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Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by - 2025.02.04,Tue
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Posted by norlys - 2007.07.20,Fri

高村薫の「神の火」(文庫本)を読んだのは、かれこれ10年くらい前のことでした。

本屋さんで平積みになっていたのをたまたま手に取り、ぱらっとめくったらページに文字がびっしり埋まっているうえに上下巻で、ややこれは良い時間潰しだなと思って購入しました。自分にとって初の高村作品。

「神から掠めとった炎の砦・原発に男たちは徒手空拳で襲いかかった…。荒波に洗われる日本海の、とある断崖にそれはあった。白いコンクリートの巨大な塔で燃えさかるプロメテウスの火。鉄壁の防護システムで制御された火焔を消し去ることが、彼ら二人の目的だった…。」(Amazonからコピペ)

原子力発電所に浸入して炉心を止める、ただそれだけのために、すべてを捨てて計画に没頭するふたりの男性。原発がターゲットとはいえ、決して高尚な理念や反原発のプロパガンダを標榜するわけではありません。

ただ胸の内の空虚を埋めるための衝動的な思い付きを行動に、そして目的にすり替え、その結果はすべてを虚無に還して虚空という安寧の境地にたどり着く。。。

まさか原子炉をモチーフに、愛憎の交錯する子宮回帰の願望の構図が描かれるなんて想像もしてませんでした。衝撃的でした。
詳細なストーリーはもうあまり覚えていませんが、奇妙なやるせなさと爽快な解放感がない交ぜになった不思議な読後感だけは今でも覚えています。

ふと、先日の中越地震で柏崎刈羽原発でトラブルが発生しているとのニュースを見て、この「神の火」の物語を思い出しました。
「神の火」の舞台として描かれた音無原子力発電所のモデルは福井県にある高浜原子力発電所だそうですが。

柏崎刈羽原発の事故? 状況については、地震発生後からちまちまとヲチしているのですが、今の時点ではなんともいえません。自分の知識不足を思い知るばかりで。。

7号機からヨウ素131などの放射性物質が検出された(地上の濃度は法令限度以下)、というニュースもありましたが、このニュースの続報はなく。
ほんとうのところはどうなんでしょう。あと、ほんとうのことっていったいなんなんでしょう。

「柏崎刈羽原発トラブル」に関してGoogleでニュース検索すると、朝日と時事通信、スポニチそれからTBSといったメディアが積極的に報道し、読売や産経がだんまり気味である点が不気味だな、とは思います。
メディアとしての立ち位置の違いでしょうか。スポンサー(電力会社とか経団連)の影響でしょうか。

ところで。
原子力発電環境整備機構が2002年12月に作成した「処分場の概要」という冊子を見ると、「少なくとも1000年は大丈夫。いちおう10万年後までを視野に入れています」とうたっています。
処分場っていえば、そういえば今年、高知県の東洋町で問題になりましたっけ。コレがアレですかね。
(どうでもいいけど、原環機構ってDjVuを導入しているんですね。。。ローカライズするときは大変そうだわ)

この冊子にはとても詳しい説明があり、実にしっかりとしたプロジェクトで説得力があります。うん、これならウチの隣に処分場ができてもいいんじゃないと思うくらい。でもね。

「すべての地上施設を撤去し、その後には処分場の存在を示すモニュメントや公園などを設けることも可能です。」(on page 22)
オプションですか、そうですか。

スウェーデン(昨年ちょっとしたメルトダウン寸前の原発電事故が起きたそうな)のように、「遠い未来に文化が分断され、現在の言葉が通じなくなっても、その土地の地下に放射性廃棄物が埋まっているからほじくりかえしちゃダメ、ということを後世に伝える方法」まで真剣に考えてほしいなぁと思いますた。

いや、それ以前に「なお、わが国の処分場の長期安全性を判断するための基準値については、将来設定されることになっています。」(on page 43) という一文が。。。ええぇ。処分場候補地募集中なんだから決めようぜ、今すぐ(諸外国の基準値を代わりに例示していますが)。

無闇やたらに原発反対を唱えるつもりはありません。かといって原子力がクリーンエネルギーであると諸手を挙げての賛同はしがたいです。難しいですね。。

なにしろ、1000年とか10万年とか、これだけのロングタームで最終廃棄処理を考えなくてはならない時点で、やはり原子力は「神の火」だなぁ。。。と思うのです。
イナバ物置なら100人乗っても本当に大丈夫かどうか、割とすぐに検証できそうなのですが。。

