グルジアのこととか、アーバンコーポレーション民事再生とか、世の中騒々しいできごとが多いのですが、それはともかく(いいのかそれで)、夏休み北ア縦走顛末記、The Day3。
■これまでの道のり
・Day1 黒部ダム~平の渡し~奥黒部ヒュッテ
・Day2 奥黒部ヒュッテ~水晶岳~祖父岳~雲ノ平
3日目の8月11日(月)も、前日と同じく朝3時15分に起床。周囲のテント内もぽつぽつと灯りが点っていて、ごそごそと起き出している様子。外はまだ真っ暗。天の川がちょうど頭上にかかっていました。
標高約1500mの奥黒部ヒュッテに比べたら、標高約2600mの雲ノ平キャンプ場は、単純計算で気温が6.6度低いはずなのだけど、薄手の長袖+半袖シャツでもあまり寒くない。
それでも片付けの最中はレインウェアの上着を着て、いちおう防寒。
寝ているときも、夏シュラフ+2レイヤーのシュラフカバーで暑いくらい(シュラフカバーなしでも問題ないのですが、テント内の結露が付くのがいやだったので使用)。
朝ごはんを食べ、テントを撤収し、トイレに立ち寄り、朝4時ちょっと過ぎに雲ノ平キャンプ場を出発。
昨日さんざん悪態をつきながら歩いた木道をぽくぽく逆戻り。先頭を歩くY君2は今回絶好調で、朝イチから元気満タン。昨夜はあまり眠れなかったという割には、なかなかハイペース。なので、ちょっとペースを落としてもらう。
次第に東の空が白み始め、左手の谷間を挟んだ向こうに聳える水晶岳の真っ黒いシルエットがものものしい。
木道の終点、祖父岳への登りの地点では、すでにヘッデンいらずの明るさに。水晶小屋方面の空がうっすらと黄色に染まっている。黒い山影の上に、薄い黄色と水色と濃紺のグラデーション。幻想的な配色。
雲ノ平キャンプ場を見下ろすと、緑にオレンジ、黄色に水色と、灯りの点ったテントが点在し、なかなか絵になる風景。
小さな雪渓を渡り、祖父岳山頂へのジグザグ岩道を登り、道がガレた岩場になった山頂直下にて、東の山影からご来光。う~ん、惜しい。
眩い朝の光に包まれた祖父岳山頂には、ご来光に合わせて登ってきた人たちがすでに多数点在。
それまで霧が立ち込めていたあちこちの谷間やカールも、太陽光を浴びて徐々に靄がとれ始め、すっきりとした青空が広がる。
背後に見える薬師岳、右手に聳える北ノ俣岳、黒部五郎岳の山頂部分に曙光が当たり、赤く染まり始める。自然のダイナミズムに圧倒されそう。
大小さまざまなケルン群が無秩序に立ち並ぶのっぺりとした祖父岳の頂で、早くも第一次休憩。なにしろこの日のコースタイムは約6時間。前日のハードな行程に比べたらのんびりモードで無問題。
朝陽に照らされた岩ガレの台地とケルン群、眼下にすうっと落ちていく黒部源流に至る緑の斜面、その向こうに鷲羽岳の山容。山頂に人影。
うはー(←感動
かなりのんびりと休憩した後、祖父岳下山開始。昨日来た道を辿って、再び岩苔乗越を通過。ワリモ北分岐にてワリモ岳方面に向かうガレの上り坂をえっちらおっちら登る。軽快に足を進めるY君その2から少し遅れ、自分は息があがらないペースを保つようにしてひたすら登る。
登山道はワリモ岳山頂直下をトラバースしていくけれど、山頂直下に荷物をデポして踏み跡を辿って山頂に出る。来た方向を振り返ると、遥か遠くに黒部湖がチラっと見える。思えば遠くに来たもんだね~と一同しみじみ。
行く手の方向に目を向けると遠くに富士山がうっすらと見える。「心の眼で見ろ!」くらいの淡い影。
