久しぶりにNOKJPNの為替レートを見たら、1クローネが17円を割って16円半ばに急落していました。
おやおやまぁ。。
8月後半からじわっと、9月にがくがくと下落し、10月に入ってついに16円にタッチとは。。
去年の冬(今年の正月に、だった。間違えた)にノルウェーに行ったときは1NOK=21JPYくらいで、あまりの物価の高さに鼻血が出そうだったもんな~。
対円で考える限りだと、これでようやく東京の物価とpari(=equal)というところかな。でも日本の現在の状況もちょっと微妙だしな。。ほんとにビモー
ノルウェークローネ(NOK)は対ドル(USD)でも下降線。ユーロやドルの為替相場とは異なり、どちらかというと原油価格に連動するという独自の動きを見せるNOKが下落ということは、もれなく原油価格も下落傾向なんだろ~と、原油価格情報を探してみたら、「ドバイ原油続落、1年ぶり80ドル割れ」(日経ネット 2008.10.07 12:19)だそうで。ほえ~。
投機筋まみれで指標としてはどうなのよというNY原油先物市場が下がるのはそりゃまーねとしても、ドバイも一気に崩れましたな。
個人的には、それでもまだ高いかなぁと思うけど。
(とはいえ、原油価格が低下すると、またしても代替エネルギーの開発にストップがかかってしまうのが残念。それではまた同じことの繰り返しになるだけだしなー。。)
しかしまぁ、なんとまぁ、壮絶な全世界金融我慢比べ。
そろそろお隣の韓国がギブアップを申し出るかとヲチしていたら、それよりも先にアイスランドが脱落宣言しました。
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アイスランド、民間銀を政府管理下に 金融非常事態を宣言
【ロンドン=吉田ありさ】アイスランド政府は6日夜「金融市場の混乱で我が国は危機に直面した」と非常事態を宣言し、民間銀行を政府管理下に置く法律を緊急に制定した。すべての銀行を国有化し、海外資産売却など再建策を政府が手掛ける。預金は全額保護する方針を示している。
ハーデ首相がテレビで国民に「アイスランドの銀行が6日に金融市場で資金を調達できなくなった」と報告。同国の国民総生産(GNP)の何倍もの負債を持つ民間銀行の「実質破綻」により「最悪の場合、銀行とともに国家が破産する危険もある」との認識を示した。
過去数年アイスランドの銀行は市場から資金を調達し英国など海外で事業を積極的に拡大していた。昨年以降の世界的な信用収縮で市場ではアイスランドの銀行の資金繰り不安が浮上し、政府は9月末、資金調達に行き詰まった大手銀1行を国有化。「金融危機対応でアイスランドの財政負担が膨らむ」との懸念から外国為替市場では同国通貨が急落していた。
(日経ネット 2008.10.7 10:45)
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国の規模が小さいだけに、民間銀行の破綻が国家の存亡に関わるとは。。
日本はそれなりに経済規模の大きな国なんだと実感。。ヒシヒシ
今回の金融危機に先立つこと10ヶ月前のアイスランド経済に関する記事がありました。
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アイスランド、急成長のツケ
(前略)
先月、アイスランド商工会議所は新たなリポートを公表するため、ロンドンで昼食会を開催した。今度はロンドン・ビジネススクールのリチャード・ポーテス教授とレイキャビク大学のフリドリク・バルドウルソン教授の分析だ。
ポーテス教授は、「アイスランドの銀行はサブプライム市場に投資しておらず、個人預金の増加で資金構造を改善させた」と述べた。だが、格付け機関フィッチのポール・ローキンス氏は、「預金残高に対する貸出残高の割合は300%の高さで、各行はまだホールセール市場に依存している」と指摘する。
ポーテス教授曰く、アイスランドの銀行についているプレミアムはソブリン(国家)リスクへの懸念と見るべきだ。金融セクターが急成長したため、為替レートや市場心理に急激な振れが起きたら、影響を受けやすいからだという。
だが、教授の見るところ、こうしたソブリンリスクへの懸念も行きすぎだ。アイスランドの財政は強固であり、「スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は最近、アイスランドの格付けをネガティブウオッチとしたが、アイスランドにはデフォルト(債務不履行)するほど債務がない」と言う。
