Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by norlys - 2011.11.25,Fri
週末の土曜日はジムへ。木曜日のスクールの疲れが抜けきらず、軽く流す感じで。
日曜日は天気予報が好転したので、子持山の獅子岩へ。
獅子岩は今年の春はじめ頃に偶々Webで記録を見つけて以来、訪れるタイミングを窺っていたので良い機会。ついでに人生のスパイスまで足を伸ばして日本酒を仕込んでこようという提案が決定打。
子持山への登山道が始まる7号橋の傍らの駐車場に車を止めると、周囲は未だしっとり。空は秋晴れ。風はうっすら肌寒い。
岩がびしょ濡れで登れなかったらハイキングでもいいか~と気軽な感じで獅子岩方面へ続く登山道を登り始める。木道の苔の緑と落ち葉のコントラストが美しい。登山道に入ってすぐの突き当たりに、大きな岩が立ちはだかり、基部には小さな祠がある。岩壁には古いリングピンやピトン、残置スリングが点在。なんだかこの地のクライミングの歴史の一節を垣間見たような気がしてぐっときました。(正直なところ、古ぼけたスリングはあんまり見目が良くないかな。。)
登山道は植林帯の中の沢筋を詰め、途中から斜面をジグザグ刻む。のんびり歩いて40分ほど(? うろ覚え)で目の前に分岐の標識。左は「この先危険」、右は「獅子岩・子持山」。左手には、目の前に獅子岩の上部が見える。周囲はとても静かで、登っている人はいなさそう。
「この先危険」の標識に従って(?) 左にトラバース。明瞭な踏み跡を辿る。ほどなく獅子岩の基部の下に到着。最初はここでいいのか確信が持てず、念のため奥に踏み跡を辿って見てきたけれどどうも違うようなので戻って、小尾根を少し登り獅子岩の基部へ。足場はさほど広くないけれど、狭いわけでもない。
見上げる範囲でボルトや終了点を確認し、とりあえず登れそうかな...ということで、登攀準備を進める。
グレードはあくまでも個人的な体感です。
1P目 (5.7) リード。
登る前に岩の状態を確かめるべく触ってみると、雨の残るところは厭に黒くて触るとつるり。乾いた部分はフリクション良好。出だしの傾斜は緩く、ボルト間隔も近くて安心。ただ途中から壁がやや立ってくる。ぬめり気味のためスメアが効かなさそうで、ハイステップで乗り込む。「乾いていたらなー、スメアしたいなー。でも湿っぽくてなー、いやだなー。ここに乗り込むんだよねー。わかるんだけどさー」と独りでぶつぶつ言いながら登る。すまん。
2P目の終了点もすぐ上に見えるので、1,2P目を続けて登るケースが多いらしい。でも朝イチだし、下部が湿気っていたせいもあって緊張したので1P目で終了させてもらう。
2P目(5.8) フォロー。
1P目よりも傾斜があり、ボルト間隔が近い。登ってみたら案の定1P目よりもちょっとシビア。手のホールドは裏切られないけれど、フットホールドが乏しい一手(足?)がちょっと悪い。ただ幸いにも岩は乾いてきた感じ。
あぁ、ここのルートはボルトにクリップした直後にワンムーブが出てくるんだなぁ、と思う。
3P目(5.8) リード。
岩場には陽射しが容赦なく照りつけて暑いくらい。晩秋だというのに贅沢なくらい。
左に右に左に...と岩場の弱点を突いたライン取りが絶妙。ところがボルトはほぼ一直線に並ぶところがまた絶妙。面白い。右手に大きなフレークのあるフェイスに行き当たる。フレーク沿いにホールドが見えるけれどスタンスは日陰でびしょ濡れ。行くしかないかーと少し登るとフレーク上の小さなテラスへ。
4P目(5.9) フォロー。
全体を通しての核心ピッチ。出だしからちょっと悪い。実際のところは分からないけれど、体感では垂壁に近く、フットホールドを確認してからムーブを起こさないと足元が見えにくい。カチや縦ホールド、水平ガバ、アンダーとホールドが多彩でムーブが面白い。核心箇所ではまたしても足がないのでスメアを信じて立ちこむ。
