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Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by - 2026.09.14,Mon
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Posted by norlys - 2007.09.21,Fri
ここのところ、山手線に乗るとLenovo広告電車に遭遇する機会が多いようです。
車内の吊広告がレノボづくしってやつです。

レノボ電車に乗ると、レノボの「最高のPC」キャンペーンの刺激的なコピー群に囲まれちゃいます。
こんな感じ。

「誰よりも先に、完全防水のPCをつくりたい。」
「我慢ならない、衝撃に耐えられないPCなど。」
「価値がないだろう。ハンパに軽くしたところで。」
「心細いだろう。落として壊れるPCなんて。」
「気が済まない。世界の果てでも接続できなかったら。」
「誰もやらない方法で、PCのセキュリティーを極めてみせる。」
「納得がいかない。凍ったくらいで潰れるPCでは。」 

上のコピーの一群にひょっこりと
「飛べない豚は、ただの豚だ。」
と、紅の豚のポスターが混ざっていても違和感がなさそうな、ストイックなハードボイルドさがイイですね。

IBMがコンシューマ向け部門を中国の企業に売却したのがLenovoで、かのThinkPadの意匠や技術はそのまま受け継がれているそうなので、堅牢で堅実なPCを目指していただけるものと期待しましょう。
(でも自分は買わないと思うけど。。はは。ホントに地の果てに行くなら、タフブックとインマルサットを片手に飛び出したいです。BGMはBjörkのBacheloretteがいいです。)

レノボのこれらのコピーは、ひと昔前のようにノートPCが高くて重くてOSも不安定で回線もか細かった時代に、喉から手がでるほど憧れた最高スペックのPCと環境が放っていた輝きを思い出させてくれます。

ワンボックスカーのカタログを比較しながら、ふと、そう、昔はランボルギーニ・カウンタックに憧れたものさ、と思うみたいな。

あぁ、甘酸っぱい。

このレノボ広告のコピーのノリを真似して、自分もちょいとヒネってみました。
「意味がないだろ。粒の立たない炊飯器なんて。」
シロモノ家電にこのハードボイルド感、なんてミスマッチw

山登らーとしては、山登りもお題にしてみたいと思います。
「面白くないだろう。滝を直登しなければ。」
「誰よりも先に、逆層ハングをおとしたい。」
「ありえない。小屋頼みの縦走など。」
「誰もやらない方法で、バリエーションルートを開拓してみせる。」
「価値がないだろう。行動食にシュガーレスキャンディーなんて。」

うむ。。。。

lenovo.jpgなお、Lenovo社のWebサイトに下記の注意事項が記載されていました。

※現在のレノボ製品は、完全防水ではありません。故障の原因となりますので、製品は絶対に水に浸けないでください。
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Posted by norlys - 2007.09.20,Thu

人伝えに聞いた話なので、真偽も仔細も定かではありませんが。。

ある日本人がアメリカ出張中に急病に罹り、救急車で病院に運ばれたとのこと。
医師が現れ開口一番「保険には入っているか」「No」。
「ではクレジットカードはもっているか」「Yes」「それならOK」。
ということで、無事に治療を受けることができたそうです。
(救急車に乗ったとき、つまり病院に搬送される前の会話だったかもしれません。うろ覚え)

専門性の高い緊急オペを受け、無事に一命はとりとめたものの、手術費と入院費用の請求書を見てびっくり。
なんでも高級外車がさくっと1台買えるお値段だったとか。

ちょっと前になりますが、駅前の飯処のテーブルにマイケル・ムーア監督の新作映画「SiCKO(シッコ。8月25日から公開)」のポスターが飾ってあるのを見て、そんな話を思い出しました。

アメリカには国民医療保険制度はないそうです。医療保険はすべて民間。保険料が払えない低所得者層は、生活保護を受けられるようにさらに所得を落とすか、素直に治療を諦めるかの一見不可解な二者択一を迫られるのだとか。(ちゃんと理解していないので、ウソかもしれないけど)

医療保険未加入者は国民の6人にひとりの割合。もっともこの数字にカウントされていない移民の低所得者はもっと多いのかも。

SiCKOのポスターを眺めつつ豚のしょうが焼き丼を食べながらそんな話をしたことを、ふと次の記事を読みながら思い出しました。

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「クリントン議員、国民皆保険案を発表」 (NIKKEI NET 2007/09/20)

来年の米大統領選への出馬を目指している民主党のクリントン上院議員は17日、公約の柱である「国民皆医療保険制度」案を発表した。企業保険の拡充や低所得者層への税控除による負担の実質的な引き下げを通じ、すべての国民に加入を義務づける。最大の争点の1つである医療制度改革で主要候補の公約が出そろい、論戦が激しくなりそうだ。

クリントン氏はアイオワ州での遊説で「政府主導の保険ではない」と強調し、民間保険や公的保険などから国民が選ぶ仕組みを目指す考えを表明。ただ米メディアによると、陣営は公的負担を年間1100億ドル(約12兆円)と試算しているという。同氏は医療費の引き下げや富裕層に対する事実上の増税で財源をまかなうと述べた。 

無保険者が4700万人いる米国の医療制度改革は大きな社会問題。1990年代前半に大統領夫人時代として制度改革に取り組んで失敗した同氏の公約は、今回の選挙戦の最大の注目点の1つになっていた。
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「政府主導の保険ではない」と強調するのは、民間の保険業界に配慮しての発言だと思いますが、ちょっと苦しいかなぁと思います。民間主体でこぼれた低所得者層を救済することを目的として割安な医療保険制度を国が用意するのだとしたら、そこの線引きはどういう形にするつもりなんでしょう。

公的負担が年間約12兆円との試算だそうで、単純にこの金額を4700万人で割るとひとりあたり約25万5千円。試算にはシステム構築の費用やオペレーションにかかる人件費が含まれているので、ひとりあたりの救済予算はもっと少ないはず。がっさり半分と見積もって、月1万円程度の補助金とか、そんな感じでしょか。

おっと、話がずれちゃた。

すべてはオウンリスクのアメリカンドリームに弱者救済の国家プログラムって、なんか似合わないですね。
似合う、似合わないの話ではないかもしれませんが、移民の多い国家で、どこまでを救済してどこからは切り捨てるのか、そのあたりのボーダーラインも興味深いです。

