昨日は会山行ということで、丹沢にある水無川源次郎沢に行ってきました。
参加者総数14名という大所帯で、源次郎沢(1級)と水無川本谷(2級)の2パーティに分かれて入渓。
当初は雨の予報だったけれど、幸い当日は曇り。山の麓では時折陽射しが差して、気温も湿度も高め。
水浴びにもってこいとまでは言えないし、山頂付近はガスで覆われているけれど、まぁ寒さに震える心配はなさそうでホっとひと安心。
さて、沢には遡行図と呼ばれる沢登り専用の地図があります。
具体的な距離や標高差は記されておらず、滝の位置やランドマーク的な地形が記されていて、なんだかちょっと「宝の地図」みたいです。
(源次郎沢の遡行図をWebで見つけました。こちらです。)
もちろん道迷いに備えて普通の地形図も持参しますが、沢を登る間はジップロックに封印した遡行図をたびたび取り出しては現在地を確認したり次のイベントに備えます。
林道を延々と10Kmくらい走り、ロデオマシーンとやらはこんな感じかと思いながら本谷山荘に到着。
みな三々五々に準備を始め、9時過ぎに入渓。
本谷山荘から少し登ったところで書策新道に合流。水無川本谷パーティと別れてわたしたちは源次郎沢方面に向かう。
堰堤を巻いて沢に入ると、いきなりF1(5m)が登場。
傾斜が緩いためか高度感はまったくなく、ホールドもふんだんにあるので、難なく越える。
丹沢の沢というと、先日の、崩壊により敗退した「滝郷沢左俣」の岩の脆さが忘れられません。いやはや、「掴む端から崩れる」のはホント恐かったです。。。
源次郎沢も石英閃緑岩の地層で明るい緑色。でも、岩はそれほど脆くないようでホっとひと安心。
しばらく行くと、今度は4段8mのF2が出現。
全体で8mでも、4段に分かれているので、ほとんど階段状。ここもノーザイルで通過。
水流はほどほどで、滝つぼ?といってもせいぜいふくらはぎ程度の水深しかないので濡れることも少なく、沢の水がただただ気持ちいい。
「短い沢だし、上流に行けばあっという間に涸れてしまうから、水を求めて進むべし」という代表の言を受けて、ひたすら水流の中心を進む。
ほどなくしてF3(8m)のご登場。
それなりに高さのある滝なので、今回はロープの出番。トップで抜けたYさんに続き、皆が登るところをカメラに収めるため自分はセカンドで登る。
下部でロープを8の字にしていたら、どうやらフィックスロープの設定だということで、慌ててプルージックの用意。
て、ありゃりゃ。。。ロープ持ってこなかったよ自分。。。おまけに長いシュリンゲしか持ってないし。。とモタモタしていたら、代表がさっさとプルージックをセットしてくださいました。うう、反省。
滝の左側から取り付く。
途中に支点がとってあり、「うわ、プルージックし直し?」と内心困っていると、お助けヌンチャクが登場し、付け替えで通過。みんなも続々と登ってくる。
しばらくはゴーロの続く散策道。代表の言に忠実にひたすら水流の中心を歩く。
下流に比べて少しだけ空が開けているためか、岩も緑、周囲の木々も緑、と鮮やかな緑の景色に包まれて、ゴロゴロとゴーロの転がる水流を歩くのはほんとうに楽しい。
途中ですっかり白骨化した鹿の骨が沢に転がっているのを見ました。完全に白骨化しているのでキレイです。大腿骨と思われる骨や顎の骨が大きく立派だったので、オトナの鹿だったのではないかと思います。最期に水を一口。。。ということで沢に下りてきたのでしょうか。合掌。
さてついに。本日の大物その1、F4(10m)の滝が登場。
ここでもロープを出す。今度はフィックスではなくトップロープ。
わたしはセカンドで登る。もっともトップで突破しない限り、セカンドだろうが最後だろうが登る順番なんて関係ありませんけどね。はは。
下部はなんてことないけど、上部がちょっといやらしく、足のスタンスがないので手のホールドを信じてよじ登る。フィックスロープでプルージックを引き上げながら。。。だと、ちょっと厳しかったかも。
そこからしばらくは、またしてもゴーロの散策道。
迷いやすいといわれる二俣の分岐で遡行図に従って右俣を進むと本日の大物その2、F5(3段10m)の登場。
このF5でもロープを出しました(んで、わたしは相変わらずセカンド。ヘタレ。。)。
手のホールドがしっかりしているので、慎重に登れば問題ないかと思います。
初めての人やブランクがある人も、みなすいすい登っていましたが、最後の最後にある核心部分ではお助け紐が活躍しました。ロープで確保しているから大丈夫とはいえ、なかなか高度感があり、これで1級の沢というなら5級や6級ってどんなのよ。。と考えてしまいました。
しばらく歩くと、どんどんと水流が減り、ついには涸れてしまいました。
水の流れがないとこんなにも静かなのだとしみじみするほどに、沢は静まりかえっていました。
ちらほらと近くの尾根の稜線が見えて来て、見上げると木々の間の空が近くなったような印象。
ただ、どんよりとした雲に覆われていて、ちょっと残念。晴れていたら、さぞ気持ち良いことでしょうに。
F6、7、8はすっかり涸沢。大雨が降った直後にしか現れない幻の滝?
