忍者ブログ
Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by - 2025.03.17,Mon
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

Posted by norlys - 2007.06.04,Mon
週末は山の会の沢はじめ。丹沢流域の沢を2日間で2本という計画。

沢登りは去年の夏の終わりにお試し山行で南秋川の軍刀利(グンダリ)沢に入ったのが人生初めての沢で、今回が2度目。沢の装備もひととおり揃えたので、あとは出陣を待つばかり。。。と張り切っていたのにもかかわらず、あろうことか土曜日の朝目が覚めたらびっくり。

いや、びっくりしたのは待っていてくださったみなさんのほうでしょう。
起きたら集合時間を過ぎていたという大遅刻は、人生2度目くらい(たぶん)。。
みなさま、ほんとうに申し訳ありませんでした。深く反省しています。とほほ。。

仕切り直しということで、午後にその日の沢を終えたみんなと駅で合流。
キャンプ地となる寄大橋に向かう。神奈川の水源の森とのこと。
以前キャンプ場があった場所とのことで、また、森林ボランティアの人たちが整備を進めてくださっているおかげで、道もトイレも完備。

まだ時期が多少早いせいか、はたまた週の半ばに雨が降り続いたおかげか、川原に流木がごろごろと転がっていたので、これ幸いとかき集め、盛大な焚き火を楽しむ。
「カロリー無視」という宣言どおりに大テンプラ大会。毎回さまざまな技が披露されるので、自分が食担になった暁には子豚の丸焼き級のネタを仕込まないと、ツマランと一蹴されそうでこわい。

11時頃、三々五々に就寝。
翌朝6時45分に起床。日曜日のみ参加の人たちを待ちながら身支度。
総勢8名の大人数。適宜途中で2グループに分けるかもしれないけれど、ひとまず全員で行動することに。

8時50分に歩き出し。天気は晴れ。気温は17度(管理棟脇の温度計によれば)。
キャンプ地から寄沢の上流を目指して歩く。水はそれほど冷たくない。でもずっと水中に漬かっているのは少々厳しいかも。

10分ほど歩くと、滝郷沢の入り口にあたる「滝郷の大滝」F1(17m)が現れる。ここが入渓ポイント。すとんと切れ落ちている滝なので直登せずに右側から高まく。水流はさほど多くなく、歩きやすい明るい沢。

F2の2段7mの滝。右手にトラロープがかかっている。かなり古い残置のようだけれど、なんとか使える。
滝を登ると2段目のところで、思いっきりシャワーになってしまい冷たそうなので、ロープを頼りに右側を巻く。

F3は気づいたら通過していたような。

しばらくいくと堰堤が続く。最初の2つは右から、残りは左から巻く。合計6つあるらしいのだけれど5つしか数えていない。ひとつ足りない? 気のせいかも。

右俣との分岐に出る。「明るい方」ということで迷わず左俣へ。

F4の5mの滝が現れる。滝の上に大木が横たわっている。以前の遡行記録を見ても同様の木がかかっている写真がでてくる。仕事道の渡り橋なんだろか。
ザイルをセットして登る。ホールドは豊富なのだけど、岩が脆くてつかんだ端から崩れる。こわ。。。
なるべく1点だけに力をかけないように注意しながら登る。

しばらく淡々と谷を進む。水底は明るい緑色の粘土で埋まっている。
まだ暑い夏の盛りでこそないけれど、どうも生き物の絶対数が少ないような気がする。周囲の岩や水底は一面緑色で見た目はとても美しいのだけれど、緑泥岩とか緑簾石だろう。それもまだあまり風化していない生まれたての石(風化が進めば酸化して赤茶けてくるものと思われ)。推測に過ぎないけれど、ミネラル分が強すぎて生き物にとってあまり棲みやすい環境ではないのかもしれない(※)。

