またしても化粧品にステロイド混入が発覚しまして、えぇ。
とはいえ、中国のお話ですが。。
↓
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<毒物混入>赤ちゃん向け漢方薬から「ステロイドホルモン」―貴州省
2008年10月20日、中国で赤ちゃんの湿疹などに効くとされ、人気を博していた漢方塗り薬「苗峰潔膚霜」に、強力なステロイドホルモンである「プロピオン酸クロベタゾール」が含有していたことがわかった。鄭州のニュースサイト「大河網」が伝えた。
問題の塗り薬は、黔東南州苗峰苗族医薬技術有限公司(本社:貴州省黔東南ミャオ族トン族自治州)が製造した「苗峰潔膚霜」。一部の製品に、外用ステロイドホルモン製剤としては最も強力な「プロピオン酸クロベタゾール」が含有していたことが、河南省の新聞「大河報」の報道で発覚した。この塗り薬は、少数民族ミャオ族の間に1000年以上も伝わる秘伝の漢方薬が主成分と謳われ、若い母親を中心に「赤ちゃんの皮膚に安心して使える」などと人気を得ていた。
同公司の代表・王英(ワン・イン)氏は、全国の消費者に向け謝罪し、製品は全て回収し製造を停止したと発表した。原因については、「社内にゴタゴタがあったため会社に不満を持つ人がやったという。内部犯行説の可能性が高い」などと述べている。(翻訳・編集/NN)
(レコードチャイナ 2008.10.22 06:54:52)
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↑が第1報。んで、↓が続報。
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<続報><毒物混入>ステロイド薬で1歳児に月経、骨の壊死も―貴州省
2008年10月21日、赤ちゃん用に広く使われていた漢方塗り薬「苗峰潔膚霜」に強力なステロイドホルモンが含まれていた事件で、この製品を7か月使用した1歳8か月の女の子に月経が見られたほか、長期間使用することで大腿骨骨頭壊死を起こす可能性が高いことがわかった。北方網が伝えた。
問題の商品は、貴州省に本社を置く黔東南州苗峰苗族医薬技術有限公司が製造した漢方塗り薬。赤ちゃんの湿疹などに効くとして人気を博していたが、同省衛生当局の調べで強力なステロイドホルモンである「プロピオン酸クロベタゾール」を含有していることが確認された。現地の医者の証言によると、使用した患者の多くがステロイド依存性皮膚症を引き起こし、現在治療を受けている。また、長期間使用することで大腿骨骨頭壊死を起こす可能性が高いこともわかったが、今のところ被害の報告は入っていない。
記事によると、この商品の衛生許可証は「消毒剤」としてのもので、正規の薬品としては認められていなかった。外装に薬効や治療効果などを記載することも許されていないが、これに違反しており、杭州市では7月に衛生当局が商品を全て撤去するよう通達を出していた。貴州省の衛生当局もメーカーに5000元(約7万5000円)の罰金を課し、許可の取り消し手続きを進めているという。(翻訳・編集/NN)
(レコードチャイナ 2008.10.22. 12:52)
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う~むむ。。
「赤ちゃんでも使える」「秘伝の漢方薬が主成分」という宣伝文句で、実は1群(Strongest)のプロピオン酸クロベタゾール含有ですか。。
なんだかNOATOクリームと似ておりますな。(まぁ、NOATOは「植物成分」という宣伝文句のみで、「漢方薬」とは謳っていなかったけど、サイトに列記された成分は生薬成分ばかりでどう考えてもMade in USAとは思えなかったしな)
う~ん。。
もしかしたら、NOATOの出所はここですかね? 確証などまったくどこにもありませんが、こいつぁ臭いプンプン匂うぜ~、という気がするのでございます。
もともと「消毒剤」として申請しているそうなので、ステだけじゃなくてお次はケトコナゾール(ニラゾール)が検出されるんでないんかい? NOATOみたいにさ。
まぁ、陰謀厨のタワゴトに過ぎませんが。
ところで。ステロイド外用剤の場合は、内服薬や吸引剤とは異なり全身性の副作用は少なく、「長期連続使用の場合」と限定した上で、「過敏症、ステロイド皮膚症(皮膚萎縮、赤み、シワなど)」と、重度の場合には「緑内障や白内障など」とのことですが。。
「大腿骨骨頭壊死」って、ステロイド内服剤じゃなくて外用剤でも発症するんでしょかね。最悪のシナリオとしての可能性は否定できないということかな。
自分にはチトわかりませんが、いずれにしても乳幼児向けの「消毒薬」に最強ステを混入するとは、この業者悪質すぐる。
とはいえ。安易な「ステロイド=怖い~/悪い」論調はどうかと思われ。
「ステ入ってないよ/実は嘘でした」という業者が怖いし悪いのであって。はい。
(まぁ自分もステロイドは大っ嫌いだけど。本当に打つ手がないときの最終手段ではあるジレンマ。。)
しかしまぁ、罰金が5000元(約7万5000円)って安ッ!!!
