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Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by - 2025.02.04,Tue
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Posted by norlys - 2007.06.01,Fri
このブログは自作クラフトの記録とか山登りの記録用に書き始めたのに、忘備録やらつぶやき(ぼやき)ばかりが溜まっていくというのはなんだかな。。。

「クラムボンはかぷかぷ笑ったよ」とか言って、のんびりと川の底でやまなしの実が落ちてくるのを待っていたいものなのですが。。。最近編み物の神様は降臨しないし、厭なニュースを目にしてしまうと気分が晴れないので垂れ流してしまいたくなり(またしても)。

ちなみにアイゼンのことをフランス語でクランボンと呼ぶことを昨年の冬に知りました。
アイゼンと呼ぶとガシっと氷を踏みつける重厚な印象を受けますが、クランボ~ン♪とフランス語調で呼ぶのはかなりかわいいです。かぷかぷ笑うんだ~と、押入れのアイゼンを見るたびに独りでほくそ笑んでいます。

さてはて。本日の厭なニュースの垂れ流し。

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 5月31日(木曜日)   貳
通巻第1813号  

「中国を虐殺者と呼ぼう」と全米で一大キャンペーンが開始
  ユダヤ人教会からイスラム、福音派、アムネスティなどが大連合組織

 「反日キャンペーン」なんぞ何処かへ吹き飛ばす、大々的な「反中国キャンペーン」が世界的規模で始まった。

「北京オリンピック=ダルフール虐殺」として、世界の一流紙に「意見広告」も掲載され始めている。
 ユダヤ人組織からイスラム教会の組織、エバンジュリカル、国際アムネスティなど数十の有力な団体が、連合を組んで「ダルフールを救え」という連携運動を組織化し(本部はワシントン)、北京オリンピックのボイコットを呼びかけているのである。

 「ダルフールの虐殺に手を貸すのは中国であり、世界がこれほどスーダン政府を非難しているにも関わらず、その政権に武器を供与し、貿易を拡大させている恥知らずな中国」という激烈な文章が並んでいる。
 (たとえば日本で簡単に入手できる英字紙『ヘラルド・トリビューン』、5月31日付け、7面の前面意見広告を参照されたい)。

 これほど大規模な中国非難キャンペーンは、89年天安門事件以来。
しかも北京オリンピックを恥知らず、虐殺者の競技会などと定義し始めていて、今後の北京の対応が注目される。
(以下略)
(http://www.melma.com/backnumber_45206/)
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ほへぇ~。。。と、この"Save Darfur"のメンバー一覧ページを見ると、わさわさとユダヤ教関係協会が並んでいる。いや、ユダヤ教だけではなくて、仏教、カソリックにイスラム教の団体もある。アムネスティ・インターナショナルUSAや人権監視団体もずらずらずら。。。総包囲網キタコレ、という感もあり。

ダルフールの内戦が勃発したのは2003年の2月。
わたしがスーダンの内戦について知ったのはかなり遅れて2005年の夏だった。たまたま訪れた銀座のソニービルで、日本アムネスティ(正笑)主催のアグネス・チャンによるダルフール視察の写真展が開催されていた。ちょどその頃NHKの特集もあったりして(テレビがないので見てないけど)、一時的にダルフール問題の話題が増えていた。

極東ブログさんのようにかねてからこの問題をヲチしているところもあったのだ、ということもこの頃に知った。
(極東ブログのfinalventさんは、ダルフール問題専門の「スーダン・ダルフール情報危機wiki」を管理なさってもいまする)

翻って、この"Save Darfur"が正式に活動を開始したのは、2006年3月。
正直、「ん? 遅いんじゃないの」という気持ちは否めない。国境なき医師団やアムネスティは、ずーっとこのスーダンの内戦について関心を持ってもらおうと声を上げてきた。いや、アメリカだって国連だって、2004年には介入を始めていた。とはいえ、Save Darfurの取り組みは真摯で直球(いい意味です)。短期間のうちにこれだけ組織できたのはなにか秘訣があるのかな。。と勘ぐるのはよくない癖ですね。反省。

スーダンにおけるダルフールの内戦はとても複雑。
wikiによれば、
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ダルフール紛争は、スーダン西部のダルフール地方で、2007年現在も進行中の、スーダン政府に支援されたアラブ人による「ジャンジャウィード」と呼ばれる民兵と地域の非アラブ人住民との間に起きている民族紛争である。
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とある。

もうずっと、かれこれ45年にわたって国内の紛争の火は燻っていて、激化したのが2003年以降。(わたしの理解が間違っていないことを願うけれど。。)スーダン政府側は歴史的に後から入植してきたアラブ系イスラム人が占め、反政府側は非アラブ系イスラム人の原住民族。反政府側が自分たちの処遇を不満として政府軍を攻撃。対する政府側が高度な武器を手に反政府住民を大虐殺、内乱による飢餓、そして民族浄化。国連が両者に対立を収めるように促すも、スーダン国内の問題ということもあり、未だ和解のめどは立っていない。

過去の歴史は勝者の物語。もしいつかこの内戦が終結した未来に、スーダンの過去の歴史として「そういう時代があったんだよ」と知るのであれば、どれだけ気が楽だろう。

内戦で民族紛争なので、正義や善悪の判断はとても難しい。近代武器を用いてジェノサイドを行っていると言われる政府側を完全に悪人にできれば話は楽なのだけど、火蓋を切ったのは反乱側の攻撃といわれているしでもそれも追い詰められた末のテロなら。。。と、堂々巡りが止まない。
いやさ、とにかくまずは今現在起こっている争いは止んでほしい。でもじゃあその後は? なにもなかった顔をして、みんなニコニコと暮らしてくださいって言えばそれでOKなの? などと考え出すとキリがない。うーむ。