F5の6mの滝。左は壁が崩壊して泥の斜面。右は脆い岩の斜面。どうにも逃げ道がない。Y君がトップで突破。続いてTさんが滝の直撃を避けて右端から取り付くけれど、岩が脆いので結局滝のほうにトラバースする。わたしは火遊び(夜の徘徊じゃなくて焚き火のほう)と同じくらい水遊びが好きなので、シャワークライム覚悟で滝に飛び込む。冷たいけれど気持ちいい。でも岩が脆くてつかめない。つっぱるようにして登るしかない。
沢登りのときは立木や落石に備えてヘルメットを被るけれど、シャワークライムのときはバイク用のメットみたいにフードがあるといいかもしれないなぁと思うけど、どうなんだろ。

またしばらく淡々と沢を登るうちに、水が途切れ、大崩壊地が現れる。どうやら左手の斜面がどさっと崩れ落ちたようで、すっかりガレで埋まった涸沢になる。とにかくガレ、ガレ、ガレ。なにか微妙なバランスが崩れたら、さらにどっと崩壊しそうな気配がただよっている。

おそらく涸滝があろうかという場所も、岩が脆くてあぶないので断念。来た道を戻ることにする。
右俣との分岐地点で右岸にあがると仕事道があったので、そのまま仕事道をたどる。ところどころに木のベンチがあったりと、とてもほのぼのしたハイキングコースで、ヘルメットやらりガチャやらの重装備がなんだか滑稽に思えるほど。30分ほどで寄大橋に出る。

気持ちの良い川辺で装備を洗ったり着替えたりと帰り支度。
残念ながら敗退となってしまったけれど、自然の力がいかに圧倒的かということを再認識するよい機会になったかと。これはこれでいい経験です。

※後で調べたところ、丹沢山系は、北日本の乗っている北米プレートと伊豆諸島の乗っているフィリピン海プレートの狭間に生まれた海底火山が、両プレートの衝突の折に地表にせりあがって形成された地層だという学説があるそうです。んーなるほど。
丹沢の地層についての詳細は、
こちら。西丹沢は石英閃緑岩帯とのことです。確かに、流木を拾った寄沢の川原には、みごとな石英閃緑岩がゴロゴロ転がっていました。

また、こちらによると、丹沢は世界でも有数の高アルカリ
性水の湧水地だそうです。さもありなん。
わたしがソノ手のあやしぃ業者だったら、滝郷沢の水を「お肌ツルツル天然アルカリイオン水」とか、谷の泥をさらって「お肌ツルツル美顔泥パック」 とかいって売り出したりして。
って、やらないけどね。というよりできません。丹沢一帯は国定公園ですものね。
PR
Posted by norlys - 2007.05.28,Mon

先週末は久しぶりに山に登らずに実家に帰る。父親が旅行に出るので、母親とどこかに旅にでる予定だったのだけど、結局は実家に行って近場にドライブとなった次第。

実家に帰るということで、同居人はいそいそとスーパーに肉を買出しに行く。えーとこれは庭でBBQをやれということだなと了解。
両親も同居人も、もちろんわたしもBBQが大好きなので、実家に帰るたびにこじんまりとした庭でちんまりとBBQを楽しむ。今の時期は薮蚊が少ないのでうれしい。

我が家では台所は男の戦場なので、食材の準備は同居人に任せて、わたしは顔と手を真っ黒にしながら庭で火をおこす。

翌日は朝早く起きて日光方面に向かう。特にコレを見たいという希望があるわけでもなく、まぁ手頃なドライブ~ということで霧降高原へ。

霧降高原の駐車場に車を止め、ちょっと歩こうか。。。ということでぶらぶらと散策していたら、丸山へのハイキングコースがあった。せっかくだから、もうちょっと歩いてみようかということになり、ふらふらとスキー場の脇の山道を歩き出す。白、紅、赤紫-新緑の中の山つつじの群生が美しい。

しばらく行くと営業中のリフトがあったので、リフトに乗る(第4リフト)。リフトを降りるとすぐに小丸山の展望台に到着。日光、鬼怒川、今市方面を一望できる。天気は良いし、ここまでひょいっと上がってきたので実感はないけれど、展望台の標高は1,601m。じっとしているとほんのりと肌寒い。

