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Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by - 2025.03.16,Sun
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Posted by norlys - 2008.06.30,Mon
週末の土曜日は丹沢で沢登り。今年初めての沢でございま。
天候が良ければ谷川でアルパイン~と考えていたものの、どうも雲行きが微妙かもしれないということで、急遽沢登り計画に便乗。
自分を含めて、計8名という大人数とあいなりました。
やっぱり沢は楽しいもんね。

場所は、丹沢の「勘七ノ沢」。ガイドブックによれば「表丹沢で一、二を競う人気の沢」で「楽しさの詰まったコンビニエンスな沢」だそう。「初心者教育に最適。教えるほうもそれなりに楽しめる。」とな。ふむふむ。
レベルは1級。ハイライトはF5(大滝15m)で3級程度とのこと。

沢初めとしてはほんとうに手頃で、入渓点までのアプローチもツメも下山路も短く、純粋に楽しい♪沢登りでした。

8時半に秦野駅で合流し、一路入渓点へ。当日朝の天気予報によれば、神奈川県西部の天候はまずまずで安心していたものの、どうも行く手の空が暗く、山はすっぽり雲の中。
山に近づくにつれてポツポツとフロントガラスにああああ雨。。。
さすが嵐を呼ぶ男STさんの力はあなどれないと車内騒然w

幸いこの日は気温が高く、沢に入ってしまえばどうせ濡れるのだからポツポツ雨くらいではめげませんが。
むしろ、アプローチ途中の未舗装の林道部分が案外と長く、はね石が車体の下部に当たる音がするたびにドライバーのY君の悲鳴。こちらのダメージの方が大きいくらい。

入渓点近くの駐車場に到着したのは9時少し過ぎ。8時半には沢に入る。。予定だったのですが、なんだかんだで遅い出だしになってしまったので、ぼちぼち急いで身支度。歩き出しは9時半。

駐車場の脇に流れる沢が入渓点。あら、ほんとにコンビニエンス。
最初に現れる堰堤を左から巻き、少し歩いたところで早速F1(5m)の登場。

丹沢の人気の沢らしく、ちゃんと「F1」という標識があるので間違えようがありません。
ある意味これらの標識は興醒めもよいところなんですが、それでも「危ないから立入り禁止」にするのではなく、極力危険要素を排除するように整備してくださる方たちに感謝。

F1は小さいながらもテクニカルとのことで、出だしの箇所がほんのりいやらしいのですが、登ってみると見た目よりも傾斜が緩いのでそれほどでもなく(じゃあリードで登ってみろよ…とは言わないでおくれなまし^^;)。
8名だと時間がかかるしザイルが2本あるので、適当に2パーティに分かれて行こう~と言っていましたが、結局のところ最後まで全員一緒に行動となりました。

F1を越えてしばらく歩くとF2(7m)。遡行図の案内どおり滝の右側が階段状。
単独行の方がおふたりいらっしゃったので、先に進んでもらいました。

F2の先にある石を組んだ堰堤を右側から越えると、逆くの字の滝、F3(8m)登場。
真夏ならスイカを冷やすのに良さそうなこじんまりと慎ましい釜あり。右側をへつっているときに足を突っ込んでしまいぬれぬれ。
もっとも「水があるうちは水流の真ん中を行くものだ」という代表の言葉に忠実に遡行しているので、すでにしてずぶ濡れなんですが。。はは。

続けてF4は2段12m。ロープを出さないとのことなので、先陣を切って取り付き。
右側をトラバース気味に上がり、右手の凹角の階段状を登ってクリア。

この先、しばらくは堰堤越え。その数5つ。遡行図を見てウンザリしていたものの、実際には自然石を組んだ低い堰堤が多く、いくつかは直登して越えました。これはこれで楽しいかも。

DVC00240_M.JPG 堰堤を越えて本流をぽくぽく進むと、いよいよ勘七ノ沢のハイライト、F5(15m)登場。
すっきり、きりりとした美滝。左側に支点があるのを確認し、Y君がリードで登り、みんなが後に続きました。スタートが左壁から回り込む形になるので、実際の登攀距離は短いです。
上に行くほどに高度感はあるものの、途中も終了点も支点がしっかりしているし、ホールドも豊富。
でも先に行かれた単独の方たちは、確保なしで超えていったんだなぁ。。と思うと、う~ん。。すごい。

F5を越えると小ぶりな滝の連続。岩肌の間を削って水がほとばしり、振り返るといかにもゴルジュという風情でスバラシイ。
緑岩石の岩に、緑色の釜、木々の緑。。と緑尽くし。空がどんより鉛色なのは。。まぁ、残念だけど、仕方なし。

ゴルジュ帯を越えたところでお昼ご飯。

長く休憩していると、さすがにずぶ濡れだけに体が冷える。。ということで、ぼちぼち再出発。
目の前に名もなき小さな滝。シンプルに左側の階段状を登ってクリアすればよいのだけど、岩をカチ割ったようなすらっとした外観。突っ張りで登るには幅が広いけど、ちょっとこれは面白そう~ということで、Y氏とST氏をけしかけるとまんまと中央突破コースを選択。
その様子を見て「あほだな~ww」と、くっくと笑っていると、Uさんが「あほって。。」と真顔で絶句。すいません、悪です、わたくし。
えぇ、勿論言いだしっぺの責任をとって自分も滝の中央右壁を登りました。
すべて逆層になっていてスタンスが乏しく、実はココが一番登り応えあったかも。

左手に崩壊地を見上げつつ、三俣に到着。三俣の真ん中を進むうちに徐々に水流が細くなり、水音がないとこんなに静かなんだな~と、いつものように実感。ここでお昼を食べればよかったね~と言いつつ。
この日は水が多いのか再びちょろちょろと水流が現れたりする中、しばらくはガレ場を登り、左岸に分岐を示す赤テープを見つけて、ガレ場をツメました。
傾斜がきつく岩が脆いので、落石を起こさないように慎重に。

案外とツメも短く、花立山荘の横手にポンと出たのは1時過ぎ(たぶん。ちゃんと覚えてないです)。
残念ながら展望はなし。下界は雲の中。
山荘周辺は、天気があまり良くないにもかかわらず、大勢の登山者の方たちで賑わっていました。

山荘脇で装備をザックに収納し、1時半少し前に下山開始。予定よりものんびりペースになったので、下山はだかだかと忙しく降りました。
2時20分過ぎに入渓点でもある駐車場に無事帰還。