さすがは、やっチャイナ、ダメだコリア、おそロシア。。
まぁ日本も薬事法第84条14項(第55条第2項の規定に違反)によると、「3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金」で済んでしまうので、あまり大差ないかな。。
なんというか、「うっかり」な場合も「故意」の場合も一緒くたにこの罰則というのは、あまりに大雑把すぎるのではないかと思います。はい。
それにしても、このステロイド混入に関する社長のコメントがヒドい。
同公司の代表・王英(ワン・イン)氏は、全国の消費者に向け謝罪し、製品は全て回収し製造を停止したと発表した。原因については、「社内にゴタゴタがあったため会社に不満を持つ人がやったという。内部犯行説の可能性が高い」などと述べている。
だと。
会社に不満があるから消毒剤にステロイドを混入する社員がいるなんて(まー嘘八百だろうけどさ)、いったいどんな製造ラインなんだよwww
中国には「GPM」とか「GQP,・GVP」という言葉や概念はないのか。ないんだろーな。。
こういうの。
↓
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GMP (good manufacturing practice)
適正製造規範 / 優良製造所基準 / 製造管理および品質管理規則
医薬品や医療用具、食品などの安全性を含む品質保証の手段として、工場などの製造設備(ハード)およびその品質管理・製造管理(ソフト)について、事業者が遵守しなければならないことを明確にしたもの。
(@IT情報マネジメント用語辞典)
GQP (good quality practice)
医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の品質管理の基準に関する省令
(Wikipedia)
化粧品製造販売業GQP・GVP (東京都福祉保健局)
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あぁでも、日本だって、GQP・GVP省令があってもステ混入化粧品問題が起きるのだから中国のことをとやかくはいえないんだな。。orz
***蛇足***
今回の件だけではなく、こんな記事もありました。
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<中国製品>化粧品からステロイドなど禁止成分を検出、皮膚病の危険も―衛生部
2007年11月、衛生部は一部化粧品からデキサメタゾン、クロラムフェニコール、メトロニダゾール、酢酸ヒドロコルチゾンエステルなど10種にも及ぶ禁止成分が検出されたことを発表、ただちに販売停止を命じた。北京晨報が伝えた。(以下略)
(レコードチャイナ 2007.11.19 10:27:40)
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中国製化粧品おそろしすぐる。。
そういえば。昔読んだ「カブールの本屋―アフガニスタンのある家族の物語」の中で、タリバン政権崩壊後のアフガニスタンでコスメタリー製品は中国製ばかりみたいな記述がありました。
以前は他国製品も輸入されていたのに、政情が不安定になってから他の国からの輸入物資はなかなか入って来ず、中国産ばかり。。みたいな(中国産が良い・悪いという意味ではなく、ただ単に中国産製品以外の選択肢がほぼ皆無、というコンテクストで)。
中国産だから即NGというつもりはありませんが、なんといえばいいのか、大層複雑な気持ちになりました。。
そら予算の都合で希望のすべては叶わないとしても、日本に住まう自分にはまだ商品を選択する(ぶっちゃけ中国産を避ける)という自由があるのだ。。と。
やっぱり農政は日本の最暗部なんでしょか。。
ちと古いのですが、同じ事件の記事を2つクリップ。
↓
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農水省課長が自殺 改革チームの一員
17日午後3時ごろ、東京都新宿区百人町の公務員住宅で、農林水産省植物防疫課長の都倉祥夫さん(48)が自室内で首をつっているのを同僚が見つけ、119番した。駆け付けた救急隊員が現場で死亡を確認した。
都倉さんは事故米の不正流通問題を契機に、石破茂農相が若手課長クラスを中心に立ち上げた省改革チームの一員。室内に私的な悩みを記した遺書があり、警視庁新宿署は自殺とみている。
新宿署によると、都倉さんがこの日朝出勤せず、電話でも連絡が取れないことから同僚が部屋を訪問。玄関ドアは施錠され、チェーンもかかっていたが、不審に感じた同僚が専門業者を呼んでドアを開けたという。
都倉さんは単身赴任で1人暮らしだった。
(共同通信 2008/10/18 00:59)
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農水省課長が自殺? 室内に家族にあてた複数の遺書
17日午後3時5分ごろ、東京都新宿区百人町の公務員宿舎で農林水産省植物防疫課長の都倉祥夫さん(48)が首をつって死んでいるのを同僚が発見し、119番通報した。
警視庁新宿署の調べでは、都倉さんは室内でひものようなもので首をつっていた。家族などにあてた複数の遺書があり、プライベートで悩んでいたことが書かれていたという。自殺とみて調べている。
都倉さんは同日、出勤しておらず、電話にも出なかったことから、同僚が官舎を訪ねて発見した。都倉さんはひとり暮らしだった。
植物防疫課は国内外の野菜など農産物の病害虫防止や検疫などを管轄する部署で、農薬冷凍インゲンなど冷凍食品の輸入検疫をする厚生労働省の検疫所とは直接関係ない。
(MSN産経ニュース 2008.10.18 01:06)
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概ねどこの報道でも共同通信のソースが下地(か、まんま)なんだけど、産経だけ「複数の遺書」という記述がアリ、産経だけ「省改革チーム」の文言が見当たらない。なんで産経だけこんなに違うんだろ? 個人的に謎です。
それにしても、「首吊り自殺」と「複数の遺書」だなんて、元松岡農林水産大臣の自殺を彷彿とさせますな。。
と、思っていたら、二階堂ドットコムですでに指摘されていました。
↓
「遺書は複数」(2008.10.18)
とりわけ引っかかるのは、「私が前から言っている「飼料用小麦の食料品への転用」がこの課長の自殺の闇にあるような気がしてならないのだが。」という部分。
毒米や中国産の農薬残留冷凍食品問題など、日本の食の安全を脅かす輸入毒材への追及はまだまだ甘いと思いますが、
1)残留農薬や薬剤だけではなくカビ毒(特にアフラトキシンB1)の問題があまりメディアに取り上げられないこと、
また、米だけではなく