パノラマの反対側には赤薙山山頂への尾根道がすうっと続いている。小丸山展望台から赤薙山を見上げると、左手に大鹿落としと呼ばれる大崩壊地が山頂から足元はるか下まで広がり、自分が宙に浮いているような感覚を覚える。
こじんまりとしているけれど、なかなか見応えのある山の風景。
ふと、ドンン・ウィンズロウの著書「高く孤独な道を行け」(Way Down On The High Lonely)のタイトルが胸に浮かぶ。

同居人にいたっては普段の革靴だし母親もいるので赤薙山に登ることはできないので、より手頃そうな丸山に登ることにする。

小丸山の展望台から山頂までわずか600m。道はとても整備が行き届いていて、気持ちの良いハイキング。

丸山を降りて駐車場に戻り、大笹牧場で休憩。そのまま勢いで那須まで足を延ばす予定だったのだけど、少々無謀かもと思い、日光方面に引き返す。
霧降の滝を眺め、お蕎麦を食べて、いろは坂を登り、中禅寺湖畔をお散歩。中禅寺湖畔にはまだ桜の花が咲いていた。中禅寺湖畔から見上げる男体山はいつ見てもかっこいい。竜頭の滝を眺めてから帰途につく。
nanntai_san.jpg
ひさしぶりに山を離れるはずの週末だったけど、ほんのちょっとだけでも山を歩けたのでうれしいのでした。

Posted by norlys - 2007.05.14,Mon

残雪の浅草岳、守門岳の山行の帰り道、関越道から見た谷川岳の姿が脳裏にこびりついてしまい、谷川岳-万太郎山-平標山の縦走をしたいよーと、週の始めに山好きの元同僚にメールを出した。

土曜日は用事があるけど、日曜日なら空いてるよーという返信を受けて、では縦走ではなくて谷川岳に登ることにしましょうかと、必要な装備についてとか予定のルートとか、電車の時刻表やら最近谷川を登った人の山BlogやらのURL、国土地理院の2万5千分の1地図を加工したものやら盛り込んでメールを送信した。

谷川岳なら電車の駅からスタートできるし、シュラフなどの荷物も麓のロープウェー乗り場のロッカーにデポできるので、自動車のないハイカーにとっては好都合。
天候が思わしくなかったら、水上温泉を散策しましょう、とも伝えた。

事前にできる準備としては割とちゃんとしたつもりだったのだけど、彼女から届いた「了解」という本文のメールの件名は「あてどなく谷川岳」に改変されていた。

あてどなく。。。

ただでさえ天候の変化が激しい谷川岳を「あてどなく」歩くのはあまり感心しないけど。。。とむにゃむにゃ思いながらも、メールの件名には突っ込まずにおいた。

それからは毎日天気図とにらめっこ。当初、日曜日は寒冷前線が直撃という最悪の予想だったけれど、気圧配置を見る限りそこまでひどいことにはならないだろうと予測していた。ただ、あまり山歩きに適した日和ではないことも覚悟していた。

当日、出発の少し前に元同僚から携帯にメールが入り「遅れます」とのこと。とほほ。。。土合駅に同日中に到着するには遅れては困るんだが。。と思いながらも大宮から高崎まで新幹線で来てもらうことにする。
わたしはひとり高崎行きの湘南新宿ラインに乗り、ほんとうに「あてどなく」谷川岳に行くことになったなぁと心細い。

無事に高崎駅で元同僚と合流し、上越線を乗り継いで8:46pmに土合駅に到着。
土合駅といえば、もぐら駅として有名な駅。下りホームは地下70mにあり、462+24段の階段を登らないと改札口に到達できない。いささか鉄分の濃いわたしは、その昔青春18切符でこの駅を訪れたことがあるが、目的地はさらに先だったので、その当時は改札まで登らずに社内に戻った。

土合駅の階段を登り待合室に着くと、すでに5人の登山客が夜仕舞をしていた。ご年配の男性が3名と、若い男性が2名で、女性はわたしたちふたりきりだった。みな車で駅舎まで来たようで、電車で土合まではるばるやってきたのもわたしたちふたりだけだった。
ご年配の男性3人はそれぞれ単独だけど足繁く谷川岳を訪れることで顔なじみになったらしい。土合駅や谷川岳についてあれこれ教えてくれた。