「ひゃ~ほ~ぉ」と奇声を上げながらハイペースで飛んでいく若者たちの後を必死で追いかけたせいか右膝を軽く痛めました(翌日復活)。
よく考えたら彼らは男性なので、女性である自分はそんなに必死になる必要はなかったのかもだ。
よく考えるまでもないか。つくづくあほだな、自分。。

さて、駐車場で後片付けをしていると、TさんとUさんの靴or足にヒル発見。
おおおお、おそろしい。。。
東丹沢・表丹沢にはヒルが大繁殖中とのことだけど、ほんとうに油断ならんです。。

途中で産直野菜センターに立ち寄り、スーパー銭湯で汚れを洗い落としてスッキリした後、帰京。
家に帰り着くなり、気力を振り絞って道具の片付け。沢の後片付けは洗い物が多くて面倒だけど、それ以上にやっぱり楽しいな、と。
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Posted by norlys - 2008.06.16,Mon

週末は山の会のイベント。奥多摩の山を歩いて来ました。

朝8時前にJR青梅線鳩ノ巣駅に集合。
鳩ノ巣駅から大根山ノ神、大ダワ経由で川苔山に行き、鳩ノ巣駅に戻った後、今度は越沢、大楢峠経由で御岳山をピストンし、再び鳩ノ巣駅へ。

昭文社の山と高原地図に記載されているコースタイムをベースにすると計10時間55分。
約28Kmの道のりだとか。

いちおう先着順に順位がつくのですが、登山時の体力づくりが目的なので雨具やヘッドランプ等の基本装備は必須。水も2リットル以上持参で無補給。男性陣はさらに50mロープを担ぐこと相成りました。
タイムトライアル要素の強いトレイルランニングとは一味違い、山屋風味満点?

登りのルートで走ったら早々にバテるので、川苔山までの道のりはひたすら歩き。
スタート直後からY氏とE氏が先行し、二人の姿は早々に見えなくなりました。なんでそんなに早いんだろ。

スタート早々にルートを間違えそうになり、後続のH師匠に呼ばれて引き返しました。危ないあぶない。
ありがとうございます。

しかしまぁ、登り始め間もなくはどうもエンジンがかからない。無性に辛い。ほぼ空身なのに。
スロースターターだしな。。と自分に言い訳しつつ、バテないペースを保つのがやっと。

大ダワのところで実行委員のUさんからのバナナの差し入れをゲット。

自分とH師匠、新人Y君、Oさんの4名は川苔山山頂までずっと同じペース。まるで普通の山行みたい。
8時15分にスタートして、山頂到着は10時12分。

山頂で10分ほどゆっくり休憩。実にフツーの山行気分で一瞬まったり。開けた山頂からの眺めがいいなぁ。
ややまだこの先長いんだと、気を取り直して下山開始。

下山は下り基調なので、できるだけ走ってはみる。まだこの先に御岳山往復が待ち構えているんだよな~と思うと、あぁ気が重い。
鳩ノ巣駅に戻ったのは11時半前。トイレに寄り、頭から水を被ってさっぱり。幸い天候に恵まれ、つか暑い。汗だくだく。

文字通り「一山越え」たので、気を取り直していざ御岳山に向けて出発。
ここから先はひとり。越沢バットレスキャンプ場までは傾斜の緩やかな車道と整備された山道なので、歩きやすいといえば歩きやすい。あまり面白くないけど。

越沢バットレス方面からコールが聞こえてくる。あーいいなぁ~。。こんなに天気の良い日には岩に登りたいなぁ。。ちっ。

左手の遥か下に沢音が聞こえ、右手の斜面の木々の合間に時折稜線が見える、あまり変わりばえのしない林の中をぽくぽくと歩き続け、大楢峠を通過。ハイキングの人たちとすれ違う。楽しそうだな。ちっ。

大楢峠を過ぎても、これまたあまり変わりばえのしない山道をぽくぽく。。

なんだか修行みたいだ。。う~ん。。

大楢峠を過ぎて30分ほどしたところでトップのY氏に遭遇。
大楢峠付近ですれ違うかと予想していたけれど、今回はライバルのFさんが欠場のためのんびりペース?
誰ともすれ違わないので、もしかして道を間違えたのかなぁ~と思っていたのでほっとする。

それから30分ほどで山道が終わり、コンクリートの舗装面に。
人工的な建物や家屋が立ち並ぶ御岳山の集落に到着。は~長かった。
御岳山荘から表参道を経由して、神社の階段を登るのがつ、辛い。
すっごい頑張っちゃうぞ的なカッコをしているのに、観光客に抜かされる自分って。。。w

もうここで折り返していいんじゃないか~? とくじけつつ、賽銭箱まで行かねばならないという事前のコース説明を思い出し、気力を振り絞って階段を登りました。

で、13時半前に賽銭箱前に到着。は~景色がいいやね。
あまりのんびりする間もなく下山開始。階段の下りが辛いっす。

ハセツネのときにも立ち寄った階段下のトイレに寄り、そういえばお腹が空いたな~とおにぎりを食べながらぽくぽく歩き。
川苔山を登る間は、この先長いからとアミノ酸系飲料やパワージェル、アミノ酸の錠剤をこまめに補給していたけれど、御岳山に入ってからは日頃蓄積した脂肪が燃えている頃合だろうと水分のみ。
バテると固形物が喉を通らなくなるので、ご飯をおいしくいただけるのはよいことです。

御岳の集落を過ぎて山道に入って割とすぐに最後尾の新人Y君とすれ違う。
バテ気味ながらも頑張ってますな。う~ん、それにしてもあまり差がついてないな。。

ということで、下り道ではなるべく走りつつ、ゴールに着けばビールが飲める! とそれだけを楽しみに。
木の根っこに足をとられてすっ転びそうになること数回。
右手の渓谷に突っ込んだらシャレにならなそうなので、コケるたびに気を引き締めながら、14時46分に鳩ノ巣駅に帰還。

ふ~疲れた。
自販機で購入したパカリスェット500mlも350ml缶ビールも瞬く間に体内に吸収。

お風呂に入ってさっぱりした後、駅前の釜飯屋さんで打ち上げ。
帰りの電車の中ではほぼ爆睡。

みなさまお疲れさまでした。いや~疲れました。

Posted by norlys - 2008.05.22,Thu

先日欠けた歯のところが痛み出したので、朝イチで歯医者さんへ。
開口一番、先生いわく「ひどい虫歯で歯がとれちゃったんだよ。神経を抜きますね」とのこと。
虫歯、なんて恐ろしい子。。。

麻酔が効いているので痛くはないものの、治療の間中気分を紛らすために、今後の課題となるジムのルートを思い浮かべて脳内クライミング。ええ、必死でした。

そういえば。

昨日の山の会の集会で、「そろそろ沢の季節~」という話が出たのですが、ついこの間雪収めを終え、さてしばらく岩の季節~と思っていたら、あらもう沢のシーズンが幕開けなんですね。
本日、沖縄が梅雨入りだそうですし。季節の移り変わりのなんと早いことで。

「沢」と聞いたら、すっかり気分は沢モード全開Go。
あきらめ半分でAmazonで沢登りの遡行図集を検索したところ、ややや新品が。。。??