生地主義(米国内で生誕したら自動的にアメリカ国民)を採用しているアメリカで、国民たる資格とはなにか? がより厳格に問われるようになりそうな。

ちなみに移民を多数受け入れているカナダの医療保険制度は日本とおおむね似たようなもので、公的医療保険がベースでプラス民間医療保険で差額を受けとれるよ、というものだそう。

アメリカもマイケル・ムーアに指摘される前に最初からそうしておけばよかったのに。
なんてね。

もっとも公的医療保険制度にもいろいろと限界があって、高度な治療を受けるにはやっぱり民間の医療保険への加入が必要だったり、医療保険制度が国家予算を圧迫するので日本だってどんどん切り下げの方向に向かっているようですが。

さてはて。

豚のしょうが焼き丼を食べながら同居人がヒトコト。
「最近、タイのリゾート地で治療を受けるのが高齢の人とかセレブの間で流行しているらしいよ」

どこの国のご老人やセレブのことかは定かではありませんが、なんでも割安な料金でなかなか先進的な治療を受けることができ、かつバカンスを兼ねてのんびり滞在できて一石三鳥なんだそうです。

なるほどねー。

ヨーロッパの医療制度は手厚いと言われていますが、それでも限度がありますしね。
あと、これはわたしの勝手な思い込みかもしれませんが、福祉制度が充実していると知られる北欧ですが、かの地においてはあまり積極的な延命措置はとられていないような。。この辺、結構ドライなような。
どうなんでしょう。
でも、ある程度そうしないと福祉や医療費補助が国家予算を逼迫しちゃいますしね。。

難しいですね。。。

ブログのタイトル "questo triste mondo malato" 直訳すると、この悲しき病んだ世界。
あまり意味はありませんです。ただなんとなく語感がいいかなと。

Posted by norlys - 2007.09.19,Wed

週末の3連休で白馬に行ってきました。9月14日の金曜夜発で、9月15~17日の2泊3日の山旅です。

出発前々日に台風11号が発生しましたが、荒天の場合には扇町まで出て黒部ダムでも見にいくかなぁ…と考えつつ出発。いつものように、Yahoo! 天気予報で現地の天気予報へのリンクを携帯電話に送信。電波のつながる範囲にいる限りは、これで天気予報をチェック。

予定のコースは、猿倉~白馬尻(大雪渓ルート)~白馬岳頂上宿舎(テント泊)、白馬岳頂上宿舎~白馬岳(ピストン)~杓子岳~鑓ヶ岳~白馬鑓温泉小屋(テント泊)、白馬鑓温泉小屋~猿倉という三角形の縦走ルート。
足の速い人なら1日で、普通の登山者でも1泊2日で歩くことのできるルートですが、わたしたちはのんびりと2泊3日をかけて歩きました(というか、それ以上早く行けない。。あと、白馬岳ピストンは省略しちゃいました)。

以前、同居人を奥多摩や房総の鋸山(これは東京湾横断フェリーに乗る目的が主だったけど)などの里山に連れ出したときに「こんな山はつまらない」とぶちぶち言われたので、んじゃ~日本の山の底力を見せてやろうじゃないの、と日本アルプスのガイドブックをぱらぱら眺めると、白馬鑓温泉の紹介記事が。歩いてしか行けない秘境の野天風呂で、しかも混浴。混浴なら温泉嫌いの同居人も入れるじゃろ、と(ひとりで他人と一緒に風呂に入るのがたまらなくイヤなのだそうな。というか、基本的に風呂桶につかるのが苦手だとか)。
ではと、大雪渓ルートを登って白馬鑓温泉経由で下山するルートのコースタイムを見ると、1日最大5時間半。ふむ、3割増しで考えても1日の行動時間が8時間以内で収まる計算。これならなんとかなるかな・・・と。

そんなわけで金曜日の夜に新宿西口都庁駐車場から出発するさわやか信州号に乗車。台風接近にも関わらずバスは満席。乗客はほぼ全員が登山客。

土曜日の朝、6時ちょっと過ぎに白馬ロイヤルホテル前で下車。約2時間おきに起こされてほとんど睡眠をとれず、頭はいつも以上にボケボケ。登山客御用達の夜行バスにラグジュアリーを求めるほうが土台無理な話なんですが。

ホテルから歩いて5分ほど離れた白馬駅前に移動し、白馬駅前北アルプス総合案内所で軽アイゼンをレンタル。次の猿倉行きのバスは7時15分かぁ…と、時刻表を眺めていると、タクシーの運転手さんがバス待ちの人たちに声をかけてくださり、他の登山客のみなさんと相乗りして6時半過ぎに猿倉に到着。タクシーに乗車中「天気どうですかね」という同乗者の方の問いに「今日は大丈夫でしょう。午後から晴れの予報だし。明日の天気も(雨から)曇りになったしね」とのドライバーさんの答え。携帯で天気をチェックすると、今日明日の白馬村の天気は晴れと曇りのマーク。降水確率も10~30%。
 
ドライバーさんのお話の中で気になった一言。
「白馬は落石事故があったでしょう。今年はまだだれも死んでないけど。でも、また事故が起きたらもう大雪渓ルートは閉鎖になるかもしれない」とのこと。
落石事故の影響か、今年は大雪渓ルートのみならず白馬全体のツアー登山が激減しているとのニュースも目にしましたっけ。うーむ。。

いまひとつテンションが上がらず猿倉荘の山小屋前でうだうだとお湯を沸かしてコーヒーを飲んだりして、7時半過ぎにようやく出発。
初日のコースタイムは猿倉から白馬岳頂上宿舎までの合計5時間半だけど、まぁ8時間くらいかかるかなぁ、午後3時にはテント場に到着すれば上出来かなぁと。

DSCF4532.JPG曇り空の下、林道をちんたら歩いていると、後続のパーティにどんどん追い抜かされていきます。バテて行動不能になるのが一番コワイので、ひたすらマイペース。白馬尻荘を目指す途中で、さぁっと雲が晴れて大雪渓が見えてきました。すばらしい景色。だけど、うーん、遠いなぁ。。

林道の終点から山道に入り、8時半過ぎに白馬尻荘前に到着。山頂付近はガスガスで大雪渓がぼんやりと見えるだけ。残念。
ここで早くもがっつりと休憩をとり、9時過ぎに再び歩き出し。

ケルンを過ぎたところで雪渓歩きになるので軽アイゼンを装着。うまく装着できず、もたもたしている間に大雪渓から吹き降ろす冷気が寒…。そうこうしている間にもどんどん他の登山者が先を行きます。