諸外国の高レベル放射性廃棄物処分等の状況」 ((財)原子力環境整備促進・資金管理センター 編集、経済産業省 資源エネルギー庁 監修) という冊子も見つけました。全210ページにおよぶ大作なので、時間があるときに読んでみたいと思います。

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Posted by norlys - 2007.07.14,Sat

沢に行って水ゴコロが刺激されたのか、泳ぎたいよ熱が高まってネットで水着を購入。ライフセーバーのようなウェアなので、これなら泳ぎ系の沢にも使えるかもという下心あり。

せっかくなので同居人の分もウェア一式を揃えて(男性用の水着は安くていいなぁ。記事の使用量が違うけど。。)、今日は近くの公営スポーツセンターに行き、何年ぶりかに泳いできました。ほんと、何年ぶりだろう。。

25mの温水プールは、水中歩行(アクアビクス?)と練習用と本気泳ぎ用にコースが分かれていたけれど、本気泳ぎコースで泳ぐ自信はなく、練習用コースでのんびり流してみました。

幸い泳ぎ方は覚えていたけれど、いかんせんすぐに息があがってしまう。。
でも泳ぐのはやっぱり楽しいので、しばらく真面目に泳ぐ機会を増やそうと思います。

泳いだ後は同スポーツセンターで筋トレをして、帰りに近所のスーパーで買い物。

魚売り場の入り口近くには鰻の冷凍モノがてんこ盛り。
中国産食品のニュースがこれだけ騒がれている今、いくら国産と表示されていてもねぇ。。。と、まじまじとラベルを眺めてしまいました。「国産」どこかに小さく「中」と書いてあるんじゃないなぁと思いながら。

同居人が珍しいことに「肉も魚もいらない。ヨーグルトとシリアルだけでいい」と言い出すので、あらら珍しい、毒入り中国食品&偽造国産食品ショックかな。。。と。
単純に食欲がなかっただけ or 料理するのが面倒(でもわたしには作らせてくれない。。いいけど)という理由かもしれないけれど。

ただ私個人としては、スーパーの食品売り場を覗いても、いまいちどれにも食指が動かず。。
肉や魚よりも、ヨーグルトとシリアルの方が安全かというと、それもまた。。。などと考え出すとキリがないし。
値段が高ければ信用できるとは限らないけれど、デパ地下の食品売り場を巡っているときのような高揚感が湧きません。

安いから仕方ないけれど、安いものはそれなりに理由があるような気がしてならなず、とはいえ毎日の食事に高い食材は買えないし。。。「なにを食べたらいいんだろう」と、軽く奇妙なジレンマに陥ってしまいました。

中国で話題沸騰 段ボール入り肉まんを作ってみた」(Amebaニュース 2007/7/13) の記事を笑って読んでいられるウチがハナかもしれません。

365 dager uten Kina (メイド・イン・チャイナなしで1年過ごしてみた)」(Dagebladet 2007/7/4) の記事で、とあるアメリカの一家が中国製製品を避けて1年過ごしてみたという話が取り上げられていました。現実問題として中国製品を避けるとコストが膨らんでしまう、現在世界中に中国製品が普及しておりその影響力は大きい。。というようなオチで、あまり目からウロコな内容ではありませんが。

アメリカのように「China Free」の機運が盛り上がり、怪しい中国産食品の輸入規制が強化されることを願いつつ、日本の食品関係業者(流通や商社含む)のモラルの低さも改善してほしいです。

Posted by norlys - 2007.07.10,Tue
年金問題に関する片山氏のコメントに言及する記事。

片山さつき議員の「システムは数カ月でできる」発言に思う
(日経BP ITPro 2007/07/09日)

長いけれど、以下部分的に抜粋。
-------------
6月29日金曜日の深夜,テレビ朝日で「朝まで生テレビ」が放送された。与野党の国会議員が出席し,国民年金に関して意見を戦わせていた。

 その番組を見ていた筆者は,片山さつき衆議院議員の発言に,思わず起き上がって映し出されている画面を注視した。片山氏は「(新しい年金システムは)数カ月でできる」と発言したのだ。筆者は「どうやったら数カ月でできるのか説明してください」と画面に向かって叫びそうになった。
(中略)

この「朝まで生テレビ」で片山氏は「(社保庁には)SEがいない」とも発言した。片山氏がどんな役割を担うIT専門家をSEと呼んでいるのかは分からないが,SEがユーザー側の組織にいるかいないかは,さほど大きな問題ではない。