上信越の谷105ルート」 2,100円也。

以前、検索したときには在庫切れで中古しかなくて、しかも万単位という稀少本に成り上がっていたのに。。
ひとまずポチってみましたが、ほんとうに在庫あるんかな。。?

「取り寄せ商品」ということは、以前紀伊国屋オンライン書店でNGくらったみたいに「版元にも在庫がありません。ごめんにょ」通知をくらいそうな気がする。どきどき。。

ところで。

沢登りWiki」とやらを見つけました。
残念ながら執筆者さんはあまり多くないようですが、沢登りオンリーという点がGoodです。

今後、沢登り関連の書籍が新たに発刊される見込みはちょっと薄そうなので、オープンコミュニティのポータルが充実するとステキかも。

Posted by norlys - 2008.05.09,Fri

剱岳・源次郎尾根の記録の続きの続き。

DAY3といいながら、まだ2日目。

源次郎尾根を登り、全身ずぶ濡れになって(雪がベチャベチャ+戻りの途中で雨が降り始めた)テントにたどり着いた前後から天候は悪化の一途。

テントの周囲には、Y君がこれでもかとスノーブロックを積み上げておいてくれたので、吹き飛ばされる心配はなさそうだけど、猛烈な風とテントを叩く雨粒の音が騒がしい。

寒風吹き荒ぶ中、テントの中が気温もぐんぐん下がってくる。さぶ~。

昨日はちょっとテント村だった剱沢キャンプ場も、自分たちを含めてテント4張程度。
みんなもう引き上げたのかな、それとも、小屋に避難した人もいるかもしれないね、とY君と話し合う。

行動中はあまり補給をとらずにいたのと、テントに戻った気安さからか、お腹が空いてひもじい。
なので、まだ早い時間だけどさっさと夕食開始。ビールで乾杯。

ご飯を食べてビールを飲みながら、地図とトポをしげしげと眺めつつ本日のレビュー。

ふと源次郎尾根を登っている途中、源次郎谷にテントが一張あったのを思い出す。あぁこれだ、「熊ノ岩」という場所。テントからは、源次郎尾根II峰と八ツ峰V峰に向かう足跡が続いていたっけ。

この吹雪の中、あのテントの人はだいじょうぶなんだろか。いざとなれば目の前に山小屋がある自分たちと違って、いったいどれだけの荷物を担ぎ上げたんだろか。。すごいよなぁ。。( ̄ー ̄;)

お腹もいっぱいになったところでトイレに行きたいなぁと思いつつ、雨の中を歩くのはいやなので我慢してシュラフにくるまってうたた寝。(自分としては)重荷を担いで歩いたり、初めてのルートを登った緊張感やらで、とにかく疲れた~。

でも、寝る前にはトイレに行っておこう。。と、意を決してずぶ濡れの靴を履く。(涙目
テントの入口を開けると、雨ではなくてアラレ。ありゃ。どうりで冷えこむはずで。

テン場から小屋の外トイレまでは多少距離があるので、地吹雪の中でトレースを見失わないようにヘッデンで次の旗を確認しながら進み、無事にテントに帰還。トイレに行って遭難-て、冗談でもなく起こりえることなので。

明日は晴れるはずだけど、だいじょうぶなのかな~。このまま吹雪が続いたら停滞かな~と、幾ばくかの不安を感じながら就寝。この晩もテントマットの空気漏れのおかげで熟睡できず、ほぼ1時間置きに目を覚ましてはマットに空気を入れてました。(涙目

翌朝3日目、最終日。ついでにGWも最終日。
午前5時に起床。時折風の吹く音は聞こえるものの、どうやら雨雪は止んだ様子。周囲もすっかり明るいみたいだし。

136genjiro_s.jpgえいっとテントの入口を開けると、剱岳が朝陽を浴びて実に荘厳なたたずまい。空には一片の雲もなし。
おお~ッ♪

テント内部に吊るしておいた靴下が冷凍サンマみたいに、そのままの形で凍り付いていました ( ̄ー ̄;)

手袋も靴もカチカチ。プラティパスの中にも薄氷。テント内部の結露もパリパリと氷ついていたし。
いやぁ昨晩はかなり冷え込んだんだなぁ。。としみじみ。

それでも今日は快晴。すばらしい。天気が良ければ勢いテンションも上がるもので、朝ごはんを食べていそいそと撤収開始。
テントを片付けているときに、ちょうど強風が吹きつけてテントポールが破損。orz (スミマセン

雪面は、ウィンドブラストによるガチガチのバーンに新雪(アラレ)が乗っかり、ところどころはパフパフの吹き溜まり。さらに本日はお日柄もよろしくて早々とベシャ雪になる気配、という厄介なコンディション。

これはアイゼン必須だね。。ということで、アイゼンを取り出して装着し、テン場を出発したのは7時半ちょっと前。

160genjiro_s.jpg昨日はアタック用の荷物だけだったのでまだ楽だったけど、今日はまた荷物が重い。。(-_-) 

まぁ室堂に着けばこちらのターン。。。!(ほんとか?) と気力を振り絞って、えっちらおっちら。
アイスバーンにアイゼンの爪がさくさく刺さって楽しいな。安心だし。

早々と、朝イチで剱沢方面に滑ってくるスキーヤーさんたちがちらほら。まだらにカリッカリのバーンなので、エッジが立たずにちょっと大変そう。でも気持ち良いだろなー。


別山乗越の少し手前で来た道を振り返り、これで剱岳を見納め。

剱御前小舎からは室堂方面の展望が開けて、それはそれで良い眺め。

177genjiro_s.jpg往きに急登で苦しんだ雷鳥坂も、帰りはシリセードで一息に下って、あっという間に雷鳥沢手前の分岐へ。

それにしても、昨日の晩の嵐が嘘みたいに、陽射しが暑い~。
ここでしばし休憩。アイゼンとヤッケとザックにしまい、室堂で行楽客の波に呑まれる前に山の気分を満喫。

さて。。。ということで、最後の登りをえっちらおっちら。傾斜は緩いけどしんどいな~。

往きとは逆にミクリガ池を周り、室堂に到着したのは10時40分。
あぁ暑い~。文明に感謝しつつ、ターミナルの自販機でコーラを購入。普段はコーラなんて(失礼)飲まないんですけどね。炭酸ウマー(´∀`)