先客のアドバイスに従い、待合室の長椅子をふたつ並べて寝床を用意して10時に就寝。
待合室は煌々と蛍光灯がともり、貨物列車や夜行列車が頻繁に往来する。下り列車のときは地下の深いところからごおおと風が吹き上げる音がし、上り列車のときはすぐそばをごとんごとんと通過する。

次の日の朝4時に目を覚ますと、ちょうど上野に向かう北斗星が目の前を通過した。なにしろ鉄分が濃いので、わたしは鼻血を吹きそうな勢いで元同僚に呼びかける。「見てみて、北斗星だよー」
元同僚はあまり寝付けなかったのか、寝ぼけ眼で列車の行方を振り返ったが、特に感想はなさそうだった。

北斗星を見たヨロコビ(?)で、嬉々としながら支度を始める。外はうす曇、携帯でみなかみの天気予報を見ると、明け方に小雨、午前中は曇り、午後は晴れという予報。
この様子なら天気はもつかもしれないなと思った。

5:35amごろに土合駅を出発。谷川岳ロープウェー乗り場を目指す。夏場なら駐車場に寝泊りしている登山客がいるのだけれど、今朝は一台の車も止まっていない。がらんとした建物をエレベータで4Fまであがり、女性用更衣室のロッカーにシュラフやガスなどの荷物を預ける。
いざ準備を終えて6Fのロープウェー乗り場についたのが6時ちょっと過ぎ。

ロープウェー乗り場のすぐそばにある登山指導センターで水を補充し、登山計画書を提出。ここで西黒尾根と天神尾根の状況を聞こうと思っていたのだけど、人気がなく静まり返っている。
「朝早いと寝ているかもしれないけど、叩き起こせば大丈夫」と、昨晩の土合駅にいた先客の方から聞いたけど、叩き起こすのもしのびないので、そのまま出発。
途中、西黒尾根のとりつきを間違えて一の倉方面に進んでしまったので、道を戻る。

西黒尾根を登り始めたのは、かれこれ6時45分くらいになってからだった。これなら7時から動き出すロープウェーに乗って、当初の予定どおり天神平をピストンしても良かったかも。。。とも思いながら、西黒尾根の急登を登る。

1130mあたりの小ピークまではずっと急登が続くので、息があがらない程度ののんびりペースで歩く。
雪の気配はまったくなく、なんなく夏道をたどることができた。

1200mあたりで少しだけ雪の斜面が現れたけれど、あとはところどころしか雪がない。例年なら、もう少し雪が残っているらしいけれど、今年はほんとうに雪が少ないそうだ。

のんびりペーすながらにコースタイムどおりに登っていたけれど、岩場が連続したあたりからペースが落ち始める。元同僚は岩場と雪面が苦手なので、岩と雪が現れると途端に前に進まなくなる。あまり先を急ぐ必要もないし、急かすことで事故が起きたら困るので、のんびり行く。

10時ごろ、ラクダのコルに到着。コースタイムでは2時間40分のところを、3時間15分かけたことになる。休憩が多かったし、ペースもだんだん落ちているので、こんなものだろうと思う。
ただ、その先山頂までコースタイムでは1時間20分となっているけれど、このままでは2時間+αになるだろうな、と思った。

遅くとも午後1時までには山頂に到着しないと、元同僚は下りも苦手なので、最終のロープウェーにぎりぎり間に合う。。。なんてことになる可能性もある。
それに。。。ラクダの背、ラクダのコルを過ぎたあたりから、一の倉沢方面の上空に寒気が噴出し始めたのが気になる。まるで冷蔵庫を開けた瞬間みたいに、冷気が降りてくるのが見える。
まだ谷川岳山頂方面は目視できるけれど、その向こうに白い雲が厚く集い始めているのも見える。