DSCF4543.JPGつるんつるんの氷の上でも革靴で歩き回る同居人なので、まぁ大丈夫じゃろ~と思っていたとおり雪渓歩き自体は問題ないのですが、ところどころ出ているクレバスやシュルンドに怯み「怖い」とのこと。「こんな危ないところはイヤだ」と。
通行可能なルートは赤ペイントや赤布で示されているので、ルートを外さなければ大丈夫だよと励ます間も「しゅるん、からから」とクレバスから厭な音が…。タイミング悪いなぁ。
雪渓のところどころに吹き飛ばされた木の構造物のカケラ(橋? 小屋の残骸?)が転がっていましたが、同居人がますますビビルと思われたので、あえて指摘はしませんでした。

白馬村の観光情報によれば、大雪渓の雪はかなり少なくなってきて、途中からは秋道が出ているとのこと。
実際、下部では雪渓の端を歩き、すぐに秋道に到達してさっさとアイゼンを外したので大雪渓歩きは実質30分程度でした。小雪渓のトラバースもありません。
時折遠くのほうでサラサラとおそらく岩が転がる音がしました。レインスティックという民族楽器のような音です。
ただ、秋道を歩く分には落石に遭遇する危険性がぐっと減るので、その点は安心でした。

さて、コースタイムからは相当遅れているし、周囲も山頂付近もガスに覆われていて見えないし、手元の高度計はイマイチ信用ならないし、いったいあとどれだけ歩けばよいのやら…と思っていたところに、ぱあぁっとガスが晴れ、はるか頭上に杓子岳の天狗菱が聳え立っていました。
まだ遠いのう…。
 
「落石の危険があるので沢の途中で立ち止まらないでください」という剣呑な看板を確認してから一気に仮橋を渡り、ざくざくと急登の坂道を登っていきました。
大きな岩がゴロゴロと転がる地帯で先行していた登山者の皆さんがお昼ご飯を食べていました。気づけばすでに正午過ぎ。どうやら葱平に到着した様子。
さて、コースタイムであと残り2時間。これならなんとか3時には小屋に到着できるかなと思いながらまた歩き出しました。
 
葱平の先の右手に砂防工事の現場がありました。作業現場には、こんな岩が落ちてきたらひとたまりもないなぁという巨大な赤岩が鎮座していました。それにしても、作業員のみなさんはもしかして毎日この現場に通っているのでしょうか。ご苦労さまです。

ガスが濃くなる中、少しだけ傾斜が緩くなったガレの登山道の周囲を見渡すと、おそらくここがお花畑なんだろな~という場所になりました。まだちらほらと夏の高山植物が咲き残り、木苺が鈴なりでした。ふたりでフーフー言っては立ち止まり、立ち止まっては登り。
 
ふと工事現場を通過したあたりから、わたしたちの後ろにどうやらパトロールと思しき方がいらっしゃることに気づきました。
どんどん追い越されていくうちに、いつの間にか最後尾になってしまったようで。はは。
 
白馬岳の登山道は文様の美しい蛇紋岩。ところどころに石英脈が走っていてとてもきれいです。ヒスイに良く似たネフライト(軟玉)も見つけました。
お花畑の手前あたりは頁岩や緑色岩やチャートの岩屑。北岳山頂付近とよく似た緑や紫色の岩が転がっています。南アルプスと北アルプスはだいぶ離れているのに、なんか不思議な相似点。
 
朝から何度か挨拶を交わした他のパーティと前後しながら、ようやく白馬岳頂上宿舎に到着したのは14時20分。ちょうどパラパラと雨が降りだしたところで小屋に滑り込みました。
小屋には10人弱くらいの登山客がいて、のんびりとお酒をのんだりケーキを食べて寛いでいました。連休中にしては閑散とした印象。まぁ台風接近中ですしね。夏山と秋山の間の中途半端な季節ですし。
 
村営白馬岳頂上宿舎はキレイな木造の建物で、通常の小屋食(カレーとかお蕎麦とかラーメンとか)だけではなく、限定サーロインステーキディナーとかケーキセットとかを提供しています。今回は立ち寄っていませんが、さらに上にある白馬山荘も山小屋とは思えないほど立派な建物でした。ちょいとヨーロッパの山岳リゾートぽくて、わたしは好きです。毛皮を着てサングラスをかけたマダムがテラスでコーヒーを呑みながら読書をしていても様になりそうです。
 
sleeping_kai.JPG雨はすぐに上がったので、テント場に移動してテントを設営。かなりグロッキーな同居人はすぐさま昼寝。
 
上空の風の勢いが激しいためかちぎれ飛ぶ雲を眺めていると、ときどきぱっとガスが切れて青空が広がり、目前に杓子岳が現れました。テント場から見る杓子岳の北面に傾きかけた茜色の陽を照り返し、色といい形といい砂漠のピラミッドのよう。
 
DSCF4661.JPG稜線に上がってガスと晴れ間が交錯する中でぽてぽてとひとりお散歩。杓子岳とそこに続く稜線、旭岳と手前の雪田、その向こうに清水岳。清水谷のはるか彼方に富山湾。平野部に富山市周辺の街。振り返ると白馬山荘とその先に白馬岳の山頂。ただぼけ~っと風景を眺めることが、至福。
 
テントに戻りしばしの昼寝。5時半過ぎに同居人を叩き起こし、再度稜線を散歩。すっかり陽が沈んだところで小屋の食堂に入ってお茶を呑み、テントに戻ると満天の星空。ありがたいことにその晩は雨は降りませんでしたが、夜半に吹き降ろす風が強くテントが揺すぶられ、何度か目を覚ましました。
横を見ると同居人もあまり熟睡できない様子。聞けば、テントが狭くて足を伸ばせず辛いとのこと。うーむそうか。人が寝るときは、身長プラス爪先の長さが必要だったんですね。これは盲点。
 
1日目。
7:35 猿倉
8:30 白馬尻荘前
9:00 白馬尻荘出発
11:50 仮橋横断
12:10 葱平。砂防工事現場
14:20 白馬岳頂上宿舎
 
当初、自分としては2日目は4時起き5時出発で白馬岳ピストンの後に杓子岳方面に歩くことを予定していました。が、前夜同居人と相談のうえ、翌朝の天気が絶対晴れとは限らないし夜行バスの疲れが抜けないまま初日から7時間歩いたので、もうこうなったら白馬岳山頂は寄らずに明るくなってから一直線に次の目的地を目指そう~ということになりました。白馬岳山頂は、ホント目の前なんですけどね。まぁいいや。
 