昨年と今年のリポートから浮かび上がるテーマは、アイスランドを取り巻く情報の非対称性だ。ポーテス教授は昨年の小さな危機を、銀行に対する批判とマクロ経済の不均衡から生じた「情報の危機」と呼び、現在の市場の動きも同じ問題が原因だと主張した。「各行につけられた市場プレミアムは過大だ。これが実際にカントリーリスクプレミアムだとすれば、国の経済の実態とは釣り合わない」。
アイスランドのゲイル・ハーデ首相は分析結果に胸をなで下ろし、「投資家が直面している大きな問題は、我々の状況に関する情報の欠落だ」と述べた。
(日経ビジネスオンライン 2007.12.10/ FINANCIAL TIMES,2007 Nov.24 )
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この記事から分かることは、「経済学者」という存在自体がジョークだということと、アイスランドの金融危機はなんだかんだいって(サブプラ関連への投資はなくとも)アメリカの金融不安と同じ根っこにあり、実体経済から乖離したバブル経済の終焉だということ。
今年の5月に起きた世界同時株安により、アイスランドが一時的に金融危機を迎えた際にはノルウェー、スウェーデン、デンマークのスカンジナビア3国が共同でアイスランド経済の再建をバックアップしたそうですが、今回はもはや手の施しようがなかったということなんでしょね。。
("Scandinavians unite to end Iceland's financial chaos" 2008.05.18 12:03 BST 英Telegraph /
スカンジナビア地域の3中銀、アイスランド中銀とスワップ協定を締結=スウェーデン中銀 2008.05.16 18:45 JST ロイター)
(「同じ地域の国だから仲良く頑張ろうぜ」という意味でスカンジナビア3国が共同で助け舟を出すのはごくごく自然な成り行きだと思いますが、一方で、アイスランドを試験的に金融セクターに仕立て上げたのは実際にはこいつらなんじゃねぇか? という疑惑も湧いてみたりして。。特にノルウェーがな~)
アイスランドはほんの1年前までは国民ひとりあたりのGDPが世界上位クラスの国だったのにな。
金融バブルの成長の勢いと崩壊速度の凄まじいこと。
て、日本もひとごとではありませんが。。
NHKのドキュメンタリー番組「映像の世紀」の21世紀バージョン(ネタ)が2chの市況板に貼られていたので、コピペ。
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「映像の世紀 -21世紀版」
第1集 それは9.11から始まった~テロとの終わりなき戦い~
第2集 中国の躍進~その光と影はあまりにも儚く~
第3集 ウォール街が壊れた日~資本主義の崩壊~ ←いまここ
第4集 忍び寄る戦争の足跡~ロシアの野望その行く末~
第5集 世界は核の炎に包まれた~禁じられた『核』が放たれた日~
第6集 廃墟からの再スタート~国際連邦発足の舞台裏~
第7集 聖火よ大地を駆け抜けろ~16年ぶりのオリンピックとつかの間の平和の話~
第8集 宗教の壁未だ厚く~再び世界が割れていく~
第9集 世界は未来を捨てた~中東発第四次世界大戦の勃発~
第10集 地球最後の日
なんか、ほんとにそうなりそうでこわいな~。。
***蛇足***
アイスランドショックについてのノルの報道は「我々が(ノルウェーがアイスランドを)救わなくてはならない」みたいな論調だとか(伝聞)。
アイスランドもいまさらデンマークに戻るのは難しいだろうし、デンマークよりはノルウェーの方が民族的にも文化的にも(言葉とか鯨食いだとか)近いしビジネス上でも関係が深いので、まぁ妥当なのかな。よくわかりませんが。。
ノルウェーの場合は、21世紀初頭にかけて原油価格の急激な下落や周辺諸国の金融不安による通貨危機を経験しており、今回のバブル崩壊のシナリオを予想していた節が見受けられるので、おそらく今更慌てるようなことはなかろうと思うけど、内需だけでやりくりするには国の規模が小さいので、それはそれでたいへんだろな。。
しかしまぁ、デンマーク(やスウェーデン)の統治下にあるのではなく「自らの言語(て、方言みたいに似てるやん)を守り、自らの議会を持つ」ために独立したい! という祈願を果たし、それでも折につけては往時の宗主国と連携しちゃうという感覚は、互いに近親憎悪しがちな東アジアの片隅に生まれ育った自分にはイマイチ理解できんのです。。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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