これは無茶しないほうがいいかもなぁ。。と、ココロの中で思っていると、1700mあたりの岩尾根を渡っているあたりで、マチガ沢方面から冷たい強風が吹き込んできた。天神平方面から吹き上げる空気と対流を起こしているのが見える。
おお、目前に寒気と暖気の層が見える、見えるよ、ママン。
と、お天気マニアでもあるわたしにとって、自然現象のすばらしさを味わうチャンス。ただ、山登りの場面であることを考えると、決して歓迎される状況ではない。ましてや傾斜のキツい岩尾根にいる山登らーにとっては。。。

マチガ沢方面様子を横目に見ながら、とさらにペースを落としてゆっくりと岩尾根をたどる。
しばらくすると、山頂があっという間に雲で覆われてしまった。。。ま、まずい。
1800mあたりの岩場の終わる地点で岩の陰に座り、早めの昼食をとることにした。午前11時になるところだった。その先は斜面が少し急になり、すっかり雪に覆われている。

ふと足元を見ると、風化した薄茶の蛇紋岩に一条の白い筋が走っていた。白い筋はよく見ると六角柱状の石英のようだった。石英脈。。。? 米粒大の水晶の結晶が詰まっている。きれいだな。

霧の中から、6名の男性グループが西黒尾根を降りてくるのが見えた。
上のほうはクラストしているので、ピッケルがあったほうが良さそうだ、とのこと。今回はアイゼンはもっているがピッケルではなくストックのみ。

あと少し登りつめれば肩の小屋に出れる。。。1年前の夏にも西黒尾根を登っているので、自分たちが今いる場所はわかっているけれど、風の吹く中雪の斜面を登って肩の小屋にたどりついても展望も望めないし今のペースで谷川尾根を降りても。。。と、しばらく逡巡する。
40分ほど岩陰に潜んで天候の様子を見た。回復が望めないと判断し、11時45分に西黒尾根を降りることにする。

2時45分に西黒尾根下山口に到着。天神平には陽が差しているが、相変わらず谷川岳山頂は雲で覆われていた。
3時32分土合駅発の電車にのり、帰京。

次回はもっと天気の良いときにリベンジしたいものです。。。





Posted by norlys - 2007.05.08,Tue
GW後半の5月3日から5日まで、新潟の中越にある浅草岳と守門岳を登ってきました。

山の麓は桜が満開を過ぎ、水仙や菜の花が咲き乱れ、雪解け水がどうどうと流れていて、田んぼは田植えをまつばかり。。と、これぞ越後の春という風景。

連休だというのに訪れる登山客もわずかで、浅草岳では3組の小規模パーティと単独行の方が3人くらい、守門岳では単独行の方1人とご夫婦と思われるお二人の1組だけ。
とても静かな山歩きを楽しむことができました。

山の頂にはまだ2mばかり積雪が残っていて、トレースも少ないので、山頂の方角をめざしながらのルートファインディング。積雪の少ない年にもかかわらず、さすが豪雪地帯で、稜線や尾根にはセッピが張り出していてちょっと緊張する。

わたしは知らなかったけれど、「越後の山は奥深い」のだそうな。
なだらかな尾根伝いに登っていくので、息があがることなく、珍しく写真を撮りまくる余裕さえあったけれど、目前に見える山頂がなかなか近づかない。しびれを切らして雪の上を駆け出してみるけれど、あれれ、思いのほか遠い。

山頂に立つと、眼下には山、山、山の風景。ところどころ山間の平地に集落が見える。
越後の山は奥深いけれど、標高もさほど高くないので、決して人を寄せ付けぬ土地ではなくて、人と山とが寄り添いあってともにある、そんな印象を受けた。
春先という時期もあり、沢沿いには水がほとばしり、いのちの源があふれている感じがした。

the_oniga_tsura_desu_s.jpg 
浅草岳の山頂に向かう途中で右手に見えた鬼が面岳。
切り立つ爆裂火口壁が圧巻。
その猛々しい姿にみとれてしまう。うぅ、かっこいい。。

あの火口壁を登るルートはないものかとWebで検索しているけれどなかなか見つからない。安山岩火砕岩の地層で崩れやすいらしいのだけれど、あれだけ見事な節理なのだから、それなりにしっかりしているのかも。