DSCF4704.JPGそんなわけで6時過ぎにのんびりと起床。青空の下、風でたなびいた雲が流れては飛んでいきます。すでに稜線を歩いている登山客の姿を見上げながらまったり朝食&撤収。前夜には合計20張くらいあったテントが、すでに片手の指程度に減ったテント場を離れ、7時ちょっと前に歩き出し。気温は16度くらいという感じで、さほど寒くはないものの稜線ということもあって風強し。同居人は風に吹かれて耳が冷たくて死にそうだとのたまいやがります。ここで死なれたら困るなぁと思いながら帽子を渡し、しのいでいただくことにしました。 
 
杓子岳に続く稜線は白くザレた珪長石で、このまま建材にしても面白いんじゃないかななどと話しているうちに丸山に到着。
青い空に白い雲。左手に白い岩屑が圧倒的な質量の杓子岳。カールにへばりつくような緑の草地。右手遠方には赤い岩肌が露頭している小ピーク(江戸時代に硫黄を採掘していたといわれる朱殿坊だそうです)。絵になるなぁ。
 
ここはほんとうに気持ちの良い稜線歩きです。「この景色はいい。でも昨日は辛かった…」とこぼす同居人。

DSCF4706.JPG氷河期の氷河が形成したというカールの最低鞍部を目指して下り、今度は杓子岳を目指して登り返し。杓子岳山頂に続くまき道は、見上げるはるか高みまで岩屑の山。草木一本生えてません。採掘場みたいです。なんだかもう、自然はすごいです。
 
DSCF4712.JPGえっちらおっちらガレた岩屑の道を登りつめ、8時15分に杓子岳山頂に到着。杓子岳の北面だけではなく、山頂直下の東面もがっさり切れ落ちていて絶景。なんですが、同居人がこれまた「こんな危険なところはだめだ。早く行こう」と急かします。ぐぅ。山頂西寄りの稜線を歩いていると月の砂漠を散歩しているような気分。ラクダがいても驚きません。多分。


杓子沢コルに降りて、西からの風を避けて東側の岩陰でしばし休憩。風が当たらないのでポカポカして気持ちの良いところです。背後の岩もそれほど脆そうではなくちょっと安心(多分)。ここもまたガレた急斜面がはるか下方まで続いているのですが、なぜか同居人は「ここならキャンプしてもいい」と言い出します。しないけど。基準がさっぱり分かりません。 
 
小鑓に続く急斜面は見た目よりも歩きやすく、みるみるうちにさっき歩いてきた杓子岳よりも高いところに。小鑓を降りたところでまたまた休憩。風の吹き付ける西側の枯れ草のなだらかな斜面と、まだ緑と花の残る東側の切れ落ちた斜面が対照的です。

DSCF4751.JPGいよいよ本日最後の登り~と励ましながら、いざ鑓ヶ岳へ。ここの登りは今までで一番緩やかで助かりました。10時少し前に山頂に到着。180度の展望。絶景かな絶景かな。唐松岳のずっと向こうに黒部ダムが見えます。富山湾もバッチリ見えます。東に見えるのは高妻山と戸隠かな。振り返ると、東面からガスが湧き上がって来たため、白馬岳と杓子岳がまるで双子のような形になりました。なんか不思議。
 
山頂でしばらくのんびりと風景を楽しんだ後、下山開始。白馬鑓温泉小屋と天狗ノ頭の分岐を経て下りのガレた道を下ると、ぷうんと硫黄の匂いが漂ってきました。温泉が待っている~と期待を胸に花と雪田の残る大出原を下りました。山頂の天気は良かったのですが、東斜面に出て標高を下げていくと徐々にガスの中に。下り道とはいえあまりペースはあがりません。下り道って慣れないとちょいと辛いもんですからね。
大出原の台地に出ると、岩に温泉マークがw DSCF4762.JPG
 
いよいよ白馬鑓温泉小屋が近づいてきたかな~というところで、鎖場の下りやトラバースが現れました。それほどたいしたところではないのですが、まぁ落ちたら怪我します。運が悪かったらかなりひどいことになるかもしれません。万が一怪我をされたら困るので、足場を指示しながら慎重に下っていただきます。
ようやく1時ちょっと前に白馬鑓温泉小屋に到着。やれやれ。
 
テント場の受付をしに小屋に入ると、「入浴されますか」とのこと。もちろんです。小屋の宿泊客なら入浴料は無料ですが、テント場利用の場合は入浴料300円が別途かかります。

小屋の受付前にはすでに多数の登山客がいて昼食をとったり温泉に入ったりしていました。
雨がポツポツ降っている中でテントの設営はいやだなぁと思い、ひとまずお昼ごはんを作って食べることにしました。ガスを出そうとごそごそしているうちに雨が止んだので、お昼ごはんの準備はキッチンマスターに任せ、自分は今がチャンスと慌ててテントを抱えてテント場に。
 
DSCF4770.JPGテント場にはすでにテントがちらほら。自分たちだけじゃなくて、ちょっとほっとしました。
テント場の脇にはどうどうと温泉のお湯が流れています。真緑の苔が生した岩肌の上に温かそうな湯気が立ち上っています。

hakubayari_onsen_roten.JPGどうせなら小屋とトイレに近い方がいいよなぁ…と、設営場所を定めてふと振り返ると、びっくり。そこには男湯(一応混浴)が大開放。えぇぇぇぇ。。。。
慌ててもう少し下の方のサイトに移動し、顔を上げないように苦労しながら? テントを張りました。
 
小屋の受付前に戻ると、お昼ごはんの用意が完了。インスタント焼きそば+乾燥野菜&ハム。染みる。
ご飯を食べた後、テントに移動。さっきまでたくさんいた登山客の多くは、どうやら今日のうちに下山するらしく、めっきり人が減っていました。


もしかして、これならお風呂を独占できるチャンスがあるかも…と思いながら、ひとまず足湯に漬かることに。
硫黄の匂いがぷんぷんしていて、めっさ効きそうです。白濁したお湯に足をつけると、ぷわっと湯の花が舞い上がりました。
お湯が熱い~、でも気持ちいい~。DSCF4777.JPG
 
