Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by norlys - 2009.06.08,Mon
毎週末ごとに雨の予報ですっかり腐り気味。ここのところ連日せっせとジムに通っていて、グレード的には顕著な進歩は見られないものの少しばかりは上達しているような気がしなくもないので、登りたい病が募って仕方ない。
当初は谷川でアルパインを予定していたものの、またしても週末は雨の予報となり泣く泣く断念。金曜夕方の時点で日曜日はどうにか天気が回復しそうな見込みとなったので、「小川山のセレクションはどう?」というYさんの提案に1も2もなく飛びつく。
セレクションは小川山の屋根岩2峰にある人気の高い入門向けマルチピッチルート。以前、ソラマメスラブを登りに行ったときに取り付き地点に立ち寄ったことがあったっけ。7ピッチ中最高グレードは5.8。ジムならば初心者向けのグレードだけど、そこは小川山なのできっとシビれるんだろうなぁ。。と、ガイドブックをチェック。
土曜日の夕方に都内を出発し、夜早くに廻り目平キャンプ場に到着。人気のルートだから早めに取り付こうということで6時起床、7時出発の予定で早めに就寝。
4時半ごろトイレに行きたくなりテントの外に出ると、岩峰群がもわもわと霧に包まれていたので、朝早い時点ではまだ岩が湿っているだろうなぁと6時にセットした目覚まし時計を無視して6時半過ぎまで寝坊を決め込む。
6時45分過ぎにごそごそ起き出し、7時40分過ぎにもそもそ出発。雲ひとつない快晴。すでに日差しがじりじりと射し、むわっと蒸し暑い。
屋根岩2峰に到着すると、すでに先行パーティが取り付いていました。あらら早いな~と思いながら、装備を準備していると、どうやら先行パーティは2ピッチ目の終了点からそのまま蜘蛛の糸へ。タナボタでその日1番乗りに。
ネットで事前情報をくまなくチェック済みのYさんが必要なカムを用意。カムは自分も持参していたけれど、まるまる2セットは不要なので、自分はロープを出すことに。60mのシングルロープ1本。短いピッチが多いので、60mロープだと引き上げがちょっと大変でした^^;
核心は2ピッチ目と4ピッチ目という話なのでヘタレな自分は奇数ピッチがいいなぁ…と伝えると、Yさんが1ピッチ目を希望とのこと。5.8のクラックをオンサイトトライというのは、正直厳しそうなのでありがたい。変則的ながら、つるべではなく1、4、5、7ピッチをYさん、残りの2、3、6ピッチのリードを自分が担当することに決定。
すらりと目の前に立ちはだかる岩を見上げて心の準備。期待と不安交じり。
1P(5.8)。Yさんリード。短いクラック。クラック幅が広くてジャミングが決まらないし、足のバランスが悪くて早々にテンション。とほほ。思い切って身体を振れば良かったのかもしれないけれど、後続パーティが続々準備中だったのでモタモタしている暇はなし。レイバック気味に身体を上げて足ジャム、ピナクルを掴んで終了。ほんと短いけどシビれました。。
2P(5.8)。自分がリード。広々としたスラブ。下部の乗越で止まる。止まっても仕方ないのでえいやと乗り込む。いざそこに立つと傾斜が厳しいと感じるけれど、下から見上げた時の緩斜面を思い出しながら、粒粒に立ちこみつつじりじり登る。ランナウトが長いところは易しいはずと自分に言い聞かせてじわじわ登る。途中でもういいんじゃない? と思うほど結構長くてシビれました。。終了点はリングのついたボルトが2つ。
3P(5.5)。続けて自分がリード。2P目の終了点からバンドを少し右にトラバース。チョックストーンの詰まったチムニーまでロープを伸ばす。足場は悪くないけど念のため下部でカムをセット。
ガイドブックの記述どおり、バックアンドフットでチムニーをずりずり登る。こんなことならもっとボロイ服を着てくればよかったと少し後悔(笑)。すぐにチムニー出口のガバに手が届き身体を引き上げ、右の岩の間を進み、4P目のスタート地点になる木でビレイ。短くて楽しい。
4P、5P(5.7)。Yさんが2ピッチまとめてリード。4P目の出だし、木からクラックに移るところがいやらしい。フォローで良かったと心底思った(すみません)。クラックからスラブへ移るところも短いながらピリっとした感じで楽しい。スラブからコーナーは快適だけど岩が少し風化しているのがなんとなく嫌。個人的には全体の中で一番シビれたピッチ。
