夏休み、瑞牆、前烏帽子岩

久しぶりに岩の記録。

夏休みは大井川赤石沢へ。その前後の週末に瑞牆山の前烏帽子岩に日帰りで2回。

[前半]
天候不順のため赤石沢への出発予定を遅らせたため、ぽっかり予定が空いてしまった週末。
土曜日だけなら登れそう(結果としては日曜日も登れたそうだけど、ま、いいや)ということで瑞牆へ。

前烏帽子岩に向かうのは2回目。新緑荒野4P目取付のバンドまで歩き、テラスで荷物を広げて準備。
ジキルとハイドを登る予定だったけれど、まずはアップで…と、バンドから岩峰を右に回り込む形で、3人でマルチっぽく岩峰の上に抜けたら楽しかった。

夕方から雨がパラついてきたので、モツランドに移動して1本登って終了。

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瑞牆、前烏帽子岩
一段上のバンドまで自分がリード。
・イージースタート(5.6)－フォロー。Rさんリード。半袖でアームバーをしたら左腕が傷だらけに。
・晩秋荒野のver. (5.9)－フォロー。Yさんリード。出だし直後のワンポイントがなかなか。
・その上の岩(III級くらい)－自分がリード。短いおまけピッチ。でも登って岩峰の上にたどり着くのはやっぱり気持ち良いし、岩峰上からの景色は最高。

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瑞牆、モツランド
・無名クラック(5.8くらい)－再登。当日の雨には強いのでありがたい。

[後半]
金曜日に沢旅から戻り、翌日土曜日は筋肉痛だらけのよぼよぼの身体に鞭うってジムでのんびりボル。さて日曜日はどうしよう? ということで、再び前烏帽子へ。
前日の雨の影響で路面はびっしょり。さすがに林の中の最下段はシミシミのコケコケ。
とりあえず新緑荒野4P目取付のテラスへ。ここからは不動沢のエンペラータワーがよく見える。全面的に黒っぽく、濡れていそうで、さすがに今日は誰も登っていない様子。瑞牆山本峰周辺の上空には雲が垂れ込めている。
一方で、黒森の集落より下は盛夏の陽射しが降り注いでいる様子。

中段部分の岩もまた到着直後は若干湿り気味かなと思ったけれど、なんだかんだ準備をしている間にそこそこ乾いてきたので、ほ。

登攀道具を携えて、懸垂下降で一段下へ。お目当てのジキルとハイドはもう一段下らしい…ということで、岩の隙間を抜けていったんテラスへ戻って仕切り直し。

ジキル博士とハイド氏は、最新の100岩(増補改訂版新版)で、ともに5.9=>5.10aにグレードアップ。
個人的にはジキル5.8、ハイド5.9で良いのでは…と思うけど、こういうのはあくまでも個人的な感覚なので難しい。

ジキル&ハイドの取付のバンドはあまり広くないので、貸切で幸いでした。
無事に2本を登り終えた後、テラスに戻りケイビングルートなどを見学。

前烏帽子岩には、もしここが小川山だったならば、おそらくボルトがべた打ちされているだろうな…というフェイス面がいくつかある。けれど、ここには、終了点の下降支点以外には、最小限の人工物しか残されていない。どうしてもそれ以外の方法がなかった時代の、錆びたハーケン、錆びたラープ、錆びたリングボルト、RCC。戒めの楔みたいだ。
ボルトルートを否定するわけでは決してないけれど、ここはそういう場所でよかったと思うし、そういう場所であったことがとてもうれしく思う。

最後に新緑荒野の4P目にトライさせてもらう。ここは前回、一段上のバンドまであがり、雨で敗退したルート。
雨や湿度を言い訳に、自分の気持ちに負けていた、というのがほんとうのところ。
落ちない限りは登り続けよう…と、必死で岩と格闘していたら、無事に終了点まで抜けることができた。よかった。

/*20120819
瑞牆、前烏帽子岩
・無名チムニー(Ⅲ級くらい)－OS、といってもロープレスで通過できてしまいそうな感じのチムニー。新緑荒野3P目のテラスから岩の割れ目を潜り込んだら、そのまま4P目のテラスに手前に出た。大きい人だと中に入るのにちょっと苦労しそう。

・ジキル博士(5.10a)－OS。ワイド。だけど結構フェイスのホールドを拾った。体感5.8くらい。でも気合入れて登って、無事に登り切れたこともあって、辛口になってしまうだけかもしれない。実際かなり奮闘して汗びっしょりになったし。

・ハイド氏(5.10a)－OS。トポにフィンガーとあったのでYさんに先に登ってもらった。取付バンドからビレイしているとルート自体もクライマーの様子も全然見えないので、それならばと敢えて見ないようにして一応オンサイト狙い。フィンガーでワイドでハンド。体感5.9。だけど、これもまた奮闘して汗びっしょりになってボロボロのくせに戯言を呟いているようなもん。

・新緑荒野4P目(5.10a)－OS。新緑荒野はマルチピッチグレードしか示されていないので、このピッチは5.9かもなんだけど、自分としては体感10a。てか、10aください。結構長いし(長時間のビレイ、ありがとうございます)。
途中にひとつだけあるリングボルトにはいったんヌンチャクをかけたけれど、すぐ脇のクラックにカムがバチ効きしたので、結局リングボルトは使わなかった。すぐ近くのルートのスラブパートにはRCCボルトが打ってあるのに、ここはリングボルト。「だってねぇ、こんなところでは落ちないでしょう?」と、自分を試されている気がした。
なぜか途中で体の向きがくるりと一回転したり、岩の形状に操られるようにモゾモゾ動くのがとても楽しかった。OW最高。
このルートは初めて見たときから登りたい…! と思っていたので本当に嬉しかったな。