DSCF8393_s.JPG11時15分発のトロリーバスに乗車。黒部アルペンラインを乗り継いで山の麓に近づくほどに、雪の世界を離れて新緑の季節の土と緑の匂いに包まれるのを実感。あ~もう雪の季節も終わりなんだな。。

13時過ぎに扇沢に到着。まるで初夏のように緑が鮮やかで、陽射しが眩しく空気も爽やか。

う~む。半日前は吹雪の中にいたのに。。。
冬から一気に夏ですか、そうですか。
浦島太郎気分というか、なんというか。。なんだか不思議だな。

温泉に立ち寄り、山菜の天ぷらとお蕎麦を食べて、一路帰京。
高速道路はたいした渋滞もなく流れていて、さくっと帰宅。

春から冬、冬から春、そして夏へ~と、季節を一気に駆け抜けるような不思議な山旅でした。( ´ー`)フゥー...

思えば人が快適に過ごせる環境とやらは、ものすごく微妙なバランスの上に成り立っているんだなぁ、なんて真面目なことを考えてみたり。

Posted by norlys - 2008.05.08,Thu

剱岳・源次郎尾根の記録の続き。

5月4日の夜はさほど冷え込むこともなく、3シーズン用シュラフ+夏シュラフ+軽量シュラフカバーで十分温かったのだけど。。。なんたることか、個人用マットに穴が開いてしまっていて背中が冷えるわ痛いわ。。
1時間おきに目を覚ましては、うつらうつらと眠ることの繰り返し。(´。`);

DSCF8194_s.jpg5月5日(月)、3時半に目覚ましが鳴り、ほんのりだるだるな気分のまま起床。外はまだ薄暗く、星は見えないもののうっすらと雲がたなびいているのみで、風はなし。

少なくとも午前中いっぱいは天気がもつことを祈りつつ、源次郎尾根にアタックすることに。

手早くパワージェルや菓子パンなどを口に入れて朝ごはん。前夜のうちに準備した装備一式を手に剱沢小屋の外トイレへ向かい、トイレを済ませた後、4時半頃に出発。

剱沢の前方にゴマ粒ほどの大きさで先行パーティの姿が一瞬見えるも、どこかに取り付いたのかすぐに姿が見えなくなる。

剱沢を黙々とざくざくと下り、源次郎尾根の出会いに到着したのは5時過ぎ。ここでアイゼンを装着。周囲はすっかり明るい。東の空はほのかに太陽の朱を帯びていて、後立山連峰の山並みがくっきり。山頂よりも高いところに凪いだ雲。

DSCF8200_s.jpg
←剱沢を振り返ったところ。
カールが美しいな。でもテン場ははるか遠くだな。。(´Д⊂








DSCF8209_s.jpgまぁ、ここまで来たのだから腹を括って…とは思うものの、なんだか勢いがつかない。気持ちを落ち着かせなくては~としばらく間をおいて、5時半に右ルンゼルートに。

前後に他のパーティの気配はなし。渋滞ができる人気のバリエーションルートとのことだけど、さすがに日程をずらしたおかげでしょか。天気は思わしくないけれど。

いざ尾根の右ルンゼに入ってみれば、新旧いくつものトレースが続いているし、雪もざくざくで登りやすくすっかり楽しくなる。

ぐんぐん直登を続けて、しばらくして後ろを振り返るとなかなかの高度感 →

傾斜が厳しくなってきたところでは、ところどころシュルンドが口を開けているので用心して進む。

ルンゼが狭まるあたりに、左側にある凹角気味の岩壁にとりつくトレースがくっきり。Y君に、あそこから尾根に取り付くのでは? と伝え、ふたりでそちらに向かう。岩に接している雪壁がかなり脆く、いやな感じ。用心して岩に取り付くものの、雪解け水がぽたぽたと染み出していて、さらにいやな感じ。

DSCF8214_s.jpgY君が先陣を切って凹角の岩場に乗り上げる。ホールドが乏しい上に逆層で難儀している様子。ロープを出すから待っていてということで、しばらく取り付き地点で待機。周囲をしげしげと見渡しても、ハーケンなどの残置物は一切なし。かなり人気のルートらしいのに、なにもないのかなぁ。。とぼんやり思う。

しばらくすると上からロープが伸びてきたので、ハーネスにセットして登り始める。傾斜はさほど厳しくないものの、たしかにホールドが少なくて逆層だし、てかびしょ濡れだし。。手近なハイマツがしっかりと根付いているのがせめてもの救い・・・?

上の潅木帯でビレイをしているY君に合流し、枝尾根の左側の岩と雪の間を少し登ってみるものの、すぐに行き詰まる。左側の逆層フェースはかなりいやらしそうだし、かといって右のハイマツ帯はあまりに枝が絡み合っていて潜り込む余地がなさそうな。。

う~む。。のっけから行き詰まってしまった。。( ̄△ ̄;)
「敗退」の二文字が脳裏を過ぎる。

ここはさっくり諦めて、いったん枝尾根の下まで懸垂下降で降りて、ルンゼをもっと詰めてみましょうか、ということに。

Y君が頑丈そうなハイマツの根に捨て縄をかけてロープをセットしている間、どこかにルートはないものかと目を凝らして上を見渡すと、ハイマツの枝の隙間に空が見える。

尾根ルートへの合流点はどうやら割と近いような。。
決断は二転三転し、やっぱりこのハイマツ帯を抜けてみることに。

Y君が岩場からハイマツに飛びつく格好で、ハイマツ帯のジャングルの中に姿を消して間もなく、行ける、出口が見えるよ、との声。おぉ~。

絡み合った枝の中をどこをどう潜り込んで良いのやら…と思案に暮れつつ、「どうやって登ったの?」とY君に尋ねると「パワープレイで。最初のところは足場がないからひたすら腕力頼みで」との返事。
うげげ。Σ( ̄□ ̄lll)!!