2)アメリカから輸入された飼料用小麦やトウモロコシのカビ毒の問題があまり俎上に上がらないこと
について、日本の食糧事情の闇がネット上で囁かれています。
たとえば、こんなところ。
↓
事故米・汚染米転売流通問題 まとめページ
とはいえ、農林水産省のプレスリリースで「第1回農林水産省改革チーム会合の概要(平成20年10月3日)」を見る限り、省改革チームの目指す方向のいったいなにが(毒米なのか、毒小麦/トウモロコシなのか、BSE問題なのか、利権構造の解体なのか、それ以外なのか)誰かを刺激したのか、さっぱり分かりません。
おそらくこの件は、業務が過度に多忙で自殺を選んだ…ということで幕引きになるのでしょうけれど、そしてそれはある意味正しいのかもしれませんが、なんだか真相は深くて暗い闇が横たわっているような気がします(世にこれを陰謀厨と呼ぶ^^;)。
2006年から始まった国家公務員純減計画で、とりわけ人員削減目的での配置転換圧力の高い農林水産庁で、省改革チームに抜擢された方がどこからどんな圧力を受けたのか。。
故松岡氏の最期の状況となんとなく似ているというのは、ある勢力からのメッセージなのか。
それとも、別の勢力が敢えて故松岡氏を想起させるような状況を作り出したのか。
地産地消を推進し日本の自給率を高め、食の安全を守るためにトレーサビリティを高めようと改革派路線を掲げる大臣と官僚が次々に自殺してしまうだなんて。
いったい日本の農政はどうなっていることやら。。ガクガクブルブル
謹んでご冥福をお祈り申し上げると共に、敬意を表して戸倉氏が富山県農林水産局生産流通課所属時代に書かれた政策提言エッセイのリンクをペタ。
↓
「「地産地消」は○○を救う~新たな発展に向けて~」
「でるくい」13号(2001年3月号)
地元の農業の活路を模索し、提言する。少なくとも自分は、この文章の内容はすばらしいものだと思います。
なのに、こんな悲しい結末を迎えてしまったことが残念でなりません。
ところで。「でるくい」は富山県県庁の政策情報誌で、1996年に当時富山県総務部長だった岡本全勝氏の発案により創刊。キャッチコピーが「杭も出すぎりゃ打たれない / 打てるものなら打ってみろ」というのが面白す。
で、この岡本全勝氏のお名前でググったら、麻生内閣で麻生総理大臣の秘書官に就任されたとのことで、ちょっとビックリ。
もしかして、戸倉氏が省改革チームに抜擢された経緯と岡本氏には、なにか関係があるのでしょうか。。
(岡本氏は1998年には富山県県庁から自治省に異動されているようなので、富山時代には全く面識はないかもしれません。あくまでも陰謀厨のタワゴトです。)
そして、自他共に認めるミリオタであり防衛問題の論客であるゲル閣下こと石破しげる氏が麻生内閣で農水大臣に任命されたのは、現在の日本の農政は国防問題の一環だということなのでしょうか。
(個人的にはゲル氏のことはよくわからんです。軍オタなのに左翼寄りの姿勢とか、大きな政府主義かと思えば地方分権促進とか。。片方のみに肩入れしないバランス感覚だとすればそれはそれでいいのですが、なんかイマイチ不可解)
まぁ確かにゲル氏に対しては下手な手出しは難しそうな気はするな。ミサイルで返り討ちにされそうだもんな。
だから麻生首相-岡本秘書官に繫がる(あくまで仮定)戸倉氏を狙い打ちにして、省改革チームの今後の展開に水を差したい人がいるのかもしれない。
よくわからないけど。。
少なくとも現状では閉塞感に満ちてひたすら先細りになりそうな日本の農政の改革と食の安全とを目標とすることは間違っていないと思うのだけど。
この流れを阻もうとする暗い勢力がどこかに潜んでいるのだと思うとぞっとしなくもない。
ホンモノに限りなく似せて作られるからこそ偽札なのであって、絵柄がまるで違ったらもはや子供銀行券みたいなものでは。。と思いますが。。
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アイスランドで偽札、絵柄はプーチン露首相
2008年10月15日 21:57 発信地:レイキャビク/アイスランド
【10月15日 AFP】アイスランドの首都レイキャビク(Reykjavík)で、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相の肖像が印刷された偽100万クローナ(約92万円)紙幣が見つかった。偽札が出回り始めたのは、世界的な金融危機でアイスランドの金融機関が大きな打撃を被ってからだという。
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建国史上(というほど長い歴史じゃないが)最悪の金融恐慌を笑い飛ばせ! というスピリットと、ロシアの脅威を警告する冷静な現状認識は。。まぁ悪くないけど。。
ものっそいブラクジョークですな。。あは、あは、あはは。。
歴史的にロシアと対立してきたスウェーデン、フィンランドなんかはドン引きなんじゃなかろか。
とはいえ、そうそう笑ってもいられず、アイスランドの状況はより一層深刻になりつつ。
"Island har mat for maks fem uker "(Aftenposten、2008.10.16 00:16 更新)
直訳すると、「アイスランド国内の食糧貯蔵は最大で5週間分」とのこと。
ノル語なので理解があやふやだけど、なんでもアイスランドの食糧自給率は約50%なので、海外からの食糧輸入がストップするとたいへんらしい。
とはいえ、アイスランドの通貨の価値が下がってしまったので、輸入するにも以前のようにはいかないらしい。
金融当局者が言うには、8ヶ月から9か月分の食糧調達のための費用の用意はあるらしいけど、国内輸入業者いわく通貨価値が下がり続けている以上、その見通しは甘いのでは、みたいな内容(だと思う)。
う~ん。。
アイスランドは、火山島ならではの地熱を生かしたビニールハウス栽培で、欧州で初めてバナナの栽培に成功したんではなかったっけか。
バナナが栽培できるなら、他の作物も作れそうな気がするんだけど。。まぁ、そんなに急に産業の転換はできないか。
ところで。万が一にも英語版に翻訳されたニュースはないものか。。と、Aftenposten(ノルウェー最大手の日刊紙)の英語版サイトを覗いたら、
"Aftenposten to shut down English news service" (2008.10.14)
経営上、今後2年で約2億米ドルのコスト削減が必要となり、手始めに10月いっぱいの予定で英語版サイトをクローズします、だそうです。
う~ん。。
そんなイキナリだな。おい。
ノルウェーもまぁ、他のヨーロッパ諸国同様に金融危機の煽りを受けて厳しい局面には違いないけど、それでも依然としてザ・石油王なんだからアイスランドとは事情が違うと思うのだが。。
「オレ達も苦しいんだぜ?」というポーズ? それとも本当に台所事情が火の車なのかな。。はて??