いやはや。ここのお風呂はほんとうに効きます。身体が芯から温まります。すっかり足の疲れも吹き飛びました。
これならぜひ温泉も入らないと…! ということで、見上げるとお風呂には誰もいません。時間的にちょうど次の一団が来るとしてもまだ間があるかも。。。ということで、テントに戻って水着に着替えていざ出陣。お湯の温度は40度ということで、ちょっと熱めですが、これがまた疲れた身体に効きます。
極楽、極楽。標高2100mの天上の野天風呂です。

女湯は女湯で蔽いに囲われたお風呂場があり、そちらは男子禁制。女湯の温度は38度とややぬるめだそうです。20時から21時の間は男湯と女湯が入れ替わります。また、温泉のお湯はそのまま沢に流れ込むので、シャンプーや石鹸の使用は禁止です。
 
温泉からテントに戻ると、またしても雨が降りはじめたので、テントで昼寝。温泉効果でポカポカと気持ちよく、昼寝の割にはがっつり寝ました。
この晩は雨が降ったり止んだりでしたが、樹林帯の小屋の下のテント場ということもあってか風はなく、温泉がすぐそばを流れることもあってかシュラフカバーだけでOKでした。
 
2日目。
6:50 小屋出発 
7:25 最低鞍部 
8:15 杓子岳 
9:50 鑓ヶ岳岳
10:40 分岐 
11:17 温泉マーク通過
12:50 白馬鑓温泉小屋
 
前夜に小屋の食堂のテレビで見た天気予報では、翌日は曇りの予報。台風はすでに朝鮮半島を通過し、日本でも九州や西日本の地域で豪雨をもたらしたとのこと。日本海側に近い長野北部はまだマシな方だったようです。ふむ。
 
3日目の朝、6時に目を覚ますと空は曇りでしたが雨はすっかり上っていました。良かった。テントの中で朝食を食べ、テント内に吊るしておいた水着やタオルを仕舞い、朝風呂を浴びている方たちもいらっしゃるので顔を上げないようにテントを撤収。

下山のコースタイムは合計3時間40分ですが、念のため5時間弱と見積もって、12時20分に猿倉を出るバスに乗るには、遅くとも7時半までには出発しないと~と、前夜に決めていました。7時ちょっと前に準備を終えて、今一度足湯に漬かって癒された後、7時10分過ぎに出発。
 
登山道は温泉の流れの脇を下ります。苔むして厭だな…と思いましたが、案外滑りません。お湯の流れと分かれて下っていくと両側にどこどこと沢が流れ落ちています。雪渓が沢の淵にこびりつくように残っていて、沢の中にゴロゴロと巨石が転がっています。見上げると白馬鑓温泉小屋が斜面にへばりつくように建っています。白馬鑓温泉小屋は雪崩による崩壊を避けるため、毎年9月一杯で閉鎖して小屋を解体し、また次の初夏に建て直すのだそうです。
なんというかもう、自然のスケールの前に人間は小さい存在だなとつくづく感じました。
 
白馬鑓温泉小屋から小日向のコルまでの区間は、鑓沢、杓子沢、三次郎沢と3つの大きな沢を越えていく長いトラバース道が続きます。
3日目は下り一直線だからと同居人に伝えていたのですが、まったくもって嘘でした。ごめんなさい。
緩やかに下降するものの、トラバース道は緩いアップダウンの連続で、おまけに落石の危険がある沢を越えていかなくてはいけません。
 
雪渓が残っている間は雪渓の上を渡って沢を通過するそうですが、わたしたちが訪れた時期にはすでにどの沢も雪渓がちんまりとしか残っていなかったので木の仮橋が架かっていました。大雪渓のところと同様に、ここでも沢が現れるたびに「落石危険。沢の途中で立ち止まるな」という看板が立っていて、同居人を怯えさせるに十分な威圧感を放っています。前夜の雨はたいした雨量ではなく沢もさほど増水しているようには見えませんし、季節からいっても落石の危険は少ないと思いますが、なんとも気が抜けません。
 
三次郎沢を過ぎてしばらくいくと、緑色岩? の露頭が現れました。光沢のある深緑色の岩がざりざりとひび割れています。切っ先が鋭く、そのまま矢尻やナイフとして使えそうです。また、ところどころ硫黄の結晶がこびりついています。
白馬というと高山植物の宝庫ということで有名で、山の夏は終わりの季節ながらたくさんの花を見ることができてうれしかったのですが、個人的にはさまざまな鉱物を見ることができたことがより印象的でした。今回のコースからは外れますが、白馬岳の北から瀬戸川にかけてはかつてモリブデンを採掘した鉱山道の名残があるとか。
 
双子岩を越えて緩やかな台地に到着。どうやら小日向のコルまで来た模様。この界隈は湿地帯で池塘があるところ。登山道の端の水はけの良いところに、どうやらテントを張ったと思われる跡が点在していました。白馬鑓温泉小屋に「午後3時以降の下山は絶対におやめください。小日向のコルで日没になります」といったような注意書きがありましたが、はたして下山を強行したパーティのビバーク地でしょか。冬季のビバーク地にしては、フライ止めの岩がいい具合に転がっているような。。まぁいいのですが。
 
池塘では巨大ミズバショウを発見し、今度はわたしが怯える番。うう、ミズバショウは可憐であってほしい、、、
小日向のコルからは道も整備されて歩きやすいけれど、なかなか退屈で長い樹林帯。
もういい加減飽きたなぁと思いながら歩き続けること2時間半。ようやく登山道入り口に到着。ほ。
しばし林道を歩いて11時10分に猿倉に無事到着。
 
後から下山してきた登山客の方々とタクシーを相乗りして白馬駅に。白馬鑓温泉から下りてきたという方と、あの温泉は良かったですね~冬の間は小屋を畳んでしまうけれど温泉はずっと流れているんですよね~というような話をしていると、タクシーのドライバーさんが「この辺はね、どうも掘れば温泉が出るんだけど、硫黄泉はあそこ(白馬鑓温泉小屋)だけなんだよね」とのこと。実に白馬周辺の地質は複雑なんですね。
 
下山直後、すっかりぐったり気味の同居人は「今回の4分の1くらいの距離だったらいいけど」とか「年に1回くらいならいいけど」とかぶつぶつ文句を言っていました。まぁ、二度と行くことはないにしても、滅多なことでは訪れることのできない山の上の温泉に入ったことで「話のネタができた」とも喜んでいるので、しんどかった記憶が薄れればまたうまい具合に担ぎ出せるんじゃないかとも思ったり。さてはて。
 