今の社保庁に必要なのは,いわゆるCIO(情報最高責任者),つまり組織運営を左右する情報システムの利活用について,専門的な知識,経験,見識を備えた上級マネジメント(経営陣)だ。 
(中略)

社会保険庁の在り方に関する有識者会議」の第10回議事録要旨には,大山永昭委員による発言が次のように書き残されている。(中略)

『厚生労働省にもCIOとCIO補佐官の方がいらっしゃる。ところが,CIOの方は,社会保険庁が厚生労働省の外局だからということもあり,現在,全く違う体制で,この緊急な課題に対応するためのプロジェクトチームが長官の下にできている。(中略)

CIOは,本来,このように全体を統括することが役目である。
このような人が1人もいないとしたら,厚生労働省がこれからITを使ってここに書いてあるとおりのステップで踏み出そうとしても機能しないのではないかと危惧する。』 (以下略)
-------------

筆者の多田正行氏は、CRM分野を得意とするコンサルタントとのこと。
多田氏は、片山氏の発言に対して「IT分野に明るくないのであれば、現場を混乱させないように余計な発言を避けたほうがよいのでは」と締めくくる。

基幹システム系にちっとも明るくないわたしでさえ、たしかに片山氏の発言は根拠が薄弱なうえに不用意だと思う。んでもって、大山永昭委員の発言を信じれば、もはやCIOの不在以前の問題のような気がする。

この先はITの問題だから(どーせわからないし)と、(政府が)目くらまししたり(国民が)目をそらすのは、なんか変だなぁと思うのです。
ITの問題だけではなく、国というシステムそのもの問題ではないかと小一時間。。。

ふと、修学旅行の滞在先だった本館、新館、別館、アネックス。。。と、継ぎ接ぎだらけの地方旅館を思い出しました。今の日本の行政は、こんなパッチワーク構造があちこちで綻びつつあったり、効率化の妨げになっていたり。。。そんな印象を受けます。
現行の業務を滞らせることなく、今この複雑怪奇な迷路を潰してタワーホテルを建てるために必要なことは?
。。。と具体的なカタチあるものとして考えたら、もう少しわかりやすいのかもしれませんね。

こんなことでほんとうに、数ヶ月以内に新しい年金管理システムは完成するのかな。
いや、完成するのだと与党の広報局長が公言するのだから、もしかして、ね。

もっと傷の浅いうちにちゃんと取り組んでいれば、こんな惨事には至らなかったはずなのに。。。と、モチベーションのあがらない仕事を押し付けられた挙句、要件が曖昧なままに見切り発車でスタートして、現場では「俺の屍を越えてゆけ」と阿鼻叫喚のデスマーチが続いても、政府の威信をかけてボロボロのままカットオーバーさせちゃうかもしれませんね。。

Posted by norlys - 2007.07.04,Wed
7月5日からCX系で放送されるドラマ「山おんな壁おんな」というタイトルを見て、てっきりクライマーの物語だと勘違いしたのはわたしだけでしょか。。

なんでも老舗百貨店の店員さんの物語だそうで。。。orz
Posted by norlys - 2007.07.03,Tue

昨日の晩、同居人と夕飯を食べながら「もしも人類が滅亡して、未来に生き延びた人がネット上に散らばるブログを見つけたら、いったいどんな時代だったのかと頭を捻るだろうね~」という話をしていた。
なにしろ現代の情報量は圧倒的だから。

イタリア語で"storia"(すとーりあ)にはふたつの意味があって、ひとつは「歴史」もうひとつは「物語」。
フィクションを"narattiva"と呼び、史実である"storia"と区分することもあるけれど、"storia"が実際の「歴史」と虚構の「物語」のふたつの意味を同時に指すというのはとても面白いと思う。

日本にも四鏡と呼ばれる歴史物語があり、内容はいちおう史実をベースにしながらも脚色も含まれている。
遺されたテキストのなにがホントでなにがウソなのか、後世の人間は注意深く見分けるしかありませぬ。

ところで、こんなネタをクリップ。

--------------------------
「また聞き」「うわさ」はなし、精度重視の体験談検索サイト
(@IT 2007/07/02)

リクルート、電通などが出資するブログウォッチャーは7月2日、「また聞き」や「うわさ」を排除し、著者の体験談だけを抽出できるブログ検索サイト「SHOOTI」(シューティ)を7月3日に開設すると発表した。東京工業大学の准教授で、ブログウォッチャーに1%出資する奥村学氏が研究する自然言語処理技術を生かした。