ノルウェーの場合は、自国領内にある北海油田は当面枯渇しそうにないし(先日、日本の出光が25%出資してる鉱区で油田の試掘に成功したそうだし)、中東、中央アジアや南米の採掘権もがっつがつ握っているのにな。ほんと、表舞台に出ることなく裏で暗躍するのが得意だよな。。(褒めてます。たぶん)
アイスランド金融破たんに関するここ数日のヘッドラインのクリップ2
↓
10月8日 英、反テロ法を適用し、アイスランドの銀行が英国内に持つ資産を凍結
10月9日、10日 アイスランドの株式市場閉鎖
10月12日 アイスランドのスカルプヘイジンソン産業相が国際通貨基金(IMF)に支援を求める可能性を明らかに
10月13日 「アイスランド、正式にIMFに緊急融資を要請、支援規模は合意に至らず」と報道されるも、IMF側は否定
10月14日 アイスランド中銀と財務省当局者がモスクワでロシアからの融資についての協議開始
10月14日 北欧諸国との通貨スワップ協定の下、デンマーク・ノルウェー中銀から計4億ユーロ(5億4640万ドル)を調達
10月15日 アイスランド交響楽団が初来日公演の中止を決定
10月15日 アイスランド、政策金利を3.5%引き下げ12.0%に
緊急利下げをしてもまだ政策金利12%というのは、長いこと限りなくゼロ金利状態のイチ日本人にとっては、依然としてものすごい高いような気がするけど。
更なる混乱を招かないように段階的に下げたほうがよいのでしょか。
よくわからんな。。
↓
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Iceland Prime Minister Geir Haarde has some advice for his fellow citizens after the country's banking system imploded: Go fishing.
``We are too small a country to sustain such a big banking system,'' he said in an interview. ``We have fantastic resources and an abundance of green energy and we will now utilize that and the other resources we have, the ocean and human capital.'' (以下略)
("Iceland Premier Tells Nation to Go Fishing After Banks Implode" Bloomberg, October 9, 2008 19:11 EDT)
アイスランドの首相Geir Haarde氏は、自国の銀行の崩壊を受けアイスランドの国民に向けて次のようにアドバイスを行った。「魚を釣ろう」
「我々の国は巨大な銀行システムを維持するには小さすぎた。」インタビューの中でHaarde氏はこのように答えた。「わが国にはすばらしい資源と豊富なクリーンエネルギーがある。我々はこれらのものに加えて、海洋資源や人的資源などを活用していくつもりだ」
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なんというか、「風と共に去りぬ」のラストシーンを彷彿とさせる発言ですな。。
それまでに得たすべてのものを失って、原点回帰を決意をするところが。
それでも眠る場所があって食べていくことができれば(栄養学的な意味で)、なんとかやっていけるさ、という希望が残っていることは大事かな。
虚業の見せ掛けの栄光に浸って生きていたら、いざというときに食べる手段すら失いますんで。
(漁船を動かす燃料はどうするんだら? という突っ込みはさておき)
アイスランド金融破たんに関するここ数日のヘッドラインをクリップ
↓
9月29日 アイスランド政府、国内第3位のグリトニル銀行の株式75%を取得、国営化へ
9月29日 アイスランドクローナが対ドルで5%下落
10月3日 アイスランド政府、金融安定化策の導入計画を示唆、クローナが一段と安値に
10月4日 9月末時点のアイスランドの株式市場がマイナス39.14%と下落率世界1位
10月6日 スタンダード・アンド・プアーズ、アイスランドを格下げ。金融が政府の管轄化に入ることを懸念
10月6日 アイスランド政府、経営難に陥った銀行の経営に介入する広範な権限を認める法案を可決
10月7日 アイスランド政府、国内預金全額保護を発表。アイルランド、ギリシャ、ドイツ、デンマークについで5カ国目
10月7日 アイスランド政府、国内第2位のランズバンキ銀行を政府管理下へ
10月7日 アイスランドクローナが対ユーロで35%急落し、過去最安値
10月7日 アイスランド政府、国内1位のカウプシング銀行へ5億ユーロの緊急融資。カウプシング銀行は政府からの経営に関する打診なしと談話
10月7日 ロシア、アイスランド中銀に40億ユーロ融資を行うと駐アイスランド・ロシア大使が、アイスランド中銀総裁に通知
10月7日 ロシアのパンキン財務次官、アイスランドへの融資を否定
10月8日 アイスランド中銀、自国通貨クローナの(対ユーロ)ペッグ制導入を断念
10月8日 ムーディーズ・インベスターズ・サービスはアイスランドを3段階格下げ
10月8日 アイスランド政府、国内第3位のグリトニル銀行を政府管理下へ
10月9日 アイスランド政府、国内第1位のカウプシング銀行を政府管理下へ
10月9日 アイスランドのハーデ首相、国営ラジオでIMFへの支援要請を否定
10月9日 IMFのストロスカーン専務理事、8日付けでEMF(緊急融資枠組み)を復活させたと発表