7:12 白馬鑓温泉小屋 出発
7:35 鑓沢 
8:05 杓子沢
9:05 双子岩 
9:25 小日向のコル 
10:55 登山道入口
11:10 猿倉

Posted by norlys - 2007.09.14,Fri

yamashoku.JPG週末の山登りにあたってパンを買ってきてくだされと同居人にお願いしたら、どっさりと買ってきやがいました。
こんなに。

夜も朝も行動食もひたすら黒パン。
ハム、チーズ、サーモンパテと、のっけもんで目先を変える予定です。

楽でいいですね。

Den Norske Turistforening (Norwegian Trekking Association)のサイトで "Mat på tur" のページを見つけました。Mat på tur(まーつ ぽー とぅーる) とは「アウトドア料理」のことです。



のんびりトレッキング~というときには、ちょっと挑戦してみたいかも。
ガスを忘れないようにしないと。。

Posted by norlys - 2007.09.12,Wed
本日、安部首相が辞任されたそうで。

うんまぁ、もういいんじゃない。
Posted by norlys - 2007.09.12,Wed

9月に入ってからなにかと慌しい日々で、これは気分転換が必要ではないかということで(といっても、自分は週末になれば山に行っているわけですが)山に行こうよ、山。と同居人に申し出ると「誘ってくれるなら」というまことに殊勝なお返事。あら。
ちょうど一年くらい前に奥多摩に連れ出されて懲りた記憶が、ようやく薄れてきたのかもしれませぬ。

おお、それなら~と言うわけで、いつかは買おうと思っていたテントをこの機会に購入しました。
ついに憧れのマイホームゲットです。不動産登記はできませんが、その分固定資産税もかかりません。
素敵無敵です。

どうせメインで使うのは自分独りなのだから一人用で十分かなぁ…と、ヘタレなので普段なら軽量化最優先の自分も、今回ばかりは居住性を優先してアライテントのエアライズ2を選びました。

同じくアライテントのトレックライズ1もなかなか良さそうでしたが3シーズン用ということで、万が一冬山に行きたくなった場合には対応できないので諦めました。ダンロップのVL22も最後まで迷ったのですが、長辺が205cmとエアライズ2よりも5cm短いことと冬季用のフライがエアライズよりも高かったので断念。

モンベル・マイ・ラヴなモンベラーとしてやはりモンベルのステラリッジ2も検討しましたが、重量がやや重いという点が難点でした。エスパース・マキシムは高さがあって良さそうでしたが、インターフェイスが本格山岳テント仕様過ぎるのとテントフライや内張りが別売のため結局予算オーバーで敗退。その他のメーカーのテントもちょろちょろチェックしてみたのですが、予算や重量の関係で候補から外れました。

エアライズは縫製がいまいちという評判を目にしましたが、届いたテントを見る限り、まぁその通りwという感じです。なんでだろ? というくらい合わせ目がずれている箇所があって、イタリア製かと思っちゃいました。
まぁホツレてきたら自分でミシンを踏むつもりなので、あまり気にしていませんが。

さぁこれでどこでも行ける~と思うだけでノマドな自分はかなりわくわくできるので、すでに払ったお代分のモトをとったような気分です。
安い買い物ではないのでなかなか踏ん切りがつかずにいましたが、買ってしまえばハレバレした気分。

もっとも今週末は雨の予報なんですけどね。。。はは。

Posted by norlys - 2007.09.10,Mon
週末は会山行で湯檜曽本谷に行ってきました。
湯檜曽川は、関東平野を流れる利根川の源流域にあります(源流部からはちょっと西に位置しますが)。

今年は暖冬だったため、雪渓はまったく残っていませんでした。
台風9号の通過直後ということもあって水量が多く、日中の気温がそれほど上がらなかったこともあり、ほとんどの大滝をさっくり高巻きました。
人気の沢だけあって、幕営予定地の二俣にはいくつかビバークサイトが点在し、快適な天然のキャンプ場となっていました。
ツメの踏み跡も明瞭で、薮漕ぎもそれほどたいへんではありませんでした。
魅惑的なカマがたくさんあるので、アツーイ真夏の日にまたいつか再訪したいと思います。

以下は山行記録。

山域: 上越 湯檜曽川本谷(3級)
山行形態: 沢登り 1泊2日
コースタイム: 
土合駅前で前夜泊
(1日目) 4:30起床 → 5:30 一ノ倉沢Pに移動 → 6:00 歩き出し → 7:00 JR巡視小屋 → 7:35 武能沢入渓点 → 7:40 武能沢入渓 → 8:00 湯檜曽本谷の遡行開始 → 8:50 赤淵 → 9:20 5m滝上(ニセ十字峡w) 休憩 → 9:42 十字峡 → 10:00 2段20m 抱返り滝下 → 10:25 休憩(大釜でドボン大会) → 10:50 10m滝上 → 11:30 10m垂直幅広滝下 → 11:50 6m+8m 赤い滝下 → 12:05 40m大滝下 → 12:55 40m大滝上 → 13:20 二つ目の10m滝下 → 13:50 二俣手前右岸の幕営地に到着
(2日目) 5:00起床 → 6:58 歩き出し → 7:40 左手に1735岩峰 → 8:05 奥の二俣 → 8:50 水が涸れてくる(休憩) 薮漕ぎ開始(踏み跡明瞭) → 9:30 源頭部の平原 → 9:35 登山道に合流 → 10:00 朝日岳山頂 → 11:00 笠ヶ岳避難小屋(休憩) → 11:20 笠ヶ岳山頂 → 12:15 白毛門山頂 白毛門遡行組と偶然の邂逅 → 12:50 白毛門 下山開始(あとは各自) → 13:02 松ノ木沢の頭 → 14:10 白毛門登山口
装備: 沢基本装備、タープ+幕営装備、50mロープ×1
その他: 今年は暖冬につき雪渓ナシ、前日朝に台風9号が通過

会山行は湯檜曽本谷組のほか、ナルミズ沢(日帰り+1泊2日)、白毛門(日のみ)の4パーティでの集中山行。
今年はどこかの山頂で集中するのではなく、下山後に会えたらあいましょう~という予定でした。

週の前半に太平洋沖に発生した台風9号が洋上をのろのろと北上。関東を直撃し、日光や軽井沢方面にかなりの被害をもたらしました。

台風通過直後ということもあって増水が心配なところに、ナルミズ沢パーティから胃袋を刺激するお誘いを受けてかなり逡巡するも、当時の朝に川の様子を見てから考えようということに。
もっとも、パーティの誰ひとりとして過去に湯檜曽本谷を遡行した経験をもつ人間はいません。なにしろ4人の平均入会年数が1年弱、4人中3人は正式な沢デビューが今年~という新人4人衆。

いざというときに転進しやすいように、土合駅前で前夜泊。駅前のバス停に赤いスプレーで書かれた「Specter」というグラフィティに一同大盛り上がり。武蔵野の片隅で中高時代を過ごした自分はブラックエンペラーは知っていますが、スペクターは知りませんでした。それとも年の差?

