先週末のお花見の途中で立ち寄ったコンビニで、ふらっと手に取りました。
羽海野チカ氏の新作コミックス、「3月のライオン」第1巻。
前作の「ハチミツとクローバー」が好きだったので、おぉ~これが噂の? 最新作かぁ、と。
主人公は桐山零という17歳の男の子。職業はプロ棋士。幼い頃に家族を亡くし、父親の友人である棋士の家庭に入ったものの、現在は東京の川の手の下町で独り暮らし。
偶然出合った3姉妹や将棋仲間との交流を通じて主人公が成長していく物語(? たぶん)。
掲載誌がエロとバイオレンス満載の青年誌だと聞いていた割に、羽海野ワールド全開でちょっとびっくり。
相変わらずギャグ満載、モノローグ多め、眼鏡男子多数(えぇ自分もご飯3杯イケます)。
男性諸氏にとってはどうなんでしょ。いや、このご時勢ですので少年漫画とか少女漫画という区分は不要なのかな。
舞台が、美大か将棋の世界かという違いはあるものの、主人公が孤独な天才という点もハチクロっぽいのですが、ハチクロに比べると恋愛指数はやや低めで、むしろ生きることの意義を問う率が高くて、その分鬱度150%増(当社比)という感じ。
メインの登場人物もハチクロみたいに(いい加減しつこいな)みんな心優しくてどこかに傷を抱えた人が多数。
テンションが低いときにうっかり読むと、もってかれそうなので要注意かも(なにをだ?)。
作品は異なれど、作者の世界観がだだもれ。慈悲の心に満ち透徹した母性愛満載。
失ったものへの郷愁や痛みが足を絡めとることもあるけれど、獲得した勝利ですら一過性のものに過ぎず、この世で変わらないものはなにもないんだよ、そういうものだから仕方ないよ、みたいな。さぁ、お腹空いたからご飯でも食べようか、みたいな。
て、母性愛なのかな、これ。むしろ、諦念というか悟り?
ふと胸の内を抉ると暗い淵を覗いてしまうこともありますが、自分がいくらそこに立ち止まろうとも時間は情け容赦なく過ぎてしまうものなんです。暗い淵もやがて日常のさまざまなイベントと一緒に、アルバムの中の一枚のようにきちんとしまいこまれてしまい、その現象を成長と人は呼ぶのです。たぶん。
まぁ、そういうのが好きか苦手かは読者側の好みで分かれるのだろうと思います。自分は好きですが。
あと、将棋が好きな人にとっては将棋が小道具として用いられるのは物足らないかもしれませんが、それはまぁマンガなのでということで。
(クライミングとかを題材にしたマンガなら目を皿のようにして突っ込みどころを探してしまうので、気持ちはわかるけど)
自分は将棋のことはよーわからんのですが、主人公の孤独感を際立たせる素材としては最適だと思うので、うまい素材だなぁ~と感心しております。はい。
・第1話を試し読みできます-> 「3月のライオン」第1巻発売記念サイト
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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