10月10日 日本政府、G7上でIMFによる緊急融資制度を提案。支援の原資には日本の外貨準備のほか、中国、中東諸国に協力を要請の予定
崩壊のスピードがあまりに早すぎて、対策を立てるものの市場からは資金が逃げる一方。事態を収拾すべく通貨や銀行を凍結したみたものの、そのせいもあってアイスランドに資本をつぎ込んでいたEU諸国(アイスランドはEU非加盟)や北欧諸国からの援助は期待できず(援助だとぉ?その前にうちらの金返せ、ゴルァ状態)。
かといって、IMFの管理下に入ったらそれはそれで大変だというし。。あぁどうしよう、、、と困ったアイスランドに手を差し伸べたのは、なぜかロシア。株式市場がぼろぼろで原油価格も落ち目なのに、いったいどこにそんな余力が。。と、欧州一同目が点(たぶん)。
うげげ、ロシアがホワイトナイトってどういうことよ。アイスランドはNATO加盟国なのに、ロシアの手が入ったらマズー。第一、ロシアは北極圏の資源を以前からにらにら狙っておりましたっけね。。
欧米諸国にしてみたら、メシマズ状態もいいところ。
アイスランドがしたたかなのか、ロシアが狡猾なのか。。どっちもどっちか。
つーことで、慌ててIMFを通してみんなでアイスランドを助けましょ~!! ということになりそうな気配。
シナリオの一端には日本が噛んでいる模様。でもアジア諸国もたいへんな時期に、日本が表立ってアイスランドだけを支援すると後々まずいので、ここは一応筋を通してIMF経由とゆーことで。
アイスランドに関する記事を検索していたら、こんなプレスリリースがありました。
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三菱重工と三菱商事、化石燃料に依存しないエネルギー政策貢献に合意
アイスランドのクリーンエネルギー政策に貢献 同国とのMOUに調印
三菱重工業と三菱商事は、アイスランドが進める化石燃料に依存しないエネルギー政策に貢献していくことで合意、19日、同国と覚書(MOU)を交換する。クリーンエネルギー利用のパイオニアを目指す同国を技術的に支援していこうというもので、その第一弾として、新世代電気自動車の実証試験のためのインフラ構築で協力する。
アイスランドと両社の関係は、これまでも三菱重工業が三菱商事とともに同国向け地熱発電設備累計15基を受注・納入するなど多様に続けられてきたが、今回のMOU調印を機に両社は、それぞれが保有する技術・ノウハウを結集しながら、エネルギー・環境分野で一層積極的な提案を行っていく。また、クリーンエネルギー利用の最先端国であるアイスランドでの社会実験を通じて得た経験を今後の世界展開に繋げていきたい考え。
(日経 2008/09/18)
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三菱財閥主導ということは、日本としての国策の一種ですかね。
日本国内ではなく、わざわざアイスランドで社会実験というのは、国内でやると色々と障壁があるからなんでしょかね。クリーンエネルギーで一歩先ゆくアイスランドなら、なるほど(日本国内やアメリカや産出国などからの)横槍が少なそうです。
あぁ、あと3年早かったら。。。
石油はあくまでも加工原料としてのみ用い、エネルギーとしての石油利用から脱却する-その道筋が見えてきたかもしれないのにな。
それとも、アイスランドの金融危機がまさに計画開始後というタイミングで、途中で頓挫するよりはむしろ良かったのかな。。
一体今後どうなるんだろ。この計画。。
熱狂的な数字が飛び交う世界がどうにか収束して、今一度新しい産業がアイスランドに芽吹き、それが日本にフィードバックされる日が来ることを願ってみるものです。
日本の物理学者3名の方が同時にノーベル物理学賞受賞というステキなニュース。
うれしいな~。とはいえ受賞対象である理論そのものは難しくて理解が。。。ですが ^^;
受賞された方々が日本人だから(南部氏は米国籍だけど)うれしいのかと言われたら、そりゃ否定はできません。基礎物理学の進歩に日本人が貢献したというのは、ほんとにすばらしいことだと思います。
そして、そういう基礎分野での学究生活が維持できる日本という国の懐の広さを改めて思い知りました。
ちっさな島国なのにね。
そんなすてきなニュースの陰に(は隠れていない。自分が見落としただけだ)、「トルコ軍が再び空爆 イラク北部でPKK掃討」(産経ニュース 2008.10.6 23:18)という記事を見つけました。
あぁとうとう始まっちまいましたか。。。と、暗澹たる気分に。めげる。
PKKとはクルド労働者党のこと。以前は「クルド民族主義だけではなく、マルクス・レーニン主義も掲げていた左翼組織だったため、右派のクルド民族主義組織とも抗争を繰り広げた。/冷戦終結と共に最大の支援国であったソ連が崩壊。また、トルコ軍の激しい掃討作戦により組織が弱体化した。」(from Wiki)」政治組織だそうです。
それにしても。。。「掃討」ってすごい表現だと思うんだけど。まるで対象が人ではなくて、モノみたいですな。
正直、自分はクルド民族のことはよくわかりません。トルコやイラクの国境地帯に古くから住まう領土を持たない山岳民族で、民族自決を願いながらも叶わぬ人々。。という程度。
ただなんとなく、グルジア紛争が勃発してしばらくした後に、トルコのギュル大統領がアルメニアを訪問(2008.09.06)し、続いてアゼルバイジャンを訪問(2008.09.10)し、これらの動きの裏にロシアがいるというニュースを知ったときに、トルコがそっと懸案のクルド人問題を「片付ける」んじゃないか。。と、うっすら悪寒。まぁ国際問題には疎いので、ただなんとなくなんですが。。
(クルド人問題だけではないけど、トルコがEU加盟を拒まれ続けている理由のひとつはこれ)