こうなったら進むしかないよな。。と、ハイマツを掴んで入口と思しき場所へトラバース。と、足元がなく、切れ落ちてますがな。て、うわ左手に掴んだハイマツが「腐ってる~」と一瞬ヒヤリ。

頼むから落ちてくれるな自分~と祈りつつ、ひたすらハイマツにしがみついて身体をブッシュに捻じ込み、枝に弾かれないように用心しつつ、とにかく前進あるのみ。えらいアプローチを選んでしまったもので。。。
とほほ(・ω・` )

ごんごんとヘルメットに枝をぶつけつつ、ごそごそとハイマツを掻き分けながら4mほど進むと、どうにかハイマツが切れて人心地をつく。ふう~。

このとき、背後にあたる東の方からゴロゴロと遠雷のような音が。後からY君が言うには、なんでも自分たちが取り付いた岩壁手前の雪壁が崩壊したそうな。あぁこれで誰かが自分たちのトレースを追ってこのルートに入り込んでくることはないだろな…と、妙な安堵感。

DSCF8219_s.jpgハイマツを掴みつつ雪壁を5mほど登ると、雪の尾根に合流。トレースだ、トレースがあるよ~!!

人跡未踏の雪面に自分たちだけのトレースを描いてこそ?
いや、それはまた別の機会に。。えぇ。(´、丶)ゝ

もうほんと、無事でなによりです。。えぇ。(´、丶)ゝ

雪稜にぽくぽくと続くトレースを辿って少し登り、そして少し下ったコルに出ると、右ルンゼから続く足跡がくっきり。

あぁ~
そういうことだったんだ~

焦らずもう少し右ルンゼを詰めればこんなに素直に合流できたんだー。
てか、右ルンゼからは小さなコル状から合流するってトポに書いてあるじゃん。

反省。。

「焦らず詰めろ、右ルンゼ」
今回の教訓でございます。

変なルートに突っ込ませて、ほんと申し訳ない。

それにしても。あの凹角に続いていたトレースの人はいったいどこに向かったのでしょ。。
往きの足跡のみで、戻った形跡はなかったような気がするのだけど。さてはて。

076genjiro_s.jpgコルから先はルンゼの末端の岩峰を巻いて、両端の切れ落ちた雪稜歩き。高度感はあるものの、リッジにはばっちりトレースがついているし、踏み抜くような雪庇も特にないので安心。

ぽくぽくと雪の稜線を登り、9時過ぎにI峰に到着。アプローチのハイマツ帯で1時間ほど時間をロスしたものの、トレースが明瞭なのが心強い。




DSCF8246_s.JPGI峰からは360度のパノラマ。お隣の八ツ峰や剱岳山頂や後立山連峰がくっきり。切れ落ちた雪壁の先にII峰が見える。八ツ峰はその名のとおり先鋒が続く尾根。かっこいい。

しかしまぁ、せっかく登ったのになぁ。。下ってまた登り返すのかぁ。。仕方ないけど。切ないす。

I峰からの雪壁を後ろ向きになって慎重に下り、あっという間にコルへ。左に平蔵谷、右に長次郎谷を眺めつつ雪稜を再びぽくぽく歩く。右側に平行する八ツ峰にも人が姿が見える。

089genjiro_s.jpgリッジを渡り、雪壁や露出した夏道を登り続けることしばし。ところどころ雪が切れていて、雪がぐずぐずだったりシュルンドがあったりするので、注意。

←II峰への雪壁を登っているところ。歩いてきた道のりは遥か眼下。

さて間もなくII峰の末端に。。というところで、三度の雷鳥との遭遇しました。

自分たちの進路の先をひょこひょこと番の雷鳥が歩いていくのを、驚かさないようにゆっくりと着いて行きました。まるで雷鳥に先導されているような感じ。II峰の上部に上がるところで雷鳥たちは空に羽ばたいていきました。

DSCF8265_s.jpg←II峰に続く稜線。雪稜歩きをこれでもか! と満喫。雪の季節もぼちぼちおしまいなので、心ゆくまで味わい尽くしましょ。

099genjiro_s.jpgバリエーションルートといえども、さすがは人気ルートだけあって、懸垂下降支点はかなり頑丈な鎖が埋め込まれていました。まだそれほど古びていない捨て縄もたくさん。

懸垂下降の支点はこんな感じ→

Y君がロープをセットし、するするっと懸垂下降。



DSCF8275_s.jpg←懸垂下降地点から覗き込んだところ。おそらく夏の方が高度感があるのではないかと。

自分も続いて下降器をセットし、安全を確認した後、懸垂下降。なんだか呆気ないな。(´・ω・`)~

せっかく50mロープを2本担いできたものの、雪がたっぷり残っているおかげでロープ中央(25m地点)のロープマーカーが地面に届いていました。
うう~む。。。これなら60mロープ1本で十分、というか50mロープ1本でも足りたかも。。まぁ、不確定要素をアテにするのは危険かもだしな。

あと。II峰からの懸垂下降の中間支点は錆びたピトン4枚と古いスリンゲが数本。あまりアテにしない方が良さそうな印象。

懸垂下降地点での待ち時間もなければ、後続のパーティもおらず、自分たちのペースで進めるのはうれしい。
本日のハイライトを終えたのでロープをザックにしまい、あとはひたすら剱岳山頂を目指すのみ。

DSCF8282_s.jpg雪壁を迷うことなく登っていくトレースを追いかけるようにして辿り、11時半過ぎに剱岳山頂に到着。
山頂到着直前にちょうど西からの雲に覆われてしまい、日本海方面の展望はなし。残念。

天気が次第に悪化する気配なので、12時に下山開始。
一般ルートで下山するか平蔵谷からシリセードで下るかを、今一度検討の末、天候が悪化する懸念があるので平蔵谷から下ることに。

ちょうど、北方稜線ルートからのパーティが到着されたので、自分たちは平蔵谷から下山する旨を伝えると、平蔵谷へは早月尾根との分岐点からドロップインするとのこと。



131genjiro_s.jpg分岐点から左の斜面に少し降り、しばらく右にトラバースするとなだらかな斜面が開け、あちらこちらにシリセードの跡が。

一気に斜面を下り…といっても、自分はヘタレなのであまりスピードを上げることができませんでしたが、それでも30分ほどで剱沢出会いに合流。

ベチャ雪のためにすっかりお尻が濡れてしまったうえに、ちょうどぽつぽつと雨が降り始めた中、さても最後のひと仕事。剱沢キャンプ場までの道のりは、覚悟していてもやっぱり遠いなぁ。。(;´Д`)

次第に強まる雨脚と風に濡れそぼちながら、テントに飛び込んだのは午後2時半。
ううう、寒い~。。。

Y君がトイレに立ち寄り小屋にビールを買いに行ってくれている間に、ストーブに火をつけてありったけの乾いた服を着こむも、身体がすっかり冷え切ってしまいました。
なにしろ、濡れた手袋や靴下を絞ると水がぼたぼた。靴の中もぐっしょり。つべた。。

