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「片山さつき議員の「システムは数カ月でできる」発言に思う」
(日経BP ITPro 2007/07/09日)
長いけれど、以下部分的に抜粋。
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6月29日金曜日の深夜,テレビ朝日で「朝まで生テレビ」が放送された。与野党の国会議員が出席し,国民年金に関して意見を戦わせていた。
その番組を見ていた筆者は,片山さつき衆議院議員の発言に,思わず起き上がって映し出されている画面を注視した。片山氏は「(新しい年金システムは)数カ月でできる」と発言したのだ。筆者は「どうやったら数カ月でできるのか説明してください」と画面に向かって叫びそうになった。
(中略)
この「朝まで生テレビ」で片山氏は「(社保庁には)SEがいない」とも発言した。片山氏がどんな役割を担うIT専門家をSEと呼んでいるのかは分からないが,SEがユーザー側の組織にいるかいないかは,さほど大きな問題ではない。
今の社保庁に必要なのは,いわゆるCIO(情報最高責任者),つまり組織運営を左右する情報システムの利活用について,専門的な知識,経験,見識を備えた上級マネジメント(経営陣)だ。
(中略)
社会保険庁の在り方に関する有識者会議」の第10回議事録要旨には,大山永昭委員による発言が次のように書き残されている。(中略)
『厚生労働省にもCIOとCIO補佐官の方がいらっしゃる。ところが,CIOの方は,社会保険庁が厚生労働省の外局だからということもあり,現在,全く違う体制で,この緊急な課題に対応するためのプロジェクトチームが長官の下にできている。(中略)
CIOは,本来,このように全体を統括することが役目である。
このような人が1人もいないとしたら,厚生労働省がこれからITを使ってここに書いてあるとおりのステップで踏み出そうとしても機能しないのではないかと危惧する。』 (以下略)
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筆者の多田正行氏は、CRM分野を得意とするコンサルタントとのこと。
多田氏は、片山氏の発言に対して「IT分野に明るくないのであれば、現場を混乱させないように余計な発言を避けたほうがよいのでは」と締めくくる。
基幹システム系にちっとも明るくないわたしでさえ、たしかに片山氏の発言は根拠が薄弱なうえに不用意だと思う。んでもって、大山永昭委員の発言を信じれば、もはやCIOの不在以前の問題のような気がする。
この先はITの問題だから(どーせわからないし)と、(政府が)目くらまししたり(国民が)目をそらすのは、なんか変だなぁと思うのです。
ITの問題だけではなく、国というシステムそのもの問題ではないかと小一時間。。。
ふと、修学旅行の滞在先だった本館、新館、別館、アネックス。。。と、継ぎ接ぎだらけの地方旅館を思い出しました。今の日本の行政は、こんなパッチワーク構造があちこちで綻びつつあったり、効率化の妨げになっていたり。。。そんな印象を受けます。
現行の業務を滞らせることなく、今この複雑怪奇な迷路を潰してタワーホテルを建てるために必要なことは?
。。。と具体的なカタチあるものとして考えたら、もう少しわかりやすいのかもしれませんね。
こんなことでほんとうに、数ヶ月以内に新しい年金管理システムは完成するのかな。
いや、完成するのだと与党の広報局長が公言するのだから、もしかして、ね。
もっと傷の浅いうちにちゃんと取り組んでいれば、こんな惨事には至らなかったはずなのに。。。と、モチベーションのあがらない仕事を押し付けられた挙句、要件が曖昧なままに見切り発車でスタートして、現場では「俺の屍を越えてゆけ」と阿鼻叫喚のデスマーチが続いても、政府の威信をかけてボロボロのままカットオーバーさせちゃうかもしれませんね。。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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