(ところで。そんな目でトルコ、アルメニア、アゼルバイジャンなどの国の新しい協力関係(中東や中央アジアからヨーロッパへ、グルジア抜きで天然資源パイプランを通すため)を眺めると、
「地域の平和と安定へ - 3国外相きょう初会談 トルコ、アルメニア、アゼルバイジャン」(しんぶん赤旗 2008年9月26日(金))
日本共産党がいかにお花畑脳かということを痛感しますwww)
EU加盟を長いこと希望し続け親米・親イスラエル派のトルコが、天然資源という餌を携えたロシアと手を組む-このタイミングでトルコが反政府クルド人勢力を殲滅したとして、いったい国際世論から非難の声があがるんだろか。。。
てねー。あがるわけない罠。。。みーんなトルコのお友達♪だもん。
第一、世界の先進国と呼ばれる国々はもはや自国経済の建て直しで必死すぎてそれどころじゃないもんな。
たとえ非難の声があがったとしても、トルコ政府は「これは『テロとの闘い』だ」と押し切るのでしょう(実際そう発表している。なんかみんな簡単に「テロとの闘い」って言い過ぎではないかと。。)
そうしていつか、世界がようやく落ち着きを見せたときには、クルド民族はどうなっているんでしょう。。
なにより笑えないのは、このトルコによるクルド人武力勢力への攻撃を、イラク政府が支援しているという構図。
クルド民族には、もはやどこにも退路がありません。。
(イラクはイラクで、イラク北部の油田地帯にいるクルド人が邪魔だから)
理由は単純。ただ、だれもが石油利権を握りたいがためですよ。
あはははは。
て、笑えね~よ。。。
クルド民族問題は難しいので自分はどちらの側を支持するということはできませんが、自らの属する「国」を持たない人々が大国の思惑でひっそりと殺されていくという現実に困惑するばかりです。
それは決してクルド人だけの不幸ではないし、歴史上幾度も繰り返されてきたことですが。。
今の時代、所属する国や支援する国がないままに独立しようと立ち上がると即ち「テロリスト」と呼ばわれ、「テロとの闘い」という名目の下に掃討されてしまいます。
ちなみに「テロとの闘い」というキーワードを世に送り出したのは、米ブッシュ大統領ではなく露首相のプーチンなんだそうですって最近知りましたよ。あぁ、おそロシア。
・ここ最近のクルド情勢クリップ(産経からの拾い物がメイン)
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イラクで地方選挙法案可決 キルクーク問題は先送り
2008.9.24 23:43
【カイロ=村上大介】イラク国会は24日、各県の地方評議会(議会)を選ぶ新しい地方選挙法案を可決した。新法案によると、投票は民族間の利害対立による帰属問題がくすぶる北部の産油都市キルクークとクルド人自治区3県を除外し、来年1月31日までに実施される。法案は大統領と副大統領2人の承認で正式に発効する。
地方選は当初、10月1日に投票が予定され、国会は7月、選挙法案をいったん可決したが、キルクークのクルド自治区編入を主張するクルド人勢力が反発。タラバニ大統領(クルド人)が法案の承認を拒否していた。
新しい法案では、クルド人の言い分が通り、キルクーク帰属と、独立志向を強めるクルド自治区の問題は先送りされることなった。今回の地方選では、2005年の地方選をボイコットしたイスラム教スンニ派勢力が参加を表明。米国は地方選が国民和解を加速することを期待し、イラク側に早期実施を求めていた。
アラブ人と少数派のトルクメン人(トルコ人)は、キルクークのクルド自治区編入に反対しており、国会はキルクーク問題について別に委員会を設置し、来年3月までに妥協案を模索することになった。
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イラクで来年1月までに地方選 大統領らが原則承認
2008.10.4 09:58
AP通信などによると、大統領と2人の副大統領で構成するイラク大統領評議会は3日、来年1月末までに北部の石油地帯キルクーク州とクルド人自治区3州を除く14州で評議会選挙を実施する法案を原則的に承認した。
イラクからの報道によると、大統領評議会は、選挙で少数民族の特別定数枠を認めるよう連邦議会に求めており、この作業を経て大統領らが近く署名、法律として成立する見通しだ。
連邦議会が9月24日に承認した法案はキリスト教徒などの少数民族の特別定数枠を認める条項を盛り込んでいないため、キリスト教徒などが強く反発していた。(共同)
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トルコ軍とクルド人組織、大規模衝突、38人死亡
2008.10.4 21:32
トルコの民間テレビNTVによると、トルコ南東部で3日、分離独立を目指す少数派クルド人の武装組織クルド労働者党(PKK)と軍が衝突、トルコ兵15人、PKK側も23人が死亡した。このほか兵士2人が行方不明だという。軍当局者が4日発表した。
最近では最大規模の戦闘で、PKKが拠点を置くイラク北部に対し、トルコ軍が報復の軍事作戦に乗り出す可能性がある。
現場はイラクとの国境に近いハッカリ県。治安部隊の拠点に対して、イラク側から激しい砲撃が加えられ、警戒中のトルコ軍が反撃したという。(共同)
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PKK攻撃阻止に協力 イラク政府
2008.10.5 17:28
イラクとの国境付近にあるトルコ軍基地の上空を飛行する軍用ヘリコプター=4日(ロイター) イラク大統領府は4日、イラク北部を拠点にトルコからの分離独立運動を続ける武装組織、クルド労働者党(PKK)とトルコ軍の大規模な衝突で双方に計38人の死者が出たことについて、トルコと協力してPKKの攻撃阻止に全力を挙げるとする声明を発表した。