ここもまた左に右にと弱点を突いていくのに、ボルトはきれいにほぼ一直線に並ぶ。自然の岩場なのにジムみたい。というのは誉め言葉になるのかな。自然の造詣の妙。
5P目(5.8) リード。
残り3ピッチなので、5,6P目をまとめて。出だしはフェイスからカチ系スラブ。ホールドには裏切られないけれど、傾斜がぐっと落ちる分ボルト間隔が遠くなる。最近こういうルートが多いなぁ...と苦笑。
スラブが終わるところに終了点があり、そのままロープを伸ばす。
6P目にあたる部分は短いフェイス。フェイスの最後の乗り込むところが濡れていたのとバランスが悪く、ちょっとてこずった。
フェイスパートを抜けると獅子岩の肩に到着。最終ピッチのビレイ点を支点にする。岩を背にして左の眼下に虹が見えた。きれいだなぁ...と思いながらセカンドのビレイをしていたら、陽射しは明るいのに雨が降り始めてきました。あらら...。
通り雨ですぐに止むことを期待してみたものの、雨雲が押し寄せ陽射しは隠れてしまい、雨脚が激しくなってきたので、ロープを畳み獅子岩の肩からすぐ先の登山道に合流して岩陰で雨宿り&装備を解除。
ちょうど獅子岩の頂上に出る鎖梯子があったので、梯子を登って一応頂上に立ち、そそくさと下山開始。
登山道を下り、途中から獅子岩方面にトラバースして岩壁基部に戻るまでの15分ほどの間に幸いにも雨脚が弱まり、それほど濡れずに済みました。あと30分もってくれたらな...とも思うものの、ちょうど肩に出たところで降り始めたのでぎりぎり逃げ切れてラッキーだったのかな、とも。
獅子岩は、岩壁のど真ん中の一番良い場所を弱点を突いて登っていくと獅子岩の頂点に至る(今回は至ってないけど)という素敵なライン取りで、各ピッチに適度なムーブや核心があり、高度感もなかなかのロケーションでとても快適で爽快なルートでした。さすがに口コミで大人気というのも納得。
フリーマルチのルートとしての可能性を見出し、クラシックな岩場を再整備してくださった方々に深く感謝いたします。
日曜日は天気予報が好転したので、子持山の獅子岩へ。
獅子岩は今年の春はじめ頃に偶々Webで記録を見つけて以来、訪れるタイミングを窺っていたので良い機会。ついでに人生のスパイスまで足を伸ばして日本酒を仕込んでこようという提案が決定打。
子持山への登山道が始まる7号橋の傍らの駐車場に車を止めると、周囲は未だしっとり。空は秋晴れ。風はうっすら肌寒い。
岩がびしょ濡れで登れなかったらハイキングでもいいか~と気軽な感じで獅子岩方面へ続く登山道を登り始める。木道の苔の緑と落ち葉のコントラストが美しい。登山道に入ってすぐの突き当たりに、大きな岩が立ちはだかり、基部には小さな祠がある。岩壁には古いリングピンやピトン、残置スリングが点在。なんだかこの地のクライミングの歴史の一節を垣間見たような気がしてぐっときました。(正直なところ、古ぼけたスリングはあんまり見目が良くないかな。。)
登山道は植林帯の中の沢筋を詰め、途中から斜面をジグザグ刻む。のんびり歩いて40分ほど(? うろ覚え)で目の前に分岐の標識。左は「この先危険」、右は「獅子岩・子持山」。左手には、目の前に獅子岩の上部が見える。周囲はとても静かで、登っている人はいなさそう。
「この先危険」の標識に従って(?) 左にトラバース。明瞭な踏み跡を辿る。ほどなく獅子岩の基部の下に到着。最初はここでいいのか確信が持てず、念のため奥に踏み跡を辿って見てきたけれどどうも違うようなので戻って、小尾根を少し登り獅子岩の基部へ。足場はさほど広くないけれど、狭いわけでもない。
見上げる範囲でボルトや終了点を確認し、とりあえず登れそうかな...ということで、登攀準備を進める。
グレードはあくまでも個人的な体感です。
1P目 (5.7) リード。
登る前に岩の状態を確かめるべく触ってみると、雨の残るところは厭に黒くて触るとつるり。乾いた部分はフリクション良好。出だしの傾斜は緩く、ボルト間隔も近くて安心。ただ途中から壁がやや立ってくる。ぬめり気味のためスメアが効かなさそうで、ハイステップで乗り込む。「乾いていたらなー、スメアしたいなー。でも湿っぽくてなー、いやだなー。ここに乗り込むんだよねー。わかるんだけどさー」と独りでぶつぶつ言いながら登る。すまん。