そうこうしているうちに、激しい雨がテントに打ちつけ強風がテントを揺らし始め、気温がぐんぐんと下がり始めました。
いやしかし、嵐が本格的になる前になんとかベースに戻れてよかったなぁ。

そんなわけで、続きはまた今度。

Posted by norlys - 2008.05.07,Wed

連休後半の3日間は、源次郎尾根から剱岳へのバリエーションルートへ。

冬山装備一式に加えて、II峰の懸垂下降用に50mロープを持参。
自分の荷物だけでもおそらく総重量20Kg以上。自分としては今までで一番の大荷物。重かった~。。
それでも、テント装備や大コッヘルを担ぎ上げてくれた同行のY君の荷物は25Kgとのこと。うへぇ。敵いません。

3日間の天候は快晴-曇りのち雨(夜は吹雪)-快晴。源次郎尾根を登る日は、折り悪く快晴の谷間。それでも午前中いっぱいは安定した曇り空で、下山後してテン場に戻る途中から雨が降りだしたので、まぁまずまず。無事でなによりでした。

結論からいうと、尾根への取り付き箇所が最大の核心でした。いったん尾根にとりついたら、トレースがしっかりついていたので、ぐずぐずの雪に注意しながらの雪稜歩き。1日出発をずらしたおかげか前後にパーティがなく、自分たちのペースでのんびりと登れました。
取り付き箇所が怖かっただけに、本来最大の見せ場であるII峰からの懸垂下降は拍子抜けなくらい呆気なく終了。

歩いている途中で、都合3回雷鳥に遭遇。白い冬毛の雷鳥は、神様の使者のようになんだか神々しかったです。

コースタイム
(1日目) 扇沢駐車場 車中泊 3:45 起床 - 6:30 トロリーバス始発 乗車 -8:00 室堂 到着 -8:40 室堂から歩き出し 雷鳥荘経由 -9:20 雷鳥沢 -11:40 剱御前小舎 休憩 (-12:30 第1次雷鳥遭遇) -12:40 剱沢キャンプ場  テント設営
14:50 剱沢を下って源次郎尾根取り付きを偵察に出発(-15:10 第2次雷鳥遭遇) - 15:30 東尾根下部のあたりでテン場に戻ることに -16:30 剱沢キャンプ場、夕食ののち 20:00 就寝

(2日目) 3:30 起床 - 4:30 剱沢キャンプ場 出発 -5:05 源次郎尾根下 アイゼンを装着し、右のルンゼルートへ -6:10 源次郎尾根取り付き 行き詰まりながらもハイマツ帯を強行突破 -7:45 源次郎尾根に合流 -8:40(訂正) 9:05 I峰上 - (10:00 II峰手前 第3次雷鳥遭遇) - 10:05 II峰上 -10:40 懸垂下降終了点 - 11:35 剱岳山頂 -12:00 下山開始 -12:20 平蔵谷にドロップイン - 12:35 トラバースルート -12:50 平蔵谷下 -14:30 剱沢キャンプ場、夕食ののち20:00頃就寝

(3日目) 5:00 起床 -7:25 剱沢キャンプ場出発 - 8:35 剱御前小舎 -9:10 雷鳥沢下 アイゼンをしまう -9:40 雷鳥沢- 10:40 室堂 - 11:15 室堂発トロリーバス -13:10 扇沢

5月3日の土曜日、お昼過ぎに都内から車で扇沢を目指して出発。GW後半の日中なので車の数は多いものの、高速道路は順調に流れて7時過ぎに扇沢駐車場に到着。日帰り観光客の皆さんが帰宅した後のためか、無料駐車場も半分くらい埋まっている程度。明日の装備を確認して、この日は車中泊。空には満点の星。

夜中の間、次々と車が到着する気配。朝1番のトロリーバスに乗らなくては! と気合が勝ちすぎて、なんだかよく眠れない。行列とか順番待ちとか人混みとかが大の苦手なので、こういうのはどうも精神衛生上あまりよくない。
朝3時45分に目を覚まし、4時半前にザックを担いで早々とチケット売り場へ。周囲をブラついている人はいるものの、チケット売り場にはまだ人がいない。ラッキー。

チケット販売開始は5時50分からとあるのでまだまだ先は長いけれど、とにかく並んでおけばひと安心。
ちらほらとチケット売り場に人が集まり始め、5時過ぎにはすでに行列が。

混雑するときは臨時便が出るはず~という声が列の後ろのほうで聞こえてくる。結局、臨時便は出ずに、6時半の扇町始発のトロリーバスに乗車。室堂までは長い道のりなので、とにかく先を急ぐ。

DSCF8102_s.jpg関電トロリーバス、黒部ケーブルカー、立山ロープウェイ、立山トンネルトロリーバスと乗り継いで、室堂に到着したのは8時。室堂周辺は観光客がひしめいていて、さすがGW。

なんだかすでに一仕事終えたような気分だけど、実際にはここから始まり。空は雲ひとつない快晴。雪の照り返しが眩しい。ここは携帯電話の通じる最後の場所。天気をチェックすると、翌日5日は曇り後雨の予報。うげげ、昨日の予報よりも悪くなってる。。
まぁ、今日一日は晴天だし、6日も天気が良さそうなので行くだけ行きましょうと、装備の準備を進めて8時半過ぎに室堂を出発。

ミクリガ池の左側を経由して雷鳥荘に到着すると、眼下の雷鳥沢に色とりどりのテントが密集。まるでテントの展示会場みたい。地獄谷方面から硫黄の匂いが漂ってくる。「ねぇ今オナラした?」と同行のY君と確認しあう。

DSCF8110_s.jpg雷鳥沢キャンプ場周辺は聞きしに勝るスキーヤー・ボーダー天国。天然のゲレンデにコブ斜ができていて、楽しそう~。

雷鳥坂の下から見上げる別山乗越は遥か遠くて、上の方を歩く人々がゴマ粒みたい。長い急登に背中の荷物がずっしりで、ちっとも足が捗らない。自分よりも重いザックを担いでいるY君はサクサクと先を行く。早い~。
歳の差かな。だろな。あぁ自分が情けない。切ない。。

DSCF8119_s.jpgどうにか剱御前小舎に到着したのは11時40分。振り返れば、すでに室堂は遥か遠く。
雪の大谷ウォークのバス通りがうねうねと延びているのが見える。雷鳥沢キャンプ場のテント群はドット画のアイコンみたい。ちっさ~。なるほど、歩き続けてきただけのことはありますなと、ようやく実感。