(中略)
ブログでは、また聞きの体験談や、フィクションの体験談も場合によってはある。その中から著者が実際に体験した信頼できる情報を見つけるには、構文解析技術を使う。形態素解析を行ったうえで、係り受け構造を見つけ出すという。ブログ文章の主語と述語、目的語の構造を解析することで、そのブログ文章が、著者の実際の体験を基にしているかどうか判断。加えて機械学習機によってその精度を上げていくという。(以下略)
--------------------------

確かにWebで語句を検索すると、個人のブログが上位にヒットすることは多いです。
Yahoo!ではオンラインサーベイによる「検索結果にブログが出ると「がっかり」が2割以上」という結果を受けて2007年3月末からサーチエンジンにブログフィルタを組み込んだそうで。

個人的には、検索結果で個人のブログがヒットしても、まったくがっかりしない人間なので、フィルタリングする意義がわからないのですが、どうなんでしょ。

ぶっちゃけ有名人のエッセイも新聞の社説欄も、わたしにとってはブログの一種にしか見えないのですが(社会的評価と社会的責任が大きい、という点は理解していますが)。

某巨大掲示板の管理者さんの言を借りるのもなんですが、巷間に氾濫する情報の中から「嘘を嘘と見抜く能力」を養うことこそが重要ではないかと。

はたして物語は虚構で歴史は現実なのでしょうか。そしてほんとうに、自らの目に映る事象のみが真実なんでしょか。

んでまぁ、「SHOOTI」ってどんなものよとサイトを覗きに行ってみました。ココ→http://shooti.jp/

セールスポイントの「体験談検索(ホンネ検索)」に加えて、「イケてるブログ」(通称「イケブロ」)のポータルを構築するのだそうです。ご丁寧にFAQページに次のような解説がありました。

Q. イケてるブログとは何ですか?
A.  SHOOTI編集部が独自の観点で集めた、内容の素晴らしいブログです。現在、1000以上のブログが登録されており、素晴らしいブログだと編集部が判断したものを随時載せていっています。
 

「イケてるブログ」(通称「イケブロ」)というネーミングって、ちょっと微妙な。。

ホンネ検索とやらの機能は面白いと思います。膠着語である日本語というちょっとやっかいな文法体系をどのようにシステマティックに分析していくのかという点で。
ですが、「イケてるブログ」とやらの設定で、個人的にはこのホンネ検索機能もすっかり台無しです。

SHOOTIがリクルート+電通のコラボということで、ふとフリーペーパーの「R25」を思い浮かべる自分です。
無料ということもあって最初の頃は楽しく読んでいましたが。。。(以下自粛)。
「R25世代」って25~34歳の男性がターゲットらしいのですが、それにしてはノリがネオバブリーっぽい印象を受けるのは良くも悪くもリクルート&電通気質なんですかね。いえ、どちらもすごい会社だとは思いますが。。

さてはて。。。

閑話休題。

米露首脳会議が終了しますた。

ミサイル防衛、米露の溝埋まらず…NATO参加も提案
2007年7月3日12時11分  読売新聞)

記事を切り張りするとこんな内容。

ロシア側の提案
・MD計画を米露間だけでなく常設機関「NATO・ロシア理事会」でも協議し、欧州各国に開発への参加を呼びかけること
・ロシアがアゼルバイジャンで運用するレーダー施設を更新し、ロシア南部に建設中のレーダー施設も提供する代わりに、米国がチェコ、ポーランドで進めるMD配備を撤回すること

アメリカのブッシュ大統領の談話
・「建設的で大胆」とロシア側の提案を検討する意向を示すも、東欧へのMD配備は撤回せずと表明
・「イランに強力なメッセージを送れるようロシアの支持を期待している」と述べてイランへの追加制裁にロシアも同調するよう求める
・「私は彼(プーチン大統領)を信頼している」とのコメント

「問題を先送り」と評している記事が多いのですが、ぶっちゃけこれは交渉決裂ではないかと思ったりします。
なにしろ、どちらの国も1ミリも譲歩していません。強いて言えば、ロシア側がアゼルバイジャンにおまけしてロシア南部のレーダー施設の共同利用を申し出たくらい。ロシアがアメリカのミサイル防衛技術を欲しているのではないかという点を念頭におくと、これはまったく譲歩でもなんでもなくてさらなる罠でしかないような。。