登攀は無理としても、いつか田子倉湖畔から鬼が面山の稜線を歩いてみたいと思うのでした。

  
Posted by norlys - 2007.05.02,Wed
4/28~4/30の連休の間、尾瀬に山スキーに行ってきた。
とても気持ちの良い快晴が続き、雪もまだ2m近く残っていた。

山の鼻に荷物をデポして、3時間近くかけてヒーコラヒーコラと至仏山に登り、わずか1時間で滑り降りてくる、というのを2日間繰り返した。
1日目はムジナ沢。2日目はワル沢方面からカラ沢にトラバース。

朝晩は冷え込んだけれど、真冬に比べるとずっと暖かく、日中は陽射しが暑いくらい。
山の麓はちょうど桜が満開で、水仙、菜の花、ユキヤナギ、レンギョウも咲き誇り、春爛漫の風景だった。

尾瀬はその昔、小学校の林間学校で行ったのが最後。
山に囲まれた地形にぽっかりと空と湿原が広がって、その狭間に木道が伸びていて、人が蟻の行列のように連なっていたイメージだけは鮮明に覚えている。

ほんの少し昔、山歩きにはまった頃、あれこれ山に関するWebサイトをブラウジングしているときに、たまたま尾瀬で山スキーに行ったBlogを見つけた。西丸震哉氏という秘境探検家の著作に記された念願の尾瀬の岩塔ヶ原に行ったという内容だった。

西丸震哉氏とは何者かと西丸氏について検索を進めると、尾瀬についてのいわく話がそろりそろりと出てきた。

福島県桧枝岐村は平家の落人の集落である、とか。
(特にいわくネタではないけれど。桧枝岐村のPRにも記載されているので。)
岩塔ヶ原一体は異世界に通じるミステリースポットである、とか。
(なんでも、西丸氏は岩塔ヶ原で2度自分のドッペルベンガーに遭遇したとか。。)
尾瀬はサンカの霊場である、とか。
廃藩置県のときに、福島と新潟は尾瀬一帯を事情にうとい群馬に押し付けた、とか。
(この辺は、ナイーブな問題らしいけれど。。どうなんだろう)

ほどなくして、古本屋で「西丸震哉氏の日本百山」を入手し、そのマニアックな山セレクションにビビった。
西丸氏の挙げる百山を忠実に再現するには、いったいどれだけサバイバル能力を高めればよいのか検討もつかなかった。

至仏山山頂を目指しながら、折につけては振り返り、背後に広がる尾瀬湿原と聳える燧ヶ岳と周囲に連なる山並みを見渡しては、岩塔ヶ原はあっちだろうか、カッパ山は、瞳が原はあの辺だろうか、ニチャベッタ姫はどこにいるのだろうか。。。と何度も考えた。


lunabianca_oze.jpg
夕方、至仏山の北、ムジナ沢の頭あたりに沈む夕陽を眺めながら、シラカバの林の雪原をぽてぽて歩き、氷河期時代のカールの名残の湿原と、その向こうに凛としてある燧ヶ岳を眺めて、あらためて自然の壮大な美しさに胸をうたれた。

一時期、自分の中で尾瀬という土地があまりにも神聖な存在になってしまったので、畏怖の念ばかりが先行し、そこにいる自分を想像できずにいた。でも、実際にここに来て本当に良かった、そう思った。

こんな素敵な旅を企画してくれた山の会のかたにこころから深く感謝。







Calendar
02 2025/03 04
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
最新記事
(07/27)
(07/13)
(07/10)
(03/18)
(03/17)
(03/16)
(03/16)
(03/16)
(03/12)
(03/10)
Profile
HN:
norlys
性別:
非公開
自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。

色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
つぶやき。
Search
Meteo
Look down on Earth
↑陸域観測技術衛星ALOS(だいち) 「P」ボタンを押すと衛星画像になりますyo
Ads
Comments
[09/23 ヨシ]
[02/06 kacky]
[09/22 kacky]
[07/31 vini]
[07/06 FilsNoel ]
Trackbacks
バーコード
Tool
Log
Template by mavericyard*
Powered by "Samurai Factory"
忍者ブログ [PR]