イラクのタラバニ大統領がこうした立場をトルコのギュル大統領に電話で伝えたという。AP通信によると、ギュル大統領は「直ちに必要な措置をとる」ようにイラク側に求めた。
トルコ政府は4日の緊急対策会議終了後に「さらなる決意でテロ対策を続ける」とする声明を発表したが、今後の対応については具体的に明らかにしなかった。(共同)
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トルコ軍がイラク北部空爆
2008.10.6 01:50
トルコ軍は5日、イラク北部にある非合法武装組織クルド労働者党(PKK)の拠点を4日、戦闘機で空爆したと発表した。
トルコ軍とPKKは3日、トルコ南東部ハッカリ県で交戦し、双方の計38人が死亡、戦闘が拡大する可能性が指摘されている。トルコ軍はこれまでもイラク北部で空爆や限定的な越境作戦を実施している。(共同)
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トルコ軍が再び空爆 イラク北部でPKK掃討
2008.10.6 23:18
このニュースのトピックス:イラク情勢
トルコ軍は6日、イラク北部の非合法武装組織クルド労働者党(PKK)の拠点に対する空爆を行ったと発表した。同軍は4日にも空爆を実施した。
トルコ軍とPKKは3日、トルコ南東部で交戦して双方の計38人が死亡、緊張が高まっている。トルコ軍はこれまでもイラク北部で限定的な越境作戦を行っている。
トルコ国会は昨年10月、1年間の期限付きでPKK壊滅のため軍がイラク側への越境作戦を実施することを承認。期限は今月17日だが、国会は今週中にも越境作戦の期限を延長する可能性がある。(共同)
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久しぶりにNOKJPNの為替レートを見たら、1クローネが17円を割って16円半ばに急落していました。
おやおやまぁ。。
8月後半からじわっと、9月にがくがくと下落し、10月に入ってついに16円にタッチとは。。
去年の冬(今年の正月に、だった。間違えた)にノルウェーに行ったときは1NOK=21JPYくらいで、あまりの物価の高さに鼻血が出そうだったもんな~。
対円で考える限りだと、これでようやく東京の物価とpari(=equal)というところかな。でも日本の現在の状況もちょっと微妙だしな。。ほんとにビモー
ノルウェークローネ(NOK)は対ドル(USD)でも下降線。ユーロやドルの為替相場とは異なり、どちらかというと原油価格に連動するという独自の動きを見せるNOKが下落ということは、もれなく原油価格も下落傾向なんだろ~と、原油価格情報を探してみたら、「ドバイ原油続落、1年ぶり80ドル割れ」(日経ネット 2008.10.07 12:19)だそうで。ほえ~。
投機筋まみれで指標としてはどうなのよというNY原油先物市場が下がるのはそりゃまーねとしても、ドバイも一気に崩れましたな。
個人的には、それでもまだ高いかなぁと思うけど。
(とはいえ、原油価格が低下すると、またしても代替エネルギーの開発にストップがかかってしまうのが残念。それではまた同じことの繰り返しになるだけだしなー。。)
しかしまぁ、なんとまぁ、壮絶な全世界金融我慢比べ。
そろそろお隣の韓国がギブアップを申し出るかとヲチしていたら、それよりも先にアイスランドが脱落宣言しました。
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アイスランド、民間銀を政府管理下に 金融非常事態を宣言
【ロンドン=吉田ありさ】アイスランド政府は6日夜「金融市場の混乱で我が国は危機に直面した」と非常事態を宣言し、民間銀行を政府管理下に置く法律を緊急に制定した。すべての銀行を国有化し、海外資産売却など再建策を政府が手掛ける。預金は全額保護する方針を示している。
ハーデ首相がテレビで国民に「アイスランドの銀行が6日に金融市場で資金を調達できなくなった」と報告。同国の国民総生産(GNP)の何倍もの負債を持つ民間銀行の「実質破綻」により「最悪の場合、銀行とともに国家が破産する危険もある」との認識を示した。
過去数年アイスランドの銀行は市場から資金を調達し英国など海外で事業を積極的に拡大していた。昨年以降の世界的な信用収縮で市場ではアイスランドの銀行の資金繰り不安が浮上し、政府は9月末、資金調達に行き詰まった大手銀1行を国有化。「金融危機対応でアイスランドの財政負担が膨らむ」との懸念から外国為替市場では同国通貨が急落していた。
(日経ネット 2008.10.7 10:45)
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国の規模が小さいだけに、民間銀行の破綻が国家の存亡に関わるとは。。
日本はそれなりに経済規模の大きな国なんだと実感。。ヒシヒシ
今回の金融危機に先立つこと10ヶ月前のアイスランド経済に関する記事がありました。
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アイスランド、急成長のツケ
(前略)
先月、アイスランド商工会議所は新たなリポートを公表するため、ロンドンで昼食会を開催した。今度はロンドン・ビジネススクールのリチャード・ポーテス教授とレイキャビク大学のフリドリク・バルドウルソン教授の分析だ。
ポーテス教授は、「アイスランドの銀行はサブプライム市場に投資しておらず、個人預金の増加で資金構造を改善させた」と述べた。だが、格付け機関フィッチのポール・ローキンス氏は、「預金残高に対する貸出残高の割合は300%の高さで、各行はまだホールセール市場に依存している」と指摘する。