5P目の終了点からルンゼを少し詰めて終了とできるらしく、なるほどすぐ上に空が見えるけれど、せっかくなので正規ルートを最後まで行きましょう~ということに。
6P(5.7)。自分がリード。5ピッチ目の終了点からルンゼを少しあがり、木を掴んで左にトラバース。岩が風化しているし染み出しがあるしで、ちょっと怖い。フレークをアンダーで掴みながらじりじりとトラバース。傾斜は案外緩くて安心感はあるけれど、高度感はたっぷり。トラバースの抜け口手前に残置ピトンがひとつ。トラバースを終えてフレーク下を潜り込んで終了点へ。リングのついたボルトが2つ。高度感があって楽しい。景色が最高。
7P(5.7)。Yさんがリード。6P目の終了点からクラックがV字に2本。左は5.8で、右が5.7。最新の100岩(増補改訂版)だと、右が正規ルートとなっていて、左はボルト印が3つ(ボルトは見当たらなかったけどな)。
フレークを掴んでスラブをあがり、すっぽり身体の挟まるなだらかなワイドクラックを前進。
終了点に到着すると、そこはまるで空中庭園でした。びっくり。陽光が降り注ぐ広々とした岩と真砂と松の木の庭園。ロープを解除して荷物を置き、ちょこちょこと探索したり、写真を取りまくったり。
屋根岩3峰上部が目の前に、廻り目平の山荘や駐車場がちんまりと眼下に、金峰山の上部に少しだけ雪渓が残っている様子もはっきり。しばらく貸切でのんびり。
これならお弁当を担ぎ上げてここでお昼ご飯にしても良かったなぁ~というくらい、気持ちの良い場所でした。
木と岩場にぐるりと巻きつけてアンカーをとったワイヤーを伝って、3峰に向けて開けたルンゼを下降。あとはしっかりとした踏み跡を辿って5分ちょっとで取り付き地点へ。
フリーにしては朝早くに登り始めたこともあり、この時点で11時ちょっと過ぎ。
お昼ごはんを食べて、しばらく休憩。フリーのルートで本気トライをする気分ではないので、「南陵下部」のマルチピッチルートへ。全7ピッチのうち4ピッチ。自分がリードした1P(5.6)は短くて易しいスラブと3P(5.4)は簡単なアルパインチックなルートでしたが、Yさんがリードした2P(5.10a)と4P(5.8)は運悪く(?)まさに小川山的なシビれるスラブ。
トポだと4P目からも歩いて下降できるような点線があるものの、足場が余りよくないので、そのまま2Pロープを伸ばしてルンゼを懸垂下降し、PTAというルートの脇に到着。おむすび山スラブと屋根岩2峰の間で、あらこんなところにでるんだという感じ。短いしルートが不明瞭だし終了点がなく木で支点を作らざるを得ないのでロープワークの集中レッスンみたいでした。お陰で、谷川にアルパインに行きたい欲求が少し消化されました。
この時点でまだ3時頃だったので、ソラマメスラブに移動して「ソラマメハング」(5.10c)にトライ。
珍しく(ほんと)自分からヌンチャク掛けを希望。2年前にトライしたときにはまるで歯が立たなかったハング越えは、今回もやっぱりダメでワンテン。でも、なんとなく手が分かったような気がしたので、しばらく休んでから再度トライ。2便目にしてRP。うれしい。
まだ日は明るいけれどすでに4時半を回ったので、後ろ髪を引かれつつ下山。それにしても1日中よく登りました。
駐車場からもくっきりと屋根岩2峰が見え、あぁあそこを登ったんだなぁと、結構感慨深いものがありました。
楽しかった~。お疲れさまでした。
*** 今回登ったルート ***
・セレクション(7P) - マルチピッチルート。以前から登りたいなぁと思っていたので、今回登れて良かった。楽しかった。
「入門者向け」という位置づけだけど、今の自分でちょうど楽しめる感じ。つまり、自分はまだ入門者レベルということなんだなぁ。道のりは長く険しいなぁ。
・南陵下部(4P) - マルチピッチルート。下部の4Pのみ。残りは5.9、5.10a、5.11aと格段に難しくなるのでパス。ボルトはペカペカだけど、登っている人はいるのだろうか。。
・ソラマメハング(5.10c) - RP。以前5.10dだったものがダウングレードされて5.10cに。とてもジムチックなムーブなのでジムクライマー向けかも。面白い。