現時点ではプーチン大統領側のコメントがまだ発表されていないようですが、このままアメリカが東欧でのMD配備を着々と進めたらロシア側はどのような対応をとるつもりなのでしょか。

「欧州各国への参加を呼びかける」というプーチン大統領の提案のウラには、「さぁ果たしてアメリカはNATO各国の理解を得られるかな~(いや無理だろ)」という計算があるような気がします。同時に、「みなさーん、アメリカはヨーロッパを戦場にしようとしているんですよ~」と遠まわしにヨーロッパ諸国に啓蒙しているような気もしたり。まぁ、わたしの考えすぎだとは思いますが。

さてはて。。

==================
2007/7/4 訂正

アメリカはロシア側の提案にある「NATOロシア理事会の枠組みで東欧へのMD配備を協議する」という点は承諾していたのですね。すっかり勘違いでした。

今年の6月11日に開催されたサンクトペテルブルク国際経済フォーラムでは、WTOにかわる組織として「ユーラシア地域自由貿易機関」の設立を呼びかけたりと、ロシアは孤立を避けつつ新しい世界秩序を構築したいような。。。なんて、またしても無駄な邪推。

Posted by norlys - 2007.06.27,Wed

国際金融のことはよくわからないのだけれど、なんだかアレコレと騒がしいような。。。

6月に入った途端、すとーんと落っこちた上海株式市場がまたじわりと落ち目基調。その1週間後の6月8日はNZストックのインデックスがすとーんと撃沈し、なんとか勢いを取り戻すも下降線をたどる一方。
アメリカもサブプライム関連の住宅市場の冷え込みで、DOW JONESもNASDAQも全体的に続落。
また、なんでもアメリカがヘッジファンドへの法規制を強める方針を固めているとかで、ハゲタカと呼ばれるHF陣が資金回収にやっきになっているという噂も聞こえてくる。
ローンスター社の件でゴタゴタの韓国はじわりと下降曲線で、バブル崩壊到来の予感がひしひし。もし万が一の場合に、IMFが10年目の「おかわり」を許すか許さないかが注目どころ。
日経平均225もついに1万8千円を割りガタガタガタと落ちこみ中。
欧州の株式市場も全般的に冴えない。

世界中の株式市場からすーっと潮が引くようにお金が消えていく。そんな印象を受ける。
勝ち続けることこそが至上命題のハゲタカファンド陣は、いったいどこへ向かっているのだろう。。

為替相場もこれまた値動きが激しいようで、中国元の通貨切り上げ、日本円円高反転のタイミングが懸念される一方で続落していくドル、ユーロは史上最高値を更新した後にじわじわと安値に転向。
緊張状態で一時的に保たれていたバランスが、ついに瓦解するタイミングを固唾をひそめて見守っている、そんな感じがする。

そういえば、今年はアジア経済危機から10年の節目でした。

外資導入による対外開放政策に基づく工業化発展を続け「東アジアの優等生」とまで呼ばれたタイは、経常赤字の膨張、バブル崩壊、不良債権増大、ヘッジファンドの空売りの増加、通貨切り下げ圧力の高まりという流れを受けて、ついに1997年7月に変動相場制への移行を決定-直後、通貨価値が大暴落。海外に逃げ急ぐ資本をつなぎとめるために国庫に保有されていたドルを次々にマーケットに放出、タイの通貨バーツを買い支えるも焼け石に水。あっという間に国内のドルは底をつき、個人保有のドルの放出を呼びかけるまでに至るも、わずか1週間で通貨価値は半減。

タイで発生したこの金融恐慌は近隣のマレーシア、インドネシアやフィリピン、さらに韓国にも飛び火し、果てはロシア通貨危機、ブラジル通貨危機の発端ともなった、そうな。

学生時代にアジア諸国の開発経済を専攻していた自分にとって、このアジア通貨危機は目からウロコのできごとでした。あぁ、ファンダメンタルズ! そんな基本的なファクターを見逃すなんて。
思えば、自分が机上であれこれと理想を語っていた時期は、実に平和で夢のあるのほほんとした時代に過ぎなかったのですね。

国際金融のイベントといえば(唐突だけど)、1985年9月22日のプラザ合意も自分の中では大きな位置を占めています。
プラザ合意とは、アメリカのプラザホテルにて発表された、対米貿易不均衡の是正を目的としてG5による為替レートの協調介入の合意。

