昨日、一昨日と2日間連続してクライミングジム。
持久力がないので、2日間とも何本かルートを登るとぱったりと腕の保力が落ちる。
まぁそれでも、ぼちぼちと成果があがってきたようで、なんかうれしい。
Pian, piano(ゆっくりゆっくり)で参りましょう。
ノルウェーの国内紙最大手Aftenposten(アフテンポステン)のWebサイトを眺めていたら、"Verdens fredeligste land" (世界で一番平和な国) という記事がトップページの下のほうにあった。
「下のほう」てのがなんとも奥ゆかしい(わかりにくい、ともいう)ノルウェーらしい。自国がトップなのに、トップニュースじゃないのね。
"Verdens beste land å bo i. Verdens fredeligste land. Internasjonale organisasjoner kappes om å styrke vårt kollektive selvbilde som et fredselskende folk."
(世界で一番住みやすい国。世界で一番平和な国。国際機関は、ノルウェーが平和を愛する人々の共同体であると高く評価した。(ヘタレ訳))
(引用元:http://www.aftenposten.no/nyheter/iriks/article1812320.ece)
この手の調査(豊かさ指数とか物価高とか)では、うっかり世界一にランクインしがちなノルウェーです。
人数も少ないし北の端っこで目立たない場所にいるので敵が少なくて、一番にしておくのに無難なんでしょかね。
言われないとどこからどう見てもフツーのおばちゃんですが(ごめんなさい)、ノルウェーのソーニャ女王がフィヨルドを散策するの図。
今年の3月にはeBayでお城が売りに出されたりするし(もちろんジョーク)、それで国民一同が憤慨ムキーとするわけでもなく、Hahahaと失笑しているくらいだから、まぁ、平和といえば平和な国ですなぁ。
さてはて、このナントカ指数って最近聞いたなぁ。。。と思って検索してみたら、あぁあった。日本語の記事。
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「世界平和インデックス」、最下位はイラク、日本は5位 (2007年05月30日 22:41 発信地:ロンドン/英国)
【5月30日 AFP】 経済誌『エコノミスト(Economist)』関連のグループや平和学・紛争研究の専門家らなどが、世界の平和と持続性について共同の指標づくりに取り組んだ研究、「グローバル・ピース・インデックス(Global Peace Index、世界平和指標)」が30日、発表された。日本は平和度別ランキングで世界5位だった。
同インデックスは、世界121か国を暴力や組織犯罪、軍事支出などの要因ごとに順位付けしたもの。世界で最も平和な国として挙げられたのはノルウェーで、日本も上位に挙がった。逆に最も平和でない国はイラクで、下位にはロシアやイスラエルが連なった。
(中略)
研究全体の結果では、欧州連合(EU)圏内27か国の小国が、平和の面でより安定している。また、平和促進の鍵は、収入と教育だと研究は結論づけている。(c)AFP
引用元:http://www.afpbb.com/article/politics/2232151/1638722
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ふーん。。。と、Global Peace Index のWebサイトに飛んで、ランキング結果を見ると、なかなかに興味深いです。上位や下位のランクは妥当といえば妥当のような気もするけれど、ある国と別の国を比較すると、なんだかしっくりこない場合もあります。
たとえば、中国が60位でアメリカが96位という点とか。
この指標は24項目について1~5の点数をつけた後、得点の偏差をアレコレして算出しているんだと思われますがわたしにはよくわかりません。
各国の名前をクリックすると、各項目と項目ごとの点数が並んでいるわけですが、これまたなかなか興味深いです。
←これは日本のスコア表。
・UN Deployments 2006-07 (percentage of total forces) →5
・Military capability/sophistication →5
・Relations with neighbouring countries →4
・Level of distrust in other citizens →2
で、上記の4項目以外はすべて1。
1が最も平和で、5が一番平和じゃない、という採点法です。
なんか日本の軍事力がえらく過大評価されているような気もするのですが、気のせいでしょうか。「Military capability/sophistication」には在日米軍も含まれるのでしょうか。
あれこれの国の詳細を見ると、「UN Deployments 2006-07 (percentage of total forces) =5」と「Level of distrust in other citizens =2」というのは、どうもほとんどの国で同じ点数なので、あとはどの項目の点数が大きいかを見ると、その国の傾向が見えてくるみたいです。また、日本のように標準偏差から乖離した5点の項目が複数あるとポイント減に響くようです。
1位のノルウェーは警察の人数と軍人数と軍事費と軍事力の項目が2点(または3点)。
2位のNZは犯罪件数と囚人数と軍事力が2点(または3点)。
3位のデンマークは軍事産業と軍人数、軍事費、軍事力や、武器へのアクセス、非UN関連の軍備配置などが2点(または3点)。
などなど。ふーむ。
それにしても、「Number of jailed population per 100,000 people 」の結果が、アメリカが5で中国が3なのは、アメリカには終身刑があって受刑者は増える一方でも、中国は死刑が多くて刑務所内が空いているのかしら、いやそもそも中国は人口が多くて分母が巨大なのかもね、とか。
イギリスの「Level of distrust in other citizens 」が3とやや高めなのはわかるんだけど、「Military capability/sophistication 」が4点というのは、日本の5点に比べたら低いんじゃないかなーとか。実戦回数の多いイギリス軍やMI6を抱えるお国なのにねぇ、失礼ですよねぇ、とか。
韓国や中国が「Relations with neighbouring countries 」で3点なのに、日本は4点ってなんか喧嘩売られ損じゃないのー、とかとか。
つまり、武器はもたずに交渉力という名目で他国に軍事費をばら撒いてもうまく関係を保っていればオッケイなのねぇ。。。あぁやっぱりODAは無力なのねぇ。。。とか、ちょっと感慨深いです。
5段階のレイティングの結果を見れば見るほどに不可解な気分になるのですが、んー、どうなんでしょ。
せめて10段階評価にして、もう少しきめ細かな数値を出してくれたら良かったのではないかと思います。
この指標を発表したグループも、「平和の定義と格付けはたいへん難しい作業である」と前口上を述べていますが、だとしたらなぜこの指標を算出しなくてはならなかったのかという点が、なんか納得いきません。
この指標を見て各国首脳部や国民が、「あぁわが国は平和なんだよしよし」とか「あら、わが国は平和じゃないのね。もっと頑張らなくちゃ」とか思えということでしょか。
それとも、この指標は投資家が他国への投資を行うにあたっての判断材料になるんでしょか。
国内の平定と外交の努力は、異なるファクターによるものなので、そもそも分けて考えるべきではないでしょか
(穏健主義の平和な国でも、他国から喧嘩を売られることはママあることで。で、武器をとるのではなく、交渉力で乗り切れ頑張れっつーのは、なんかちょっと無理がありませんか。喧嘩を売られているのかor売っているのかは切り離してほしい。難しいけどね)。
「社会主義国」を標榜している国もあるのに、民主度で平和を計るのはどうなんでしょか(まぁ、それを言っちゃうとそもそもこの指標が。。ry)。
うーむ。なんかイマイチ納得できないのですが、またぞろノルウェーが1位ということで、わたしのママンなぞはシンプルに「まぁーすごいわね!」と鵜呑みにされることでしょう。まぁ、ドメスティックの和平のためにも「うん。そーだねー」とだけ言うことにしますけど。
数値やランキングなどは一見とても分かりやすいし使い勝手も良いのですが、決して見た目の数字を鵜呑みにしてはいけないなぁと思う今日この頃なのです。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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