さてここからは下り坂~ということで、ツボツボと雪道を下りました。あぁ楽ちん。
周囲を見渡すと、ここもまたスキーヤー天国。四方八方にスキーヤーさんたちが頂目指して歩いている姿や、シュプールを描いて降りてくる様子が見えます。いいな~、楽しそう~。

DSCF8129_s.jpg別山乗越を下り始めるとすぐに峻険な剱岳がご登場。うぉ、かっこいい。
視線を落とすと、剱沢小屋の手前にテント村。まるで雪面に落としたマーブルチョコレート(極小)みたい。
それにしても、さっきからどうにも風景のスケールが大きくて、距離感がつかめない。はたして遠いのかな、近いのかな。。


DSCF8140_s.jpg

「あ、雷鳥」というY君の声に左前方を見ると、雪の上にちょこんとオスの雷鳥が一羽。か、かわいい。
自分たちの進路の先にいらっしゃるので、驚かさないように用心しつつ雷鳥の脇を通りかかるも、一向に逃げる気配はなく、まるで人間なんか眼中にないご様子。
(雷鳥は絶滅危惧種なので、野生生物保護の観点から生息地を明記しないことが好ましいそうです。ある程度は範囲を特定できてしまいそうですが。。特定しないでやってくださいm(_"_)m)

雷鳥に癒されて、さぁあとひと頑張り~とぐんぐんと下り、12時半過ぎに剱沢キャンプ場に到着。テン場には、今日到着したグループだけではなくどうも昨日から滞在していると思われるテントを含めてすでに10張以上。ぽつぽつとスペースが開いているので、良さそうな場所を物色。

ふと見ると、剱沢小屋の窓が開いていて、どうやら営業中。
2年前に源次郎尾根をアタックした同じ山岳会の方の記録によると、その年は剱沢小屋が雪崩の影響を受けて閉鎖していたとのことでしたが、今年は小屋も外トイレも使用可能(宿泊は要予約。GW期間中のみ?不明)。

Y君がテント場を均している間、自分はいそいそと小屋にビールを買いにお出かけ。以前Y君が剱沢にテント泊をしたときには強風を受けてテントが潰されそうになったということで、Y君はいつも以上に入念な雪壁作りに専心。周囲のテントもイヌイットの居住地か遺跡かといわんばかりにスノーブロックを積み上げているので、よほど風の名所なんだな、と。

テントを設営し荷物をテントに突っ込んだ後、ピッケルを片手に源次郎尾根の下見に出発。

剱沢を降りてすぐのところで、ちょうど登ってくるお二人のパーティにすれ違う。今日はどちらを登られたのですか? と声をかけると、源次郎尾根を登り平蔵谷から降りてきたとのこと。
おお、まさに自分たちが予定しているルート。

この分ならきっとトレースが明瞭なはず~ありがたや~と、期待を胸に沢を下り続けることしばし。

DSCF8179_s.jpg踏み跡を辿って剱沢を下っていると、またしても雷鳥が。しかも今度は番。メスの雷鳥がひょこひょこと先導する後ろを、オスの雷鳥がのたーりのたーりとついて行くのが微笑ましい。

←雷鳥、かわいいよ、雷鳥。

さて、剱沢を下ったその先に源次郎尾根とその向こうの八ツ峰が見えているものの、取り付き地点はまだまだ遠し。一歩一歩進めばいつかはたどり着くのだとしても、自然の雄大さに乾杯ならぬ完敗気分。

源次郎尾根のすぐ脇から剱沢方面に向けて歩いてくるパーティが見えたので、きっとあの人たちも源次郎尾根を登ったんだろうね、ということは平蔵谷を下った地点があそこなんだろね。。と確認し合い、これ以上下ったらテン場に戻るのが5時過ぎになるよ~ということで、本日は偵察終了。

振り返ると雄大な剱沢のカールが延々と続いていて、ふぅぅ。。。思えば遠くに来たもんだ。。
つか、遠いっす。。。いやほんと。

右手に剱岳を眺めながら粛々と歩いて剱沢キャンプ場に戻り、早速ビールで乾杯。
この日の食担はY君。ポテトサラダに親子丼、わかめスープというボリュームたっぷりなメニュー。
おいしゅうございました。
テント装備以外に牛乳とか卵とか担いでくるなんて。。凄すぎるですよ。。

夕方から次第に、空に薄く雲がかかり始めました。
さて明日はどうしましょう、朝の空の様子を見て考えましょう、ということで午後8時に就寝。

そんなわけで、続きはまた今度。

Posted by norlys - 2008.05.01,Thu
飯豊山の山行Day1の宴会の夜からの続き。

自分たちが陣取った切合小屋の2F奥「飯豊の間」のどんつき(北側)には小さな窓がひとつ。
天気が良ければこの窓から飯豊本山を望めるのかもしれないけれど、日が暮れるまで吹雪は止むことなく、見えるものは小屋のすぐ側にある外トイレと横殴りの雪。

ふっと風の音が静まった瞬間に天候の回復を期待するものの、間もなくグオォォォ~と吹き荒ぶ風の声。
立派な造りの避難小屋の中にいるので不安はないけれど、お天気に関しては「期待するから失望する」という論理に基づいて思考停止。酔っ払ったからではありません(ビール1缶と日本酒1カップだも)。

夕方から宴会を始めて延々と馬鹿話を続け、翌朝3時半に起きてその後の行動はお天気次第ということで、ほどなく就寝。

12時頃に目が覚めて、再び眠りに就くものの、1時間起きくらいに目が覚めるのを繰り返した自分の耳に聞こえたのは、いつもグオォォォ~と轟くような地吹雪の音ばかり。
それでも、この晩トイレに起きたEさんによれば夜中一時的に吹雪が止んで星空が見えたとか。

3時半に携帯電話の目覚ましが鳴り、みな一様にゴソゴソ動き出すものの、「ムリムリ、寝よう。1時間後」と2度寝決定。
4時半頃、北向きの窓の外から「これはだめだ。小屋に入ろう」というような声が。

え? 幻聴? 

