北アルプスへお出かけの際には、山岳保険を忘れずに。
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「保険料と救助手当、遭難者が全額負担 立山・剱岳対策協、件数増で決定」
(2007/7/11 北國新聞)
立山・剱岳方面遭難対策協議会(会長・伊東尚志上市町長)は十日開いた総会で、危険地域に出動する救助隊員(民間協力隊員)の傷害保険料と救助活動手当を、遭難者か遭難者家族の全額負担とすることを決めた。これまでは遭難者・家族に負担を求めてこなかったが、中高年の登山ブームに伴い遭難が増えたことから、長野、岐阜両県の遭対協と応益負担で足並みをそろえた形である。
(中略)(立山・剱岳遭対協の)活動費用はそれぞれの負担金や補助金、寄付金などでまかなわれている。山小屋のスタッフや山岳ガイドら五十人が救助隊員となり、二〇〇六年度は二十七件の遭難で二十七日間に延べ六十一人が出動した。
救助隊員に適用する傷害保険は保険期間が七日間、死亡・後遺障害、入院、通院を含めた保険料が一人当たり一万五千七百円、救助活動手当は一回の出動で同じく一万五千円となっている。遭難者・家族の全額負担は八月一日から実施し、遭難・要救助の事態が発生した段階で負担について事前に了解を得る方向である。
(以下略)
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よく「海難救助は無料だけど、山岳救助は莫大なおカネがかかる」と言われています。
正確には、海 or 山 という問題ではなく、公的機関による援助(海→海上保安庁) or 民間主導による援助(山→地元の遭難対策協会)、の差なのだそうですが。
なので、海難でも民間の協力を得ればお金がかかるし、山岳遭難でも警察や消防などの公的機関による救助に対しては税金が充当され個人には請求されないとか。
また、山に登る人の間では、「落ちるなら富山側へ」「ヘリを呼ぶなら岐阜県警」との豆知識がささやかれています。
「落ちるなら富山側へ」とは、富山県山岳警備隊の優秀さを讃えたコピーby東京新聞。長野県側に落ちるよりも生還率が高いとか。。。?
「ヘリを呼ぶなら岐阜県警」というのは、長野県の場合は警察/消防→民間ヘリに出動要請という手続きになっていたり、長野県が県警ヘリの有料化を検討中だったりする一方で、岐阜県警や富山県警の県警ヘリが出動すればタダなのだそうで。
「ピッケルやアイゼン、ザイル等の登山用具を使用する山岳登はん」は、通常は生命保険や旅行保険の補償外と規定されています。
そのため、わたしは山の会を通じて都岳連の山岳保険に加盟しています。
決して「保険に入っているから大丈夫~」などとは考えませんし、どんな山に入るときでも「事故を起こさず無事に家に帰る」ことを心に誓うわけですが、万が一の事態に備えることは重要だなぁとも思います。
なにしろ、東京都山岳連盟のWebサイトに掲載されている事故処理概略一覧を見ると、救助日数×50万、プラス民間ヘリ1回あたり約100万円と心積もりしておくべきかと。。。あわわ。。
それにしても。
山に行くと、ほんとうに中高年の方たちが多いです。というか、若い人いません><
登山者に若い人が少ないのは、山はやっぱり時間とお金がかかるからだろな、と思います。これだけ趣味が多様化して、お手軽で楽しいことはたくさんあるのに、首都圏に住みながら登山に全力を傾けるのは、率直なところかなりたいへんです(楽しいけど)。
長野県警がまとめている「山岳遭難週報」を見ると、確かに40代以上の遭難者が70%を占めています。
一方で興味深いことには、昭和48年(1973年)の警察白書によれば、昭和47年度の山岳遭難者377人のうち、20代が251人(66.6%)と圧倒的に多いです。
「中高年の登山ブーム」というのは、よく各所で指摘されているように、昭和30~40年代の第2次登山ブーマーたちがそのまま歳をとったのだなぁと思います(もちろん、イザとばかりに新たに登山を始めた方もいらっしゃるかとは思いますが)。
わたしは第2次登山ブームの頃の様相を知りませんが、谷川岳の玄関口である土合駅の駅舎の立派な姿をを思い出すと、よほどの盛り上がりだったのだろうなと推測できます。
こんな風に。
↓
「山にひかれて」(昭和34年)(00:02:36) (Yahoo!動画、昭和蔵出しニュース)
それにしても。
ここ10年くらいずーっと「中高年の登山ブームに伴い遭難が増えた」増えたと言われ続けているような。。
深田久弥氏の「百名山」がNHKで紹介された頃から、このブームは途切れることなく続いているような気がしますが。
イタ飯だって10年強を経た今になって、「イタ飯がブーム」と言う人なんていないのに、なのに、「中高年の登山ブーム」は10年以上を経ても未だに「ブーム」とかって煽られ続けているのはなぜないのでしょ。
本気で中高年の登山者に警鐘を鳴らしたいのであれば、「ブーム」という言葉を外した方が良いのになと個人的には思うのですが。じゃあほかにどういえばよいのかというと。。。うーむ。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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