当初は谷川でアルパインを予定していたものの、またしても週末は雨の予報となり泣く泣く断念。金曜夕方の時点で日曜日はどうにか天気が回復しそうな見込みとなったので、「小川山のセレクションはどう?」というYさんの提案に1も2もなく飛びつく。
セレクションは小川山の屋根岩2峰にある人気の高い入門向けマルチピッチルート。以前、ソラマメスラブを登りに行ったときに取り付き地点に立ち寄ったことがあったっけ。7ピッチ中最高グレードは5.8。ジムならば初心者向けのグレードだけど、そこは小川山なのできっとシビれるんだろうなぁ。。と、ガイドブックをチェック。
土曜日の夕方に都内を出発し、夜早くに廻り目平キャンプ場に到着。人気のルートだから早めに取り付こうということで6時起床、7時出発の予定で早めに就寝。
4時半ごろトイレに行きたくなりテントの外に出ると、岩峰群がもわもわと霧に包まれていたので、朝早い時点ではまだ岩が湿っているだろうなぁと6時にセットした目覚まし時計を無視して6時半過ぎまで寝坊を決め込む。
6時45分過ぎにごそごそ起き出し、7時40分過ぎにもそもそ出発。雲ひとつない快晴。すでに日差しがじりじりと射し、むわっと蒸し暑い。
屋根岩2峰に到着すると、すでに先行パーティが取り付いていました。あらら早いな~と思いながら、装備を準備していると、どうやら先行パーティは2ピッチ目の終了点からそのまま蜘蛛の糸へ。タナボタでその日1番乗りに。
ネットで事前情報をくまなくチェック済みのYさんが必要なカムを用意。カムは自分も持参していたけれど、まるまる2セットは不要なので、自分はロープを出すことに。60mのシングルロープ1本。短いピッチが多いので、60mロープだと引き上げがちょっと大変でした^^;
核心は2ピッチ目と4ピッチ目という話なのでヘタレな自分は奇数ピッチがいいなぁ…と伝えると、Yさんが1ピッチ目を希望とのこと。5.8のクラックをオンサイトトライというのは、正直厳しそうなのでありがたい。変則的ながら、つるべではなく1、4、5、7ピッチをYさん、残りの2、3、6ピッチのリードを自分が担当することに決定。
すらりと目の前に立ちはだかる岩を見上げて心の準備。期待と不安交じり。
1P(5.8)。Yさんリード。短いクラック。クラック幅が広くてジャミングが決まらないし、足のバランスが悪くて早々にテンション。とほほ。思い切って身体を振れば良かったのかもしれないけれど、後続パーティが続々準備中だったのでモタモタしている暇はなし。レイバック気味に身体を上げて足ジャム、ピナクルを掴んで終了。ほんと短いけどシビれました。。
2P(5.8)。自分がリード。広々としたスラブ。下部の乗越で止まる。止まっても仕方ないのでえいやと乗り込む。いざそこに立つと傾斜が厳しいと感じるけれど、下から見上げた時の緩斜面を思い出しながら、粒粒に立ちこみつつじりじり登る。ランナウトが長いところは易しいはずと自分に言い聞かせてじわじわ登る。途中でもういいんじゃない? と思うほど結構長くてシビれました。。終了点はリングのついたボルトが2つ。
3P(5.5)。続けて自分がリード。2P目の終了点からバンドを少し右にトラバース。チョックストーンの詰まったチムニーまでロープを伸ばす。足場は悪くないけど念のため下部でカムをセット。
ガイドブックの記述どおり、バックアンドフットでチムニーをずりずり登る。こんなことならもっとボロイ服を着てくればよかったと少し後悔(笑)。すぐにチムニー出口のガバに手が届き身体を引き上げ、右の岩の間を進み、4P目のスタート地点になる木でビレイ。短くて楽しい。
4P、5P(5.7)。Yさんが2ピッチまとめてリード。4P目の出だし、木からクラックに移るところがいやらしい。フォローで良かったと心底思った(すみません)。クラックからスラブへ移るところも短いながらピリっとした感じで楽しい。スラブからコーナーは快適だけど岩が少し風化しているのがなんとなく嫌。個人的には全体の中で一番シビれたピッチ。
5P目の終了点からルンゼを少し詰めて終了とできるらしく、なるほどすぐ上に空が見えるけれど、せっかくなので正規ルートを最後まで行きましょう~ということに。