短いチムニーの連続で、岩もすっかり乾いているしホールドには困らないのでさくっと通過。
F9はCS。「CS」と遡行図に注意書きがあって、「はて、なんじゃろ?」と思っていたのですが、到着したときにパーティの皆が口々に「チョックストーンだ」「あぁチョックストーンだ」と言うのをきき、あぁ「CS」って"Chock Stone"(クラックに挟まった大岩)のことなのね、と納得。
右側のルートに先行パーティが取り付いていたので、わたしたちは左側のルートを登りました。
ここでもまたザイルを準備。左側のルートには、これでもか! というくらい残置シュリンゲが垂れていたけれど、どれもこれもアンティーク過ぎて怖くて掴めませんw
下から見るととても楽そうなルートですが、実際に登ると常に左側の岩が邪魔でなかなかいやらしい感じ。それでも、シュリンゲに頼らずにどうにか抜けることができました。もしまた来る機会があったら、今度はぜひ右側のルートを登ってみたいです。
その後はガレガレ&ドロドロの道が続くので、さくっと沢を離れて源次郎尾根方面に向かって斜面を登りました。
ふと目の前の空間が開けて、フキと薮笹と白い花の咲き零れる木立の続く尾根筋は、爽やかな高原のようでまるで別世界。
花立の手前でガチャ類をはずして靴を履き替えました(わたしはラバーソールの沢靴なので、そのまま)。
遡行図の参考時間では3時間20分のルート*ですが、かれこれ入渓から4時間弱が経過。時すでに13時過ぎ。
(* 秦野市のWebサイトによるとコースタイムは2時間半だとか。。。)
7人もの大御所パーティだし、F9以外はすべて直登してロープを出した回数も多かったので、まぁ仕方ないかも。沢が初めての人もいるのに、みな怪我も泣く無事に登りきることができてなにより。
というわけで塔ノ岳の山頂は踏まずに、大倉尾根を経由し、花立山荘経由で下山。
本谷山荘前に到着すると、水無川本谷パーティはすでに下山していました。さすが。
帰り道に湯花楽という健康ランドで泥と疲れを落として、渋沢駅で解散。
日帰りということもあって、気楽で手軽でとても「楽しい」沢登りの一日でした。
[源次郎沢 感想のまとめ]
・登攀要素が多いので、登るのが好きな人にとってはとにかく楽しい(なかなかジムっぽい)。
・源次郎沢は初心者向けというけれど、その割に滝の最後に核心部が待ち構えているという印象。無理せずザイルを出すか、巻き道を行くほうが無難かも。
・道標がしっかりしているので安心(入渓者が多いこと、過去に事故があったことから、滝ごとに看板が立っています。経験者にとっては興醒めかもしれませんが、わたしのような初心者には安心。でも二俣のところに分岐の看板がないのは何故?)。
家に帰ると、夕飯が待ち受けていました。
←こんなの。
いったいどんな育ち盛りなのよ。。。と思いながらも、おいしくいただきました。
一日の最後にたっぷり高カロリー食をいただいて、沢道具を片付けるや即爆睡。。。いいのかな。。。いや、だめだろ(反語)。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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