当時、自分は父親の仕事の関係で東南アジアのとある国におりました。

「(学校の)ベンチにコブラが出たので気をつけましょう」と校内アナウンスがあったり、家の前でスクールバスを待っていたらゾウが通り過ぎたり(マイカー?)、庭のココナツの木の下では遊んではいけないと注意されたり(落下してきたココナツの実に当たると危険だから)、滞在中に1回小規模な軍事クーデーターあった程度で、至って平凡で幸せな日々でした。

さて、プラザ合意直後から急速に円が高騰。
一日遅れで届く衛星版の日本語新聞で、円の価値が日々刻々と上昇するのを眺めていました。1ドル=235円から一気に200円台を切り、150円になっても下げ止まる気配は見られず。
輸出産業が多数を占める現地邦人社会なので、円相場の行方は決して他人事ではなく。

いずれ120円台まで落ち込むというささやきの中、プラザ合意から半年が経ち、日本経済は輸出から内需拡大にシフトしはじめ、父親の会社も海外事業所を縮小。わたしたち一家は日本に帰国することに。

以来、歴史や経済の教科書で「プラザ合意」という単語を目にするたびに、あぁコレがなかったら今頃自分はどこにいたのだろうと考えたり。。

さほどドラマチックでもドラスチックではなくても、神の見えざる手の業によって世界情勢は日々刻々と変化し、一庶民は世の潮流に翻弄されてしまいます。

変わっていくことが決して悪いことだとは思いませんが、せめてソフトランディングだと良いなぁと思うわけです。

Posted by norlys - 2007.06.26,Tue
産経新聞社勤務政治部首相官邸担当の阿比留瑠比さんのブログに、安部総理がヒラ議員だった頃のインタビュー記事(愛読書についての感想)が掲載されていました。

7年前にヒラ議員の安倍首相が語った考え方 

安部氏が「私の一冊」として取り上げたのは、遠藤周作の「沈黙」。以下、阿比留瑠比さんの過去の記事に掲載された安部氏のコメントの抜粋。

---------------------
神に仕えるロドリゴにとって、仲間のキリシタンを助けることは世俗のことに過ぎない。しかし、彼は結局は世俗を優先し、現実の世界でだれかを救うため、今までの人生を否定することまでした。そしてロドリゴの境遇とは比べようもないが、私も神戸製鋼所でのサラリーマン生活をやめて父(故安倍晋太郎元外相)の秘書になったとき、何かを選択するとは何かを捨てることだと実感した。

こうした本を通じて思ったのは、一つの理念、ビジョンを持つ政治家になりたいということだった。しかし、思想家ではない政治家に求められるのは、理念や理想をあくまで追求することではなく、現実の世界で結果を出すことだ。そういう大きな判断を政治家はしていかなくてはいけない。
---------------------

また、漫画家の小林よしのり氏を評して、理解を示しつつも「彼は思想家だよね。でも、政治家は現実に向き合わなければいけないから」との発言や、小泉前首相による郵政解散の際の造反組に対する「彼らは間違っている。自分のやりたいことを実現するには、権力の近くにいなければいけない」というコメントも紹介されています。

少し前に(て遅いし)、安部総理の発言をWebでひっくり返して探して以来、氏の一貫してブレのない政治家としての姿勢に正直ビックラこきました。山口県選出のイチ・ヒラ国会議員の時代から、氏の発言は理想の「国政」を語っていたりして、郷土愛溢れる地元への利益誘導発言などカケラもなく(多少はあるのかもだけど)、よくぞこれで当選したものだと驚いたものです。

阿比留瑠比さんの意見にわたしも同意で、安部総理は直球で理想が高いと同時に現実的な人物だと思っています。ただ、氏の政治家としての姿勢や理念の良し悪しは、わたし個人の意見が即ち国民の総意ではないので多数の意見に押し流されるだけです。
個人的には高く評価していていることだけは、ここに記しておきます。数年後に後悔するネタになるかもしれませんけどね。。

わが家にはテレビも新聞もないので、自分に都合のよいネタばかり探してしまう欺瞞はいかんともしがたく。
参院選の行方もそぞろな現在、歴史は勝者の物語だということを改めて胸に刻むのみです。

ただ、「オ○ムでも同○の票でもいいからとってこい!!」と、かつて罵声と怒号が飛び交う投票時間近の選挙事務所で、理想を見失っていく候補者を何人か(て少ないけど)見てしまったこともあって、わたしにとって理想を保ち続ける政治家は稀有な存在だなぁというだけです。

まぁ、事務所内部ではどこも似たような会話がなされているのかも。。。だけど。



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Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。

色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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