6P(5.7)。自分がリード。5ピッチ目の終了点からルンゼを少しあがり、木を掴んで左にトラバース。岩が風化しているし染み出しがあるしで、ちょっと怖い。フレークをアンダーで掴みながらじりじりとトラバース。傾斜は案外緩くて安心感はあるけれど、高度感はたっぷり。トラバースの抜け口手前に残置ピトンがひとつ。トラバースを終えてフレーク下を潜り込んで終了点へ。リングのついたボルトが2つ。高度感があって楽しい。景色が最高。
7P(5.7)。Yさんがリード。6P目の終了点からクラックがV字に2本。左は5.8で、右が5.7。最新の100岩(増補改訂版)だと、右が正規ルートとなっていて、左はボルト印が3つ(ボルトは見当たらなかったけどな)。
フレークを掴んでスラブをあがり、すっぽり身体の挟まるなだらかなワイドクラックを前進。
終了点に到着すると、そこはまるで空中庭園でした。びっくり。陽光が降り注ぐ広々とした岩と真砂と松の木の庭園。ロープを解除して荷物を置き、ちょこちょこと探索したり、写真を取りまくったり。
屋根岩3峰上部が目の前に、廻り目平の山荘や駐車場がちんまりと眼下に、金峰山の上部に少しだけ雪渓が残っている様子もはっきり。しばらく貸切でのんびり。
これならお弁当を担ぎ上げてここでお昼ご飯にしても良かったなぁ~というくらい、気持ちの良い場所でした。
木と岩場にぐるりと巻きつけてアンカーをとったワイヤーを伝って、3峰に向けて開けたルンゼを下降。あとはしっかりとした踏み跡を辿って5分ちょっとで取り付き地点へ。
フリーにしては朝早くに登り始めたこともあり、この時点で11時ちょっと過ぎ。
お昼ごはんを食べて、しばらく休憩。フリーのルートで本気トライをする気分ではないので、「南陵下部」のマルチピッチルートへ。全7ピッチのうち4ピッチ。自分がリードした1P(5.6)は短くて易しいスラブと3P(5.4)は簡単なアルパインチックなルートでしたが、Yさんがリードした2P(5.10a)と4P(5.8)は運悪く(?)まさに小川山的なシビれるスラブ。
トポだと4P目からも歩いて下降できるような点線があるものの、足場が余りよくないので、そのまま2Pロープを伸ばしてルンゼを懸垂下降し、PTAというルートの脇に到着。おむすび山スラブと屋根岩2峰の間で、あらこんなところにでるんだという感じ。短いしルートが不明瞭だし終了点がなく木で支点を作らざるを得ないのでロープワークの集中レッスンみたいでした。お陰で、谷川にアルパインに行きたい欲求が少し消化されました。
この時点でまだ3時頃だったので、ソラマメスラブに移動して「ソラマメハング」(5.10c)にトライ。
珍しく(ほんと)自分からヌンチャク掛けを希望。2年前にトライしたときにはまるで歯が立たなかったハング越えは、今回もやっぱりダメでワンテン。でも、なんとなく手が分かったような気がしたので、しばらく休んでから再度トライ。2便目にしてRP。うれしい。
まだ日は明るいけれどすでに4時半を回ったので、後ろ髪を引かれつつ下山。それにしても1日中よく登りました。
駐車場からもくっきりと屋根岩2峰が見え、あぁあそこを登ったんだなぁと、結構感慨深いものがありました。
楽しかった~。お疲れさまでした。
*** 今回登ったルート ***
・セレクション(7P) - マルチピッチルート。以前から登りたいなぁと思っていたので、今回登れて良かった。楽しかった。
「入門者向け」という位置づけだけど、今の自分でちょうど楽しめる感じ。つまり、自分はまだ入門者レベルということなんだなぁ。道のりは長く険しいなぁ。
・南陵下部(4P) - マルチピッチルート。下部の4Pのみ。残りは5.9、5.10a、5.11aと格段に難しくなるのでパス。ボルトはペカペカだけど、登っている人はいるのだろうか。。
・ソラマメハング(5.10c) - RP。以前5.10dだったものがダウングレードされて5.10cに。とてもジムチックなムーブなのでジムクライマー向けかも。面白い。
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Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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