2P目の終了点もすぐ上に見えるので、1,2P目を続けて登るケースが多いらしい。でも朝イチだし、下部が湿気っていたせいもあって緊張したので1P目で終了させてもらう。
2P目(5.8) フォロー。
1P目よりも傾斜があり、ボルト間隔が近い。登ってみたら案の定1P目よりもちょっとシビア。手のホールドは裏切られないけれど、フットホールドが乏しい一手(足?)がちょっと悪い。ただ幸いにも岩は乾いてきた感じ。
あぁ、ここのルートはボルトにクリップした直後にワンムーブが出てくるんだなぁ、と思う。
3P目(5.8) リード。
岩場には陽射しが容赦なく照りつけて暑いくらい。晩秋だというのに贅沢なくらい。
左に右に左に...と岩場の弱点を突いたライン取りが絶妙。ところがボルトはほぼ一直線に並ぶところがまた絶妙。面白い。右手に大きなフレークのあるフェイスに行き当たる。フレーク沿いにホールドが見えるけれどスタンスは日陰でびしょ濡れ。行くしかないかーと少し登るとフレーク上の小さなテラスへ。
4P目(5.9) フォロー。
全体を通しての核心ピッチ。出だしからちょっと悪い。実際のところは分からないけれど、体感では垂壁に近く、フットホールドを確認してからムーブを起こさないと足元が見えにくい。カチや縦ホールド、水平ガバ、アンダーとホールドが多彩でムーブが面白い。核心箇所ではまたしても足がないのでスメアを信じて立ちこむ。
ここもまた左に右にと弱点を突いていくのに、ボルトはきれいにほぼ一直線に並ぶ。自然の岩場なのにジムみたい。というのは誉め言葉になるのかな。自然の造詣の妙。
5P目(5.8) リード。
残り3ピッチなので、5,6P目をまとめて。出だしはフェイスからカチ系スラブ。ホールドには裏切られないけれど、傾斜がぐっと落ちる分ボルト間隔が遠くなる。最近こういうルートが多いなぁ...と苦笑。
スラブが終わるところに終了点があり、そのままロープを伸ばす。
6P目にあたる部分は短いフェイス。フェイスの最後の乗り込むところが濡れていたのとバランスが悪く、ちょっとてこずった。
フェイスパートを抜けると獅子岩の肩に到着。最終ピッチのビレイ点を支点にする。岩を背にして左の眼下に虹が見えた。きれいだなぁ...と思いながらセカンドのビレイをしていたら、陽射しは明るいのに雨が降り始めてきました。あらら...。
通り雨ですぐに止むことを期待してみたものの、雨雲が押し寄せ陽射しは隠れてしまい、雨脚が激しくなってきたので、ロープを畳み獅子岩の肩からすぐ先の登山道に合流して岩陰で雨宿り&装備を解除。
ちょうど獅子岩の頂上に出る鎖梯子があったので、梯子を登って一応頂上に立ち、そそくさと下山開始。
登山道を下り、途中から獅子岩方面にトラバースして岩壁基部に戻るまでの15分ほどの間に幸いにも雨脚が弱まり、それほど濡れずに済みました。あと30分もってくれたらな...とも思うものの、ちょうど肩に出たところで降り始めたのでぎりぎり逃げ切れてラッキーだったのかな、とも。
獅子岩は、岩壁のど真ん中の一番良い場所を弱点を突いて登っていくと獅子岩の頂点に至る(今回は至ってないけど)という素敵なライン取りで、各ピッチに適度なムーブや核心があり、高度感もなかなかのロケーションでとても快適で爽快なルートでした。さすがに口コミで大人気というのも納得。
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norlys
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自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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