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Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by - 2025.01.24,Fri
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Posted by norlys - 2007.11.06,Tue
ニチアスに続いて東洋ゴム工業製の建材に耐火偽装が発覚だそうです。

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耐火偽装、認定建材すべて再調査・国交省 

建材メーカーのニチアス、タイヤメーカーの東洋ゴム工業が相次いで建材の耐火性能を偽装した問題を受け、国土交通省は6日、すでに大臣認定を受けている1万数千件の防耐火建材の性能を改めて調べることを決めた。

同省などによると、ニチアスは大臣認定の試験で、耐火性能が30―60分の建材に試験基準よりも多い水分を含ませ、住宅の軒裏天井などに使う建材の耐火性能を偽装し、不正に認定を取得した。偽装した大臣認定建材は20件で、うち16件は耐火性能が試験基準の3分の2程度しかなかった。
(NIKKEI NET 2007/11/06)
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試験機関の人の目に留まらないように隙をついて供試体に水を含ませた社員の方はドキドキものだったでしょうねぇ。

それに比べると東洋ゴム工業の手法はもう少しスマート(?)。
同社のプレスリリースによると「製品の芯材になるウレタン材料に、実際の製品には使用しない燃えにくくなる物質を混入して認定を得ました。」とのこと。

具体的な内容は、PRの別紙資料(2)に下記の説明がありますた。

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【不正の内容】公的機関での受験時、生産品とは異なったもので性能評価を受けて
認定を取得した
【その方法】①燃焼を抑える水酸化アルミニウムを混入した
・・・準不燃材料、防火構造、準耐火構造
②難燃剤の増量・・・不燃材料
【水酸化アルミニウム混入による効果の説明】
    2AL(OH)3    →    AL2O3  +3(H2O)
水酸化アルミニウムは300~350℃になると酸化アルミニウムと水になり、その際
の吸熱作用によりイソシアヌレートフォームの温度上昇や発火が抑制されます。ま
た、酸化アルミニウムは燃えにくく、その相互作用により燃焼を遅延させるというも
のです。
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うーむ。。。なんというか。。

水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムは、無機系難燃剤の代表格。
ならば生産品にも水酸化アルミニウムを混入すれば良かったのでは。。
東洋ゴム工業だけではなく、ニチアスの研究所の方たちだって知らなかったハズはないと思います。
材料物性には詳しくないのでなんとも言えませんが、上記の2つ以外にも難燃性の材料はありますし。

それだけコストダウンの圧力の方が強かったということなのでしょうか。

建材は試験データと価格で決まってしまう部分が多いようなので、しかも国の定める基準をクリアしなければならないモノとなっては、試験データの捏造はほんとにまぁ。。

まぁより優れた試験結果を得るために、試験方法に合わせて多少調整。。みたいなことは、多かれ少なかれ行われているかなとも思います。
あーあやっちまったな。。。そう思っている同業他社や関連企業は、おそらくほかにもあるのでしょう。
でも許容範囲を逸脱してしまっては、企業の社会的責任が問われるのは当然至極の結末。あーあ、やっちゃった。。

偽装は決して許されることではありません。
とはいえ、個人的にはなんというか複雑な気分。。

クリアしなければならない基準こそないものの、うちの会社の製品も建材の一種なので、お客様からよく「試験データはありますか?」とリクエストされます。
民間の案件なら試験データがなくてもGoがでることも多々ありますが、公共事業の場合は試験データの提出はほぼ必須。

幸いなことに今でこそ割と成績の良い試験データがあるので問題ないのですが、以前は試験方法も試行錯誤の段階で「なんでこんな方法で試験してんの?」みたいな手順で行われたら当然のように数値が芳しくなくて困った時期もありました。
効率良く試験を行うことを追求したら、現実とは異なる環境でのテストになってしまった、みたいな。
シロートながらに、試験方法を定める研究機関側と現場の認識にズレがあるんだなぁ。。と思いつつ。

「いや~製品がいいことは分かっているんだけどね、お役所の場合そうはいかないんですよ。もし万が一問題が起きたら、誰が責任をとるのかって話になるからね。自分たちの判断だということになって責任をとりたくないんですよ」

そんなわけで、見栄えの良い試験データが出るまでのしばらくは、こんなセリフを何度も聞きました。

いわゆるお役所仕事なのは、ある程度は仕方ないかなとは思います。
税金が投入されるのだから、できるだけ失敗のない方法を選んでほしいし。

でも失敗のないイイモノって、それなりに高くつきます。
高いにはそれなりに理由があるってもので。はい。原材料名は同じでも、原材料の品質と価格は一律じゃないんですよ。
試験データをとるのだってタダじゃないです。時間だってお金だってかかるんです。
ノーリスク・ハイリターンをメーカー側に押し付けるのはちょっとちょっとどうなの。。と、時々思います。

挙句に、コスパを考えたらそんなに高いハズはないのに、吉○家でサーロインステーキを期待するくらいそもそも見積もりが甘すぎるんじゃゴルァという現場もあったり。。
まぁ、途中でアレコレ中間業者が入って最終的に「ええ~そんなばかな」という価格で販売されていることもあったりしますけどね。。あのねずみ講みたいなの、どうにかなりませんかね。

あと。製品の機序について詳しい説明を求めて納得してくださる方も多いのですが、逆に専門的な能書きを長々と垂れると「ま、いいから。とりえあえず、試験データと価格表をちょうだい。それで納得させられるから」と早々に切り上げてしまう人も多いような。。
これが医薬品だったら、とてもじゃないけどそんな態度はとれないはず。。なのにねぇ。

なんというか、今回の耐火偽装事件は(耐震偽装もか)、メーカー側が悪意を持ってエンドユーザーや元請企業を騙くらかすために打った悪事というよりは、被害に遭われた個人消費者の方々を除くすべての関係者による構造的な問題かなぁ。。とも思ったり。。

かなりむかーしに読んだNEWSWEEKに、アメリカ・ホンダのエンジン開発担当者のインタビュー記事がありました。

経営陣からアメリカの新しい排気ガス規制よりもさらに厳しい基準を課題として与えられ、試行錯誤を繰り返すもなかなかトップからのOKは出ず。
たまらずアメホンの当時の社長に向かって「消費者はエコロジーかどうかで車を選んだりしませんよ」と不満を述べると(まだトヨタのプリウスが発売される前の時代だったような)、社長からやんわりと、「今はまだエコかどうかで消費者が車を選ぶ時代ではないかもしれない。でも、自動車会社には売れるかどうかを考えるだけではなく、環境を守るという社会的責任があるんだよ」と諭された、とか。
かなりうろ覚え。。

まぁ提灯記事かもしれませんが。

一個人としては、今回の事件では、基準を楽々クリアできる製品を余裕で開発できるはずなのに、価格の壁とかそういうものに阻まれて(あくまでも邪推に過ぎません)偽装するしかなかった研究者の人たちがほんのり不憫です。

それだけアスベストが(危険性はずっと昔から唱えられていたので禁止措置には賛成です。日本は残念ながらあまりにも対応が遅すぎました)、安価で優れた耐火材だったということなんでしょうかね。。
どうなんでしょね。。
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自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。

色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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