翌朝、土合橋から湯檜曽川を眺めるも「…。」

「…(水量)多いかな」「…いつもこんなものかな」「・・・そんな気もするけど、ちょっと多いかな」「(水が)濁ってはいないよね」「(増水しても湯檜曽川は)濁らないって聞いたよ」「…やっぱり判断できないね」「・・・行ってみて、ウナギの寝床(赤淵)でだめそうならナルミズに転進すればいいよって代表が言ってたよね」

ということで、一ノ倉沢PにGo。

DSCF4349.JPG朝日を受けて光り輝く一ノ倉沢を眺めると、すでに取り付き部分にクライマーたちの姿がちらほら。うーん、岩もいいなぁ…。
駐車場にはカメラを担いだ人たちが何人かいましたが、沢装備をザックに仕舞いこんでいるのは自分たちのみ。

太陽の光は熱いもののまだほんのりひんやりと冷たい空気の中、7時に歩き出し。

JR巡視小屋から先は山道を辿ります。そろそろ武能沢の入渓点が近いから見落とさないようにしないと…と思ったら、武能沢の渡渉地点にちゃんと「武能沢」という標識がありました。

沢装備を整え、武能沢をちょいと下ると湯檜曽川に合流。どこどこと水流もたくましく、湯檜曽本谷の玄関ともいえも魚止めの滝が現れました。

DSCF4362.JPGマイナスイオンたっぷり。

と、わたしのママンが喜びそうなくらい、滝の飛沫が空気中に飛散しています。

いくらなんでもこの水の勢いでは無理…ということで左側の岩をつたって魚止めの滝を越えてると、一転して穏やかな浅い幅広の川になりました。
きっと普段ならもう少し川原が覗いているんじゃないかと思いますが、川幅いっぱい水でした。

少し歩くと、早速本日のメインイベントその1が登場。赤淵です。「ウナギの寝床」「学校の廊下を水浸しにしたよう」と形容される長い淵。

DSCF4374.JPG「想像より短い」「ほんとだ」と口々に言い合いながら一歩踏み出すも、「あ、足がつかない」と、慌てて左岸の岩にしがみつきます。遠めには流れのない穏やかな淵でしたが、意外に足元あたりの流れが強いのか、岩から手を離そうものならすう~っと身体をもっていかれそうになりました。クセものです。

「見下してすまんかった」「意外に手ごわいやつだった」と赤淵を越えると、今度はどご~っと水流が増して、左の方から勢いよく流れ込んできます。ちょうど、目の前に聳える大滝があったので「あれ、ここが十字峡?」「早いね~」と早速岩の上で休憩。
進行方向の反対側のチョロチョロ滝を見やりながら、Uさんが「でも、これが大倉沢? 」としきりに首を傾げていました。

DSCF4394.JPG



休憩を終えて、ちょいと歩き出すと「あ。十字峡…」。見ると滝の上部からぶわーっと豪快に水が落ちてきています。「あ、これが大倉沢なんだ」「じゃあさっきのはニセ十字峡…」と、一同愕然とした後に爆笑。

十字峡を過ぎるとあちこちにナメや釜が現れ、明るく楽しい上越らしい沢に。

2段20mの抱返り滝は左側を大高巻き。薮を漕いで滝の上に出て少し進んだところで沢筋に降りました。
他の大滝も同様ですが、人がたくさん入っているだけあって、高巻きの踏み跡はそこそこ明瞭です。もっとも高巻きルートはすべてリーダーのY君が先行してくれたので、踏み跡がいまいち?な箇所もあったかもしれませんが。

DSCF4411.JPG抱返り滝を越えると大釜が出現。つっと、先を歩くY君が突然後ろを向き、釜にドボン。
続けて一同ドボン、ドボン。わたしも水中メガネを装着して飛び込みました。ひー冷たい~。

幕営予定地に早い時間に着かなければ…ということで、一同「軽量化」を合言葉にそれまでのナメや釜には脇目をふらずに前進を続けてきましたが、この大釜は魅惑的すぎました。




10m滝の左側の階段状チムニーを登ると、七ツ小屋沢の分岐が現れました。左岸を少し歩くとトイ状の岩場。ここは左側の岩場を伝って通過。頭上に送電線が見え、「おいしそうな水」の場所ってどこかな…といっているうちに8m滝下に到着。滝の左側カンテ馬乗りで乗り越えて、しばらくいくとでました、10m垂直幅広の滝。

DSCF4425.JPG←コレ。右から水流の中を左にトラバースして登る…と聞いていましたが(左から登れるという情報もあったけど)、戦意を喪失させるに十分な水量で、さっくり滝の右側を巻きました。

その後現れた、6m+8mの赤い滝も右側から高巻き。それまで花崗岩が主体の岩場だったのに、この滝の付近だけはなぜか閃緑岩で雰囲気がガラっと変わります。

赤い滝を越えると、ついに40m大滝のお目見え。本日の、そして湯檜曽本谷の最大の見所。滝の中段までは階段状で登りやすそうですが、その上は…滝の上部から落ちる水がちょっとした庇となっていて、まぁなんといいますか、「無理」。

下段の左側の階段状を登ると、残置ハーケンがあったのでここでセルフビレイ。水流にあたらないよう左側の岩場をY君がリードで登りました。中段上の草つきまで到達し、木立に支点をとったのを確認した後、残りの3人が順番に登りました。
滝の水流は冷たいし、この頃からガスが垂れ込めてきてパラパラと雨も降り始めたり。
直登ルートから外れて水流の端っこを登るとき、目の前にシュリンゲ付きの残置ハーケンがありました。