また、槍ケ岳と山頂に続く北鎌尾根がくっきり見える。あそこが天狗のコルで、あれが独標だね~とY君と指差し合う。槍ケ岳から右に視線を移すと、焼岳がひときわくっきりと浮かび上がって見える。水晶岳と同じく天然の要塞のよう。絶景でした。
ワリモ岳を降りて、再び登山道をえっちらおっちら。鷲羽岳に続く急登は遠目で見るよりも近く、案外ひょいっと山頂に至る。到着時間は7時半頃。かなりのんびり。
山頂はすでに20人以上の登山客でいっぱい。山頂にて記念撮影。
「あぁ見える、見える」と言いながら山頂の端に向かうY君の後を追うと、眼下に鷲羽池。噴火口の跡なんだろう。こじんまりと、美しい円形の窪みに青緑色の水がぽっちり溜まっている。
うはー(←感動
目の前には白く岩ガレた硫黄岳と赤い岩が剥き出しになった赤岳が、緑に覆われた風景の中で際立っている。なるほど空気がかすかに硫黄臭い。個人的に、あの赤岳と硫黄岳をつなぐ硫黄尾根はかなり気になる存在。硫黄尾根の向こうに、槍ケ岳もいよいよくっきりと目前に見える。
鷲羽岳山頂でもゆっくりと休憩した後、下山開始。鷲羽岳から三俣山荘までの下りはジグザグ道を一気に降りる。右膝の調子が良くないので、時々ピリリと痛みが走る。う~ん、まずいなぁ。
ジグザグ道が終わり、なだらかな道を少し歩いてハイマツ帯をくぐり、8時45分過ぎに三俣山荘に到着。
目の前に三俣蓮華岳が見え、今度はあそこまで登るのかぁ。。と、少しぐったりする。
せっかくだからピークハントとしたいと希望したのは自分だけど、登っては下りて下りては登る自分がジェットコースターの軌道を歩く蟻んこにでもなった気分になる。
山荘前のベンチで休憩していると、ぎらぎらと太陽が照りつけ、次第に気温が上昇し始めたのを感じる。あちー。。
しばらくの休憩の後、再び歩き出し。いざ、三俣蓮華岳へ。
三俣蓮華岳キャンプ場は上部に大きな雪渓があり、溶け出した水がキャンプサイトの脇にせせらぎとなって流れている。Y君いわく、Nさんのお気に入りテン場だそうな。なるほど快適そう。
「リバーサイド」のテン場を抜け、緩い傾斜の岩や潅木帯の中の道を登り、右手に雪渓が残り左手の展望が開けた場所に出る。雪渓からチロチロと流れ出る水がひゃっこくて気持ちい。道の端に座り、シャクシャクと雪渓と食べている人たちがいた。おいしいのかな。
分岐から三俣蓮華岳を見上げると、青空を背景に聳える灰色の岩山と、へばりつくような緑の高山植物。構図としてはヤマケイJOY度高。ということでヤマケイJOYっぽいポーズを決めて写真を撮る。ムダにハイテンションww
ザレた浮石のある急登をぽくぽく登り、9時50分過ぎに山頂に到着。
登り道はしんどいっちゃしんどいけど、結構呆気ない。なんだか遠近感がわけわかめ。
三俣蓮華岳は富山、岐阜、長野の3県の県境。長野は身近だけど、岐阜や富山は物理的な距離以上に心理的に遠いので、個人的におお~と感動。
1、2日目は、昭文社の山と高原の地図「剱・立山」を見ていたのだけど、ここから同「槍ケ岳・穂高岳」にシフト。
縦走経験が乏しいものだから、なんだかそれだけでもすごいな~と、ひとりで感動。
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3日目の行動時間は短いのだけど、なんだか長くなってしまったので続きはまた今度。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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