民族をめぐる対立をさらに複雑にしているのは、スーダンの石油資源の存在。アフリカの不毛の大地の地下に膨大な石油が埋蔵されていることが、問題の深刻化に拍車をかけた。

アメリカ資本は1980年代後半からスーダンの地下資源開発に着手していたけれど、国内情勢が悪化するに及んでテロリスト国家と格付けしアメリカ政府は米国民間資本のスーダンへの介入を一切禁止した。その隙にするりと入り込んできたのが中国で、非アラブ系住民に弾圧を続ける政府側に武器を供給し(といわれている)中国資本の石油開発公社を建設し、今ではスーダンの石油産出量の3分の2が中国に輸出されているそうな。
もっと詳しい経緯は、日刊ベリタさんの20061123日付けの記事に書かれているので割愛。
 
前述の「Save Darfur」の現在最新のプレスリリース(2007年5月29日付け)は、改めて中国を名指しで非難している。アメリカとイギリス、フランス、ドイツ、そして国連という枠組みと中国の対立図式を示し、オリンピック開催をネタに中国に国際的協調を促している。
世界は今、小さな岐路に立たされていますよ。
大げさかもしれないけれどね。

でも中国は狡猾なので、おそらく抜け目なく欧米諸国、アフリカ諸国、ロシアや中東の各方面に幅広く根回しをするだろう。でも多少は譲歩するだろう。中国はアフリカだけじゃなくて国内の人権問題まで突かれたらたまらない。でも今の世界経済状況では中国を抜きに考えるのはもはや難しくなってきている。だから、欧米の追求は中国を国際社会から追放するのではなく、あくまでも合意を引き出すことを目的にこの問題を転がすだろう。中国は少しの間は強硬姿勢を貫いて、ロシアや中東と米+EU諸国という対立構造を深めるように扇動するだろう。でも落ち着く先では、スーダンの石油資本に欧米が参加して中国とシェアし合うことになるのだろう。そして、オリンピックは結局無事に開催されるのだろう。

んー。。。
なんか厭な未来予想図になってしまった。。。

国際的な政争のコマとして突然大きな扱いをするとか、なんだかあまり人々がスーダンの将来までは思いを馳せていないような気もして気懸かりなんだけど、たぶん気のせいだということにしよう。。。と、思いながら眺めた国境なき医師団のページで、厭な予感にさらに拍車がかかる。

以下、本文のほんの一部を抜粋。
----------------
スーダン・ダルフール地方:「正しい問い、誤った答え」−プログラム副管理者へのインタビュー
情報発信日 2007年04月23日

武力介入を求める声が高まる中、トルヒーヨ(国境なき医師団(MSF)の西ダルフール州におけるプログラム副管理者)が語る一般市民が直面する状況は、人道援助団体「セーブ・ダルフール」などの団体や政治家が語るものとは大きく異なる。

国民の保護を名目として行う軍事介入は、民間人に多数の犠牲者を出すことが多く、援助活動は、たとえ可能だとしても大きな困難を伴います。これは、イラクやアフガニスタンの例でも明らかです。人道回廊の設置の提案に至っては、道理に合っていません。約1万人の援助活動従事者が、すでに大規模な援助を行っているからです。
----------------

複雑です。。。
最悪のシナリオだけは避けてほしいものです。
ある意味、中国の狡猾さが救いになるかもしれないなんて、皮肉なことを考えてみたりします。さてはて。

ところで。「ダルフール」と「中国」をキーワードにしてググってみると、ちょっと面白い結果になったので見出しを並べてみましょう。
順位はグルグル変わっちゃうので、まぁわたしが目にした限りの話ですが。
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3番目は産経新聞の記事(2007年5月11日)
「中国はダルフール虐殺を支援」米下院108人、五輪ボイコット警告

4番目は朝日新聞の記事(2007年5月10日)
asahi.com:中国、ダルフール担当の大使任命 - 中国特集
(中国はスーダンへの)積極的な貢献をアピールすることで、欧米などから出ている「人権軽視」の批判をかわす狙いがあるとみられる。
※見出しだけだとわからんので、本文を一部抜粋。

7番目は中国人民日報の記事(2007年5月24日)
中国政府、スーダン・ダルフール地方に支援物資--人民網日文版--2007.05.24

9番目はJanJan(市民ニュース発信のNPO)の記事(2007年4月30日)
世界・中国、ダルフールへの国際部隊派遣を自らの功績に
======

いやはや。ささやかな情報合戦の末端を見た思いです。

わたしの目には、プロパガンダ戦では米+EUが先手を打ち、中国は火消しに必死。
そして朝日新聞は中国の犬だということが鮮やかに浮かび上がってきましたが。どうなんでしょ。

おそらく産経新聞やJanJanのような市民ニュースは中国との日中記者交換協定を結んでいないので自由に発信することができ、他のマスコミは中国様からのお許しがいただけないので報道できないのでしょう。
逆にいうと、日本はこの問題に首を突っ込まなくていいよという中国様のご配慮が働いているのでしょうか。

いやはや。。。
やっぱり清流の水底で泡吹き自慢をしながらのんびり暮らすのが良さそうです。クラムボンが笑ったよ~って。
 
それでも「スーダン」で検索すれば、ネット上にはこの問題に言及する多数のブロガーたちがいることがわかるので、日本のジャーナリズムの多くが自らの機能を放棄しようとも、言論の自由が保障された国に生まれたことは自分にとってささやかな幸いだと思うのでした。
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自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。

色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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