が出ず、手が届かず。なので、クラック沿いにオリジナルラインへ。「寝たスラブ」との紹介文どおり、確かに傾斜は緩い。とはいえ、ランナウト必須。最後に決めたカムが足元斜め下になりながらスラブのホールドを辿るのはシビレました。小テラスの終了点にはグージョンのリング付きアンカー×2。

・2P目(5.7):Yさんリード。広瀬ダイレクトライン。クラック。
左右に並ぶ2本のクラックのうち左側のクラック。傾斜はないけれど、出だしが微妙に広くて一瞬もにょる。2P目にしてすでにロケーションが良く、頭上一直線に伸びるクラックが気持ち良い。クラックが終わったテラスから、さらに一段上がったバンドで終了。終了点はカムで。

・3P目(5.7):自分がリード。広瀬ダイレクトライン(オリジナル?)。フェイス。
出だしの一段がなんてことなさそうで、なにげにワンポイント。「マルチピッチでリードをスポットしたのは初めて」と笑われる。すまん。あとは岩の弱点を突きながら適当に登る。ちょっとガレっぽくて浮石注意。ガレた岩のルンゼを登るのは嫌だな...と左手を見たら古いピトンがひとつ。導かれるように左手に乗り越し、古い終了点(下降支点?)の脇を過ぎてクラックの手前の広いテラスでピッチを切る。終了点はカムと細い立ち木。
仏壇岩が指呼の先。ここからだと仏壇には見えないけどな。

・4P目(5.10a):Yさんリード。広瀬ダイレクトライン。クラック。
左右に2本並ぶクラックのうち、左側のクラック。古い棒フレンズ?の残置が詰まっている。長さは10mほどでやや前傾。岩の上にはすこんと青空。
いくつかの記録に記されているように「ボルダーチックなムーブ」でガバを掴んでバンドに立ち、フィンガージャムを決めてガバを掴み、嬉しいハンドジャムで岩の上に立ち上がる。クラシックなルートのはずなのに、ムーブはとてもモダン。楽しい。終了点は岩に回したスリング。

4P目の核心クラックを登る際、プロテクションをうまく回収でなかったのでテンションをかけて回収しようかな…と思ったけれど、長くはないピッチだし、せっかくここまでリードもフォローもノーテンで来たのだからと、カムを残置してそのまま登りきりました。後でYさんが回収(ありがとうございます)。

終了点から右に少しクライムダウンすると立ち木に懸垂下降支点あり。60mシングルロープの折り返しでほぼぴったり地面へ。その後、少しクライムダウンしては10m弱の懸垂下降を2回(計3回)。3回目の懸垂下降でぽんと取り付き地点に帰還。割合新しい捨てビナが各所にあり助かりました。

涸沢2峰は、人の訪いの少ない静かな場所にあり、明るく南面に開け展望の良い岩峰で、スラブにフェイスにクラックにと内容が多彩で、全体的な難易度もバランスが良く、各ピッチが足場の良いテラスで終わり、とても楽しいマルチピッチルートでした。
4P(または3Pとも)と長くはないので上手い人たちなら、一通り登ったら最終ピッチのクラックや途中の綿引クラックを登って色々楽しめそう。もっとも、自分たちにはチャレンジングなグレードなので、4Pを登ったらすっかりお腹いっぱいになりましたが。

決してそこに拘っているわけではないけれど、やっぱりオンサイト、オールフリーで登ることができたのは嬉しいな、と。いや、正直に言えば、もうほんとすっごい嬉しかったです。ありがとうございます。

***今回登ったルート***
20110604
小川山 涸沢岩峰群2峰
・広瀬ダイレクトルート(4P、5.10a)
/*小川山 ガマスラブ
・ガマスラブ(5.6)-再登。微妙に時間が余ったので、久しぶりに登ってみた。時間が遅いこともあって、閑散と誰もいない広いスラブを独り占め。贅沢。

20110605
/*小川山 ハコヤ岩
・冬のいざない1P目(5.9 NP)-再登。以前OSしているらしい。でも上部直上ラインに抜けたのは初めてのような気もする。終了点は「森林浴」と同じ木からとったような気がするけど、それだと振られてしまって回収が困難そうだし。。記憶が曖昧。長さもあり、色々と楽しい良いルート。
・森林浴(5.8 NP)-再登。カムやナッツがバチ効きで楽しい。ややフェイス的。Tさんの奮闘的なトライがアツかった!
・森林浴(5.8 NP)-再登。トレーニング。楽しい。
/*小川山 親指岩上ボルダー
・3級-TR。紐付きで登ると5.10cくらい、らしい。隊長にフィンガージャムの肝を教わる。ありがたい。でも、なにがなんやら…で、2テン。TOできただけ奇跡。
・3級-TR。テーピングを外した方がいいよと言うアドバイスに従い、また、みんなのムーブを真似したらなんとノーテンだった。奇跡。
・3級-TR。もう一回トライ。ギリでノーテン。次はカムセットを練習してからリードだね! と言われるものの、多分もっと要修行。垂壁なので足で逃がせる部分が大きいのに、すっかり前腕が終了。

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自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。

色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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