Y君その2が窓に駆け寄って外を見ると人影が2つ、とのこと。
うわ、まさか。。。

結局のところ、幻聴でも幻でもなく、前日三国小屋で見かけたパーティの方たちがちょうど切合小屋に到着されたところだったのでした。なーんだ。
パーティのみなさんは天候が落ち着き次第、飯豊山を目指すとのこと。

自分たちもいつでも出発できるように準備だけは整えておこうもそもそとシュラフから這い出て、まずは朝ごはん。

しばらくして、先ほど小屋に到着したパーディのガイドの方がお見えになって、間もなく小屋を出発されるとのこと。
ガイド氏は飯豊山域に精通していらっしゃり、天気についても「一時的な冬型で天候は徐々に回復するから」と、5時半頃に小屋を出発。

一方で、さてワレワレはどうしましょうか。。と協議を続けることしばし。
Y君その1が携帯電話で天気予報をチェック。自分のFOMAはダメでしたが、Y君その1のMOVAは辛うじて電波が1本。
川入鉱泉手前の一の木集落でも圏外だったのに。。。

最寄の地点である喜多方市の天気予報は、午前中曇りで午後から晴れ。
ん~でも、昨日の天気予報も同じく午後から晴れの予報だった罠。というわけで、天気図を見るとなんとも微妙な。。いつかは晴れるかもしれないけど、この分だと午前中はムリそうだわいな。

山頂ピストンしたところで、この天気では何も見えないしな~。
昨日の剣ヶ峰よりは楽勝らしいけど、途中に岩場があるしな~。

と、すっかりモチの下がった自分は敗退に1票。
「無茶しやがって」と思われがちな自分ですが、実はかなりヘタレでございます。

というわけで、7時少し前に小屋を出発。

ボーボーと吹き抜ける風を受けながらアイゼン装着。まずは三国小屋へ。風の強い稜線上では、今朝三国小屋を出発したパーティのトレースもすでに風雪によってぼんやり状態。早ッ。それでも心強い。

ザラメの腐り雪の上に真っ白い新雪とアラレがうっすら積もっていて、徹夜続きの後のフルメイク状態。
お肌じゃなくて汚肌ってやつ。

まぁすでに一度通った道だしトレースもあるので来たときよりは楽かな。。と思いきや、案外しんどかったです。
体力不足ヒシヒシ。。

種蒔山を下ると、ほんの少し標高が下がっただけなのにガスが薄らぎました。でも振り返った先の空はガスに包まれていて、上空をものすごい勢いで雲が西から東に飛び去っていきます。西側の谷底からもガスが吹き上がり、雪庇の端にファサーと雪煙が生じていました。
大気の対流の只中にいると、自分が実にちっぽけな存在であることをしみじみ思い知ることができておもしろいです。なんというか、湯沸し中の風呂桶に落ちた虫みたい。

あぁ、それでもきっと平地に降りたら平穏な曇りの朝なんだろなー、コレ。と思いながら雪の壁を降りたりトラバースしたり斜面を登ってはクレバスを抜けて、出発から1時間45分後に無事に三国小屋に到着。
自分たちの直後に切合小屋を出たパーティの皆さんもほぼ前後して到着。

飛び石連休の狭間の平日なので、この日は川入口から飯豊山を目指す登山客はいないようでした。結局最後まで登ってくる人は見かけなかったし。

暖かい三国小屋でほっこりと休憩。岩場は登るより下る方が厄介だよねぇ。。と小屋の直下にある剣ヶ峰のことを考えつつ、30分強休憩した後いざ下山再開。

iide_day2_umanose.JPG露出した岩の凹凸にアイゼンの爪を利かせつつ慎重に岩を下って、意外とあっけなく通過。ふ~やれやれ。
登りよりも下りの方が前方の状況が見えにくいながらも馬の背のリッジも無事に通過。馬の背の先の急斜面で雪が切れているので、クレバスを避けて雪壁を降りて巻いて、また雪壁に上がって。。と。

iide_day2_from_umanose.JPG
←三国岳からの下り途中で種蒔山方面をパチリ。名残惜しいような、でも戻るのは厭なような。。

雪壁を降りて草付きをトラバースするときに、姿勢を崩して尻もちをついた上に1回転。
すぐに止まったものの、左のお尻に青痣をこしらえました(涙
まぁ、痣だけで済んだのはもっけの幸いですが。

あちゃ。。。気が緩んだのかな。。と、反省しつつ再びリッジを歩き、雪壁を降りて草付きを少し下りて雪壁をトラバース。。。と、地蔵岳分岐手前の地点に到着し、アイゼンを外しました。

あぁ足が軽い~。幸せ。。

iide_day2_nagasaka.JPG地蔵岳をトラバースし、笹平に至ったあたりで東の空にすっきりとした青空が広がってきました。あぁ久しぶりの青空だ~♪右手の稜線の先にある三国小屋はまだうっすらとガスの中。ここはすっかり春なのに、あそこはまだ冬なんだな。。と思うとちょっと不思議。

長坂を降り始めると、ぐんぐん標高を下げていることもあってだいぶ暑くなってきやした。出発時には、インナー2枚+Tシャツ1枚+フリース+インナーダウン+ヤッケに加えて目出し帽に帽子というフル装備だったんですけどねぇ。。

下十五里を過ぎると、グサグサの腐り雪も減り、徐々に夏道登場。夏道には可憐なイワウチワが花盛り。
靴とスパッツをどろんどろんにしながら夏道を降りて、12時15分に御沢登山口に到着。

周囲にはもわっと草と土の香りが漂っていて、遊歩道の脇の小川にはごおごおと雪解け水が流れていて、もう地上は春のうららかさ。

登山道入口でオーバーパンツとスパッツを脱ぎ、フリースの帽子をキャップに替えたら、どこからどうみても春山ハイカー。

iide_day2_iwauchiwa.JPG←イワウチワ。この可憐な佇まいと淡い紅色のコンビネーションはぐっときます。フランス刺繍のモチーフにしたらきっとカワイイ。絶対カワイイ。

川入キャンプ場を経由して、途中でフキノトウを摘みながら川入鉱泉に到着したのは13時過ぎ。
川で靴やストックの泥を洗い流し、途中で「いいでの湯」に立ち寄り風呂。敷地内の桜の木が満開で、春爛漫。

「いいでの湯」はなかなか山深いところにある公共温泉施設。泉質はナトリウム-塩化物・硫酸塩泉。とても良いお湯でした。ふーさっぱり。

さっぱりした後は、今回の山行の目的のひとつでもある(これがメインという話も?)喜多方ラーメンを食べに、喜多方市内へ。Eさんオススメの源来軒でラーメンと餃子をもりもり食べました。さっぱりした汁とモチモチした麺がうまー。餃子1皿もなかなかのボリュームで、満腹満腹でした。
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HN:
norlys
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自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。

色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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