ポーテス教授曰く、アイスランドの銀行についているプレミアムはソブリン(国家)リスクへの懸念と見るべきだ。金融セクターが急成長したため、為替レートや市場心理に急激な振れが起きたら、影響を受けやすいからだという。
だが、教授の見るところ、こうしたソブリンリスクへの懸念も行きすぎだ。アイスランドの財政は強固であり、「スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は最近、アイスランドの格付けをネガティブウオッチとしたが、アイスランドにはデフォルト(債務不履行)するほど債務がない」と言う。
昨年と今年のリポートから浮かび上がるテーマは、アイスランドを取り巻く情報の非対称性だ。ポーテス教授は昨年の小さな危機を、銀行に対する批判とマクロ経済の不均衡から生じた「情報の危機」と呼び、現在の市場の動きも同じ問題が原因だと主張した。「各行につけられた市場プレミアムは過大だ。これが実際にカントリーリスクプレミアムだとすれば、国の経済の実態とは釣り合わない」。
アイスランドのゲイル・ハーデ首相は分析結果に胸をなで下ろし、「投資家が直面している大きな問題は、我々の状況に関する情報の欠落だ」と述べた。
(日経ビジネスオンライン 2007.12.10/ FINANCIAL TIMES,2007 Nov.24 )
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この記事から分かることは、「経済学者」という存在自体がジョークだということと、アイスランドの金融危機はなんだかんだいって(サブプラ関連への投資はなくとも)アメリカの金融不安と同じ根っこにあり、実体経済から乖離したバブル経済の終焉だということ。
今年の5月に起きた世界同時株安により、アイスランドが一時的に金融危機を迎えた際にはノルウェー、スウェーデン、デンマークのスカンジナビア3国が共同でアイスランド経済の再建をバックアップしたそうですが、今回はもはや手の施しようがなかったということなんでしょね。。
("Scandinavians unite to end Iceland's financial chaos" 2008.05.18 12:03 BST 英Telegraph /
スカンジナビア地域の3中銀、アイスランド中銀とスワップ協定を締結=スウェーデン中銀 2008.05.16 18:45 JST ロイター)
(「同じ地域の国だから仲良く頑張ろうぜ」という意味でスカンジナビア3国が共同で助け舟を出すのはごくごく自然な成り行きだと思いますが、一方で、アイスランドを試験的に金融セクターに仕立て上げたのは実際にはこいつらなんじゃねぇか? という疑惑も湧いてみたりして。。特にノルウェーがな~)
アイスランドはほんの1年前までは国民ひとりあたりのGDPが世界上位クラスの国だったのにな。
金融バブルの成長の勢いと崩壊速度の凄まじいこと。
て、日本もひとごとではありませんが。。
NHKのドキュメンタリー番組「映像の世紀」の21世紀バージョン(ネタ)が2chの市況板に貼られていたので、コピペ。
↓
「映像の世紀 -21世紀版」
第1集 それは9.11から始まった~テロとの終わりなき戦い~
第2集 中国の躍進~その光と影はあまりにも儚く~
第3集 ウォール街が壊れた日~資本主義の崩壊~ ←いまここ
第4集 忍び寄る戦争の足跡~ロシアの野望その行く末~
第5集 世界は核の炎に包まれた~禁じられた『核』が放たれた日~
第6集 廃墟からの再スタート~国際連邦発足の舞台裏~
第7集 聖火よ大地を駆け抜けろ~16年ぶりのオリンピックとつかの間の平和の話~
第8集 宗教の壁未だ厚く~再び世界が割れていく~
第9集 世界は未来を捨てた~中東発第四次世界大戦の勃発~
第10集 地球最後の日
なんか、ほんとにそうなりそうでこわいな~。。
***蛇足***
アイスランドショックについてのノルの報道は「我々が(ノルウェーがアイスランドを)救わなくてはならない」みたいな論調だとか(伝聞)。
アイスランドもいまさらデンマークに戻るのは難しいだろうし、デンマークよりはノルウェーの方が民族的にも文化的にも(言葉とか鯨食いだとか)近いしビジネス上でも関係が深いので、まぁ妥当なのかな。よくわかりませんが。。
ノルウェーの場合は、21世紀初頭にかけて原油価格の急激な下落や周辺諸国の金融不安による通貨危機を経験しており、今回のバブル崩壊のシナリオを予想していた節が見受けられるので、おそらく今更慌てるようなことはなかろうと思うけど、内需だけでやりくりするには国の規模が小さいので、それはそれでたいへんだろな。。
しかしまぁ、デンマーク(やスウェーデン)の統治下にあるのではなく「自らの言語(て、方言みたいに似てるやん)を守り、自らの議会を持つ」ために独立したい! という祈願を果たし、それでも折につけては往時の宗主国と連携しちゃうという感覚は、互いに近親憎悪しがちな東アジアの片隅に生まれ育った自分にはイマイチ理解できんのです。。
いささか動きが遅いような気もするけど、それは自分に順番が回ってくるのが遅かっただけなんだろな。たぶん。
悪が悪としてきちんと糾されるのであれば、まだこの社会には救いがあるのかもしれない。
自分は被害者ではないのであまり役に立てそうにはないけれど、アトピービジネス撲滅のために少しでも何かできればよいやね。。
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色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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