中段の草つきから滝の落ち口に向かってトラバース。「これ、ガイドブックと同じルートですね」というY君の言葉を受けて、遡行図を見ると、あホントだ。

滝自体が大きいためか、自然の造形というよりも、人工構造物みたいな印象でした。ごごごご…と流れ落ちる水に巻かれたら絶対に助からないなぁ~とぼんやり思ったり。

40m大滝を過ぎると流れはぐっと穏やかになり、右手の斜面も草原状と、空が晴れていれば文句なく気持ちの良い場所に。10m滝がふたつと小滝がいくつか越えると傾斜が緩やかになり、本日の幕営地である二俣に到着。「あ、着いた」「2時ちょっと前だよ」「早かったね」。

DSCF4461.JPG二俣の少し手前の右岸に広々としたビバークポイントがあったので、ここにタープを張り幕営の準備。
人がたくさん入る沢だしすでに9月に入っていることもあってか、焚き火用の流木や枯れ木は少なかったです。薪探しに遠征に出る途中、二俣手前の左岸(荒れてます)と二俣通過後の左岸(小ぶりですが快適そう)にビバーク地があるのを見つけました。なんか普通のキャンプサイトみたいです。





すっかり濡れたし気温は上がらずではやいところ焚き火でも…と、焚き火をくべるも乾いた木がないためなかなか炎があがらず。あまつさえ非情の雨が降り出しました。orz
じゃあ、早めにご飯でも食べて~という話になったときにたいへんな事が発覚。
ワタクシが今回の食担だったのですが、ガスを忘れてきました。。。。。みなさま、ほんとうにごめんなさい
(ノ´・Д・)ノミ(m´_ _)m (ノ´・Д・)ノミ(m´_ _)m

雨は降るし、ガスはないし…と、仕方ないのでみんなで昼寝。このまま雨が止まなかったらご飯どうしよう・・・と不安にかられながらも自分も束の間の熟睡。
人の声にふと目を覚ますと、4時半過ぎ。本日初めて別パーティの二人組に会いました。こんな台風通過直後に湯檜曽本谷に入るのは自分たちだけかと思っていたのですが…。
別パーティの方たちがここでビバーク予定ならもう少し上流の快適そうな幕営地のことを伝えようかとぼんやりしている内に、そのまま朝日岳を目指して出発されました。

幸いなことに(ほんとに。。。)雨が小降りになったので焚き火を熾し、夕餉の支度。お粗末ながら、なんとか温かいご飯ができました。その後焚き火も、盛大とまではいかなくともなんとか燃え続けてくれました。
一時期空も晴れ、頭上にかかる天の川を堪能したり。濡れたお尻を焚き火に当てて乾かす姿が「雷鳥」に似ている~と盛り上がってみたり。確かに似ているかも^^

翌朝5時に起床。空はいまひとつすっきりしない曇り空で、気温もまだ低め。ポツリポツリと準備を整えつつ「うーん、まだ水の中に入りたい気分じゃないなぁ」なんて思いながらも、下山ルートも長いことだしと朝ごはんのパスタをがっつり食べて(おひとりさま150g(乾燥時)って、普段なら絶対に食べきれない量ですが)、7時ちょっと前にいざ出発。

とはいえ、メインイベントは昨日のうちに片付けてしまったので、特に難所もなく快適な沢歩き。
あの辺に出るんだよね~と、時折見える朝日岳の肩を見やるとかなり標高差が…。うーむ。地図上の直線距離は短いけれど、そういえば標高差約850mの登りだったけ…。

DSCF4488.JPG左手に聳える岩峰(かっこいい)を見送りながら進むと、次第に水量が減り傾斜もきつくなってきました。傾斜が厳しい分、ぐんぐんと高さを稼ぎ、水流が笹薮の中をちょろちょろ走るところで休憩(それまでもちょいちょいと休憩はとっていましたが)。

稜線に上がる踏み跡があるけど、どうしましょう。と、しばし協議。
稜線に上がっても、かえって薮漕ぎが大変なのでは? ということで、しばらく水流を追いかけることに。背丈よりちょっと低い笹に囲まれつつも、水流のところに岩が出ているので思ったより歩きやすかったです。

水流が終わると、腰の辺りまで笹薮と潅木のミックス地帯に。それでもかなり踏まれていて道は明瞭。でも、もうそろそろ朝日岳の山頂に続く登山道に出てもいいのでは…? と一同が首を捻った瞬間、ふっとガスが晴れて目前に草原が、左手に登山道が見えました。「あ、登山道だ」。

DSCF4490.JPG無事に登山道に合流し、木道の上で沢装備を解除。清水峠経由と白毛門経由のいずれの下山道を行くかで再度協議。多少アップダウンがあってもだらだら長い馬車道よりは、いっそ白毛門経由の方がコースタイムを縮められますよ、というリーダーの鶴の一声でルートが決定。

登山道を歩き出してあっという間に朝日岳に到着。朝日岳から笠ヶ岳まではアップダウンの連続で、濡れた沢装備を詰めたザックがずっしり。。

天気が良ければ谷川岳が見える気持ちの良い稜線上の道なのだと思いますが、残念ながらガスで風景は見えず。

まぁ白毛門までいけばあとは下りオンリーだから…と励まし合いながら? 白毛門山頂にたどり着き荷物を降ろしました。と、ちょうどそこに、見慣れた顔が続々と山頂直下の薮から登ってきました。白毛門を日帰りで遡行してきた別パーティでした。すごい偶然です。

そんなわけで大御所となり、集合写真を撮ったり話に盛り上がったりと山頂で楽しい時間を過ごして三々五々下山しました。
湯テルメで疲れをとり、沼田IC近くの焼肉屋さんでお腹いっぱいに食べて帰京しました。おしまい。

(感想)
今年は雪渓がなかったので、おそらく例年よりもグレードはやさしかったのかなと思います。
水量は多めでしたが、およそ遡行図と同じようなルートを辿ったので、普段もそれなりに水量が多い沢なのかなと思いますが、どうなのかな。
新人ばかりとはいえ、パーティ全員の力量が揃っていたので(自分はともかく)、とても楽しい沢登りでした。
ビバーク適地があり1泊2日の設定だったので、先日遡行した笹穴沢よりも、割合のんびりとしたペース配分で行くことができたような気がします。
下山路が長いです。でもまぁ、白毛門から先は下り一直線なので、それほど辛くはありませんが。
いつぞやの大寝坊に続いて、今回の大忘れ物…二度としないように気をつけます(自戒)。
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HN:
norlys
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非公開
自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。

色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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